Z世代に刺さるマーケティング
コミュニケーション方法とは?
「共感」と「多様性」の重要性
今後、Z世代が主要な顧客層になっていく中で、日々のマーケティングコミュニケーションの成果を出すにはどうすればいいか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回は、Z世代へのマーケティングコミュニケーションにおけるよくある課題から、理解する必要のあること、Z世代に刺さるコミュニケーションのポイントと事例まで解説します 。
<目次>
1.Z世代へのマーケティングコミュニケーションにおけるよくある課題
2.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを取るのに必要な理解
3.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションのポイント
4.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを取った事例
5.まとめ
1.Z世代へのマーケティングコミュニケーションにおけるよくある課題

Z世代に対してマーケティングを行い、コミュニケーションを取ろうとした際に、直面しがちな課題として次の点が挙げられます。
Z世代向け広告の成果が低い
Z世代をターゲットとした広告を打ったものの、十分な成果が得られないという課題です。特にZ世代は広告に対して敏感であるといわれており、SNSに慣れ親しむ中で遭遇する広告は特に「スキップ」対象となりやすくなります。
また、日々、インターネットをスマートフォンを通じて利用する中、情報や広告疲れを起こしていることもあるでしょう。さらに、SNSの双方向のコミュニケーションに慣れ親しんでいるZ世代にとっては一方通行の広告は響きにくいといわれています。
何が原因かはその時々によって変わるものの、広告の成果が出ないのはよくある課題です。
Z世代の価値観や特徴がよく分かっていない
Z世代向けの広告やキャンペーン、イベントなどのさまざまなマーケティング施策を行うものの、過去に開催したそれらの施策のうち、「偶然当たった」に過ぎないものがあるかもしれません。「なぜ当たったのか?」の分析を進めることも有効ですが、そもそもZ世代の価値観や特徴がよく分かっていないまま、手あたり次第にコミュニケーションを仕掛けているケースもあります。
炎上につながってしまった
Z世代にはSNSによる自らの情報発信が根付いており、企業の不適切な発言や不祥事についてSNSで情報共有しようとする傾向があります。そのため、ちょっとした発言が思わぬ拡散を生み、いわゆる「炎上」につながってしまうこともあります。
2.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを取るのに必要な理解

上記のような課題を解決するには、まずZ世代を理解する必要があります。その上で、最適な設計を戦略的に立てていくことが重要です。そこで、Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを取る前提として必要な知識をご紹介します。
タイパ重視である
タイパとは「タイムパフォーマンス」を指しており、一定時間に得られる効果や満足度の指標を表します。日々、触れる膨大な情報量の中から、自分にとって意味や価値のあるものを取捨選択する習慣が根付いているZ世代特有の価値観の一つです。自分の価値観とは異なる情報に時間をとられることを歓迎しないのです。
「つながれる」のが好き
ソーシャルネイティブ世代ならではの特徴として、「つながれる」ことを好む傾向があります。SNSを介して友人や知人とつながることを好み、情報共有や共感を軸にコミュニティを作り出します。
コト消費・イミ消費の消費傾向
世間一般の消費行動は、モノを所有するための「モノ消費」から、体験に重きを置く「コト消費」へと変遷してきた中、近年は、Z世代を中心に自分の価値観を表現するための「イミ消費」が重要視されています。イミ消費の一つで、「その場でしか体験できない」価値を重視する「トキ消費」もZ世代に根付いているといわれています。
常に最新トレンドに触れている
Z世代は情報感度が高く、常に最新トレンドに触れています。そのためSNSで一昔前に流行ったことについては、もはや古い印象を持っていることもあります。トレンド感覚が研ぎ澄まされていると考えたほうが良いでしょう。
3.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションのポイント

続いては、Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションのポイントをご紹介します。
タイパを考えた施策
タイパを重視するZ世代には長い動画を見せたり、一週間後に結果が分かる抽選キャンペーンを行ったりするのは避けるべきです。数秒程度のショートムービーにより共感を生むメッセージを配信したり、すぐに結果が分かるインスタントウィンキャンペーンなどが好まれます。
つながれるSNSキャンペーン・インフルエンサー・UGCマーケティング
「つながれる」、双方向性といった観点から、シェアしやすいSNSキャンペーンやインフルエンサーを起用するSNS投稿、UGC(※)マーケティングはZ世代の心を動かす可能性があります。
※UGCとは:User Generated Contentの略。ユーザーが生成したコンテンツを指す。SNS投稿や口コミなどが挙げられる。
参加・体験が可能なイベント
トキ消費につながる、参加・体験型のイベントの実施は、Z世代に響く可能性が高いでしょう。特に優れた体験が作り込まれたリアルイベントはZ世代の心が揺さぶられるはずです。
古いトレンドは持ち込まない
世間では「トレンド」といわれていることでも、Z世代にとっては「過ぎ去ったもの」である可能性があります。古いトレンドは持ち込まないようにし、「今」のトレンドを見極める目が必要です。
合理的なメッセージとアプローチを採用する
イミ消費世代は、ものごとの「イミ」を求めるため、マーケティングコミュニケーションを仕掛ける企業の価値観も見抜いてくるでしょう。熱量も大事ですが、合理的なメッセージとアプローチによって信念や目的をアピールするほうが有益です。
4.Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを取った事例

Z世代に刺さるマーケティングコミュニケーションを展開したTOPPANがサポートした事例を2つご紹介します。
メタバースで双方向コミュニケーションを実現 【イオンリテール株式会社】
イオンリテールは、ミレニアルズ・Z世代の集客のために、新しい接点作りの一環としてさまざまなツールの中からメタバースを選定しました。
以下の点が決め手でした。
・没入感があり、複数のユーザーと同時接続できる
・オリジナルゲームを通じてエンゲージメント向上が見込める
・VTuberとのコラボにより、コンテンツの魅力を拡張できる
・YouTube配信で利用すれば、SNSでのシェアにもつながる
年2回、各2ヶ月実施した結果、20万人を超えるアクセス数を実現し、ミレニアルズ・Z世代の利用は70%に達しました。SNS上でもイオンに来店した投稿が見られ、送客に成功しました。
KOLにブランド世界観共感を促しSNS発信 【株式会社カネボウ化粧品】
カネボウ化粧品は、新美容液についてアジア各国へのプロモーションにおいて、発信力のあるミレニアルズ・Z世代のKOL(Key Opinion Leader)を起用し、ブランド体験を発信してもらう施策を行いました。それにより、フォロワーへの認知拡大を狙いました。
KOLにブランドの世界観に共感してもらうために、2泊3日のツアーを組み、「東京の今を感じられ、ブランドとしての新しい見せ方」としてツアーの世界観を「HOPE with Vibrancy」という言葉で定義しました。こだわったのは、ツアープランニング、多様性を重視した世界観のビジュアルや写真映えしダイバーシティさを感じさせる会場と演出、個性を重視したKOLの選定です。
ショールームの見学や商品プレゼンとPRイベントなどを体験したKOLは、後日、ツアーの様子や感想、写真などをSNS投稿。結果、数万から数十万リーチを達成しました。
詳細やその他の事例については下記資料でご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
5. まとめ
Z世代のマーケティングコミュニケーションにまつわる課題を解決するには、まず前提となるZ世代の深い理解が求められます。
その上で、タイパを考えたショートムービーや「つながれる」施策、自ら参加し体験できるイベント、合理的なアプローチなどのコツを押さえることが重要です。
しかしながら、一般的なZ世代の傾向理解だけでは不十分です。自社商品やサービス、ブランドのターゲットを分析しなければ、成果につなげることはむずかしいでしょう。
ターゲットのZ世代の深い理解を進めるなら、ぜひTOPPANの“顧客起点”のミレニアルズ・Z世代向けマーケティングソリューションをご検討ください。
ミレニアルズ・Z世代の価値観分析とトレンドデータベースにより、トレンドレポートをご提出します。さらにデプスインタビューによってインサイトを発見します。そして顧客との対話によるアジャイル型のブランド開発メソッドにより、顧客起点での新しい価値(イミ)を創造し、商品開発やブランディング、CXデザイン(プロモーション)などに展開する仕組みをご提供します。
2025.10.09