公共サービス・地方創生

地方行政の各業務をデジタル化するには? 
よくある課題と解決策をご紹介!

自治体DXが推進される中、地方行政の各業務をデジタル化する流れが起きています。実際に、あらゆる業務のデジタル化を検討しながらも、最も効率の良いやり方はどのようなものなのかを検討している方も多いのではないでしょうか。

今回は、地方行政の業務のデジタル化のヒントをお届けします。「BPO利用によるデジタル化」から「窓口業務のデジタル化」「データ入力のデジタル化」「業務の自動化」「住民通知業務のデジタル化」の5つの分野における業務のデジタル化の課題と解決策を見ていきましょう。


BPOによる業務効率化の推進方法

地方行政業務においては、BPOを活用して業務効率化を目指す試みが行われています。現場では次のようなニーズがあり、BPOで解決できることがあります。

●リソース不足の中で業務の多様化、煩雑化が進んでいる
●職員がコア業務に集中できるようにしたい
●新しい法律や制度に伴う問い合わせ対応や申請業務を進めたい
●住民サービスをオンライン化したい

このようなニーズに対しては、BPOが役立ちます。BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の頭文字を取った言葉で、自治体や企業が業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを意味します。
単なるアウトソーシングと異なり、BPOの目的は「業務改善・業務の効率化」にあります。

TOPPANの「BPOソリューション」は、自治体の方にも多く利用していただいているサービスです。問い合わせ対応や申し込み受け付けなど、帳票を扱うバックオフィス機能をアウトソーシングすることにより、効率化とコスト削減を実現します。

また、「自治体向け Hybrid-BPO®サービス」は、デジタルとアナログを両立させた、自治体の事務運営に即したサポートを提供するBPOサービスです。

住民からの申請や問い合わせにおいては、アナログな対応があり、それらを代行しつつ、同時にITツールやチェックシステムを活用した窓口業務やWeb申請の受付処理などのデジタル化を支援します。


ある自治体では、行政事務センターのノンコア業務である就学援助申請や医療費助成年次更新、奨学金申請などを本サービスに委託いただき、職員は相談受け付けや企画、調査などのコア業務に集中できるようになり、行政サービス品質向上につながりました。

また、サービスの核のひとつである「データ・プリント・サービス(DPS)」は、印刷会社の実績と特性を活かしたサービスで、お客さまから顧客情報などのデータをお預かりし、請求書・明細書・商品案内・ダイレクトメールなどの各種通知物を、印刷から印字、封入・封緘、発送までを一貫して行うトータルサポートサービスです。印刷物の企画・デザインから物流・配送まで、お客さまの業務を分断することがないことから、お客さまへの負担を軽減し効率化が図れます。

また、自治体にとって特に重要なセキュリティ面については、公的認証資格を取得しているとともに、システム面・人材面の確実なセキュリティ体制を構築しています。また、東西にデータセンサーを有しており、BCP対応も行っています。


本ソリューションでは、ある自治体において職員の業務量が増大し、住民課窓口の対応に負荷がかかっていた中、窓口の運営支援を行い、職員のコア業務に専念できる環境を構築したことで住民サービス向上につなげた事例があります。
また他の自治体では課税業務がピークとなる繁忙期に一部業務を委託いただき、働き方改革の推進および市民サービス向上を実現した事例もあります。

窓口業務のデジタル化にまつわる課題と解決策

地方行政デジタル化|TOPPAN

地方行政の窓口業務のデジタル化にまつわる課題と解決策をご紹介します。

●手続き業務のペーパーレス化・脱ハンコに移行したい
●DX推進にあたって、共通手続きプラットフォームの導入を検討している
●既存システムに手を入れることなくDXを進めたい

窓口業務については、手続き業務のペーパーレス化や脱ハンコは長年の課題といえます。また、昨今のDX推進に伴い、共通手続きプラットフォームを導入し、住民による手続きを効率化したいとお考えの方も多いでしょう。またDXを進めるに当たって、セキュリティなどの関係から、既存システムに手を入れることなくDXを進めたいとの考えもあるでしょう。

これらの課題について有効策となるのが、共通手続きプラットフォーム「AIRPOST(エアポスト)」です。このプラットフォームを活用することで、従来、住民は市役所に来庁しなければ行えなかった各種税金や諸料金の納付時における口座振替申し込み手続きが、スマートフォンだけで完了できるようになります。

すでにある自治体では実証実験として導入されました。この実証では市民税、固定資産税、軽自動車税などの各種税金および保育料、給食費、市営住宅家賃などの諸料金の納付時における口座振替申し込み手続きをAIRPOSTで行えるようにしました。

その結果、利用した人の約76%が閉庁した時間帯に手続きを行った履歴から、「市役所に行かなくても24時間いつでも手続きができる」という点に関して住民サービス向上につながったことがわかりました。今後、利用者が増えることで、窓口や電話での対応が減ることが期待されています。

データ入力にまつわる課題と解決策

業務の中で、データ入力の必要性がある場合には、次のような課題を抱えていることもあるのではないでしょうか。

●データ入力作業に手間と時間がかかっている
●OCRは活用しているが、精度が低く手書き文字が認識できない
●取り扱う帳票のフォーマットが定まっておらず、人為的なミス起きている

データ入力作業は、業務の中でも単純作業であるがゆえに、手間を感じやすく、ミスも発生しやすいため、特に課題を感じがちです。OCR(光学文字認識機能)は精度が低く使い物にならないため、結局、手入力しているといった課題もよく耳にします。

このような課題には、従来のOCRにAI技術を加えることで、高精度な読み取りのできるAI-OCRの利用をおすすめします。

ご提供している「AI-OCRソリューション」は、手書き文字の認識も可能となっており、幅広い文書のデータ化が可能になります。またAIにディープラーニング(深層学習)させることにより、一度、文字を読み間違えたとしても、その間違えたデータをAIが学習することで、手書き文字認識率を向上させることができます。

業務のソフトウェアロボットによる自動化技術であるRPA(Robotic Process Automation)と連携させることで、さらなる業務効率化が実現します。PCを使った作業の自動化および文字データの自動読み取りによってデジタルデータ化がスピーディーに実現できます。紙帳票が多い現場での一連の業務を自動化することで、職員の負担を大きく軽減でき、ミスの低減にもつながります。

業務の自動化にまつわる課題と解決策

地方行政デジタル化|TOPPAN

先にもお伝えしたRPAが活躍できるシーンは他にもあります。業務を自動化したいというニーズは多くあるでしょう。例えば、次のような課題を抱えていませんか?

●単純作業に人員を割いていられない
●システム間データの突き合わせ、整合性のチェックなど決まった業務に追われている
●RPAを導入したいが、使いこなせる人材がいない

自動化のためのRPAを導入することを検討しつつも、使いこなせるか心配という悩みもあるのではないでしょうか。そのような場合には、「RPAソリューション」なら安心して導入いただけます。

RPAソリューションは、導入から運用時のフォロー、研修サービスまで含む、徹底したトータルサポートをご提供します。RPAツールは4種類ご用意しており、業務に合わせて最適なものを選択し、さらにTOPPAN独自の技術も合わせてのご提案も可能です。

トライアル支援から実証実験支援(PoC)、本格導入支援、など導入時から安心してテストによって効果を確認いただいてからの導入が可能です。

また、特にカード類の裏書印字の手間を感じている場合には、「PASiD Cube(一体型・本人確認書類裏書印字システム)」がおすすめです。このシステムは、マイナンバーカードや住民基本台帳カード、在留カードといったカード類の裏書印字業務を効率化します。機器にカードを差し込むだけで種類を自動識別し、ICチップも読み込んで対応します。

また本人確認書類の真贋判定についても対応できます。すでに全国800以上の市区町村で採用されている裏書システムの新モデルとなります。

本人確認業務の効率化には、「PASiD scan(本人確認業務サポートシステム)」がおすすめです。機器にカードを差し込むだけで、カード型本人確認書類の厳格な真贋判定が可能です。さらに同時にスキャンして確認記録も残せるので、わざわざコピー機でコピーを取る手間も省けます。

さらに、各種本人確認書類から抽出したデータを用いて、帳票の作成も可能になります。記録表や申請書などの帳票テンプレートを自由に作成できるので、作業効率化につながります。

窓口における業務の自動化により、住民サービスが向上することや、スピーディーな対応により他の業務への負荷が軽減されるメリットもあります。

住民通知業務のデジタル化にまつわる課題と解決策

続いては、住民通知業務のデジタル化にまつわる課題と解決策を紹介します。

住民に対して、何らかの通知を行いたいシーンにおいては、通知物は多くの場合郵送となっており、デジタル化が進んでいないのが一般的です。DXを推進するためにも、デジタル化を考えているケースも多いのではないでしょうか。主に次のような課題があります。

●オンライン申請の利用率を上げたい
●さまざまな通知物の印刷・発送費用を抑えたい
●通知物の送付チェックなどの確認作業を簡単にしたい
●ペーパーレス化を促進して業務効率向上を図りたい
●特におくやみ関連の申請手続きをデジタル化したい

通知物のデジタル化の手段として、住民のスマートフォンで通知物を受け取ってもらうようにする方法があります。

通知物電子送付サービス「Speed Letter Plus®」では、それが実現します。本システムでは、郵送物をスマホで受け取ることができ、手続きDXの推進とペーパーレス化を実現します。

自治体が住民に何らかの通知を行いたいときに、マイナンバーとメールアドレスを紐づけて、安心・安全にメール通知を行うことができます。

また、スマホで申請はできるような仕組みが整っていても、紙の通知がくると申請も紙の申請書で行いたくなるものです。スマホで通知物を受け取れば、オンライン申請への誘導もスムーズに行えるため、結果的にオンライン申請数の増加にもつながると考えられます。

これにより、通知から申請までをすべてオンラインで完結できるようになります。

オンラインで送るとなると、セキュリティが気になる方も多いのではないでしょうか。本システムでは秘匿性の高い通知物でも問題なく送ることができるように、利用登録はセキュリティを強化しています。

マイナンバーカードを使用した本人確認を行い、登録してもらいます。マイナンバーカードを持っていない場合でも、個人IDを記載したDMを用いた利用登録で対応できます。どちらも安心して利用していただけます。

特におくやみ関連申請手続きについてのデジタル化を目指す場合には、自治体向け窓口申請業務電子化サービス「Speed Entry® Government」がおすすめです。

本サービスでは、おくやみ関連の申請手続きにおいて、紙の申請書が中心の手続きをタブレットを中心とした申請手続きに変えます。住民が来庁時に庁舎内の窓口で、対面しているときにご利用いただくイメージです。

必要な手続きがわかるガイド機能があるほか手書き文字認識機能により、キーボードからの入力に不慣れな方にも使いやすい仕様です。またQRコードによるデータ連携により、LGWAN内にシステム改修することなく、データ連携が可能です。CSVデータで保存できるので、自治体職員の入力作業の負荷低減にもつながります。

まとめ

地方行政の各業務のデジタル化の課題と解決策についてご紹介しました。さまざまなシーンでデジタル化が急がれていますが、今回ご紹介したもの以外でも、デジタル化を進めたい業務がありましたら、ぜひTOPPANにご相談ください。最適なご提案をさせていただきます。

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2024.07.31