問い合わせ対応の効率化のための
BPOサービス導入のメリットとデメリット
一般企業や自治体における業務で、特に昨今、重要になっているのが問い合わせ対応です。
この問い合わせ対応にはいくつかの課題があり、効率化および対応品質向上を急がなければなりません。
今回は、そんな問い合わせ対応の業務の現状と課題を踏まえた効率化のための解決策の一つとしてBPOサービスをご紹介します。導入のメリット・デメリットや選び方を通じて課題解決にお役立てください。
■問い合わせ対応の現状と課題
問い合わせ対応業務は近年、重要度を増しています。その背景から、実際の業務におけるよくある課題をご紹介します。
●問い合わせ対応の重要性
問い合わせ対応業務は大きく、社外と社内に分かれますが、特に昨今重要性が高まっているのが社外からの問い合わせ対応です。例えば、顧客や関連各社などからの問い合わせを電話やメール、チャットなどで受け付ける業務です。
近年は市場競争が激化する中で構造に変化が生じており、顧客が多様な情報源にアクセスして多くの中から商品やサービスを選ぶ時代になっています。
こうした中、いかにあらゆる面で顧客満足度を高め、便利で価値のあるサービスを提供できるかが、市場で勝ち抜いていき顧客に選ばれるために重要になっています。
●現状のよくある課題
問い合わせ対応業務が非常に重要となっていることはわかりましたが、業務を進めるにあたって、数々の課題に直面しているのも事実です。
特に多くの企業や自治体で課題となっているのが、問い合わせ数が多く、迅速かつすべてに対応しきれないという点です。人手不足により、対応人員が限られている中、繁忙期には容易に対応の限界に達してしまいます。さらに対応時間がかかってしまう、対応品質にばらつきがある点なども課題として挙げられます。
■問い合わせ対応の効率化とは?
問い合わせ対応業務は多くの課題を抱えていますが、その課題を全般的に解決するためには、問い合わせ業務の効率化が重要になってきます。
●問い合わせ対応の効率化とは?
一般的に効率化とは、業務に存在する無駄や無理などの非効率な点を洗い出して、それらの問題を解消することで、業務やプロセスを改善することを指します。また必要なリソースを最小化する意味も含みます。具体的には、人の負担の軽減や、無駄にかかっていた時間やコストを削減することを意味します。
問い合わせ業務においては、前述の課題に見られるように、少ない人員でより多くの問い合わせを受け付け、丁寧かつ質の高い対応ができる体制作りが求められます。そのためには効率化を図ることはとても重要といえます。
●問い合わせ対応効率化の具体的な方法
では問い合わせ対応の効率化には、具体的にどのような方法があるのでしょうか。主な方法を見ていきましょう。
・業務フローの見直し・無駄や無理の削減
基本的な対策として多く行われているのが業務フローの見直しです。見直した中で無駄や無理がないかをよく確認して洗い出した上で、それらを解消します。これにより効率化が見込めます。
・業務マニュアルの作成
業務の標準化がなされていないことで、業務効率が落ちていることもよくあります。業務マニュアルの作成や改善を行うことで、オペレーターの対応品質を標準化するとともに無駄な対応や無駄な時間を減らすという点でも効率化が期待できます。
・FAQの整備
FAQとは、問い合わせの多い質問とその適切な回答を記載したものです。このようなよくある質問をオペレーター向けに構築することで、問い合わせ対応の効率化が期待できます。また顧客向けにFAQを公開することで、自己解決につながり、問い合わせの削減にもつながります。
・オペレーターの教育
オペレーターの教育も重要になってきます。対応品質のバラつきを軽減するとともに、独自のやり方により、かえって業務効率が落ちている場合なども改善することで、業務効率化が期待できます。
・ツールの導入
チャットボットや自動音声システムなどのツールを導入することで、多くのコールセンターやコンタクトセンターの効率化を進めています。これらのツールを導入することも一案です。
・BPOサービスの導入
アウトソーシングの中でも、ビジネスプロセスをアウトソーシングして、業務改善を目指すBPOサービスを利用するのも一つの方法です。問い合わせ対応業務を任せるだけでなく、業務効率化といった業務改善もあわせて委託することで、効率化が期待できます。
■BPOサービスとは? 導入のメリット・デメリット
先にご紹介したBPOサービスについて詳しく見ていきましょう。
●BPOサービスとは?
BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の頭文字を取った言葉で、企業が業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを意味します。BPOサービスはBPOを委託できるサービスを指し、主に人事、財務、顧客コンタクトなどのビジネスプロセスがアウトソーシングの対象となります。
●BPOサービスで委託できる業務の種類
BPOサービスで委託できる業務は多岐に渡ります。
経理業務・人事業務・総務業務・顧客対応から営業・マーケティング、データベース運用・データ集計分析・ITシステム開発、申込受付などのほか、一般事務やデータ入力、ロジスティクス関連の発送業務、広告やコンテンツ制作・デザイン、翻訳・通訳などがあります。
●BPOサービス利用のメリット
・専門知識の活用
・顧客満足度の向上
・人件費やシステム費などのコスト削減
・高いセキュリティレベルの確保
BPOサービスを利用することで、主に上記のようなメリットが得られます。BPOサービスにおいては、業務に関する専門性の高い部隊が対応するため、問い合わせ対応においても専門性が高いスタッフが対応することになります。
問い合わせ対応の専門知識を活用することで、メリットが期待できます。高い専門性により問い合わせ対応の質が向上し、顧客満足度を高められる可能性もあります。
また、BPOサービスは委託費用を負担するのみで、コスト削減が実現します。自社で行う場合には、人件費やシステム費といった固定費が発生しますが、BPOは変動費によって計上できることも、コスト削減が期待できる点です。
BPOの委託先は、基本的にセキュリティの高い環境下で顧客情報を取り扱っています。自社で行うよりも高いセキュリティレベルを確保できる可能性があります。
●BPOサービス利用のデメリット
・直接管理できないリスク
・セキュリティリスク
・コミュニケーションの課題
一方で、BPOサービスを利用する際にデメリットも生じます。上記のことが挙げられます。まず委託するにあたって必ず発生してしまうリスクとして、直接、顧客対応ができず、業務管理がむずかしくなるといったデメリットです。こまめに状況報告を依頼するなどしてできるだけ丸投げにならないようにする必要があるでしょう。またセキュリティレベルが高い一方で、他社に顧客情報を預けることになることから、一定のセキュリティリスクは発生します。信頼のおける事業者を選ぶことが重要です。
またBPOの委託先の窓口となる担当者との意思疎通面で支障が出てしまうと、問い合わせ対応の効率化という目的を達成することはむずかしいでしょう。
■BPOサービスの選び方
BPOサービスを選定する際には、デメリットを埋めるためにあらかじめサービス選定基準を明確に設けて、慎重に選ぶことが重要です。
●BPOサービスの選定基準
BPOサービスの選定基準として最も重要なのは、実績とセキュリティ面、信頼性です。もちろん対応できる問い合わせ対応業務の種類や内容のマッチングも重要ですが、何より、自社の大切な顧客との直接のコミュニケーションと顧客情報の管理を任せるといった観点から慎重な選定が求められます。
過去の実績からどれだけの問い合わせ業務を成功させてきたのかを確認しましょう。また窓口となる担当者とのコミュニケーションが円滑に進むかどうかも、実際に話してみて確認することをおすすめします。
●導入までのステップ
BPOサービスを導入する際には、すぐにBPOサービスを選ぶのではなく、何よりも先にBPOを活用する目的の明確化を行いましょう。
例えば、問い合わせ業務の効率化が目的であれば、効率化の指標を設定するなどします。
そしてBPOサービスに委託する対象業務の領域を明確化することが重要です。その上で、目的や必要条件に合ったサービスを選定することに注力しましょう。
■まとめ・TOPPANのご紹介
近年は、企業や自治体にとって問い合わせ対応の重要性が増しています。今後、さらに競争が激しくなる中で、対応品質を確保し、効率化につなげるためには、専門性が高く、対応品質も高く見込めるBPOサービスの利用も検討することが有効と考えられます。
TOPPANは、BPOサービスを幅広く展開しており、そのうち、問い合わせ対応業務も得意とする領域です。お客さまのニーズに沿った業務効率化支援を実現します。
ご用命の際には、お気軽にお問い合わせください。
2024.08.22