エクスペリエンスデザインサービス コラム

Z世代向けマーケティングの
よくある誤解とは?
戦略のカギはインサイト発見・
価値観分析にあり

Z世代に向けたマーケティング施策を実施してはいるものの、思うような成果が出なかったり、偶然ヒットした事例が多かったり、予想外の反響があったりするなど、お悩みではありませんか?そこには、ターゲットとなるZ世代に関して誤解している部分があるかもしれません。

Z世代はSNSでの情報収集に長け、トレンドの移り変わりに敏感であるため 、従来のマスマーケティング的なアプローチが通用しづらいと感じているご担当者様も多いのではないでしょうか。本記事では、そうした課題を解決するヒントをご紹介します 。


<目次>
1.Z世代向けマーケティングのよくある誤解
2.Z世代にモノが売れない理由
3.これからのZ世代のマーケティング戦略
4.カギを握るのは価値観分析とインサイトのデプスインタビュー
5.まとめ


1.Z世代向けマーケティングのよくある誤解

Z世代に向けてマーケティングを進める中で、次のような誤解に陥りがちです。

「Z世代は○○が好き」とZ世代を一括りにとらえている

Z世代とは、1990年代中盤から2000年代に生まれたソーシャルネイティブ世代とされています。しかしながら、一概にすべてのZ世代が同じ嗜好性を持っているとは限りません。

実際のところ、Z世代の価値観や嗜好は多様化しています。それはZ世代が情報があふれる、多様な価値観が尊重される時代に生まれ育ったことも関係しているでしょう。同じZ世代であっても、互いの価値観や嗜好を理解できないことも珍しくありません。

デジタルに親しむミレニアル世代と価値観は同じととらえている

ミレニアル世代は1980年代前半から1990年代中盤頃に生まれたデジタルネイティブ世代といわれています。確かにZ世代と同様、デジタルに囲まれた生活環境に生きていますが、ミレニアル世代とは価値観が異なるといわれています。

例えば消費スタイルにおいては、ミレニアル世代がイベント参加などの「コト消費」に代表される「コト消費」を重視する傾向があったのに対し、Z世代はそれに加えてコストパフォーマンスやタイムパフォーマンス(タイパ)を意識した「合理性」や、その瞬間の充実感を求める「トキ消費」といった価値観も重視する傾向があります。一概にはいえませんが、価値観が異なることを前提とする必要があるでしょう。

Z世代は広告そのものが嫌いだと決めつける

Z世代は、SNSのようにつながる共感文化を好むため、一方的に押し付けられる広告を敬遠するといわれています。しかし、それが「広告そのものが嫌い」という結論には直結しません。決めつける前に、Z世代の価値観をできるだけ正確にとらえる必要があるでしょう。


2.Z世代にモノが売れない理由

Z世代向けのマーケティングに失敗する理由およびモノが売れない理由として考えられることを見ていきましょう。

嗜好や価値観が細分化されているため、共感できない

先述の通り、Z世代は一概に「○○が好き」と決めつけることはできません。人それぞれ、嗜好や価値観が異なり、細分化が進んでいます。そのため、「Z世代なら響くだろう」と思う施策やインセンティブ、ストーリーなどには共感できるものもあれば、できないものもあるのです。もしマーケティングやコンバージョンの成果が思わしくない場合、ターゲット層の嗜好や価値観がずれている可能性があります。

共感が得られないメッセージ

ソーシャルネイティブのZ世代にとって、「共感」は非常に重要です。SNSでは共感からつながりが発生することが多いため、「自分が共感できるか?」がZ世代に響くかどうかの重要な要素です。もし企業が発信するメッセージに共感できないものがあれば、行動につながることは少ないでしょう。

一方的な広告手法

「つながりたい」「共感したい」「シェアしたい」という衝動を持っているZ世代にとって、コミュニケーションは双方向性であることが前提です。一方的に企業の価値観を押し付けるようなメッセージやコミュニケーションは敬遠されるでしょう。

これらの原因はすべて、自社のターゲット層となるZ世代の価値観やインサイトを、正しく理解できていないことに起因するといえます。

マーケティングにおけるインサイトとは、消費者自身も気づいていない無意識の心理を指します。特に自身が気づいている顕在ニーズや、本音のところにある潜在ニーズを起こすスイッチのような役割を果たすといわれ、消費者の購買意欲を引き出すのに重要視されています。


3.これからのZ世代のマーケティング戦略

上述の失敗を踏まえた、これからのZ世代のマーケティング戦略のポイントをご紹介します。

興味や個性に合わせたパーソナライズ

価値観や嗜好が多様化している点から、よりターゲット一人ひとりに合わせるパーソナライズ施策が重要になってきます。顧客のデータを活用し、個々人の興味や個性に合わせたマーケティング施策がポイントです。

イミ消費を促す

近年は、「モノの所有」を目的とした「モノ消費」から、体験に価値におく「コト消費」を経て「イミ消費」が根付いています。
イミ消費とは、商品やサービスの持つ、社会的な価値や、文化的な価値を重視した消費行動です。例えば、環境に配慮して作られた製品を選んだり、企業の社会貢献活動や理念に共感してそのブランドのファンになったりする消費行動がこれにあたります。イミ消費を促すためには、企業やブランドが持つ価値観やパーパスを明確にし、積極的に打ち出していくことが求められます。

価値観・インサイトを正しく分析

先述の通り、Z世代の顧客を十分に理解することなくして、マーケティングの成功は難しいでしょう。価値観やインサイトを正しく分析することが第一歩といえます。


4.カギを握るのは価値観分析とインサイトのデプスインタビュー

Z世代マーケティングの成功のカギを握るのは価値観分析とインサイトの発見にあります。

価値観分析やインサイトの発見には、一般的なインターネット、リサーチやアンケート調査などでは不足するところがあります。なぜなら、インサイトは消費者本人も気づいておらず、潜在ニーズよりも深いところにあるものだからです。

N1層のデプスインタビューでインサイトを正しく把握

ポイントは、徹底的に一人を深掘り理解するためにN1分析を行うことです。N1とは、特定の一人の顧客を指し、たった一人の顧客を徹底的に深掘りして理解することで、その背後にある多くの顧客にも共通する本質的なニーズやインサイトを見つけ出す手法です。

深い理解のために、観察やヒアリングを行うデプスインタビューが最適です。デプスとは英語の「Depth=深さ」を意味しており、対象者と深く対話を行うのが特徴で、Z世代のインサイト発見に最も適している手法と考えられています。

デプスインタビューは専門的な知識やノウハウ、経験が必要になるため、自社での実施が難しいこともあるでしょう。その場合はTOPPANにおまかせください。

TOPPANの“顧客起点”のミレニアルズ・Z世代向けマーケティングソリューションでは、ミレニアルズ・Z世代の価値観分析とトレンドデータベースによる分析と、デプスインタビューによるインサイト発見を行います。

その分析結果をもとにした顧客との対話によるアジャイル型のブランド開発メソッドにより、顧客起点での新しい価値(イミ)を創造し、商品開発やブランディング、CXデザイン(プロモーション)などに展開する仕組みをご提供します。


5.まとめ

今後、Z世代にモノやサービスを売っていく際には、Z世代の特徴や価値観を踏まえ、徹底した価値観分析とインサイト発見のためのインタビューの実施がカギを握ります。

重要なのは、自社のターゲットとなるZ世代の層と継続的に対話を続け、ニーズやインサイトを把握しながら、マーケティングや商品・サービス開発に活かしていくことです。その仕組み作りを強力にお手伝いできるのが、今回ご紹介したTOPPANの“顧客起点”のミレニアルズ・Z世代向けマーケティングソリューションです。
TOPPANの“顧客起点”のミレニアルズ・Z世代向けマーケティングソリューションでは、膨大なSNSデータや最新の調査結果から価値観を定量的に分析するトレンドデータベースと、デプスインタビューによる定性的なインサイト発見を掛け合わせます。

ぜひお気軽にご相談ください。

2025.10.09