コラム

4PLとは? 3PLとの違いも解説!

近年、人手不足や業務効率化、DX推進の必要性などを背景とし、物流業務の業務委託が進んでいます。ただ業務を委託するだけでなく、業務の改善や品質の向上など、さまざまな効果を生み出す業務委託の形が増えています。

3PLや4PLは近年注目のキーワードといえます。今回は4PLの特徴を中心に、3PLとの違いや、4PLを導入するための成功のポイントを解説します。


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■物流の4PLとは? 3PLとの違い

まずは物流の4PLの意味から確認しておきましょう。3PLとの違いも合わせて解説します。

●4PLとは

4PLは「Fourth Party Logistics」の略で、3PLと同様に物流アウトソーシング形態を指します。

しかし4PLでは、3PL(Third Party Logistics)が提供する物流サービスに加え、戦略的なコンサルティングを含む総合的なソリューションを提供します。4PLは、物流管理の第四者として、企業のサプライチェーン全体を最適化し、効率化を図る役割を担います。

4PLの活用で、企業は物流の煩雑な業務から解放され、コアビジネスに集中できるようになります。4PLは、物流の戦略的パートナーとして、企業の競争力を高める重要な役割を果たします。

●3PLとは

3PLとは、「Third(3rd)Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)」の略称で、「Third(3rd)Party」は「第三者」を意味します。

自社製品の物流を効率的に行いたい荷主企業が、自社(First Party)ではなく、運送事業者(Second Party)でもなく、第三者に物流業務を包括的にアウトソーシングします。

3PL業者は、荷主企業に対して最適で効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、包括的に物流業務を受託し、実行します。

近年、3PLは新しい物流業務の形態として注目を集めて、多くの企業に導入されています。

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●4PLと3PLの違いとは?

4PLと3PLの違いについて詳しく説明します。

主な違いは「業務範囲の広さ」にあります。3PLは、物流業務の全般または一部を担当するのに対し、4PLはそれに加えて、物流全般やサプライチェーンマネジメントにおける戦略的な企画・管理を行う点が異なります。

どちらも企業の物流業務を代行し、効率化を支援する役割を果たしますが、4PLはさらにその範囲を広げ、物流全般およびサプライチェーン全体を対象とします。サプライチェーンとは、商品や製品が消費者に届くまでの調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの一連のプロセスを指します。物流はその中で、在庫管理から配送までの一部の工程をカバーしますが、4PLは調達から消費に至るまでの全体の流れを見直し、戦略的な改善提案を行います。

4PLは、物流に限らず、他の業種や業界においても通常はコンサルタントが担うような役割を果たします。例えば、EC事業における4PLでは、顧客への商品発送や在庫管理、業務効率化の支援にとどまらず、顧客の購入履歴やECサイトの閲覧情報を基に、マーケティング戦略の立案にも貢献します。そのため企業は単なる物流の効率化だけでなく、ビジネス全体の成長を促進することが可能となります。

4PLの導入により、企業は物流業務を超えた包括的なサプライチェーン戦略を構築でき、競争力を高め、変化する市場ニーズに迅速に対応し、顧客満足度を向上させることが期待できます。4PLは、単なる業務のアウトソーシングを超えた、ビジネスパートナーとしての役割を果たし、企業の持続的な成長を支える重要な存在となります。

■4PLが注目される背景

近年は、3PLの注目度が高まるとともに、4PLへの注目度も高まっています。その背景として、3PL事業者はコスト削減を提案しにくい点が挙げられます。

これまで3PLを利用していた荷主企業などは、3PLで物流業務が順調に進んでいったとしても、規模を拡大することに懸念があります。なぜなら、直接的に利益率が向上するわけではないので、コスト削減も考えながら慎重に拡大していく必要があるからです。

また3PL事業者が必ずしもコスト削減に協力してくれるとは限りません。むしろ3PL事業者は、委託事業者に対してコスト削減を提案しにくい立場にあります。

なぜなら、規模縮小等によりコストが削減されるということは、3PL事業者の請け負う範囲が減り、報酬が減ることになるからです。どちらかと言えば、規模を拡大して報酬を増やしたいと考えるのが通常です。

このような背景のもと、3PL事業者はコスト削減を委託事業者に対して提案しにくい点があることから、荷主企業は他の手立てを考えなければなりません。

そこで有効なのが4PLです。4PLのコンサルティング料は物流代行の報酬とは別になることが一般的で、規模の拡大・縮小によって変動することはありません。そのため4PLは委託企業のメリットを純粋に考えて、コスト削減提案を行っていくことができると考えられます。

ただし、3PL事業者の中にも純粋に委託企業のメリットを考えてコスト削減につなげてくれる企業もあるため、一概には言えません。

■4PLのメリット・デメリットとは?

4PLを導入することのメリットとデメリットには、次のことが挙げられます。

【メリット】

●業務効率化につながる
4PLは、サプライチェーンを広く視野に入れて物流業務を最適化する提案をしながら、業務の代行も行います。そのため、業務効率化は大いに期待できるでしょう。
物流全体の客観的な分析を通じて、潜在的、顕在的な課題を洗い出し、改善提案を行います。

●コスト削減が期待できる
4PLでは利用コストがかかりますが、人件費やツール導入費、物流にかかるコスト全般の削減が期待できるため、トータルで見ればコスト削減につながることもありますし、少なくともコストパフォーマンスが高まることが期待できます。

●企業戦略とマッチした方向性の物流構築・改善が可能
4PLでは物流戦略に関するコンサルティングを受けられるため、より自社の戦略とマッチした方向性の物流構築や改善が可能になります。単に3PLを導入するのと比べて、より改善効果が高くなる可能性があります。

【デメリット】

●ノウハウが蓄積されなくなる
4PLの導入により、物流業務を自社で管理しなくなるため、物流に関するノウハウが自社に蓄積されなくなります。 4PLの契約終了後、再び自社で行うとなった場合に、同様のクオリティやスピードで業務を行うためには、ノウハウとコストが必要になります。ノウハウは引き継げないことも考えて導入する必要があるでしょう。

●セキュリティのリスクがある
4PLに限らず、アウトソーシング全般に言えることですが、外部委託する際には、自社の機密情報や個人情報を含む顧客データを渡すことがあるため、情報漏洩のリスクがあります。防ぐためには高いセキュリティ環境下で作業を行ってくれるサービス事業者を選定することが重要です。

■4PLを導入する際のポイント

4PLを導入する際には、次のポイントを踏まえて導入することをおすすめします。

●実績・セキュリティが万全な委託先を選ぶ

当然のことながら、実績があることは大前提といえます。さらにセキュリティに関して万全に対策がなされている委託先を選びましょう。高いセキュリティ環境下で業務を行うといった特別な措置を行っている事業者がおすすめです。

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●委託事業者の得意な領域と委託したい内容をマッチさせる

4PLは3PLと比較すると実施している事業者の数が少ないことから、実績などをしっかりと確認して委託しましょう。また4PLサービスでなくとも、質の良い3PLサービスで事足りることもあるため、幅広く情報収集を行ってみることもおすすめです。

また、「デジタル化」などの特定の課題解決のテーマがある場合、デジタルに強みや実績のある4PL事業者に依頼をするなど、 領域を明確にして委託しましょう。

■TOPPAN BPOのご紹介

TOPPAN BPOの3PLサービスは配送などの業務委託、物流構築といった3PL業務はもちろん、 ロジスティクスに関する課題整理を行い、課題解決のための最適なソリューション提案を実施する4PLに近いサービスも実施しております。

お客さまのコスト削減にも尽力いたします。

物流に関してお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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2024.10.25

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