コントラクトロジスティクスとは?
3PLとの違いも解説!
物流2024年問題や人手不足への対応、働き方改革、物流DXなど、業務効率化や生産性向上のために物流業務を改善するニーズが各所で高まっています。特に製造業や食品産業や流通業などの荷主企業にとっては、効率的に物流コストを削減しながら物流を実現していくことが重要と考えられます。
そうした中、物流を配送業者ではなく第三者企業に委託する3PL(Third(3rd)Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス))などのサービスに注目が集まっています。
今回は3PLに関連したコントラクトロジスティクスについて取り上げ、メリット・デメリットやパートナーの選び方をご紹介します。
■コントラクトロジスティクスとは
コントラクトロジスティクスについての用語の意味や3PLとの違いをご紹介します。
●コントラクトロジスティクスとは
コントラクトロジスティクス(Contract Logistics)とは、「Contract=契約」と「Logistics=ロジスティクス」を合わせた言葉です。直訳すると荷主企業が物流業務を他社に委託契約することを意味します。
一般的に、コントラクトロジスティクスは、荷主企業が第三者(Third(3rd)Party /サード・パーティ)に物流業務全体もしくは一部分を委託するアウトソーシングを指します。
●3PLとの違い
コントラクトロジスティクスは、3PLと似ていますが、どのような点で異なるのでしょうか。
結論から言えば、コントラクトロジスティクスは、3PLの一つです。
3PLは物流業務を包括的に代行するサービスです。一方、コントラクトロジスティクスは、3PLのうち、特定の荷主企業との契約に基づき、物流の業務に特化して請け負う形になります。いってみれば3PLがより深化されたサービスといえます。
しかしコントラクトロジスティクスの特徴は、3PLと比較してサービス内容が限定されているという意味合いにとどまりません。コントラクトの「契約」という言葉には、委託側である荷主にカスタマイズされた物流業務、いわば「オーダーメイド」のサービスを提供するという意味が含まれることもあります。いずれにしてもコントラクトロジスティクスでは3PLよりも「契約」が重視される傾向があります。
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■コントラクトロジスティクスのメリット・デメリット
コントラクトロジスティクスに興味を持った方は、ぜひ導入を検討する際に、メリットとデメリットのそれぞれを押さえておくことをおすすめします。
【メリット】
●物流コストの削減につながる
コントラクトロジスティクスを導入することで、物流コストの削減につながります。社内でまかなっていた物流業務をまるごと代行してもらうことで、人材コストやインフラ構築・運用コストを削減できます。
また、自社に特化した物流の仕組みを作り出すことができるという点において物流コストの削減を目指す取り組みが可能になります。
●長期契約であるため腰を据えた改善も可能
コントラクトロジスティクスの特徴の一つに、長期契約という点が挙げられます。長期に渡って自社の物流プロセスを委託することができるため、物流改善を目指す場合に、腰を据えて根本的な問題の解消及び改善に取り組むことができます。
●オーダーメイドであるため自社に合った物流プロセスを構築できる
もう一つの特徴として、オーダーメイドである点が挙げられます。自社に最適化された物流プロセスを構築することができるため、多くの場合にスピードや効率化、コストの面でメリットが期待できます。
【デメリット】
●パートナー選びを慎重に行う必要がある
契約を特徴とするコントラクトロジスティクスにおいては、パートナーを慎重に選ぶ必要があります。パートナー選びに失敗すると、期待する効果が得られないどころか、マイナスの結果に終わってしまうこともあるでしょう。
●パートナーの切り替えが困難
先述の通りコントラクトロジスティクスは長期契約を特徴としますが、裏を返せばなかなか解約がしにくいということです。当然、契約時には、長年付き合っていける、信頼のおけるパートナーと契約を交わしますが、事業拡大や経営方針の変更など大きな変化が起きたときに、パートナーを即座に切り替えるといったことがむずかしいケースも多いでしょう。
●業務委託に留まるケースもある
コントラクトロジスティクスは3PLとは異なり、基本的に企画立案や物流プロセスの改善の業務を含みません。このことから業務委託にとどまり、単なるアウトソーシングに終わってしまうというケースも考えられます。
コントラクトロジスティクスという言葉は、海外では3PLと同意義で使われることもあり、国内でもさまざまな解釈がされています。コントラクトロジスティクスと銘打っていても、実際のサービス内容が3PLと同等ということもあるため、選定の際にはよくサービス内容を確認することをおすすめします。
■コントラクトロジスティクスのパートナーの選び方
コントラクトロジスティクスのパートナーは、入念に選定することが大切です。そこで、パートナー選びの際のポイントをご紹介します。
●物流の業務改善も可能かどうか確認する
コントラクトロジスティクスを利用する場合、単なる業務委託に終わってしまわないように、物流の業務改善も可能かどうかを確認することをおすすめします。
長期にわたり、腰を据えて物流プロセスを改善し、オーダーメイドでサービスを提供してくれれば、理想的なサービス利用につながっていくでしょう。
●事前に費用対効果を検証する
コントラクトロジスティクスにかかわらず、アウトソーシングを行う際には、サービス利用のコストと、サービス導入によって削減できるコストを十分に比較して、費用対効果を事前に検証しておくことが重要です。
そのためには、まず委託する業務を明確にして、その業務が代行可能かをサービス提供事業者に確認しましょう。
●コントラクトロジスティクスに向いているケースと3PLに向いているケースを見極める
コントラクトロジスティクスと3PLはサービス内容が似ているため、どちらに自社が向いているのかを、事前に見極めておくのをおすすめします。
【コントラクトロジスティクスに向いている主なケース】
・物流の業務だけを委託したい
・長期契約で一過性のアウトソーシングを避けたい
・すでに独自の物流倉庫や管理体制を備えている
【3PLに向いている主なケース】
・企画・計画・システム構築などの人材が不足している
・物流業務に課題を感じているが、どのように解決すればいいかわからない
・販促・マーケティングも検討している
これらの内容をヒントにして、ぜひ、最適なサービスを選定してください。
■TOPPAN BPOのご紹介
TOPPAN BPOでは、コントラクトロジスティクスと3PLの両方に対応しております。
コントラクトロジスティクスにおいてはパッケージの企画設計から製造までだけではなく、パッケージングから納品までの工程も承ることができます。原材料や資材のご支給や機械のご貸与により、加工作業や発送作業への対応が可能です。
食品・化粧品・医療機器・半導体等、幅広い領域の製品を取り扱うことができ、特に最近はクリーンな生産環境を必要とする製品の加工作業のお話も多くいただいております。
3PLにおいては、企画・製造・保管・配送をワンストップソリューションでご提供することで、お客さまのニーズに合った3PL事業をご提案いたします。
印刷業務最大手としての多数の実績による知見・ノウハウを活かし、業務効率化やコスト削減の視点で、お客さまをご支援いたします。
通常の物流施設、形態だけではなく、冷凍冷蔵倉庫や販促資材配送といった幅広いサービスを展開しているため、荷主さまのメリットを最大化するご提案を行うことが可能です。
物流最適化、業務効率化、 コスト削減の実現をサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
2024.03.08