サービス・地方創生

状況・内容に応じた使い分けが重要!
使用シーン別翻訳ソリューションご紹介

グローバル化が浸透した現代において、外国語話者とコミュニケーションを取る機会はグローバル企業の会議室だけでなく、あらゆるビジネスシーン、日常生活などさまざまな環境に拡大しています。
それに伴い、外国語話者とコミュニケーションをとるシーンも1対1の会話から多人数での会話、複雑なテキスト読解など多岐にわたるようになり、内容についても専門性が高いやり取りが必要な状況も見られます。
一方、外国語と接する機会や状況が多様化するにあたり、翻訳ツールも各状況に合わせた多様な発展を遂げてきました。今回は使用シーンや内容に応じた、各翻訳ツールの使い分け方をご紹介します。


翻訳ツール発展の流れ

機械翻訳が一般化したのは、ニューラルネットワークを活用したニューラル機械翻訳の構想が生まれ始めた2014年以降の事です。ニューラル機械翻訳とは人間の脳神経伝達システムを模したアルゴリズム「ニューラルネットワーク」にAIの学習機能を適用し、文脈から適切な文法・単語の翻訳候補を選択し、人間の言葉に近いレベルの翻訳を実現したシステムです。
それまでの機械翻訳は膨大な言語ルールのプログラム化が課題であり、翻訳結果の品質に課題がありました。ニューラル機械翻訳は人間の脳を模したネットワークで、人間の思考に近い流暢な翻訳が可能となりました。さらに機械学習が可能なため、年々その翻訳品質は向上しており、今やビジネスや複雑な専門書籍の翻訳にもある程度の活用が可能なレベルに到達しているのです。

高い翻訳品質① 医療論文翻訳

ニューラル機械翻訳の品質を実感できる使用例として、医療・薬事業界での活用が挙げられます。
医薬・製薬開発企業や医薬品取扱会社、医療機器メーカーなど医療関連企業のお悩みのひとつが「海外の文献・論文」。通常の翻訳に加え、専門性の高い内容・専門用語への対が必要なため従来のAI翻訳では対応が難しく、人による翻訳でも対応可能な翻訳者は少なく専門会社への依頼や、医療関係者や製薬会社スタッフ自身での翻訳が通例でした。
しかしニューラル機械翻訳をもとに更なる精度向上を施し、医薬論文翻訳に特化した改良を重ねたTOPPANの「PharmaTra™」は、たった3ステップで高精度の翻訳結果を得ることができます。

関連サービス 医薬分野の翻訳業務効率化 「PharmaTra™」 詳細を見る

その高い翻訳精度で、日常的に大量の医薬論文を扱う製薬会社の業務効率化に寄与しております。

導入事例 製薬会社A社様インタビュー 詳細を見る

宜しければ下記に、TOPPANが本システム開発で得た医薬論文の翻訳ノウハウや、医薬論文翻訳ソフトを検討する際のポイントをまとめましたので、あわせてご覧ください。

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高い翻訳品質② 金融文書翻訳

医療と同じくらい専門性が問われる文書を翻訳する必要性がある業界として、金融業界も挙げられます。
金融業界も医療業界と同じく特有の表現や固有名詞などが多く、金融翻訳のスキルを持ち、知識・経験豊富な翻訳者に依頼するのが基本ですが、コストや時間がかかります。
また、医療業界との違いとして契約書や非公開の文書の翻訳を行うことも多く、そもそも社外に依頼することが難しい場合もありますし、一般的な機械翻訳ソフトを使用すると情報漏洩に繋がる場合もあります。
TOPPANでは高精度なAI翻訳エンジンに加え専門用語対応、セキュリティも強化した金融文書翻訳専用の「FinTra®」を開発。金融庁及び金融専門団体、銀行、証券会社等さまざまな金融関連機関でご導入頂き、業務効率化をサポートしております。

関連サービス 金融文書翻訳特化の高精度AI翻訳サービス 「FinTra®」 詳細を見る

対人コミュニケーション・会話でのAI翻訳活用

ここまでは人間でも翻訳が難しい文章での活用例をご紹介しましたが、会話や接客など、対人コミュニケーションでの翻訳にも機械翻訳は活躍します。TOPPANでは高精度翻訳エンジンを活用し、さまざまな利用シーンに特化した翻訳ツールを用意しております。ここでは利用シーンごとの各ツールや、導入事例も一挙ご紹介いたします。

1対1での多言語コミュニケーション

スマホの普及に伴い、音声を認識して翻訳結果を返してくれるアプリも認知が高まり、旅行や業務に活用する例が散見されるようになりました。しかし無料のアプリケーションは翻訳精度があまり高くないものもあり、業務に利用するには品質が課題となります。特に行政の案内や医療に関わるサービスなど、生活や安全に直結する場合は尚の事です。
業務利用を行う場合は翻訳精度や機能に応じてツールを選定したいものです。
TOPPANの音声翻訳サービス「VoiceBiz®」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の多言語音声翻訳技術の研究開発成果に基づいたAI検索エンジンを採用し、精度の高い翻訳を実現。さらに音声翻訳12言語、テキスト翻訳30言語に対応し、さまざまな国籍の方が来る可能性のある窓口・接客業務でも多数の活用例がございます。

関連サービス 外国人・多言語対応用音声翻訳サービス 「VoiceBiz®」 詳細を見る

さらに、窓口業務に特化した翻訳ツールも。
この「VoiceBizⓇ」を透明ディスプレイに搭載し、お互いの顔を見ながら翻訳結果も見ることができるツールも登場しています。空港や駅のような騒がしい場所での導入や、聴覚障害のある方へのサポートツールとしての活用も増えています。

関連サービス 透明ディスプレイ&高精度翻訳システム 「VoiceBiz® UCDisplay」 詳細を見る

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1対複数の多言語コミュニケーション

訪日外国人による観光需要も高まり、さまざまな国の方が日本の観光に来る中、観光地の多言語化の必要性にも注目が集まるようになりました。有名な観光地であれば英語や中国語を話せるガイドがいることも多いですが、その他の言語はどうでしょうか。
また、最近では着地型観光と呼ばれる観光スタイルも一般的になりました。さまざまな国籍の方が個人で観光地を訪れるので、常時多言語対応できる体制が観光地にも求められるようになりました。
ガイドや施設案内など、他言語かつ複数の方と同時にコミュニケーションをとる場合は、従来の翻訳ツールでは音声認識や結果表示が追い付かないこともあります。そのような場合は1対多数に特化した翻訳ツールを使用した方が良いでしょう。
「RemoteVoice®」はチャット形式で多言語対応・チャット形式の翻訳ツールで、音声認識とテキスト入力に対応。手元のデバイスに翻訳したい文章を入れると、個々人のデバイスに設定した言語でテキストを表示しますので、複数国籍・複数人と同時にコミュニケーションを取ることができます。

関連サービス 遠隔多人数翻訳サービス 「RemoteVoice®」 詳細を見る

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市役所・自治体での翻訳活用

ここまではコミュニケーションをとる人数別でのツール活用を紹介して参りましたが、ここからは実際の活用例も交え、利用場所別の活用方法をご紹介します。

少子高齢社会の到来・人口減少の影響もあり、日本でも外国人労働者の割合が増加しております。日本に在住する労働者やその家族のために、市役所や市民サービスにも多言語対応が求められるようになりました。情報提供や情報発信を多言語もしくはやさしい日本語によって行っていくことは、必要不可欠になっています。しかし実際の外国人対応においては、各地域における在留外国人の絶対数・割合が少ない、人材不足などの理由から、多くの場合情報の多言語化や各種窓口における多言語対応がなかなか進まない現状も見られます。こうした中、翻訳ツール活用で多言語に対応する自治体も見られるようになりました。

導入事例 在留外国人のくらしを多言語対応で支援 東京都墨田区役所 詳細を見る

導入事例 多言語対応DX・外国人対応サービス向上 栃木県宇都宮市役所 詳細を見る

自治体窓口業務はまず日本の住民サービス・制度に関する説明も必要であり、専門用語や特有の言い回しも多数見られます。一般的な翻訳ツールでは対応が難しいこうした表現も、「VoiceBiz®」であれば高精度の翻訳結果を出すことができます。

関連サービス 「VoiceBiz®」 自治体・地方公共団体向け機能ご紹介 詳細を見る

学校・教育機関での翻訳活用

在留外国人が増えると、当然日本の教育機関に就学する児童・生徒も出てきます。
生徒同士の交流や、授業、校内放送。学校には音声で行うコミュニケーションがあふれています。日本語指導担当教師が常に生徒と行動できるのが理想ですが、同席できない状況も起こり得ます。
また、保護者と先生がやり取りを行う場面も多数発生するため、教員や生徒、保護者が必要な時に、自由に使える翻訳ツールが求められます。

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先述の「VoiceBiz®」は学校で使う用語や教育内容に特化した用語集も用意しており、授業サポートや生徒指導、PTA活動、保護者面談にも活用することができます。

関連サービス 「VoiceBiz®」 学校・教育機関向け機能ご紹介 詳細を見る

また、外国人児童生徒の保護者との連絡は、日常的にコミュニケーションが取れる児童生徒自身以上に課題が多いとされています。なぜならば、保護者によっては日本で暮らしているものの、日常的に日本語に触れる機会が少なく、母語以外の言語でのコミュニケーションが困難な場合もあるからです。そのため児童生徒が忘れずにプリントを保護者に渡しても、放置されるケースも多く発生しています。
また、日本での就学経験がない保護者にとっては「三者面談」「防災頭巾」「習字道具」など日本の学校独自の用語や道具が分からず、連絡を読んでもらえたとしても意図が伝わらないことも多々あります。

そのような外国人保護者向けに、学校・教員間との連絡に特化したWeb連絡帳「E-Traノート」は開発されました。
保護者には母語で学校からの連絡が届き、分からないことはすぐに先生へ質問することができます。教員も連絡が伝わっているか簡単に確認ができ、「習字道具」がどういうものか写真を送って説明を簡略化することもできます。定型文も登録できるので、「集金のお知らせ」など毎月の連絡や、外国人保護者から頻出する質問「三者面談とは何をするのか?」などの回答を事前に作っておいてすぐ送ることもできます。

実際に「E-Traノート」を活用している学校の事例をご紹介します。
岐阜県各務原市立緑陽中学校では12名の外国人生徒が在籍しており、従来のプリントでの保護者連絡がうまくいっていない事や、巡回職員の負担解消を目的に「E-Traノート」の導入に至りました。
導入に至るまでの課題や、導入後の変化については下記事例コラムを是非ご覧ください。

導入事例 「E-Traノート」 岐阜県各務原市立緑陽中学校インタビュー 詳細を見る

医療機関での翻訳活用

在留外国人の増加に伴い、地域に根差した個人医院や小~中規模の医療法人でも外国語を母語とする患者の受診機会が増加しております。知人・友人やアシスタントサービス・ボランティアとともに来院する場合もありますが、同伴者なしで来院する患者も増えており、医院側での受け入れ態勢強化の必要性は高まる一方です。
TOPPANでは医院の受付業務・看護業務に特化した用語集を搭載した「VoiceBiz®」を用意しており、患者とのコミュニケーションをサポートしております。

関連サービス 「VoiceBiz®」 医療機関向け機能ご紹介 詳細を見る

そのVoiceBiz®を実際に、診療所でテストしてみました。果たして、外国人の英語は、診療所の受付できちんと翻訳されたのでしょうか?使いごこちはどうだったのでしょうか?
ぜひ下記記事もご覧ください。

関連記事 医療機関で音声翻訳サービス「VoiceBiz®」を使ってみました! 詳細を見る

まとめ

精度の向上やデバイスの小型化・多様化にともなって翻訳ツールの活用シーンは日々拡大しており、現在ではそれぞれの利用状況に特化した、多様な翻訳ツールが登場するようになりました。
それぞれの利用シーンや翻訳したい内容、状況に応じた、適切な翻訳ツールを導入することでサービスの向上や業務効率化を図ることができます。
ぜひ本記事を参考に、適切な翻訳ツールをご検討ください。

2023.09.13

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