店舗での顧客体験を向上させるDX化
具体的な方法やツールを紹介
現在、あらゆる店舗では、顧客体験を向上させるDX化の取り組みが進められています。今回は店舗での顧客体験を向上させる具体的な方法や、店舗DXを進めるためのツールをご紹介します。
顧客体験(CX)とは?
顧客体験とは、「カスタマー・エクスペリエンス(Customer Experience)」のことを指し、略して「CX」とも呼びます。
カスタマー・エクスペリエンスとは、顧客が製品・サービスを購入する前から、購入時、製品・サービスの利用時、利用後までの間に経験する一連の体験を指します。
近年、顧客体験が注目されている背景として、顧客との接点が増えていることや、複数の接点が絡み合っていることから、サービス提供側として統一感のある体験を提供することが求められているということがあります。
特に近年は、オンライン化が急速に進んだことから、オンラインと実店舗とのつながりや位置付けにおいて再構築が求められています。
また顧客へ与える価値における競争も激しくなっています。製品やサービスの体験から得られる価値において、他社より優位性を示すためには、価値を追求し、自社の店舗でしか提供できない価値を提供していく必要があります。
特に店舗における顧客体験は、オンライン化が進む現代において、貴重な価値を提供するものであるため、今後、さらなる提供価値向上を追求していきたいものです。
店舗での顧客体験(CX)を向上させる従来の方法
従来から店舗での顧客体験を向上させるために、主に次のような方法が取られてきました。
カスタマー・ジャーニー・マップを作って課題を分析・解決する
はじめに、カスタマー・ジャーニー・マップを作ります。カスタマー・ジャーニー・マップとは、顧客が商品やサービスを認知してから、購入・利用意向が生まれ、実際に購入・利用し、利用後に「利用し続けたい」「リピート購入したい」といった意思決定を行うまでにたどる一連の体験を、旅の道程に例えた概念です。
カスタマー・ジャーニー・マップを洗い出して作成した後は、顧客の行動や心理の変化などを明らかにするために、定性的、定量的データを分析して可視化し、各プロセスにおける課題を抽出します。そして、各プロセスにおける課題を一つひとつ解決していくことで、顧客体験の改善につなげます。
顧客情報やVOCを収集・分析する
顧客の属性情報やVOC(Voice of Customer/顧客の声)を集めて分析する手法です。
顧客情報やVOCを収集する方法として代表的なのがインターネット上でアンケートを実施することです。紙のアンケートや電話などと比べて顧客に回答してもらいやすい上に、データを各種システムと連携しやすいのもメリットです。
このようにして顧客の声を収集して分析し、課題を洗い出して解決策を見出します。結果的に、顧客体験の最適化につながるでしょう。
店舗での顧客体験(CX)を向上させるためにDX化が注目される理由
近年、店舗での顧客体験を向上させるアプローチ方法として、DX化が注目されています。
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」を略した言葉であり、「Digital」は「デジタル」、「Transformation」は「変容」を意味します。つまり、デジタル技術を用いて、生活やビジネスの変容を目指す取り組みを指します。
現在、国を挙げて推進されており、店舗型ビジネスにおいてもDX化が進められています。
店舗におけるDXが進めば、新たな価値が生まれ、より顧客にとって魅力的かつ利便性の高い顧客体験を提供することが可能になるでしょう。
店舗の顧客体験のDX化が注目されている背景
店舗の顧客体験をDX化する流れが起きている背景として、近年のデータ活用の潮流や顧客行動の変化、多様なチャネルにおける顧客接点の増加などが挙げられます。すでに多くの企業がデータを活用して分析し、効果的な顧客体験を提供しています。早い段階でDXに取り組まなければ、顧客が離れてしまう可能性もあります。そのため、店舗DXの推進は欠かせないものといえます。
店舗での顧客体験(CX)をDXで向上させる方法
具体的に、店舗での顧客体験をDXで向上させる方法を見ていきましょう。
詳細にカスタマー・ジャーニー・マップを作成する
カスタマー・ジャーニー・マップを作成する際には、専門的なデジタルツールを活用することで、各プロセスの詳細なデータを取得することができるようになります。これまで見えなかった顧客の行動が見える化されることで、より顧客の心理やニーズをつかむことができるようになるでしょう。さらに問題点も細かく抽出できれば、その問題点の対策ができます。
顧客データの分析にAIを活用
顧客からの声などを収集して分析する際は、AI(人工知能)の技術を用いることにより、精細に深いところまで分析することができます。これにより、顧客のインサイトを獲得できれば、競合他社に優位性のある施策を打つことができる可能性があります。顧客体験がより向上するでしょう。
業務のデジタル化
店舗業務にデジタルツールを導入してデジタル化を進めることにより、業務効率化が実現します。店舗は今、接客スタッフはもちろん、バックヤードにおける業務なども含めて人手不足の影響を大きく受けているといわれています。業務効率化および生産性向上が求められている中、業務のデジタル化を通じた業務変革によって、人手不足からくる課題も解決できる可能性があります。
店舗での顧客体験(CX)をDXで向上させるツール
店舗での顧客体験を向上させるために導入できるツールには、さまざまな種類があります。ここでは主なツールをご紹介します。
スマートフォンのオーダーアプリ
スマートフォンアプリからオーダーできるオーダーアプリの導入は、顧客体験を進化させてくれます。モバイルオーダーアプリとも呼ばれるもので、顧客は事前にアプリで注文予約を行い、その後、店舗に赴き、商品やサービスの受け取りができる仕組みです。店舗での待ち時間削減や売り上げ向上のメリットも期待されています。
アプリに関連しておすすめなのがTOPPANの「お買い物アプリ」です。本アプリは、流通・小売企業に必要なツールを網羅したアプリプラットフォームです。実店舗とデジタルにおけるユーザー行動データを融合し、店舗への誘引はもちろん、購買までのコンバージョンにつながる仕組みを提供します。
レシートキャンペーン実施ツール
Web上のキャンペーンとは別に、店舗での買い物を軸としたキャンペーンを実施したいという場合に、店舗での買い物時に役立つキャンペーンツールは有効です。
例えば、TOPPANのWEBキャンペーンサービス「キャンラボ ASP レシートタイプ」は、スマホを使い簡単に店舗で買い物したレシートを用いて応募できるキャンペーンの仕組みを提供するサービスです。また企画提案、景品提供、事務局業務などもあわせてTOPPANが一括で請負できるので、キャンペーン活動全体の効率化にも貢献します。
在庫管理システム
店舗とECサイトの商品在庫を連携させたり、店舗在庫で使用する販促資材の在庫管理を行ったりして在庫管理業務を効率化するために、在庫管理システムの導入は欠かせないものとなっています。
TOPPANでは資材管理システム「BRIDGITAL®(ブリジタル)」を提供しており、受発注対象の手配状況や在庫情報の見える化を実現します。リアルタイムな在庫管理による在庫の見える化や複数アイテムの複数届先への配送依頼など、一連の機能を利用できます。在庫や配送が発生するどのような業務にも利用でき、煩雑な在庫管理や受発注業務の効率化を図ることが可能です。
まとめ
店舗における顧客体験は大きな変革期を迎えています。
ぜひ店舗DXを通じて、新たな価値を提供していきましょう。
TOPPANでは、今回ご紹介したような店舗の顧客体験を進化させ、DXにも役立つサービスを多数ご提供しております。貴社の課題に合わせた最適なサービスをご提供いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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2023.11.17