コラム

【物流事業者様向け】
倉庫内オペレーションの改善事例集!
現場管理者が実践した物流DX活用アイデア

国土交通省「物流を取り巻く現状と課題」によると、1990年から2021年にかけて、貨物1件あたりの重量が半減する一方、物流件数はほぼ倍増しており、荷物の小口化と配送の多頻度化が急速に進んでいる状況です。また、配送先ニーズの変化などによる作業の複雑化もあり、物流事業者の負担増加が問題視されています。
さらに、労働力不足も深刻な問題です。トラックドライバーだけでなく、倉庫においても、人手不足による時間外労働の増加や業務効率の低下を感じている企業が増えています。

みなさんの会社でも、物流業務の負担軽減や業務効率化の対策として、倉庫業務の自動化・省人化についての取り組みを検討されているのではないでしょうか?

TOPPANデジタルでは、倉庫業務の効率化・省人化に有効なIoTタグやデジタルピッキングシステム(DPS)などの作業支援デバイスを活用した物流DXを総合的に支援しています。この記事では、物流業界が直面する課題と、それに対してTOPPANデジタルが提供可能なソリューションについてご紹介します。


課題1:検品作業の効率化

入出荷における検品は、誤出荷を防ぐ重要な工程です。一方、多くの人的リソースが必要となることや、手作業によるミスの発生が問題となっています。

こうした人手不足の解消や作業品質改善といった課題には、Smart Tag / Cardソリューションが有効です。

Smart Tag / Card ソリューションには、強度・書換スピードに特化した「Smart Tag」と、薄さ・軽さに特化した「Smart Card」の2タイプがあります。
これらを現場に合わせて活用することで、検品作業の効率化とケアレスミス防止が実現できます。

例えばカゴ車やオリコンといった循環資材にSmart Tag / Cardを取り付け、出荷バースにおいてSmart Tag / Card内の情報を読み取ることで、誤ったトラックへの積み込み防止および、積み込み漏れを防止できます。
1つずつスキャンしたり目視で確認したりといった作業を必要とせず、一括で読み取りが可能です。業務フローが自動化・簡略化されることで、より短時間で正確な出荷検品ができるようになるのと同時に、ラベルの印字・貼付などの作業が不要になるだけでなく、ラベルごみも発生しなくなるため、環境負荷を軽減した持続可能な社会の実現にも貢献できます。

また入荷される商品にRFIDタグを貼付可能な場合、入荷検品に置いて事前に連携された入荷予定情報との照合により、1品単位での検品作業が不要となり、大きな業務効率化を図ることができます。
TOPPANのSmart Tag / Cardソリューションは、タグ選定からシステム導入までをワンストップで提供。現場と管理者双方に最適な環境を構築します。

Smart Tag:白色 / Smart Card:黒色

(事例)メディセオ様:Smart Tag

【課題】
●ラベル作成工数の軽減
● 紙ゴミの削減
● 紙ラベルを貼付、剥がすことによる納品箱の汚れを改善

【導入効果】
●紙製ラベルの廃止による紙資源及び廃棄物の削減(SDGsの推進)
●納品箱へのラベル貼付・剥がし作業の削減(省力化)
●納品箱の汚れの改善

医薬品卸売業を手がけるメディセオ様では、お得意様ごとのラベル作成にかかる時間や、紙製ラベルの廃止による紙資源及び廃棄物の削減を目的に、Smart Tagを導入いただきました。

トラック積み込み前にSmart TagのRFID読み取りによる出荷検品を実施することで生産性を向上。ラベル内容の表示切り替えが可能となったことで、ラベルの印字作業や貼る・剥がす作業負荷が軽減でき、更にはごみの発生の抑制も実現しています。

課題2:循環資材管理の効率化

カゴ車やオリコンなどの循環資材の偏在庫は、出荷作業の進捗を停滞させる要因となります。物流拠点や倉庫内の各スポットごとの資材の数量と所在を可視化し、偏在庫と紛失を防ぐことで資産を有効活用し、作業効率向上を図ることができます。循環資材の在庫を可視化するには、アクティブタグの活用が有効です。

アクティブタグであるZETag®は、低電力で長距離の無線通信ができるLPWAの伝送技術を活用しています。倉庫内の広範囲において、リアルタイムで循環資材の所在と数量を把握することが可能です。

(事例)農林水産省の「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」:ZETag®

農林水産省の「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」にTOPPANデジタルが参加。「商品コード標準化・ソースマーキング技術による農林水産物・食品流通の高度化」の施策として、検品自動化技術や物流資材回収技術の開発を目的とした、次世代LPWAタグ活用の実証が行われました。

従来の物流資材管理の課題のひとつに、RFIDタグの読み取り距離や通信距離の短さがあります。ZETag®が採用された実験では、茨城・川崎・京都間の各拠点にアクセスポイントを配置することで、各拠点での出荷/着荷を自動で検知することに成功しています。

課題3:倉庫内業務の効率化・平準化

出荷に欠かせないピッキング作業では、類似品の取り間違いや数量間違いといったミスが発生しやすく、また作業者の熟練度によっては商品を探すまでに時間がかかる点が、多くの現場で共通する「悩みの種」です。

このような作業の精度向上・平準化といった課題には、表示器の指示にしたがってピッキングを行うデジタルピッキングシステム(DPS)が有効です。DPSを導入することで、作業者のスキルに左右されずに作業スピードと精度を向上できます。あわせてAGV(自動搬送ロボット)やSAS(シャッターアソートシステム)などのマテハン機器を導入すれば、さらなる省人化・省力化が実現できるでしょう。

LOGINECT®が提供するソリューションでは、ロボティクスによる商品搬送と、DPSなどのピッキング支援デバイスを組み合わせることで、作業時間を大幅に短縮できます。さらに作業者の動きをセンシングすることでミスを防止し、作業精度の向上も可能にしました。経験の浅いスタッフでも、ミスなく迅速なピッキング作業が可能です。

(事例)医療品メーカー様:デジタルピッキングシステム(DPS)

【課題】
● ピッキング作業の属人化とケアレスミスの防止
● ピッキングリストの印刷工数軽減
【導入効果】
● 作業者の歩行が40%削減
● 人事生産性が15%向上
● ピッキングリストが不要に

医療品メーカー様では、ピッキング作業の一部が属人化しており、新人スタッフの知識不足などが原因でミスが発生していました。こうしたエラーの防止と作業効率の向上のため、デジタルピッキングシステム(DPS)を導入いただきました。

導入によりピッキングリストが不要になり、作業者は最短距離で目的のアイテムへ移動可能に。ミスの防止に加えて、歩行距離が40%削減され、作業効率が大幅に向上しました。その結果、人時生産性の15%向上にも成功しています。

(事例)通販センター様:シャッターアソートシステム(SAS)

【課題】
● ヒューマンエラーの防止
● 膨大な商品数に対応するシステム構築

【導入効果】
● 仕分け精度の向上
● 高い生産性を実現

個人向け通販会社様では、10,000種以上の商品を正確に仕分けるためにシャッターアソートシステム(SAS)を導入いただきました。対象バーコードのスキャンに連動してシャッターが開き、作業者が指示通りの商品を投入するとシャッターが閉まる仕組みです。シャッターアソートシステム (SAS)の導入により、誰でも正確な作業を行うことが可能となり、生産性が向上しました。

倉庫業務の効率化はTOPPANへご相談ください

物流業界では、人手不足と物量増に対応するため、誰でも高い生産性を発揮できる業務環境の構築が求められています。また人的リソースだけでなく、循環資材などのリソースを適正に管理することも作業効率を向上につながります。

TOPPANは、倉庫や物流センターにおけるリソースの有効活用を支援し、物流DXの実現をサポートしています。ソフトウェアとハードウェアの両面から、お客様に最適な製品・サービスを提案いたします。倉庫業務の効率化やDXをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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2025.03.05