公共サービス・地方創生

外国人住民の暮らしをサポート
「VoiceBiz®」を活用した宇都宮市の取り組み

今、自治体窓口での、多言語対応DX・外国人対応サービス向上による課題の改革が求められています。
「VoiceBiz®(ボイスビズ)」導入の活用効果について、宇都宮市市民まちづくり部の担当職員に話を伺いました。


外国人住民をしっかりサポート !「VoiceBiz®」導入について

宇都宮市には、さまざまな国籍の方が暮らしています。一時はコロナ禍で減少を見せたものの、再び増加傾向にあり、現在は約9,500人、国籍はおよそ80カ国にも及びます。このようななか、宇都宮市では、外国人住民の生活支援のため、生活相談、日本語学習、日本人と外国人の交流などを行う「国際交流プラザ」を運営しております。

VoiceBiz®(ボイスビズ)|自治体窓口での多言語対応DX・外国人対応サービス向上による課題改革事例|凸版印刷

これまで、国際交流プラザでは、各言語に対応した専門のスタッフが常時いるわけではなく、外国人の方の言語によっては、すぐに対応できない場合がありました。英語や中国語の場合はスタッフに話せる者がいるのですが、その他の言語になると、どうしても即日の対応は難しく、また別日に来てもらう必要がありました。ところがVoiceBiz®を導入することで、その場での対応が可能になることが増え、スピード感を持ち外国人の方のサポートができるようになりました。

行政用語も翻訳でき、来庁の目的がつかめる! 「VoiceBiz®」導入による職員の意識の変化

今までは市役所の各窓口では、外国人の来庁があった際には、外国語のできる職員に対応を頼んだり、毎週木曜日に出張でくる「国際交流プラザ」の専門スタッフに頼っていましたが、VoiceBiz®導入以降は他の職員にもやらねば、という意識が高まりました。年に一度、利用方法の研修も行っています。コミュニケーションが大変、という声もありますが、今までは来庁者の目的がわからなかったのが、VoiceBiz®を使って手がかりがつかめるようになった、という前向きな職員も増えました。

いわゆる「行政用語」とか「役所言葉」と言われるような、住民票・マイナンバーカードなど、そういった内容の会話もできますし、目的がつかめると、その後の案内もスムーズになり、時間・労力の短縮になっています。

主な窓口に「VoiceBiz®」を設置。 さまざまなサポートにも活用

VoiceBiz®(ボイスビズ)|自治体窓口での多言語対応DX・外国人対応サービス向上による課題改革事例|凸版印刷

外国人住民の方は働いている方だけでなく、留学生や、その家族もいらっしゃるので、来庁される目的もさまざまです。このようなことから、本庁舎の総合案内はもちろん、転入・転出の窓口や、税金関係窓口、子育ての相談窓口など、外国人が多く利用する窓口にVoiceBiz®をインストールしたタブレットを設置、使用しています。お子さまの乳幼児健診にも活用しています。

完璧には翻訳できなくても、根気良くやりとりすれば、必要な対応ができると思いますし、VoiceBiz®の導入後、母国語でやりとりができるようになったということで、外国人住民の方が気軽に来所いただけるようになったのではと思います。

今後「VoiceBiz®」に期待することは?

VoiceBiz®(ボイスビズ)|自治体窓口での多言語対応DX・外国人対応サービス向上による課題改革事例|凸版印刷

英語・中国語・韓国語以外の言語、例えば、宇都宮市ではベトナム語を使う方が増えていますので、より翻訳の精度が上がっていくと嬉しいですね。二、三回やりとりして、やっと伝わる、ということもありますので。どうしても翻訳が上手くいかない場合は通訳者を交えた三者通話ができるようになれば助かります。

また、母国語でコミュニケーションを取ると安心できる、という声がある一方で、住民の方の不安が解消できたのか分からない場面があるのも事実です。窓口対応に関しての満足度が見えるような機能があれば、VoiceBiz®利用の効果検証にも繋がるので、そういったことにも力を入れていただけたらと考えています。

2022.10.26