コラム

低温倉庫とは?
温度別の種類や特徴を解説

近年、冷凍・冷蔵倉庫の需給逼迫が常態化している中、商品の保管について課題を感じている方は多いのではないでしょうか。そのような中でも低温倉庫をこれから運用していきたい、もしくは倉庫業務を委託したいと考えている場合には、低温倉庫について詳しく知っておくことをおすすめします。

今回は、低温倉庫の概要から低温倉庫を運営・管理するメリット・デメリット、低温倉庫を選ぶポイントをご紹介します。


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■低温倉庫とは?

●倉庫とは

倉庫とは、荷物や商品を保管・貯蔵するための建物です。基本的には保管する荷物などが紛失したり、損傷したりすることがないように保護の機能を持ちます。

一般的に、倉庫は次の2種類に分かれます。

自家用倉庫:倉庫の所有者や使用者、借主などが自身の私物を管理・保管する目的で使用する倉庫です。

営業用倉庫:外部から委託を受けて商品の保管や入出荷を行う施設を指します。つまり私物ではなく、他人や他社の荷物を保管します。倉庫業法に基づき、国土交通大臣の登録を受けた倉庫です。

また倉庫で保管する際には、それぞれの荷物にとって適切な温度帯で保管する必要があります。その温度帯は「保管温度帯」という区分が設けられており、「常温倉庫」「低温倉庫(定温倉庫)」「冷蔵倉庫」「冷凍倉庫」の4つに分けられています。

●低温倉庫(定温倉庫)とは

4つの温度帯のうち、低温倉庫は、倉庫内の温度を一定に保つように管理を行っている倉庫全般を指します。定温倉庫と呼ばれることもあります。

常温倉庫以外の冷蔵倉庫や冷凍倉庫も一定の温度を保つという意味で低温倉庫と呼ばれることもありますが、一般的には、低温倉庫というと、10℃以下で保管する冷蔵倉庫や冷凍倉庫とは異なる温度帯で管理する倉庫を指します。

低温倉庫(定温倉庫)の保管温度帯は、一般的に10~20℃の間となっています。この温度帯に適しているのは、温度変化で品質が低下したり、カビが生えたりするものです。例えば野菜、菓子類、酒類、医薬品、精密機械などの保管に適しています。

●常温倉庫、冷蔵倉庫、冷凍倉庫との違い

常温倉庫は、倉庫内の温度は特に調整されない倉庫で、一般的な原料や化学品、塩、家具、ダンボール材など温度変化の影響を受けにくいものに適しています。

冷蔵倉庫は、10℃以下の温度で保管する倉庫で、水産物や畜産物、農産品など冷蔵する必要のある食品などに適しています。

冷凍倉庫は、冷蔵倉庫に含まれますが、特に低温の温度帯で保管する倉庫です。一般的に-20℃以下の倉庫を冷凍倉庫と呼びます。-20℃以下の保管が必要な肉類や魚介類、アイスクリームなどの食品、医薬品や化学製品などに適しています。

■低温倉庫を利用するメリット・デメリット

低温倉庫を企業が利用することにはどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

【メリット】

●低温管理が必要な商品を保管できる
低温倉庫の一番のメリットは、常温倉庫では品質や鮮度を保持できない商品を適切に保管できるという点にあります。商品に応じた温度と湿度で管理されるため、商品の劣化を防ぐことが可能です。また、結露や多湿を防ぐことにもつながるため、カビや害虫の発生なども予防できます。

これまで保管できなかった商品を低温倉庫を利用することで保管できるようになれば、販路の拡大にもつながるでしょう。

●食品などの廃棄削減につながる
低温倉庫で食品などの商品を保管することで、品質劣化を防ぐことができるため、廃棄する量を大きく削減できると考えられます。近年は、食品ロスが世界的に問題になっており、食品産業に関わる企業は食品ロスの削減に対応しなければなりません。低温倉庫で保管することは対応策の一つになります。

【デメリット】

●運営コストがかかる
低温倉庫を自社で設営し、管理・運営していく場合には、運営コストがかかります。温度管理が不要な常温倉庫と比べると、温度管理の制御システムの導入コストや管理のために専門知識を必要とする人材コストが考えられます。

●季節によって倉庫スペースが余ることがある
低温倉庫で保管する商品には、一年中保管が必要な商品とそうでない商品があります。その場合には、季節によって倉庫スペースが余るという課題が生まれます。倉庫スペースを持て余していると運営コストに無駄が出てしまうため、対策が必要になります。

■低温倉庫サービスを選ぶポイント

低温倉庫は、自社で設営する他に、倉庫業者や物流関連事業者などから借りて利用したり、アウトソーシングを行い倉庫管理や物流業務をまるごと任せたりする方法もあります。このような外部サービスを選ぶ際には、ぜひ次のポイントを押さえて選定しましょう。

●商品が発送しやすい立地か

低温倉庫サービスを利用しようと考えたときに、まず検討するのが立地ではないでしょうか。自社や自社の工場や原材料の産地、納品先などに近かったり、交通の便が良かったりと、倉庫から商品が発送しやすい立地かどうかを検討しましょう。

商品が発送しやすい立地であれば、運賃を削減することができますし、食品であれば鮮度を保持しやすくなります。

●低温倉庫内での梱包などが可能かどうか

倉庫サービスの中には、ただ商品を保管するだけではなく、商品の発送に伴うピッキングや梱包等の物流業務を合わせて委託することができるサービスもあります。

近年は3PLつまり「Third(3rd)Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)」という自社製品の物流を効率的に行いたい荷主企業が、自社(First Party)ではない、運送事業者(Second Party)でもない、第三者に物流業務を包括的にアウトソーシングする手法が注目されています。この3PLサービスを提供している事業者の中には低温倉庫の管理も併わせて受託しているところもあります。

低温倉庫サービスの事業者に物流業務の委託も可能か尋ねてみましょう。

●品質を維持するために必要な設備がそろっているか

低温倉庫では、温度管理と品質保持のために、温度制御システムや冷却システムはもちろんのこと、断熱性や密閉性の高い設備が整っている必要があります。あらかじめこれらの設備がしっかりと整っているか確認することをおすすめします。

■TOPPAN BPOの低温倉庫の特徴とは?

低温倉庫サービスと共に、物流業務も併せて委託したい場合には、TOPPAN BPOの冷凍・冷蔵倉庫サービスがおすすめです。

TOPPAN BPOは、TOPPANのネットワークで、冷凍・冷蔵倉庫を安定供給することが可能です。全国に広がるネットワークを活用した倉庫のご提供が可能である上に、倉庫内での作業や業務プロセス改善などにも取り組むことが可能です。

倉庫の立地は、高速道路のインターチェンジ付近など交通の便が良い場所や農産物の産地や漁港付近に立地するパートナー企業とのネットワークを有しています。

ただ倉庫を管理するだけでなく、温度管理ツールや環境配慮型パッケージといった、倉庫内での品質管理や業務効率化などの複合的な課題解決が可能な多様なソリューションのご提供も行っています。

鮮度に関しては、TOPPANによるパッケージ「GL BARRIER」を使用することで、畜肉や水産加工品を冷凍保管した際の酸化による商品の変色や風味の変化を、従来よりも長期間抑えることができるため、ご利用いただくことも可能です。

その他、カタログ同梱や問い合わせ対応作業などTOPPANの幅広いBPOサービスを活かして、倉庫や物流関連業務に留まらないご支援が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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2024.02.16

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