物流センターとは?
センターの種類や業務効率化の
方法などを解説
荷物の入荷から保管、出荷、配送まで一連の物流業務を取り扱う物流センターは、私たちの生活を支える物流の重要拠点といえます。物流業界全体において効率化が求められている中、物流センターにおいてもその流れが生じています。
今回は、物流センターの概要から役割、種類ごとの違い、業務内容、効率化の方法について解説します。
物流センターとは?役割をご紹介
物流センターはどのような役割を持つのでしょうか。基本的なことから役割、倉庫との違いを確認しておきましょう。
●物流センターとは?
物流センターとは、物流における荷物を一時保管し、輸送に向けた業務を効率的に行うために作られた施設を指します。荷物の入荷から配送までの一連の物流業務を担うのが特徴です。
●物流センターの役割
物流センターの役割には、主に「保管、荷役、流通加工・包装・梱包、輸送」があります。
・保管
入荷から出荷までの間、物流センターに商品を置いて管理する役割です。
・荷役
荷物の物流センターへの入荷・出荷に関わる役割です。ピッキングや仕分けなども含みます。
・流通加工・包装・梱包
荷物への値札付けなどの流通加工や、包装・梱包など、荷物を出荷するために必要な工程を担います。
・輸送
荷物を顧客や店舗などの納品先へ輸送する機能です。トラック輸送や鉄道輸送などのために荷物を出荷します。
●倉庫との違い
物流センターは、一般的な倉庫とは異なります。大きな違いは、その役割と業務内容にあります。倉庫は、荷物の保管を役割とする施設であることから、通常は保管や荷役の役割にとどまります。流通加工・包装・梱包や輸送の役割は基本的にはありません。メインの役割は保管であることから、保管に適した温度管理機能などを備える倉庫もあります。それに対し、物流センターは入荷から出荷までの一連の物流業務を担います。多くの荷物が激しく出入りするという性質から、物流センターは、一般的な倉庫と比較して出入口が多いのが特徴です。
物流センターの種類とは?
物流センターには複数の種類が存在します。主要な種類について、特徴や違いを見ていきましょう。
●配送センター
配送センターとは、主にトラック輸送のための施設で、エリア内の配送を担う物流センターです。当該エリアに届ける商品などの荷物が集められ、仕分けされ、トラックで順次、配送されていきます。
●デポ
デポとは、小型の物流拠点を指します。エリア別に存在し、荷物が数多く集められる配送センターとは異なり、必要最小限の荷物を集め、届け先に対して迅速かつ高頻度に配送するための施設として利用されています。リードタイムが短縮できるメリットがあります。
●フルフィルメントセンター(FC)
フルフィルメントセンターとは、ECや通信販売に必要な業務を包括的に行う施設です。フルフィルメントとは物流業務に限らず、ECから顧客が注文して商品を受け取るまでのすべての工程に必要な業務を指しています。そのため、受注や決済、返品対応、在庫管理、問い合わせ対応、顧客データ管理などの業務も含んでいます。
●ディストリビューションセンター(DC)
ディストリビューションセンターは、在庫型物流センターとも呼ばれる、荷物の保管業務を含んだ物流センターです。他の物流センターとの大きな違いは、「在庫」として保管される機能を持つ点にあります。一定の在庫を保管しながら、出荷指示があり次第、迅速に出荷するために設置されています。
●トランスファーセンター(TC)
トランスファーセンターとは、在庫を保管しない物流センターです。主に店舗向けに設置されており、店舗向けに一時的に荷物を集約し、入荷・検品・店別の仕分けなどを行った上ですぐに配送します。荷物の積み替えだけを行う拠点もあります。
物流センター内で行われる業務
物流センターの中では、具体的にどのような業務が行われているのでしょうか。
一般的には「入荷・検品→仕分け・保管→ピッキング→流通加工→検品→包装・梱包→出荷」の流れで進みます。それぞれの業務内容を確認していきましょう。ここでは商品を取り扱う物流センターを例に挙げてご説明します。
●入荷・検品
商品が物流センターへ入荷され、入荷伝票をチェックして検品します。
●仕分け・保管
商品を一定のルールに従って仕分けし、指定のロケーションで保管します。
●ピッキング
出荷の指示が出たら、商品を保管されている場所から取り出すピッキング作業を行います。
●流通加工
商品へ、値札やラベル付け、ギフト商品梱包などを行います。
●検品
受注情報と合っているかを検品して確認します。
●包装・梱包
出荷のための包装や梱包を行います。例えば段ボール箱に梱包したり、箱の内部に緩衝材を入れたりして輸送に耐え得るようにします。
●出荷
商品を物流センターから出荷し、トラック輸送などによって顧客や納品先へと配送されます。
物流センターの業務を効率化する方法とは
近年はECの物流量の増加や人手不足などを背景に、物流センターの業務効率化やリードタイムの短縮が求められています。物流センターの業務を効率化する方法として、次の方法が挙げられます。
●作業フローの見直し
先述の通り、物流センターではさまざまな業務が行われています。スタッフが物流センター内で稼働する業務については、一度、作業フローの見直しを図ることが先決です。例えば、受注後にピッキングを行う際に、非効率的な作業手順や動線で作業しているケースもあります。普段から当たり前のように行っている業務も、一度、客観的に改めて眺めてみて、無駄がないか洗い出すことも必要といえます。作業手順だけでなく、物流センター内のレイアウトの見直しも有効です。
●ITシステムの導入
物流センターでは、近年、ITシステムを活用した業務効率化が進んでいます。例えばWMS(Warehouse Management System=倉庫管理システム)はその代表です。WMSとは物流センターで行われる一連の作業を一元管理することができるシステムです。在庫の照会やロケーション管理、温度管理などのリアルタイム管理が可能です。
また、検品やピッキング作業を効率化するために、ハンディターミナルなどによるバーコードスキャンによって正確な作業を実現できるシステムも多く存在します。
物流センター内の業務全体を効率化できることから、コスト削減につながるともいわれています。
●共同配送の提案
近年は輸送効率化のために、複数の荷主や配送会社が協力して、一つのトラック内に同一エリアの荷物を積み込む「共同配送」の取り組みが進んでいます。トラックの積載率向上やトラック台数を減らすことによるコスト削減などあらゆるメリットが得られることから注目されています。そのため、物流センターの業務効率化をするために、配送先が近い他社と同じトラックで配送を行うなどの共同配送の提案を他社へ行ってみることも一つの方法となるかと思います。
●3PLサービスの活用
物流業務を専門業者に外部委託する方法です。プロに任せることで手間やコストの削減が叶うほか、物流業務の効率化やサービス品質の向上を実現します。また委託によって空いた時間やリソースを通常業務に充てることができるメリットも期待できます。物流関連の外部委託として近年、注目されているのが、3PLです。3PLとは「3rd Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」の略で、荷主に代わって第三者(サードパーティー)が効率的な物流システム構築の提案を行い、物流業務の企画から設計、運営まで一連の業務を請け負う業務形態を指します。3PLを活用すれば、先にご紹介した作業フローの見直しやITシステムの導入、共同配送の検討などのあらゆる打ち手を行うことが可能となり、物流センター全体の業務効率化につながります。
まとめ
物流センターは、一連の物流業務を担い、生活に欠かせない物流インフラを支える重要な拠点です。業務効率化を進めることは、社会全体にもより良い影響をもたらすでしょう。
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2024.01.26