コラム

BPOで事務作業を効率化するために
知っておきたい成功事例と失敗事例

BPOに事務作業をアウトソーシングすることを検討してはいるものの、どうすれば成功するのか、また失敗を避けるにはどうすれば良いかを検討している方も多いのではないでしょうか。

今回はBPOサービスの特徴や、事務作業を効率化する理由、選ぶ際の選定ポイントとともに、事務作業のBPOサービスを活用するときの成功事例と失敗事例をご紹介します。


■事務作業の効率化が求められる理由

企業は近年、事務作業の効率化が求められています。その背景や効率化がもたらすビジネス上のメリットを紹介します。

●企業が事務作業を効率化する必要性
日本においては、少子高齢化による労働人口の減少に対応するべく、働き方を根本から見直してより多くの人々が働きやすくするための働き方改革が推進されています。このような中で、長時間労働の是正が求められており、業務をいかに短時間で効率よく、高い質で行うかが大きな課題となっています。人手不足が慢性化しており、少ない人員で生産性を向上させなければならない現場において、業務効率化は喫緊の課題です。

●効率化がもたらすビジネス上のメリット
事務作業を効率化することで、さまざまなメリットが期待できます。

一つは無駄をカットすることで、業務時間の削減につながるという点です。働き方改革で長時間労働を改善する必要がある中で、労働時間の削減は従業員にとっても企業にとっても大きなメリットです。さらに人件費も抑えられる点は企業にとってのメリットとなります。

効率化により従業員のモチベーションが上がるという副次的なメリットも期待できます。

また業務効率化が進むことで、少子高齢化による労働人口の減少による人手不足が慢性化する中、少ない人員でも、業務を回すことができるようになります。

近年は、業務効率化を自社で工夫して行うのに加えて、事務作業のエキスパートが対応するアウトソーシングの利用も進んでいます。

■BPOとは? BPOサービスの選び方

アウトソーシングの中でも、BPOサービスは事務作業の効率化を実現しやすい方法といえます。

●BPOとは?
BPOとは、「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称で、簡単にいえば、企業が業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを意味します。

BPOはただのアウトソーシングとは異なり、業務プロセスを委託することで業務改善や効率化につなげることが一般的な目的です。

企業はコア業務に注力することで、競争力の強化が期待できます。またBPOサービスでノンコア業務を委託し、専門的な知識を要する経験豊富なスタッフが対応することで、業務の質向上につながります。

BPOはスケーラビリティが高いことから、繁忙期と閑散期を繰り返す業務においても、リソースにおけるコスト効率を高めることが可能です。

●BPOが事務作業の効率化に寄与する理由
BPOは事務作業の効率化に寄与します。その理由としては、組織内では属人化していたり、業務プロセスややり方にばらつきが生じていたりしている場合には、それらが引き起こすトラブルや無駄を削減できることが挙げられます。そして、業務の標準化が実現することから、業務の効率化が期待できます。

さらに専門的なスキルや知識を持つスタッフが対応することも、事務作業の効率化に寄与する理由といえます。どのような作業においても、質が向上し、人為的ミスが軽減できます。

●BPOサービスを選ぶ際のポイント
BPOサービスはどのようなサービス事業者であっても良いというわけではありません。まず委託する事務作業を得意としていることが前提条件です。専門性や実績の確認を行い、自社の業務を問題なく行えそうかを事前に確認した上で候補に入れましょう。

さらに確認しなければならないのは、狙った効果が期待できるかどうか、つまりコストパフォーマンス、成果の面です。事務作業の成果としては、業務スピードや質向上などが挙げられます。さらに業務プロセスの問題点を洗い出し、改善を図る取り組みを行ってくれるかどうかも確認しましょう。

そして事務作業を委託する際に、顧客の個人情報や会社の機密情報を提供する場合には、セキュリティが徹底していることも重要です。具体的なセキュリティ対策を確認するのはもちろんのこと、実績や信頼性の面であらゆる角度から確認することをおすすめします。

■BPOサービス活用の成功事例・失敗事例

前述で紹介したBPOサービスの選び方をもとに、成功事例と失敗事例を確認しておきましょう。

●成功事例

・業務効率化とリソース最適化を実現
ある企業のケースでは、ノンコア業務である事務作業に大幅に時間をとられていました。そのため、コア業務である商品開発などにリソースを割くことができない状況に大きな課題がありました。

業務効率化とリソース最適化を目的にBPOサービスを導入したところ、事務作業が効率化すると同時に、社内での人的リソースが削減でき、コア業務により多くのリソースを割くことができるようになりました。

・属人化の解消
ある企業のケースでは、事務作業の対応において、特定の従業員に多くの業務負荷がかかっており、属人化も大きな課題となっていました。

そこで、BPOサービスに業務の一部を委託したところ、分業を行うことによって、業務が可視化され、業務をスピーディーに回せるようになりました。同時に属人化の解消にもつながっています。

●失敗事例

・業務範囲が合わなかった
BPOサービスの事業者選びに失敗した事例です。BPOサービス選定時には、前途の通り、これまでの実績や業務範囲の目的に基づく成果を出してくれるかといった点で見極めることが重要です。

しかしある企業のケースでは、長年付き合いのある事業者だからという理由だけで、安易に事務作業を委託してしまったことで、業務範囲が合わずに結果的に目的が達成できませんでした。

・丸投げしてしまい社内で業務をまったく把握できなくなった
BPOサービスを長年活用している企業のケースです。委託した事務作業は効率化した一方で、数年経った後、社内で該当事務作業を理解している人員がいなくなってしまいました。そのため、実質BPO事業者に該当の事務作業を丸投げする形になってしまったのです。

こうなってしまうと、ちょっとした追加の作業が発生したときも、BPO事業者にすべて委託しなければならないことから、コストがかかってしまいます。何かトラブルが生じた際にも、BPO事業者にヒアリングしなければ原因究明や解決ができません。

この場合は丸投げせず、委託している業務を把握している人員を社内に残すもしくは事務作業の一部を委託するといった体制にする必要がありました。


これらの失敗事例は、どの企業にも起こりうることです。ぜひ十分に注意して、BPOサービスの導入の成功につなげてください。

■まとめ・TOPPANのご紹介

事務作業の効率化は、多くの組織で求められています。その効率化の方法の一つとしてBPOサービスは非常に有意義な手段といえます。

TOPPANは、BPOサービスを幅広く展開しており、各種事務作業の受託も多く実績がございます。お客さまのニーズに沿った業務効率化支援を実現いたしますので、ぜひご相談ください。

2024.08.22