コラム

BPOとアウトソーシングの
違いと活用方法とは?
業務プロセスを最適化する方法をご紹介

近年、企業や自治体において、外部のリソースを活用するアウトソーシングが定着しています。人手不足が顕著になる中、アウトソーシングをうまく活用することで、企業や自治体はより業務効率化や生産性向上につなげています。そのアウトソーシングの中にはBPOと呼ばれるものもあります。

今回はBPOとアウトソーシングそれぞれの概要や違い、アウトソーシング先の選び方や具体的な活用方法などをご紹介します。


■BPOとアウトソーシングとは?

みなさんはBPOとアウトソーシングと聞いてどのようなイメージを持っているでしょうか。どのような業務を委託できるのかまたメリットとデメリット等を確認しておきましょう。

●BPOとは?
BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略称で、業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託して進めることを指します。アウトソーシングの一種であり、BPOは特にビジネスプロセスをアウトソーシングするという点に特徴があります。

・主なサービス例
BPOの代表的な例として、問い合わせ対応のコールセンターや人事や経理、総務などのバックヤード業務全般、キャンペーン事務局、DM発送事務局などのノンコア業務が挙げられます。自社でまかなえないリソースや専門スキルの確保、スピーディーな納期への対応、顧客対応の質向上などを目的に活用されています。

・メリット
BPOにノンコア業務を委託することで、コア業務への人的リソースの集中が可能になります。またBPOは業務改善や業務改革といった目的で活用することが多いことから、業務効率化や人的コスト削減等につながることがあります。

専門性の高いスタッフによる対応により、業務品質が向上し、一定の効果を期待できます。また、リピートサービスによっては、近年、個人情報の取り扱いが厳格化していることから、高いセキュリティ環境のもとで、実施されるケースも増えています。自社で行うよりも、セキュリティレベルが上がる可能性もあります。これらのメリットを総合して、長期的な企業の成長やイノベーションも期待ができるでしょう。

・デメリット
BPOサービスのデメリットは、アウトソーシング全般に言えるように、社内に業務のノウハウが蓄積されないことや、選定によって失敗に終わることがある、コミュニケーションがうまくいかず、結局業務を丸投げすることになってしまい、やがて業務がブラックボックス化してしまうといったケースもあります。

●アウトソーシングとは?
アウトソーシングは、外注とも呼ばれる、外部に人的リソースを求めて、業務を委託することの総称です。

特にアウトソーシングという言葉を使う場合には、総称の意味で使う場合もあれば、簡易的な業務代行の意味合いもあります。

・主なサービス例
アウトソーシングは外注の総称であるため、外部に委託できる業務であれば、すべて該当します。アウトソーシング全体で見た場合には、バックヤード業務や顧客対応業務、IT関連の業務、データ分析やマーケティング、リサーチなどのデータ関連の業務、インサイドセールスや営業事務などの営業関連業務が含まれます。

・メリット
アウトソーシングは一般的に事業者に業務を代行してもらえることで、コスト削減やリソース補填が可能になります。短期的、長期的な委託が考えられます。

アウトソーシングの場合、先にご紹介したBPOのメリットをすべて含むほか、特に人件費のコスト削減を求めて活用するケースが多いといわれています。

・デメリット
デメリットについても、BPOのデメリットと重複します。アウトソーシングと一口に言っても、さまざまな業務がありますが、どの業務を委託してもメリットが得られるというものではないといえます。大事なのは、自社にとって最適なサービスであるかどうかといっても過言ではありません。

■BPOとアウトソーシングの違い

BPOとアウトソーシングの違いを確認しておきましょう。

まず前提として押さえておきたいのが、BPOはアウトソーシングの一種だということです。しかしアウトソーシングを行うといった場合には、BPOを行うといった場合とは少し意味合いが異なってきます。どのような点で異なるのか、ポイントを押さえておきましょう。

●目的の違い
あくまで一般的なことになりますが、アウトソーシングはどちらかといえば、短期的な人員補填のために、業務を代行してもらうといった意味合いが強く、人的コストの削減や緊急対応を目的とするのに対して、BPOは必ずしもそれだけではなく、業務プロセスの最適化による業務効率化や業務改善を目的とした外部リソースの活用といった意味合いが強くなっています。

この目的の違いから、コストのかけ方や考え方も変わってくると考えられます。アウトソーシングは、一時的な人的コストの削減のために対価を払うのに対して、BPOは業務改善に対して対価を払う意味合いも生まれるでしょう。ただし、費用については、サービスによって大きく異なるため、一概には言えません。あくまで参考にしてください。

●業務範囲の違い
BPOとアウトソーシングとでは、業務範囲が異なることがあります。サービス事業者の状況にもよりますが、一般的なところでいえば、アウトソーシングの委託対象の業務は作業ベースが多い一方で、BPOはより専門的なスタッフを要する業務にも対応していることが多い点が挙げられます。

期間の違い
アウトソーシングは一般的に短期的なニーズに対応するための手段として用いられることが多く、特定のプロジェクトや業務の一時的な人員不足を補うために利用されます。このため、アウトソーシングは比較的短期間での契約が一般的であり、緊急対応や季節的な需要の変動に対応するための柔軟なリソースとして活用されます。

一方、BPOは長期的な視点で業務プロセスを最適化し、効率化を図るための戦略的なパートナーシップとして位置付けられることが多いです。BPOは企業の中核業務を含むプロセス全体を再設計し、持続的な改善を目指すため、契約期間も長期にわたることが一般的です。

このように、BPOとアウトソーシングは、時期や契約期間においても異なる性質を持っていることがわかります。

■BPOとアウトソーシングの選び方

●BPOの活用方法
BPO
を活用する際の鍵は、業務プロセスの最適化と効率化を見据えた委託です。

具体的には、バックオフィス業務の標準化や効率化を図るために、業務全体を外部に委託することが考えられます。これにより、企業は人手不足の解消やコスト削減を実現できます。

また、顧客対応の質を向上させるために、専門的なスキルを持つ外部のプロフェッショナルに業務を任せることも有効です。さらに、事務局運営や工程管理といったオペレーションを一括で委託することにより、業務の一貫性と効率性を高めることができます。

BPOを活用することで、企業は自社のコア業務に集中でき、競争力を強化することが可能となります。

アウトソーシングの活用方法
アウトソーシングは、自社で行う必要がない業務や専門性を要する業務を外部に委託することで、経営資源を有効活用する手段です。

例えば、社内に十分な人的リソースや作業スペースがない場合、外部の専門業者に業務を依頼することで、効率的な運営が可能となります。また、定期的に発生するルーティンワークや、専門的な知識が必要な業務をアウトソーシングすることで、社内のリソースをコア業務に集中させることができます。これにより、企業は自身の強みを活かしつつ、柔軟な経営体制を構築することができます。

アウトソーシングを適切に活用することで、業務の質を向上させ、競争力を強化することが可能です。

BPO導入時のポイント

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の導入は、企業の効率化やコスト削減を実現するための重要な戦略です。導入を成功させるためには、いくつかのポイントに注意を払う必要があります。

まず、業務内容の明確化が不可欠です。アウトソーシングする業務が何であるかを明確に定義し、自社のコア業務と補完業務を区別することが重要です。これにより、BPOプロバイダーとのコミュニケーションがスムーズになり、期待する成果を得やすくなります。

次に、導入までのスピードも考慮すべきポイントです。迅速な導入は競争優位性を保つために重要ですが、急ぎすぎると準備不足が原因で問題が発生する可能性があります。プロジェクト管理の専門家やBPOプロバイダーと綿密な計画を立て、段階的に導入を進めることが推奨されます。

費用については、単にコスト削減を目指すだけでなく、長期的な投資対効果を考慮することが重要です。初期費用だけでなく、運用コストや潜在的な追加費用も含めて総合的に評価することで、より正確な予算計画が立てられます。

実績のあるBPOプロバイダーを選ぶことも成功の鍵です。過去のプロジェクトやクライアントの評価を確認し、信頼性の高いパートナーを選定することが重要です。実績のあるプロバイダーは、業務改善のノウハウを持っており、スムーズな導入をサポートしてくれます。

最後に、セキュリティ対策はBPO導入における最重要課題の1つです。データの取り扱いや情報漏洩のリスクを最小限に抑えるために、プロバイダーのセキュリティポリシーや認証を事前に確認することが必要です。これにより、安心して業務を委託することが可能となります。

これらのポイントを押さえることで、BPO導入の成功確率を大幅に高めることができます。

■まとめ・TOPPANのご紹介

BPOとアウトソーシングの違いやメリットやデメリット、選定基準、活用方法などをご紹介しました。近年は、BPOの活用により、ただの代行だけでなく業務プロセスの効率化を期待して利用するケースも増えています。自社の課題にあった形態をうまく選定することをおすすめします。

TOPPANはBPOサービスを幅広く展開しており、お客さまのニーズに沿った業務効率化支援を実現します。キャンペーン事務局の代行からDM発送作業、コンタクトセンター、株主優待事務局、自治体さま向けBPOなど幅広い業務を請け負っております。ご興味ある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

2024.08.21