Z世代の特徴とは?
価値観や消費行動から紐解くマーケティング戦略
Z世代は1990年代中盤から2000年代に生まれ、物心ついた頃からSNSに親しむ「ソーシャルネイティブ世代」です。今後、本格的に社会活動および消費活動の中心的存在となることから、企業のマーケティング対象として年々、重要度を増しています。
今回は、Z世代の定義から他の世代との違い、注目されている背景、消費行動の傾向・特徴、Z世代へのアプローチ方法やコミュニケーションのポイントを解説します。Z世代へ向けた商品開発やマーケティングを行う際のヒントとしてお役立てください。
<目次>
1.Z世代とは?
2.Z世代の特徴
3.Z世代の消費行動の傾向・特徴
4.【最新】2026年最新潮流:「うま確」と徹底的な失敗回避心理
5.トレンド・リーダーとしてのZ世代のポテンシャル
6.Z世代へのアプローチ・コミュニケーションのポイント
7.Z世代のマーケティング手法
8.まとめ
1.Z世代とは?
Z世代とは、1990年代中盤から2000年代に生まれた世代を指します。厳密に区切りは決まっておらず、諸説あります。共通しているZ世代の特徴として、スマートフォンを通じてLINEやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNSに親しむ「ソーシャルネイティブ」世代である点が挙げられます。
X世代・Y世代・α世代との違い
Z世代という名称は、その前の「X世代」と「Y世代」の次の世代という意味合いで名づけられています。
X世代は1960年代中盤から1970年代後半に生まれた世代といわれており、いわゆるベビーブームの後の世代です。「X」とは「Generation X」という言葉からきており、ハンガリー生まれの写真家・ロバート・キャパ氏のフォトエッセイで「未知の世代」という意味合いで使われたのが発端といわれています。この「X」から続く次の世代という意味で、アルファベットの並び順通り、Y世代、Z世代と続けて呼ばれています。
X世代の主な特徴は、アナログ時代に生まれ、デジタルやネットワークの急速な発展と共に成長してきた点です。競争意欲が高く、社会的地位の確立をゴールとしており、高級ブランド品などのステータスを誇示するような消費傾向があるといわれています。
次にくるY世代は1980年代前半から1990年代中盤に生まれた世代で、ミレニアル世代やミレニアルズと呼ばれる世代に相当します。この世代は幼少期からインターネット環境があり、デジタルネイティブである点が特徴です。一方で、デフレ経済を背景に、給与アップは見込めず、ワークライフバランスを好み、過剰な消費を行わず、モノを消費するよりも体験に価値を置く「コト消費」の考え方が生まれました。
そしてZ世代へと続きます。Z世代は、後ほど詳しくご紹介しますが、Y世代と同様にデジタルネイティブでありながら、SNSが定着していった時代に幼少期を迎えたことから、人間関係やコミュニティ構築に関する意識が前の世代と異なるといわれます。消費傾向についてはコト消費のみならず、そのときにしか得られない体験や感情を重視する「トキ消費」や貢献意欲などを満たしながら購入することの意味を重視する「イミ消費」を特徴とします。
α世代は、Z世代の次にくる世代であり、2010年代前半から現在に至る時代に生まれた世代です。まだ特徴が明確にとらえられていませんが、Z世代同様、デジタル・ソーシャルネイティブであり、よりタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向があるといわれます。
Z世代が重視されている理由
Z世代は、近年、企業のマーケティングや商品開発のターゲット層として重視されています。世界的に人口の割合が多く、これから社会的に影響力を持つ中心的な年代となっていくことが挙げられます。重要な顧客層となることは間違いないでしょう。
2.Z世代の特徴
続いて、Z世代の特徴をさらに詳しく見ていきましょう。
ソーシャルネイティブ
Z世代は生まれたときからスマホやSNSに親しむソーシャルネイティブ世代であり、それが価値形成に大きな影響を及ぼしています。また、活動フィールドがSNSのみならず、メタバースやオンラインゲーム、eスポーツなど、以前の世代より拡大しています。
オンラインコミュニティへの参画
Z世代が親しむSNSやオンラインプラットフォーム、オンラインゲームは人間関係の構築にも大きな変化をもたらしています。「つながり」はリアルからオンラインへ、さらには「オンラインにおける共創」というところまで発展しています。
多様な価値観を尊重
Z世代は生まれた頃から国籍問わずグローバルにつながり合えるインターネットの存在があったため、壁を越えたコミュニケーションが当たり前となっており、多様な価値観を尊重する意識が培われているといわれています。
経済面において保守的で現実主義
Z世代は、東日本大震災やリーマンショックなどが起きた不安定な社会情勢の中で幼少期を過ごしているため、いつ何に生活が脅かされるか分からない意識が根付いているといわれます。そのため、経済面においては保守的であり、現実的な生活を重視する傾向があります。
本物にこだわる
Z世代は、幼少期からSNSに慣れ親しんできたことにより、見知らぬ相手に対しても「いいね」などの「共感」を通じて意思疎通をはかるといったコミュニケーションを体験しやすかったと考えられます。その分、共感性が高い傾向がありますが、裏を返すと共感できなくなったとき、例えば裏切られる、虚偽の情報だったと後から判明する、といった場合の精神的ダメージは大きいものとなるでしょう。そのため、偽物には敏感で、本物にこだわる傾向があるといわれています。
環境問題や社会問題に高い関心を持っている
グローバルな意識が高く、多様性を尊重するZ世代は、環境問題や社会問題に高い関心を持っているといわれます。特に産業がもたらした地球環境への負荷の課題が浮き彫りになった昨今の状況を受け、サスティナビリティ(持続可能性)への関心が強い傾向があります。
3.Z世代の消費行動の傾向・特徴
Z世代は、次のような消費行動の傾向と特徴を持っているといわれています。
SNSで下調べをして検討する
何かを購入する際には、まずSNSでリサーチし、インフルエンサーの考え方やレコメンドを参照する傾向が強いといわれています。それによって自らの価値観や信念に合うかを判断します。
「イミ消費」に価値を置く
先にもご紹介した「イミ消費」とは、商品やサービスを購入するときに、物質的なモノやサービスそのものだけでなく、その背後にある意味や価値を重視する消費活動です。例えば推し活で推しのグッズを購入するのは、推しの活躍と成功に貢献する「意味」を見出した上での消費活動とされています。
コスパやタイパの高さを重視する
実用的で現実主義のZ世代は、コストパフォーマンス(コスパ)はもちろんのこと、タイムパフォーマンス(タイパ)も重視する傾向があります。Z世代の周りには膨大な情報やコンテンツがあふれており、必要な情報に短時間でたどり着き、無駄な時間をかけずに目的を効率よく達成することが生活の中での重要なポイントとなっています。
4.【最新】2026年最新潮流:「うま確」と徹底的な失敗回避心理
Z世代の消費行動は、2026年現在、さらなる深化を遂げています。
その中心にあるのが、タイパの先にある「うま確(満足することが確定している)」というZ世代の価値観です。「Z世代とはどのような特徴を持つのか」と考える際、かつてのトレンド追従型とは一線を画す、徹底的な失敗回避心理が市場の傾向を規定していることを理解することが大切です。
失敗したくないという強い意識が消費を動かす
生まれた時からスマートフォンに親しむスマホネイティブであるZ世代は、情報量が多いインターネットのなかで、どのサービスを利用すべきか、常にシビアな視点を持っています。彼らが何より重視するのは、購入した後に後悔しないという確証です。そのため、自分に合った情報収集の方法を駆使し、SNSで価値観の近い発信者やインフルエンサーによるリアルな検証を徹底的に活用して、失敗のリスクを最小化する方法を模索します。
このようなZ世代の消費行動の背景には、不安定な経済状況下で育ってきたことによる、保守的で現実的な志向が影響を与えると考えられています。
デジタルネイティブが求めるお墨付きの価値
幼い頃からデジタル環境で育ってきたZ世代は、情報の真偽を見極める高いリサーチ能力を持っています。彼らにとって、一方的な広告の言葉よりも、第三者の評価やUGCこそが信頼の拠り所です。
Z世代の特徴や性格に合わせたZ世代マーケティングを行うには、ブランド側にはユーザーに自分ごととして共感してもらえるようなストーリーの開示と、嘘のないコミュニケーションが求められています。また、Z世代のトレンドを解説するセミナーなどを利用して、より多くの人が彼らの価値観に寄り添うことが、次世代のビジネス変革を成功に導く上で大いに役立ちます。
5.トレンド・リーダーとしてのZ世代のポテンシャル
Z世代は、もはや単なる「特定の若年層ターゲット」に留まりません。
Z世代とはどのような特徴を持つのかと考えると、生まれた時からデジタルに触れて育ってきたスマホネイティブとしての圧倒的な情報感度と発信力を武器に、市場全体のZ世代のトレンドを規定する「トレンド・リーダー」へと進化していることがわかります。
企業がZ世代マーケティングに向き合うことは、将来の顧客獲得だけでなく、現在の市場全体を動かす戦略的布石となります。彼らの持つポテンシャルを正しく理解することが大切です。
「失敗回避」の厳選が、情報の「信頼性」を保証する
Z世代の消費行動において、失敗したくないという強い保守的な志向は、情報の「質」を向上させるフィルターとして機能しています。不安定な経済状況下を経験している彼らは、購入前にインフルエンサーや第三者の評価であるUGCをシビアに精査し、失敗のリスクを最小限に抑え、自分に合ったものだけを選択します。多様な情報収集の方法を駆使し、溢れる情報のなかからこの「厳しい目」を通過してSNSでシェアされた情報は、単なる感想を超え、信頼性の高い「お墨付き」として拡散されます。彼らの徹底的なリサーチプロセスこそが、情報の信憑性を高め、他世代の意思決定を支援し、市場全体に影響を与える基盤となっているのです。
「逆輸入」現象:世代を超えて購買行動を変容させる
Z世代の影響力は、同世代の枠を大きく越えて広がっています。日常において、デジタルツールに精通したZ世代が「情報の目利き役」となり、1980年代に生まれたY世代など、別の世代の消費選択をリードするケースが多いです。 例えば、Z世代が発掘した「タイパ」に優れたサービスの利用や、エシカルな「イミ消費」対応の商品が、彼らの推奨を経て上の世代に「逆輸入」され、購買を促します。この波及効果こそが、世代間ギャップを越えて彼らが消費のトレンド・リーダーと呼ばれる最大の理由です。
「ストーリー」への共感が、熱量の高い共創パートナーを生む
Z世代の価値観では、モノの所有以上に「体験」や「社会的な意味」を重視します。企業が製品スペックだけでなく、その背景にある「ストーリー」を真摯に提示し、より多くの人に自分ごととして共感してもらうアプローチが求められます。彼らのインサイトを掴むためには、Z世代の特徴や性格を深く把握し、専門家のセミナーなどを通じて最新の知見を継続的に学ぶことが、事業戦略の構築において大いに役立ちます。共感を生み出すことができれば、Z世代は単なる消費者から、ブランドを共に牽引する「強力な共創パートナー」へと変貌するのです。
6.Z世代へのアプローチ・コミュニケーションのポイント
Z世代向けのマーケティングや商品企画の際には、どのようなアプローチ手法やコミュニケーションを意識すれば良いのでしょうか。そのポイントをご紹介します。
インフルエンサーやUGCを活用する
Z世代の目に触れるためには、自社の公式サイトなどにおける情報発信だけでは足りないといえます。SNSにおけるインフルエンサーからの声や、一般ユーザーによって作られたコンテンツを意味する「UGC(User Generated Content)」のほうが響くでしょう。
企業やブランドの価値観と使命を伝える
「本物にこだわる」「イミ消費」などの傾向を受け、企業やブランドは、より自身の価値観と使命を積極的に伝えることが有効です。共感してもらうのはもちろん、「つながり続けたい」と感じさせる情報発信の仕方が求められるでしょう。
透明性・信頼性を担保する
共感性に優れており、本物を求める傾向を受け、裏表のない本物の透明性や信頼性を担保することも重要です。そのために有効といわれているのが、「ナラティブマーケティング」です。ナラティブとは「物語」や「語り」などを意味する言葉で、マーケティング分野ではユーザーに自分事として共感し、興味を持ってもらう手法として取り入れられています。
個性を出して徹底的に差別化する
情報があふれる時代に、競合他社と同じようなことをやっていたのでは、いくらおもしろい企画でもZ世代からは飽きられてしまうでしょう。徹底的に差別化する意識を持ち、自社のパーパス(存在意義)など根本からアプローチすることが有効といえます。
N1分析・デプスインタビューでインサイトを深掘りする
Z世代は、価値観や嗜好性が細分化していることから、顧客一人ひとりのインサイトを深掘り、傾向をつかむためのN1分析(※1)やデプスインタビュー(※2)は重要な活動といえます。
※1 N1分析:1人の顧客の感情や課題からヒントを得て広げる分析手法
※2 デプスインタビュー:対象者に対して、インタビュアーが1対1でインタビューを行い、深掘りする定性調査の手法
価値観分析データやトレンドデータベースを活用する
Z世代に関する調査・分析データは世の中に多数存在しています。より多くのデータを活用することで、施策により根拠が生まれます。Z世代の専門家に相談するのも一案です。
7.Z世代のマーケティング手法
戦略を概念で終わらせないためには、スマホネイティブである彼らの生活習慣に深く入り込む具体的な手法の選定が重要です。
ここでは、最新のZ世代のトレンドをふまえた実務レベルのアクションを解説します。「Z世代とはどのような特徴を持つのか」と考える際、彼らのZ世代の特徴や性格を理解し、Z世代の消費行動に寄り添ったZ世代マーケティングを実践することが大切です。
「検索」から「アルゴリズム」への最適化
情報量が多いインターネットのなかで、Z世代は従来の検索エンジン以上に、SNS内の動画検索やおすすめを重視します。 単に情報を並べるのではなく、自分に合った情報収集の方法として、動画の最初の数秒で自分に関係があると思わせる言葉の選定や、ハッシュタグの最適化を徹底的に利用しましょう。
特にタイパを重視し、不安定な経済状況下で育ってきた彼らにとって、短尺動画でメリットが即座に伝わる構成は、サービス認知を向上させるための重要なポイントとなります。
「失敗回避」を支援する第三者視点の提示
強い失敗回避の志向を持つ彼らに対し、企業はどのようにお墨付きを与えるべきでしょうか。 有効な方法の一つが、広告主側のメリットだけでなく、第三者による評価やデメリットも含めた資料の提示です。 1980年代に生まれたY世代など、別の世代との間にある世代間ギャップやZ世代の価値観の違いを認識しなくてはなりません。
彼らはインフルエンサーの推奨を自分ごととして捉える傾向があるため、共感性の高いコミュニケーション設計が不可欠です。失敗のリスクを最小限に抑える情報が信頼に繋がります。
「働き方」の可視化によるブランド共感の創出
Z世代の特徴を仕事の面で見ると、会社に対する向き合い方は、その企業のブランドイメージに直結します。 彼らが重視する成長環境や良好なコミュニケーションを、社内コンテンツとして可視化し、紹介することも一つの手法です。
自社のパーパスを単なる言葉で終わらせず、職場で若手の社員がどのように働きやすく、どのような経験を積んで自らの力を発揮しているかというナラティブを届けることで、消費者はその企業を共創パートナーとして認識し始めます。
8.まとめ
Z世代は今後、社会活動と消費活動の中心となっていく世代でありながら、その特徴は一概にはいえないほど、多様化している部分もあります。あくまで傾向ととらえ、テストマーケティングを重ねていくことで、自社にとっての最適解を見つけていくことが重要と考えられます。
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2026.03.25


