CRMとMA・CDP連携の落とし穴とは?
成功の秘訣を解説!
CRM(顧客情報管理)の利用を社内で進めるにあたっては、単体での利用はもちろんのこと、MA(マーケティングオートメーション)やCDP(顧客データ基盤)と連携させることで、様々なメリットが期待できます。
しかし、これらのCRM連携にあたっては、落とし穴があることも事実です。
今回は、CRM連携の定義や必要性、連携方法と連携メリット、CRM連携の落とし穴、成功のポイントを解説します。
<目次>
1.CRM連携とは?
2.MA・CDPとのCRM連携のメリット
3.CRM連携の落とし穴~よくある失敗例
4.CRM連携の成功ポイント
5.まとめ
1.CRM連携とは?
CRM連携とは、CRMを他のツールと連携させることで、設定した目標達成・成果につなげることを意味します。そもそもCRMとは、「Customer Relationship Management」の略称で、日本語では「顧客情報管理」と呼ばれているシステムです。
CRMは、顧客情報を一元管理し、顧客コミュニケーションを最適化することで、顧客満足度向上やマーケティング施策の効率化などを支援します。
CRMで扱うデータの種類
CRMでは、主に次の種類のデータを取り扱います。
・顧客データ(氏名(会社名)・住所・電話番号など)
・購買データ
・購買履歴
・問い合わせ内容
・電話の音声データ
など
CRM連携の必要性
CRMに連携させるツールとして代表的なのが、MAやCDPです。これらのツールとCRMを連携させる必要性として、次のことが挙げられます。
・CRM単体では上手く活用されないケースをカバーするため
・迅速に効率よくマーケティング・営業の目標達成を目指すため
・営業活動の属人化が進んでいるため
・社内情報共有を促進するため
CRM連携を通じて、これらの課題を解決する試みが行われています。
2.MA・CDPとのCRM連携のメリット

MAとCDPそれぞれのCRM連携のメリットをご紹介します。
CRMとMAの連携方法とメリット
・MAとは?:Marketing Automationの略称で、マーケティング活動の自動化・効率化を実現するツールです。主にリード獲得を目的とします。
・CRM-MA連携のメリット:CRMに蓄積した見込み顧客の情報や行動履歴をMAへスムーズに共有できるようになり、見込み顧客へのアプローチを効率化します。見込み顧客が顧客へと成長する一連のプロセスをつなぐことができ、自動化も可能です。またそれにより確度の高い見込み顧客創出につながります。
CRMとCDPの連携方法とメリット
・CDPとは?:CDPとは、Customer Data Platformの略で、「顧客情報基盤」と訳されます。見込み顧客のWeb行動履歴や購買データ、顧客データなどが格納され、社内データと外部データの組み合わせにより広告やマーケティング施策を実施・分析できるプラットフォームです。CDPの詳細は、下記のコラムで詳細に解説していますので、あわせてご覧ください。
・CRM-CDP連携のメリット:CDPはデータを蓄積するプラットフォームであるため、施策を実施するためにはCRMなどの他ツールと連携させることで有効活用できます。CRMには、メール配信機能などの施策を実行する機能が備わっている一方で、データ収集の範囲はCDPと比べて限定的です。CDPは外部データも含めて収集蓄積できることから、CRMと連携させることで、幅広いデータをもとにした施策実行が可能になります。
3.CRM連携の落とし穴~よくある失敗例

CRM連携を進める際に、次のような失敗に陥ることがあります。あらかじめ押さえておきましょう。
連携目的が不明確で導入そのものが目的となってしまう
CRM連携の目的が曖昧なまま進めてしまい、連携・運用プロセスにおいて、「何のためにCRMと連携したのか?」を社内で共有できておらず、CRM連携が完了したことだけに満足してしまうケースです。
これではただ何となくCRMと連携したMAを使っているだけで、活用の意義や成果が創出できません。
データ項目が不統一なまま運用しており連携の意味がない
CRMとMA、CDPのデータ項目が統一されていないケースです。互いのシステムで連携してはいるものの、データの整合性が取れず、連携の意味を成さなくなってしまいます。例えば、CRMでは「企業名」、MAでは「会社名」と異なる項目を利用していると、データの二重管理が発生することになり、部門間、メンバー間などで正しく情報共有ができません。
ツールを連携しても社内ルールの統一がされておらず情報齟齬が生じる
ただツール同士を連携しただけで、ルールは部門間で別々のまま運用していると、情報齟齬が生じることがあります。
例えば、受注した顧客については、即座にステータスを「受注済」に変更するなどのルール統一がされていなければ、「見込み顧客」のまま全ツールで誤った顧客ステータスを共有することになりかねません。その結果、誤って受注済顧客にまでメールを送信してしまうといった深刻な失敗につながることもあります。
部門間で共有すべきデータが見られていない
本来、CRM連携の目的は、マーケティングや営業活動の効率化と成果最大化にあります。しかし実際に、部門間で共有すべきデータが見られていないケースも少なくありません。
見落としている、重要視されていないといった様々な原因が考えられますが、これでは成果につながりにくいことは言うまでもありません。
セキュリティ・プライバシー権限への配慮が足りない
CRMやMAなどは顧客の個人情報や行動データなどの機密情報を取り扱うことから、ツールのアクセス権限の管理やIP制限などが不適切であると、思わぬプライバシー違反につながりかねません。
効果検証・PDCAが回せていない
CRM連携を行っても、連携効果はどうなのかを検証し、効果が出ていなければ改善する体制がないというケースもあります。
4.CRM連携の成功ポイント

CRM連携のよくある失敗を踏まえた、成功のポイントをご紹介します。
連携目的を明確にしてから計画する
CRM連携の成果を出すには、まず目的を明確にした上で連携計画を進めていくことが重要です。
【目的の例】
・CRMの顧客情報の有効活用
・他ツールへの入力の手間削減・業務効率化
・部門間の情報共有による受注率アップ
データ整理とクレンジングを先行して行う
データが統一化されていないまま連携することは推奨できません。
データ移行前に、不要なデータの削除、不完全なデータの補完、表記揺れ統一などの整理・クレンジングを実施します。
社内運用体制の構築と社内ルール統一を行う
先行して、社内運用体制の構築やルール統一などを実施しておくことが重要です。責任者の配置と共に、現場メンバーへの教育・トレーニングも有効です。
人員の運用体制構築に加えて、効果検証の仕組みと物理的なシステムを事前に検討しておくことで、運用後のPDCAサイクルがスムーズになります。
セキュリティ・プライバシー権限を適切に設定する
アクセス範囲、権限付与など、セキュリティやプライバシーの管理を徹底して行っておくことで、安心して運用することができます。
KPIを設定し、効果検証・PDCAを回すサイクルをルーティーン化する
CRM連携後のマーケティング・営業のKPIを設定し、効果検証・PDCAを回すサイクルをルーティン化しましょう。例えばマーケティングにおいて、リード獲得数や営業へのトスアップ割合などを数値目標として設定し、CRM連携の効果を測ります。
これらの解決策を自社で実施することは負担が大きくリソース面でもむずかしいこともあるでしょう。その場合は、TOPPANにお任せいただくことも可能です。TOPPANでは技術・データ整備のほか、運用面や組織的な側面からのアドバイスも可能です。
5.まとめ
CRM連携は顧客データの活用を促進し、マーケティングと営業活動の効率を高め、成果創出につながります。よくある落とし穴を事前に押さえておくことで、CRM連携の失敗を予防し、より効果を出すことができるでしょう。
TOPPANでは、CRMやMA、CDPの導入や連携、活用においてあらゆるご支援が可能です。CRM連携に課題を感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2025.08.19