コラム

小売業界にDXが必要な理由とは?
顧客との新しいコミュニケーション方法を紹介

日本の全業界に浸透しているDX。その波は小売業界にもやってきています。
今回は、小売業界にDXが必要な理由とともに、メリットや実践方法、事例をご紹介します。顧客との新しいコミュニケーション方法を模索している方はぜひご覧ください。


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小売業界にDXが必要な理由とは?

DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」を略した言葉です。「Transformation」は「変容」という意味があり、DXは「デジタル技術を用いることによる、生活やビジネスの変容」のことを指します。組織横断的・全体的に行い、顧客起点の価値創出を目指すものです。

小売業とは、仕入れた商品を主に一般消費者を対象に販売する業種です。
なぜ、小売業界にDXが必要なのでしょうか。

既存システムの老朽化、人手不足などの課題

小売業においては、既存システムの老朽化が進んでいるといわれています。ブラックボックス化(※)も進んでおり、運用・保守が属人化していることが多いことから、障害が発生しても原因究明が困難であったり、再構築に際してシステムの仕様が再現できなかったりといった課題があるため、早急に解決する必要があります。
また多くの小売業の企業において人手不足が深刻化しています。DXを推進していくにあたっても、DXを推進する人材を新たに確保もしくは教育しなければならない課題もあります。

※ブラックボックス化:システムのブラックボックス化とは、なぜそのシステムが動いているかわからない、保守や改修する技術者が存在しない状態のシステムであり、内部構造がわからず、誰も触れないシステムのことです。

消費行動・価値観の多様化

小売業界では市場競争が激化していることから、市場で勝ち残るためには、競合他社との差別化や優位性を確保する必要があります。消費行動や価値観が多様化している中、小売DXを推進し、顧客データなどを有効活用することで、顧客ニーズに適した商品・サービスを開発することができるようになります。

データ活用の流れに乗る必要性

データ活用は、ビッグデータが注目を集める中で特に価値が高まっています。小売業においては市場競争に勝つためにも、顧客データや販売データなどを活用する新たな仕組みを創出するなどのDXの推進が重要です。


小売DXのメリット

小売DXのメリット

小売業の企業が、DXを推進するメリットをご紹介します。

業務効率化により人手不足を解消

DXの推進は、小売業にとって深刻な人手不足の課題解決につながります。例えばセルフレジ導入によって、スタッフのレジ業務を削減できるので、業務効率化が実現し、省人化が可能になります。

顧客満足度の向上

ノンコア業務をデジタル化することによって、スタッフがより接客などのコア業務に専念できるようになれば、接客サービスの質が上がり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。また顧客や販売データの活用によりサービス向上施策を実施することも、顧客満足度の向上につながります。

顧客との新たなコミュニケーションが生まれる

小売DXによりシステムなど新たな仕組みを導入する中で、これまでになかった顧客とのコミュニケーション方法を見つけることができます。もしくは、顧客との接点を増やすためにECサイトやアプリなどを利用するという方法も考えられます。常連客やファンのロイヤルティを醸成することにつながります。

コスト削減

業務の自動化による人件費削減が一つ考えられます。さらに、システム導入による販売管理や在庫管理の効率化によるコスト削減も期待できます。例えば在庫システム導入によって過剰在庫が削減されれば、保管コストが削減できる可能性があります。


小売DXの実践方法

小売DXの実践方法

小売DXを実践するにあたって、具体的にどのように行っていけばよいのでしょうか。そこで、実践方法の例をご紹介します。

無人レジやキャッシュレス決済

店舗に無人レジやキャッシュレス決済を導入すれば、スタッフを配置することなく、スムーズな決済が可能になります。顧客にとっても利便性が高まるメリットがあります。小売業界の人手不足にも対応できるでしょう。実際、DXを推進したことで、混雑時にも顧客が待たずにスムーズに会計できたり、顧客が自ら商品バーコードをスキャンせず自動的に会計処理されたりする仕組みを導入したことで利便性がさらに向上し、顧客からの評価が上がり、店舗の価値が見直された事例なども存在します。

AI活用の在庫管理システムの導入

在庫管理システムの導入はすでに浸透していますが、AI活用の在庫管理システムで自動化することで、売れ残りや過剰発注を防ぐことが可能です。在庫管理のほか、受発注システムや顧客管理システムなどによっても、店舗における業務効率化を実現します。これにより、さらなるサービス向上や顧客満足度向上のための取り組みを推進しやすくなるでしょう。

ECサイトの購買データ活用

実店舗を持つ小売業が、ECサイトなどでオンライン販売を始めるケースは増えています。そのような中、ECサイト上の購買データを活用することで、ECサイトおよび実店舗での販売促進やサービス向上につなげることが可能になります。

OMOの推進

OMOとは「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインの統合という意味を持ちます。つまり、オンラインとオフラインを融合させて、ユーザーがオンラインとオフラインの違いを意識せずに、シームレスな購買体験ができるようにする施策です。
このOMOの推進も小売DXの一種となり得ます。例えば、実店舗でのキャッシュレス決済による購入データとECサイトの会員IDとを紐づけることで、実店舗で購入された商品の関連商品をECサイト上で案内するといったことが可能になります。


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小売DXの事例

小売業が小売DXを実際に推進したことで、成功した事例や実施例をご紹介します。

消費者の行動に紐づくデジタルチラシで集客

従来の紙によるチラシから、デジタルチラシに転換することはすでに多くの企業で実施されています。そこからさらにDXを推進する方法として、SNSのハッシュタグと商品を紐づけて紹介する方法があります。
TOPPANの「未来のチラシ®」を利用すれば、顧客の行動と一般消費者の行動をリアルタイムに解析し、商品をタイムリーなSNSのハッシュタグと紐づけてデジタルチラシ上で紹介することが可能になります。例えば、「お弁当を持ってハイキング」「キャンプ飯」などのSNSで需要のあるハッシュタグをリアルタイムに抽出して、消費者の行動に紐づくチラシを作ります。これにより、集客はもちろん、購買への魅力的な新しい導線となります。

折り込みチラシとデジタル広告のデータ分析

近年、小売業界でもデジタル広告がよく利用されていますが、ある企業ではなかなか成果に結びつかないという課題がありました。また従来の紙による折り込みチラシには、一目で情報が伝わり、全体が把握しやすいといったメリットもあり、全店舗で一斉にデジタル広告に置き換えることは難しいという課題もありました。
そこで採用されたのがTOPPANの「Print to Digital™」です。デジタルと紙、双方での広告の効果実績から、店舗単位の来店獲得傾向を把握。デジタル強化店とチラシ強化店のグループ分けを実施し、アクションと予算の最適化を行いました。これにより、最適化の前後比較や統計解析検証が可能になり、集客効果の最大化が実現しました。

小売業の営業・販促業務支援システムで業務効率化

営業・販促業務支援システムを導入することで、業務効率化を実現できます。TOPPANの「PROMO CORE® for cloud」は、チラシや店頭POP、Webサイトなど、あらゆる販促情報を一元管理することができ、効果的な営業活動を簡単かつスピーディーに実現することができるクラウドシステムです。
また基幹システムやPOSシステムと連携することで計画、販促、実績を商品に紐づけることができるため、営業活動全体を支えるプラットフォームとして戦略的な販促活動につながります。


まとめ

小売DXを推進することで、業務効率化や人手不足対策などの課題を解決できます。また、集客・売り上げアップや顧客満足度向上、そして新たな顧客とのコミュニケーション方法を得ることにつながれば、有益な結果といえます。

TOPPANでは、小売DXに役立つ情報や、サポートするサービスを数多く展開しております。ぜひTOPPANの情報誌 「ideanote(アイデアノート)」やサービスページをご覧ください。

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2023.11.17

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