公共サービス・地方創生

着地型観光とは? 
人気の背景から課題や対応策まで徹底解説!

いま、着地型観光が人気を集めています。着地型観光とは、従来のように大都市等の発地の観光業者が観光やツアーを企画するのではなく、現地の地域が地域の魅力を押し出す観光やツアーを企画し提供するものです。その人気の背景にはどのようなことがあるのでしょうか。また地域の着地型観光を企画運用する際に直面する課題や対応策まで解説します。


 着地型観光とは?人気の背景から課題や対応策まで徹底解説!|凸版印刷

着地型観光とは

着地型観光とは、「旅行者を受け入れる側の地域=着地側」がその地域の魅力を伝える観光資源をもとにした観光商品や体験プログラムを企画・運営する観光の形態です。ただ単に地元の事業者や観光関係者などがプランを企画するだけでなく、旅行に訪れる個々人が独自にその企画されたプランを組み合わせて観光ルートを決め、自由に観光地や店舗を訪れる形態であることも大きな特徴です。分かりやすい例でいえば、旅行者が旅行先で自ら好きなプランを選んで参加するオプショナルツアーのようなものです。

「着地型観光」は、従来のような発地の大都市にある旅行会社が企画・運営する「発地型観光」に比べて、地域経済への波及効果が大きいうえに、地域の魅力を伝えやすいことから、地域創生にも高い期待が寄せられています。地域性の強い観光資源をもとにプログラムやツアーを企画することにより、地域の活性化につながります。

着地型観光が人気の背景

着地型観光はいま、旅行者から絶大な人気を集めており、従来の発地型観光と比べてメリットを感じる人が多いようです。なぜそこまで着地型観光は人気なのでしょうか。主な背景を見ていきましょう。

●旅行の個人化の浸透
近年、従来の団体型旅行は少なくなり、個人型旅行のほうが主流になっています。その結果、個人の嗜好も多様化しており、旅先でしか味わえない体験など、旅行プランにオリジナリティを求める傾向が強まっています。着地型観光では、そうした近年の旅行者のニーズを満たすことができます。これにより、旅行者の満足度が高まることから、より着地型観光の人気が高まっていると考えられます。

●旅行者の少人数化
近年の旅行の傾向として、旅行者の少人数化が進んでいることが挙げられます。地域は個別に独特のプランやツアーを企画するため、少人数のほうが受け入れやく、旅行者と受け入れ側のニーズがマッチしているためです。

●訪日外国人の需要
着地型観光は、地域観光の重要な旅行者分類である外国人旅行者のニーズも満たすことができます。外国人旅行者の多くは、日本の各地域の特色を楽しみに訪れることが多いため、地域の魅力を発信する着地型観光は世界の様々な国から、個々の興味関心を抱いて日本を訪れる外国人旅行者にとって魅力的です。

着地型観光の課題

着地型観光とは?人気の背景から課題や対応策まで徹底解説!|凸版印刷

着地型観光は、着地側の地域にとって旅行者を惹きつける恰好のトレンドといえます。一方で、着地型観光を企画・運用する観光地や施設・自治体は、次のような課題に直面しています。

●企画・運用面の課題
企画・運用における課題では、まず地域のビジョンや地域資源の発掘などを経て、商品企画を実施する際には、販売ルートをしっかり考える必要性があります。また、地域住民と良い関係を築き、協力を得ることが不可欠です。地域内での告知やPRも重要であるため、その知見や、地域の魅力を説明できる人員の確保も求められます。

●外国人対応の課題
着地型観光の重要な担い手である外国人旅行者に対しては、日本人旅行者とは別に、着地側の特別な対応が必要で、そのための準備が求められます。特に外国語対応については最も大きな課題です。外国人と言っても米国、欧州、中国・韓国をはじめとしたアジアなど、様々な言語圏の人々が訪れるため、英語通訳だけを準備しておけばいいというわけにはいきません。実際、通訳を数名置くだけでは対応しきれないケースもあります。さらに、外国人は日本人とマナーや食文化等の面で習慣が異なることが多く、その対応にも配慮が求められます。情報提供や各種説明のために張り紙をするにあたっても、何十ヶ国ものパターンを用意する必要があります。

企画・運用面をご検討中の方へ

観光分野にデジタル技術を取り入れる「観光DX」が拡がっています。
ここでは、いくつかTOPPANの「観光DX」ソリューションをご紹介したいと思います。

●ウォーカブルなまちづくりを推進する、TOPPANの「まちなかAR」は、高精度なAR技術を用いて、風景にリアルタイムの飲食店情報・地域情報・キャラクターなどを投影し、体験、案内、情報、安全がARで拡張される対話型のまちなか探索を実現します。

着地型観光とは?|まちなかAR|TOPPAN

・魅力的な観光体験:エンターテイメント要素を取り入れ、楽しみながらまちを探索できます。
・ナビゲーション向上:リアルタイムの案内や最適経路を提供し、まち歩きをスムーズにします。
・ 情報拡張:ARで建物や名所の詳細情報を表示し、まちの魅力を深く理解できます。
・ 安全性向上:ARで危険箇所や交通情報を可視化し、歩行者の安全をサポートします。
この技術は、博物館等の見学施設でも有効に活用できます。


●地域のファンを開拓し、継続的に繋がりを維持したいという課題も多く聞かれます。
TOPPANの「地域ファンサービスプラットフォーム構築・運営支援サービス」は、地域の魅力的なコンテンツを開発し、地域のファンを開拓・育成し、継続的なビジネスにつなげるプラットフォームです。

着地型観光とは?|地域ファンサービスプラットフォーム構築・運営支援|TOPPAN

マーケティング視点もとり入れた地域の魅力開発(①ファン開拓)から、地域のファンが集うサイトの構築(②ファン化)、ファンに向けたさまざまな地域サービスの提供(③ファン育成)まで、ワンストップでサポートします。
このプラットフォームを通じて、地域のファンと継続的な関係を築くことで、関係人口の拡大および地域経済の活性化をご支援します。


●地域の史跡・文化財を活用した集客施策で効果を発揮するのが、TOPPANの観光誘客・XR観光ガイドアプリ「ストリートミュージアム®」です。

着地型観光とは?|ストリートミュージアム®|TOPPAN

「ストリートミュージアム®」は、国内最大級のXR観光プラットフォームアプリで、史跡を往時の姿に復元した現地体験型のXR観光を実現します。
・旅前:アプリから史跡についてのガイドや周辺情報を調べることができ、観光誘客施策として活用いただけます。
・旅中:史跡に設定されたAR/VRポイントに行くと史跡の復元を見ることができ、さらに、音声ガイドや古地図でのまち歩きを楽しめます。 周辺の史跡情報もあわせて見られるため、地域周遊の促進を図れます。
・旅後:訪れた史跡は「コレクション」に。旅を思い返すきっかけとして、再来訪を促進します。
デジタルスタンプラリーや謎解きイベント機能も搭載しています。

外国人対応にお困りの方へ

着地型観光とは?|RemoteVoice®|TOPPAN

着地型観光においては、着地側の人手不足と外国語対応が大きな課題となっています。その外国語対応の課題を解決する一助となるのがトッパンの遠隔多人数音声翻訳サービス「RemoteVoice®(リモートボイス)」です。

「RemoteVoice®」は、チャットルームを作り、言語の違う相手との音声・テキストによるコミュニケーションが可能です。話した内容が設定した言語で自動翻訳され、それぞれの端末に表示されます。専用端末は不要であり、各自が所有しているPCやスマートフォン、タブレットなどの端末で手軽に使えます。

例えば、着地型観光を提供する事業者が、外国人旅行者からの問い合わせに対応する際には、事業者側で作成できるチャットルームのURL・QRコードに外国人旅行者が所有するPCやスマートフォンからインターネットを通じてアクセスしてもらい、名前と言語を設定することで利用が可能になります。
互いにチャットルームを介して音声翻訳によるコミュニケーションが取れるので、対面時はもちろんのこと、遠隔でのコミュニケーションや、複数言語・複数人に対しても同時にメッセージを送ることができます。そのため、複数言語対応に翻訳人員を何人も配置する必要がなく、少ない人数で効率的に案内等を行うことができます。

地域の魅力を誰よりも理解する地元の方が自身の言葉で、様々な国から来た多くの外国人旅行者に、地元の魅力を伝えるためのツールが「RemoteVoice®」です。

まとめ

着地型観光は、今後ますます日本人・外国人問わず旅行者に対して注目が高まっていくものと思われます。旅行者の誘客、地域のファンになっていただいてリピーター化してもらうための観光DX施策、特に大きな課題である外国語での対応については、ぜひ早々に解決しておくことをおすすめします。その一助となる「RemoteVoice®」について詳細をお知りになりたい方は、ぜひサービス詳細ページをご覧ください。

2022.12.20