WMS(Warehouse Management System)とは?
3PLにおける活用方法もご紹介!
近年、物流業務にWMS(Warehouse Management System=倉庫管理システム)の導入が進んでおり、業務効率化や自動化が促進されています。そうした中、物流工程を物流の高いノウハウを持つ専門企業に委託する3PL(Third(3rd)Party Logistics)による業務効率化も実現しており、両方を取り入れているケースも少なくありません。
今回は、WMSを導入して物流の効率化を達成したいとお考えの方に向け、WMSの概要とともに、3PLにおけるWMSの活用方法をご紹介します。
■WMS(Warehouse Management System)とは?
まずはWMSの概要を確認していきましょう。
●WMSとは?
WMSとは、「Warehouse Management System」の略称で、日本語では「倉庫管理システム」と訳されます。
物流倉庫や物流センターで行われる一連の作業を一元管理することができるシステムです。
在庫の照会やロケーション管理、温度管理などのリアルタイム管理が可能です。また、検品やピッキング作業においてハンディターミナルなどによるバーコードスキャンによって半自動化し、効率化する機能を持つWMSも存在します。
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●WMSの主な機能
WMSの主な機能には、大きく分けて入荷管理、出荷管理、在庫管理、棚卸管理の4種類が挙げられます。
・入荷管理
入荷予定情報の取り込み、帳票・ラベル発行、検品・ハンディターミナルによる棚入れなど
・出荷管理
出荷依頼情報の取り込み、在庫引当・引当処理、出荷指示、梱包・ハンディターミナルによるピッキング・検品、送り状・荷札・納品書印刷など
・在庫管理
在庫照会、期限警告、移動指示など
・棚卸管理
棚卸データの作成・出力、棚卸結果、差異リスト作成など
これらの機能を一つのシステムで一元管理しながら、データを元に倉庫業務を進めていくことができます。
●WMSの種類
WMSは、一般的な機能が備わる「汎用型」と、会社の環境や状況に応じてカスタマイズする「カスタマイズ型」の大きく分けて2種類に分かれます。自社のニーズに合わせて導入を検討しましょう。
●WMSと基幹システムとの違い
WMSの機能を知ると、一般的に企業内で利用されている基幹システムと似ていると感じる方もいるかもしれません。
確かに基幹システムは、生産や仕入、売上などの情報を一元管理しており、在庫管理や注文管理などを行うことができるものもあります。
しかし、WMSに備わる倉庫業務で求められる入出荷管理やピッキング・検品機能などは基幹システムには備わっていません。
そのため、倉庫における業務効率化やサービス品質の向上を目指す場合には、WMSが役立ちます。
■WMSを導入するメリット・デメリットとは?
WMSを導入することには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。両方を確認しておきましょう。
【メリット】
●在庫などの情報の見える化
WMSを利用することで、在庫管理においてすべての荷物をシステムに登録することになります。すると、その在庫の入荷・出荷の状態を常に管理することができるようになります。つまり、在庫情報などの見える化を実現し、業務をより効率化します。
●物流作業の精度向上、一元管理による効率化
ハンディターミナルによるピッキングや検品を行うことで、ヒューマンエラーが削減され、正確性が増します。また在庫管理や受発注処理の自動化や一元管理化は正確性と共にリードタイムの削減や作業負荷軽減といった物流作業の精度向上、効率化につながります。
●物流コストの削減
WMSを導入することで、物流コストの削減につながる可能性があります。削減できるコストとしては複数の種類が考えられます。例えば、物流業務の自動化によって工数が削減できることで、人員コストの削減が可能になることがあります。
またヒューマンエラーを削減することができれば、手戻りによって発生するコスト増を低減することができるため、この点においてもコスト削減が期待できます。
もちろん WMSのイニシャルコストやランニングコストはかかりますが、長い目で見た場合、トータルコストが削減できることは大いに期待ができます。
【デメリット】
●WMS導入にはコストがかかる
WMS導入の際に発生するコストは、デメリットの一つに数えられることがあります。しかしデメリットになるのは、物流業務が効率化しなかった場合に限ります。万が一、効率化しなかった場合には、逆にコストが増してしまう結果になってしまいますので、注意が必要です。
●WMSを維持・管理する人的リソースが必要
WMSは、他のシステムと同様に操作する人員が必要になります。またWMSそのものについても管理が必要になります。そうした操作に関する教育コストや、管理者のアサインなどの人的リソースが必要になることは想定しておく必要があるでしょう。
システムによっては操作が非常にむずかしく、何十時間も研修をしなければならないケースも考えられます。またシステムを扱える専門人材を採用しなければならないといった事態になることもあります。この点もよく踏まえておきましょう。
■3PLにおけるWMSの活用事例
近年、注目が高まっている「3PL」を利用して物流業務をアウトソーシングすることを検討する場合には、WMSを導入している事業者に委託することをおすすめします。
●3PLとは?
3PLとは、「Third(3rd)Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)」の略称で、「Third(3rd)Party」は「第三者」を意味します。自社製品の物流を効率的に行いたい荷主企業が、自社(First Party)ではなく、運送事業者(Second Party)でもなく、第三者に物流業務を包括的にアウトソーシングする手法です。
3PLに委託することで、単なる物流業務の代行のみならず、自社にとって最適で効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を受けられることもあります。
近年、3PLは新しい物流業務の形態として注目を集めており、多くの企業で導入されています。
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●情報・通信系企業の3PL×WMS事例
ここで、ある情報・通信系企業が、TOPPANに対して物流業務を委託した事例をご紹介します。
この情報・通信系企業で取り扱っている製品は、不定期かつ高頻度で内容が更新・変更されることから、在庫の入れ替えが煩雑であるため、一元管理したいという課題がありました。
そこで継続的な作業の品質担保に向け、WMS活用による入出荷管理の一元化によって、出荷指示や品目、出荷完了データを管理できるようにしたことで、「TOPPANの3PL事務局」と「お客さま」と「物流現場」の全体管理を実現しました。
その他、TOPPANの3PLサービスでは、WMS活用によるロケーション管理や、温度管理などのリアルタイム管理などを実現した事例などもあります。
■TOPPAN BPOのご紹介
TOPPAN BPOの3PLサービスは、印刷業務最大手として培ってきた多数の実績による知見・ノウハウを活かし「業務効率化」「コスト削減」の視点で、企画・製造・保管・配送までワンストップでご対応し、お客さまのニーズに合った3PL事業をご提案しています。
通常の物流施設の形態はもちろん、冷凍冷蔵倉庫や販促資材配送といった幅広いサービスを展開しているため、荷主さまのメリットを最大化するご提案を行うことが可能です。
WMSといったITシステムを活用した業務効率化や品質向上もご依頼いただけます。
特にWMSを基盤とした作業設計や事務局立ち上げも得意としているため、WMS導入に関してお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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■まとめ
WMSは、特に倉庫業務を中心とした物流効率化に有効なシステムです。導入を検討する場合や、3PLサービスの利用をお考えの場合には、併せてご検討いただくことをおすすめします。
TOPPAN BPOの3PLサービスではWMSの活用もご検討いただけます。
ご依頼いただいた際には、品質向上や均一化はもちろん、 業務プロセス全体を鑑みた業務改善や業務設計を行います。業務負荷や人手不足、問い合わせ業務などでお困りの方は、ぜひTOPPANにお問い合わせください。お客様のお悩みに合わせて、最適な業務フローや仕組みをご提案いたします。
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2024.03.08