エクスペリエンスデザインサービス イベントレポート

イオン・カネボウ化粧品・
大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会のCX事例も
ご紹介!
【対談ウェビナーレポート】
ミレニアルズ・Z世代を顧客に変える
    ~CXのつくり方~

顧客起点での「新しい価値(イミ)創出」はできていますか。
特に「ミレニアルズ・Z世代」はこれからの消費を担い、さらにはトレンドセッターとして時代の羅針盤となる世代と言われています。
彼ら彼女らの価値観を踏まえたCX領域の提供は、企業の存在価値を再構築する際には重要なポイントです。

今回、2023年よりTOPPANと本領域において協業関係にあるNEW STANDARD株式会社様と共に
「ミレニアルズ・Z世代」を紐解き、そのインサイトに見えるビジネスチャンスを考えました。

合わせて、具体的な事例として、イオンリテール株式会社様、株式会社カネボウ化粧品様、大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会様との取り組みもご紹介しています。
各社様それぞれにどんな課題があり、「ミレニアルズ・Z世代」とどのようなコミュニケーション戦略を立てたのかTOPPANの担当者が語っています。

業界問わず、新しい顧客を創造したいみなさまのヒントになれば幸いです。


*本記事は2025年2月6日(木)に実施したウェビナーのセッション1「ミレニアルズ・Z世代はナニを
 考えている?」を抜粋し、作成しております。
 ウェビナー本編は、下記より動画でご視聴いただけます。


スピーカー紹介

大嶋 健司(おおしま けんじ)氏

大嶋 健司 氏
NEW STANDARD株式会社
NEW STANDARD THINK TANK
事業責任者
Research Editor

岡見 浩良(おかみ ひろよし)

岡見 浩良
TOPPAN 株式会社
ビジネストランスフォーメーションセンター
エクスペリエンスデザイン第一本部 CXプランニング部 1T
課長

※所属部署名は、2025年2月時点


NEW STANDARD株式会社は、「ミレニアルズ及びZ世代から生まれる、新しい価値観やトレンドの研究を担う・シンクタンク」「新規事業やブランド開発を担う・コンサルティングファーム」「顧客体験設計やコミュニケーション開発を担う・マーケティング&クリエイティブエージェンシー」で構成されており、ブランド開発からコミュニケーション開発の企画・実行まで一気通貫して、ワンストップで実現できることを強みとしています。

シンクタンクは、四半期ごとのミレニアルズ・Z世代のトレンドレポートの作成、セミナー開催、講演やイベント登壇、TOPPANをはじめ他社とのコラボレーションレポート作成やセミナーの実施、大学院との連携やコンテンツ提供などにより、ミレニアルズ・Z世代がつくり出すさまざまなトレンドや価値観をご紹介しています。


ミレニアルズ・Z世代の傾向と特徴

スモールマスが中心の世代

これまでのマス(かたまり・コミュニティ)は、マスメディア起点の共通の話題でつながっていました。
しかし、「スマホネイティブ世代」であるミレニアルズ・Z世代のマスは、SNS起点の話題がいくつもあり、それぞれが別々に、共通の話題でつながれている、スモールマス状態になっていると言われています。

ただし、ミレニアルズとZ世代にも、いろいろと違いがあります。ミレニアルズは30代から40代前半で、「デジタルネイティブ世代」と呼ばれています。比較的上昇志向が高く、理想主義な傾向にあります。一方、Z世代は20代前半から20代後半くらいの世代で、「ソーシャルネイティブ世代」と呼ばれています。ミレニアルズに比べると、現実主義で、本物思考の傾向があります。


ミレニアルズ・Z世代を理解するためのポイント

セッション1「ミレニアルズ・Z世代はナニを考えている?」では、ミレニアルズ・Z世代を理解するためのキーワードの中から、3つのキーワードをご紹介します。


キーワード① 「イマーシブ」

「デジタルネイティブ世代」と呼ばれるミレニアルズは、デジタル世界の広がりに対して身を持って体感してきた世代です。そして、「ソーシャルネイティブ世代」と呼ばれるZ世代は、物心ついた頃からスマホもSNSも身近な存在だった世代で、VRやメタバースのような三次元仮想空間にも馴染んでいます。

そこで、ご紹介したい1つ目のキーワードが、「イマーシブ」(immersive)=「没入感」です。最近、VRゴーグルで楽しむメタバース(仮想空間)をはじめ、デジタル技術を活用した展覧会やアトラクション施設など、「没入感」をテーマにした新たな体験型サービスが話題を集めています。オンラインからリアルまで広がりつつある「イマーシブ」は、エンタメ業界やプロダクトを超えて、体験型コンテンツを好むZ世代の消費行動を捉える上で重要なキーワードになりつつあります。

株式会社JTBコミュニケーションデザインと伊藤忠ファッションシステム株式会社が共同調査した「令和的非日常 Z世代における生活価値観・消費傾向から読み解くこれからの旅行スタイル」によると、Z世代には「デジタル化により他者といつでもどこでも繋がっている状態や日々のタスクに追われることからくる疲れから心理的に距離を置き、他者に気を遣うことなく自分らしくありたい= "快放されるひととき"を得たいというニーズ」があるとされています。

つまり、日常生活でいろんなノイズが発生したり、多様な連絡が来る中、「自分らしく、自分が好ましいと思う世界に入り込みたい=没入したい」というインサイトがミレニアルズ・Z世代にあるのではないかと、我々は捉えています。

ミレニアルズ・Z世代を対象とした企業の情報やメッセージを伝えるプロモーションは、これからもっと体感の深化を追求した、没入感があるものになっていくでしょう。


キーワード② 「オーセンティック」

ミレニアルズは、合理性を重視し、サステナビリティの考え方にも共感が強い世代です。
さらにZ世代は、マイボトルやマイバッグ、フードロスへの配慮など、おのずとサステナブルな生活を選択している世代です。また、古着を当たり前のように活用し、90年代や2000年代初頭のカルチャーにノスタルジーを感じる世代でもあります。

こうしたミレニアルズ・Z世代の傾向の裏に見えてくる2つ目のキーワードが、「オーセンティック」(Authentic)です。直訳すると、「本物の」「忠実な」「信頼できる」。アメリカの辞書出版社「メリアム・ウェブスター」の「Word of the Year 2023」に選出されるなど、ここ数年見かける機会が増えている、重要なキーワードの1つです。

実際、SNSにおいて、ユーザーは、報酬を受け取って商品を宣伝するインフルエンサーよりも、創造的な自己表現に情熱を傾けるコンテンツクリエイターに注目しつつあります。
日本で「BeReal」が人気になるなど、「映え」から盛らない「リアル」(=オーセンティック)に、志向がシフトしているようです。SNSに限らず、映画などのクリエイティブシーンにおいても、オーセンティックを重視する傾向は高まっているようです。

こうした傾向により、ブランディングに関しては、企業発信でイメージを作り上げる際、自らの理念に忠実であるのはもちろんのこと、ユーザーや消費者に対して正直に向き合っていく姿勢が、今後のスタンダードになっていくと考えられます。


キーワード③ 「〇〇コア」≒「〇〇界隈」

GoogleやAmazonといったビッグ・テックによる影響を受け、リアルタイムでライフスタイルを変化させてきたミレニアルズにとって、情報や価値観のベースは「欧米」にあると言えます。
これに対しZ世代は、映画やドラマ、音楽といったエンターテインメントはもちろん、新興SNSや食文化、美容、聖地巡礼を兼ねた旅行など、さまざまなシチュエーションでアジアカルチャーへの親近感を抱く傾向があります。
その背景には、Z世代がSNSやYouTubeを見はじめたときからアジア各国の情報が当たり前のようにあふれていたことが挙げられるでしょう。

そうした現状を踏まえて、押さえておきたい2024年を沸かせたキーワードが、「◯◯コア」(-core)です。TikTokなどのソーシャルメディアで特定の美学やトレンド、価値観を好む人々のコミュニティを表現するための接尾辞で、日本のZ世代がTikTokやXで使用する「◯◯界隈」と同様の意味合いや影響力を持っています。

これらのキーワードは、ユーザー自身がソーシャルメディア上で共通の趣味や興味を”推す”感覚でつながったり、特定の価値観をコミュニティ的に捉えたりすることで、自分の属性、趣味、思考に没頭していく流れを作り出す特性を持っています。冒頭でふれた「スモールマス」とも紐づいてくるワードといえるでしょう。

Dictionary.comの解説によると、「◯◯コア」(-core)の広がりの背景には、特定の趣味やアニメ、アイドルやアーティストなどの熱狂的なファンコミュニティを意味する「ファンダム」の概念の、ソーシャルメディアによる拡張があったとされています。

たとえば、ファッションのカテゴリーで、バレリーナ風のアイテムやライフスタイルを取り入れることを指す「バレエコア」(Balletcore)、おばあちゃんの家にあるようなヴィンテージ風の家具や装飾及びファッションや美学を指す「グランマコア」(Grammacore)などが、一種のトレンドとして注目を集めています。

今後、「ファンダム」を形成していく際には、従来のように特定の趣味や人物を熱狂的に応援するかたちから、美学や価値観に共感してSNSでつながること、そしてSNS上での動きをウォッチしていくことに重点が置かれていくと考えられます。こうした傾向は、今後、購買行動にも大きな影響を与えていく重要なポイントになると、私たちは捉えています。



レポートを読み解く視点

ミレニアルズ・Z世代について、その特徴や彼らを理解するためのキーワードを挙げていきましたが、スモールマス化が進むミレニアルズ・Z世代を一括りにまとめて理解しようとすることや、そうした理解に基づいてマーケティングアクションを考えることは、彼らに対する正しい理解・共感の妨げになりかねません。

今回ご紹介させていただいた価値観の一つひとつは、ミレニアルズ・Z世代が有する顕著な傾向・特徴として個別に理解いただき、その背景やインサイトを探りながら、マーケティングアクションやブランド・事業開発の起点として活用することが重要でしょう。


*本記事は2025年2月6日(木)に実施したウェビナーのセッション1「ミレニアルズ・Z世代はナニを
 考えている?」を抜粋し、作成しております。
 ウェビナー本編は、下記より動画でご視聴いただけます。

2025.04.03