働き方改革

限られた時間内の翻訳作業で有効活用

医療論文や治験データには英語等の日本語以外の言語で作成されたものが多く、製薬会社では日常業務レベルで医療英語と接する必要が生じます。
そのような医薬翻訳業務を効率化するため、凸版印刷では高精度AI機械翻訳ツール「PhamaTra™」を開発・提供しております。
製薬会社大手のA社様にPharmaTra™導入の経緯や効果などについて伺いました。


「医薬 翻訳 PharmaTra™」導入前の課題について

製薬会社にはクスリについての最新情報を全世界の医療施設や規制当局に提供し続けることが求められており、その際に受ける様々な問い合わせに対して迅速に回答する必要がある。このとき、日本を担当するオフィスでは、世界言語である英語と日本語との翻訳作業を避けて通ることはできない。通常はこの作業を翻訳会社に依頼することもできるが、急を要する場合は内製せざるを得ず、限られたリソースでの対応に苦慮しているのが現実だった。

「医薬 翻訳 PharmaTra™」導入経緯について

数年前に出現したニューラル機械翻訳(いわゆるAI翻訳)は、今や翻訳作業の「下訳」として活用できるレベルにまで達した。その翻訳精度は、AIのアルゴリズム(AI翻訳エンジン)の最適化に加え、対訳データ(学習させる日英対訳コーパス)の量と質により決まるとされている。PharmaTra™では、製薬業界で使用される文書の日英対訳コーパスを大量に学習させることで、業界に即した精度の高い翻訳文を速やかに生成可能なため、実用的な翻訳サポートツールとして極めて有用であると判断した。

「医薬 翻訳 PharmaTra™」現在の活用状況とその効果

各国の規制当局からの照会に対して、全世界で同じ主張を基に回答する必要がある。このため、日本での規制当局からの照会に対する回答作成時には、極めて限られた時間の中で文案を巡り、日本のオフィスと海外本部との間で日英/英日の翻訳を複数回重ねるのが常である。導入前には、担当者が深夜までかけて翻訳することも多かったが、PharmaTra™の導入により精度の高い下訳が数分で生成されるようになったことで、翻訳作業ではなく文案を練る作業に集中できるようになった。

また、英文で書かれた分厚い報告書等を複数斜め読みしたい際にも、ファイル翻訳機能により翻訳済文書を即座に入手できるので、助かっている。

「医薬 翻訳 PharmaTra™」について今後期待すること

機械翻訳の性能を継続的に高めることができる仕組みを構築し、高性能なAI翻訳をいつでも活用できる環境を整えてほしい。そのような環境が整うことで、製薬関連文書の翻訳に携わる方々のみならず、製薬業界や医療従事者、さらには疾病や治療に関わる知識を得たいすべての方々にとって、リアルタイムで最新情報を得ることができる「社会資産」になると考えられる。

2021.12.06

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