コラム

共同配送とは?
2024年問題に向けて
知っておきたいポイント

物流2024年問題を背景とし、物流関係各社ではさまざまな対応策が急がれています。そのような中、配送業者同士や荷主同士が連携し、共同で輸配送を行う配送方式である共同配送に注目が集まっています。
今回は共同配送の特徴とメリット・デメリット、3PLとの関係などをご紹介します。


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■共同配送とは? 用語の意味を解説

共同配送とは、複数の配送事業者や荷主が連携し、荷物を同じ物流センターに集約して、トラックに混載して配送する方式です。

共同配送には、主に配送事業者同士が荷物を持ち合うパターンと、荷主同士が荷物を持ち合うパターンがあります。

●共同配送が注目されている背景

共同配送が注目されている背景として、「物流2024年問題」解決の一助となることが挙げられます。

物流2024年問題は、働き方改革関連法で定められた時間外労働の上限規制が、トラックドライバーに対して猶予が解かれ、2024年4月1日から適用されるに当たり、これまでのように荷物を運べなくなる懸念から生じる諸問題を指します。

トラックドライバーの稼働時間が減ると、従来通りの輸送手段・輸送方法では、運べなくなってしまう恐れがあります。
共同配送による複数社の荷物をトラックに積み合わせすることにより積載効率が向上し、車両台数の削減が実現できればドライバーの労働時間の削減につながります。

また共同配送はほかに、昨今のEC市場の拡大を受けた物流量増加への対応になることや、トラックから排出されるCO2削減に伴う環境対応にもつながることからも注目を集めています。

■共同配送のメリット・デメリットとは?

共同配送にはメリットのほか、デメリットもあります。それぞれ確認しておきましょう。

●共同配送のメリット

・トラック積載率の向上による配送効率化
共同配送により、配送の効率化につながります。複数荷主の商品を共同で配送するため、1台当たりのトラック積載率が上がり、荷物量が少ない場合でも、効率的に納期に間に合わせる配送が可能になります。

また同時に輸送ルートが最適化されれば、納品時間の安定化につながることから、荷主にとっても納品先にとってもメリットがあります。

・コスト削減
共同配送によって配送効率化が実現できれば、トラックの手配台数が減り、配送コストの削減が期待できます。荷主と配送事業者共にメリットが得られます。

車両の稼働台数が減れば、燃料費や人件費の削減にもつながることから、全体的な物流コスト削減につながります。

・SGDsへの配慮
共同配送によって車両台数が削減できれば、CO2排出量を削減することができます。

近年は先進国が取り組む普遍的かつ世界的な取り組みであるSDGs(持続可能な開発目標)の観点を経営に取り入れる企業が増えていますが、持続可能な物流ネットワークの構築という観点からも、共同配送は環境に配慮した重要な輸配送手段になり得ます。

●共同配送のデメリット

・配送品質が下がるリスクがある
共同配送は、複数荷主の商品を積むため、配送する過程において、それぞれの荷主にとってコントロールしにくいところがあることから、配送品質が下がるリスクがあります。

例えば商品の形状に応じた積載がむずかしくなることで、商品破損が生じることもあります。

・配送先ごとの柔軟な対応がむずかしいこともある
共同配送では、従来は柔軟に対応できていた急な変更や追加の積載指示、納品先からの荷姿指定、個別対応や時間指定などに対応するのがむずかしい可能性が出てきます。

うまく対応するには関係者間での調整が必要となり、連携強化が求められます。

・従来よりも配送に時間がかかってしまうこともある
各社の調整や連携、準備に時間を取られてしまい、従来よりも配送に時間がかかってしまうこともあるでしょう。複数社の荷物が1台のトラックに混載されることで、自社の荷物の配送状況を確認しにくいことも原因となり得ます。

■共同配送と3PLの関係とは?

物流効率化を検討する際に共同配送は、有効なひとつの手段となりますが、ほかにも物流の3PLを利用する手段もあります。

共同配送は3PLと親和性が高く、3PLにおいても多く実施されています。

●3PLとは?

3PLとは「3rd Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」の略で、荷主に代わって第三者(サードパーティー)が効率的な物流システム構築の提案を行い、物流業務の企画から、設計、運営の全体を請け負う業務形態です。

いわゆる物流アウトソーシングであり、委託事業者は作業フローの見直しやITシステムの導入のほか、共同配送の検討などのあらゆる手段を取り、委託元企業の物流効率化などを目指します。

●3PLと共同配送の関係

3PLは一般的に共同配送を取り入れやすいといえます。

荷主を主導として共同配送を行うと、出荷場所の変更や出荷量の増減などへの対応がむずかしいことが多くなります。3PLを利用することで、3PLによるコントロールに任せることができるため、共同配送を導入しやすくなる面があります。

●3PLを選択するメリット

荷主が共同配送を利用して効率化を検討する際に3PLを利用することで、共同配送だけでなくほかの手段も含めた業務効率化の検討をすることができます。この点は3PL利用のメリットといえるでしょう。

■TOPPANの3PLの特徴をご紹介

TOPPANでは、3PLワンストップソリューションをご提供しております。特徴や強み、今後の戦略をご紹介します。

●3PLワンストップソリューション

TOPPANは印刷業界最大手として、多数の実績を有しており、長年培った豊富な知見・ノウハウを活かし「業務効率化」「コスト削減」の視点で、3PLワンストップソリューションとしてお客さまをご支援しております。

特徴は、企画・製造・保管・配送までワンストップで対応することにより、お客さまのニーズに合った物流をご提案しているところにあります。

お客さまは、TOPPANに委託することで、ロジスティクス(物流管理)にかかるコストを削減し、配送の品質を高い水準に保ち、委託によって空いた時間やリソースを通常業務に活用できるようになります。

また昨今の物流2024年問題を背景とした物流効率化の課題にも対応できます。

●TOPPANの3PLワンストップソリューションの強み

受発注システムと事務局運営により、物流最適化を実現します。常にお客さまのニーズ、課題を捉え、最適な物流センターをご提供しております。WMS(倉庫管理システム)を基盤とした作業設計により、高品質の在庫・配送管理による物流サービスを実現します。

また品質保証体制も整っているほか、ハイセキュリティな社内倉庫を有しており、安心してご利用いただけます。さらにお客さまのニーズに応じて倉庫業などの外部協力会社を手配できる対応力も強みとなっています。

●TOPPANの3PLワンストップソリューションの今後の戦略

TOPPANの得意とする「化粧品製造業(包装・表示・保管)」「医薬部外品製造業(包装・表示・保管)」に加えて、2022年7月にTOPPAN坂戸工場にて「医薬品販売業許可証」免許を取得したことにより、体外診断用医薬品の配送が可能になりました。

また、新たに血液検査キット等が扱える「高度管理医療機器販売業・貸与業の取得」を目指しており、今後は医療系配送業務を充実させていく予定です。

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■まとめ

共同配送は物流2024年問題への対応策の一つとなり得ます。また環境対応や物流の業務効率化にも寄与することから、業界全体で注目を集めています。

物流効率化は3PLでも実現できます。TOPPANの3PLワンストップソリューションは、お客さまのお困りごとを解決するために尽力いたします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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2023.12.13

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