コラム

非住宅・ビルでも人気の「おしゃれな板張り外壁」種類別のメリット・デメリットと経年劣化、メンテナンスについて解説

最近、戸建住宅だけではなく、マンションなどの集合住宅やテナントビル、そのほかの大規模建築物においても「板張り外壁」が人気です。しかし、板張り外壁は、仕上げ材の種類によってメンテナンスの時期や方法が変わります。また、建築基準法をはじめとした関連法令との関係性も重要です。

そこで1900年創業の“TOPPAN”が、「板張り外壁」について仕上げ材料の種類とそれぞれのメリット・デメリット、材料選定のポイントを詳しく解説します。多くの方からご質問いただく経年劣化やメンテナンスの方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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<目次>

■ 板張り外壁の材料種類
■ 材料別のメリット・デメリット|耐用年数・経年劣化・メンテナンス
■ 板張り外壁の外装材を選ぶポイント
■ TOPPANの高意匠な外装材「フォルティナ」
■ まとめ


■ 板張り外壁の材料種類

板張り外壁の仕上げ材には、以下の外装材が用いられます。

無垢材

羽目板(はめいた)とも呼ばれ、天然木を板状に加工し防腐・防虫処理したもの

木質系サイディング

木材繊維を圧縮成型したタイプや、木材チップにセメントを混ぜて固めたタイプなど

窯業系サイディング

JIS A 5422で定められた外装材を指し、セメント質原料・繊維質原料・混和材の混合原料を成形したもの

金属系サイディング

JIS A 6711で定められた外装材を指し、ガルバリウム鋼板・ステンレスなどを押出成形したもの

アルミスパンドレル

JIS H 8602(アルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜)やJIS H 4100(アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材)の規定を満たした外装材

※JIS規格:日本産業規格を指し、日本国内で生産される製品の品質・性能・安全性・試験方法を定めるもの

【ポイント】
板張り外壁と聞くと無垢材などの木質建材を連想しますが、主に非住宅分野の中大規模建築物では非木質建材が選定されています。非木質の外装材は、多様な木目の化粧シートを貼ったものが主流で、デザインのレパートリーが豊富な点が人気の理由です。

■ 材料別のメリット・デメリット|耐用年数・経年劣化・メンテナンス

板張り外壁の仕上げ材にはいくつか違いがあり、それぞれ特徴とメリット・デメリットは異なります。ここでは、耐用年数や経年劣化、メンテナンスについても紹介しますので、ぜひ材料選定の参考にしてください。

無垢材(羽目板)

メリット

  • ・天然木の質感と見た目が魅力
  • ・断熱性が高い(熱伝導率が低い)
  • ・現場加工しやすい(一部ハードウッドを除く)
  • ・杉などは材料コストが安い

デメリット

  • ・樹種(色味・木目)のバリエーションが限定される
  • ・天然素材なので、品質にムラが出やすい
  • ・同じ品質の材料を大量に揃えにくい
  • ・1枚ずつ固定するため、施工費が割高
  • ・表面塗装が必要(無塗装では防水性・撥水性が低い)
  • ・再塗装などのメンテナンスが必要
  • ・木材腐朽菌・シロアリ・苔・藻が繁殖しやすい
  • ・防火規定をクリアするためには設計に工夫が必要

耐用年数

2030年程度

  • ・定期的メンテナンスが必須
  • ・メンテナンス状況や周辺環境(雨がかり・日当たりなど)により、10年未満で取り替えが必要な可能性も
  • ・樹種や環境状況、メンテナンス履歴によっては、50〜100年以上長持ちする

経年劣化

  • ・腐朽やシロアリによる虫害(防腐剤・防虫剤の効力低下)
  • ・紫外線による経年変色(濃色化・淡色化)
  • ・表面の藻・苔・カビ繁殖
  • ・塗膜の剥がれ・ひび割れ
  • ・湿度変化による変形(反り・ねじれ・伸縮・割れなど)

メンテナンス

5〜10年に一度程度の表面再塗装

木質系サイディング

メリット

  • ・天然木(無垢材)と質感・見た目が近い
  • ・断熱性が高い(熱伝導率が低い)
  • ・現場加工しやすい
  • ・工業製品なので品質安定性が高い
  • ・無垢材よりも木材腐朽菌やシロアリが繁殖しにくい(腐朽・虫害のリスクが少ない)
  • ・継ぎ目のコーキング処理が窯業系サイディングより少ない(メンテナンスが楽)

デメリット

  • ・木目のバリエーションが少ない
  • ・材料コストが高い
  • ・サイディングの継ぎ目にコーキング処理が必要
  • ・表面塗装が必要(無塗装では防水性・撥水性が低い)
  • ・再塗装などのメンテナンスが必要
  • ・防火性能が低い

耐用年数

2030年程度(コーキング目地は5〜15年程度)

  • ・定期的塗装メンテナンスやコーキング打ち替えが必須

経年劣化

  • ・紫外線による経年変色(淡色化・チョーキング※)
  • ・表面の風化
  • ・表面の藻・苔・カビ繁殖
  • ・塗膜の剥がれ・ひび割れ

メンテナンス

  • ・5〜10年に一度程度の表面再塗装
  • ・サイディング継ぎ目のコーキング目地は5〜15年で打ち替えが必要

※チョーキング:塗膜が劣化して塗料に含まれる顔料が粉状になって表面に浮き出る現象で、手で表面を擦ると白い粉が付着する

窯業系サイディング

メリット

  • ・非木質なので腐朽・虫害のリスクがない
  • ・木目のバリエーションが豊富
  • ・材料コストが安い
  • ・施工効率が良い(短時間で広範囲に施工可能)
  • ・耐火性能が高い
  • ・現場加工しやすい
  • ・工業製品なので品質安定性が高い

デメリット

  • ・木目はリアリティに欠ける
  • ・サイディングの継ぎ目にコーキング目地が必要(定期的な打ち替えが必要)
  • ・蓄熱する
  • ・表面塗装が必要(新築時のサイディングが劣化した後から)
  • ・一度塗装すると、定期的な再塗装が必要
  • ・重量があり、建物への荷重負荷が大きい

耐用年数

20〜40年程度(コーキング目地は5〜15年程度)

  • ・定期的塗装メンテナンスやコーキング打ち替えが必須

経年劣化

  • ・紫外線による経年変色(淡色化・チョーキング※)
  • ・表面の風化
  • ・表面の藻・苔・カビ繁殖
  • ・塗膜の剥がれ・ひび割れ

メンテナンス

  • ・5〜10年に一度程度の表面再塗装
  • ・サイディング継ぎ目のコーキング目地は5〜15年で打ち替えが必要

金属系サイディング

メリット

  • ・非木質なので腐朽・虫害のリスクがない
  • ・木目のバリエーションが豊富
  • ・材料コストが安いものから高いものまで豊富
  • ・施工効率が良い(短時間で広範囲に施工可能)
  • ・耐火性能が高い
  • ・現場加工しやすい
  • ・工業製品なので品質安定性が高い
  • ・軽量で建物への荷重負荷が少ない
  • ・継ぎ目のコーキング目地が窯業系より少ない

デメリット

  • ・木目はリアリティに欠ける
  • ・サイディングの継ぎ目にコーキング目地が必要(定期的な打ち替えが必要)
  • ・衝撃に弱い(凹みなど)
  • ・紫外線や雨風によって表面の化粧シートがひび割れたり退色したりする
  • ・深いキズがつくと、サビが発生する

耐用年数

20〜40年程度(コーキング目地は5〜15年程度)

  • ・キズから発生するサビやもらいサビが広がると、平均的な耐用年数を待たずに交換が必要になる場合も
  • ・定期的塗装メンテナンスやコーキング打ち替えが必須

経年劣化

  • ・紫外線による退色(色あせ)
  • ・化粧シートのひび割れ

メンテナンス

  • ・サイディング継ぎ目のコーキング目地は5〜15年で打ち替えが必要

(化粧シートの上に再塗装できないため、キズ部分などはタッチアップ補修)

アルミスパンドレル

メリット

  • ・非木質なので腐朽・虫害のリスクがない
  • ・木目のバリエーションが豊富
  • ・サイディングよりもさらに施工効率が良い(ビルなど大規模建築物におすすめ)
  • ・耐火性能が高い
  • ・現場加工しやすい
  • ・工業製品なので品質安定性が高い
  • ・軽量で建物への荷重負荷が少ない
  • ・パネルの継ぎ目にコーキング目地は不要(メンテナンスが少ない)

デメリット

  • ・材料コストは高い(ただし、長寿命なのでランニングコストは安い)
  • ・衝撃に弱い(凹みなど)
  • ・深いキズがつくと、サビが発生する

耐用年数

20〜30年はメンテナンスフリーで50年以上持つ想定

  • ・キズから発生するサビやもらいサビが広がると、平均的な耐用年数を待たずに交換が必要になる場合も

経年劣化

  • ・紫外線による退色(色あせ)
  • ・化粧シートのひび割れ

メンテナンス

  • ・原則、キズ・凹み部分のタッチアップ補修のみ

【ポイント】
アルミスパンドレルはその他の外装材と比べてコストが高い点がデメリットですが、建物のライフサイクル全体を通じてメンテナンスや交換にかかるコストを削減できます。TOPPANは、1900年創業以来培った印刷技術を駆使して、トレンドを押さえたリアリティのある木目を多数取り揃えておりますので、ぜひ色柄ラインナップをご覧ください。

■ 板張り外壁の外装材を選ぶポイント

板張り外壁の仕上げ材を選定する際には、各種法令への適合性・デザイン性・耐候性・メンテナンス・施工性のポイントを押さえましょう。近年はこれらの観点に加えて、地球環境への配慮も重要なキーワードになります。

「防火・準防火地域」や「特殊建築物」における防火規定への適合性

準防火地域・防火地域においては、「延焼の恐れのある部分※(外壁・軒裏・屋根または開口部等)」へ不燃材料の使用が義務付けられています。また、特殊建築物※においては建物の規模(階数・延べ床面積)によって、耐火建築物※にする必要もあり、やはり外壁材に防火規定が適用されます。

つまり、板張り外壁にする場合は、告示によって不燃材料として認められているものか、製品ごとに国土交通大臣より不燃材料として認定されているものを選ばなくてはいけない可能性が高いということです。

ただし、22条区域(建築基準法22条指定区域)においては、建物の屋根部分のみが防火規定の対象であり、外壁材を必ずしも不燃材料にする必要はありません。

※延焼の恐れのある部分:建築基準法(第2条第1項第6号)によって定められている「隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線から、1階は3m以下、2階以上は5m以下の距離にある建築物の部分」を指す。

※特殊建築物:不特定多数の人が利用する公共的な建物、もしくは防火・衛生上で周囲への影響が大きい建物を指し、建築基準法(第2条第2項)で定められている(学校・体育館・病院・劇場・集会場・百貨店・旅館・共同住宅・工場・倉庫・自動車車庫など)

※耐火建築物:耐火構造の要件を満たせば、仕上げ材まで必ず不燃材料である必要はないが、下地の種類によっては外壁材に不燃材料の使用が求められる

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」は、国土交通大臣から不燃材料の認定を受けていますので、各種防火規定に全て対応可能です。
不燃材料については下記コラムも併せてご覧ください。

デザイン性

板張り外壁の仕上げ材は、木目のリアリティやカラーバリエーションが建物全体の外観デザインを左右します。非木質系の材料は木目を印刷で表現するため、リアリティに欠けると思われがちですが、メーカーによってはかなり近づかないと“木”でないことが分からないほど精巧なデザインのものもあります。

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」は、同仕様でアルミスパンドレル・アルミ手すり・ルーバー材のラインナップを取り揃えていますので、建物のトータル的な外観デザインを実現できます。

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施工性

建物の規模が大きくなるほど外壁の施工面積が増え、仕上げ材の施工効率がコストや工期に大きく影響を及ぼします。そのため、材料選定の際にはその施工性も必ず確認しましょう。「必要な下地の間隔はどのくらいか」「入隅や出隅の処理に使えるオプションパーツはあるか」「現場で臨機応変に加工しやすいか」などがチェックポイントです。

耐候性

紫外線や雨風を全面で受ける外壁の仕上げ材を選ぶ際には、その耐候性を確認しましょう。外壁材の耐候性は、建物の美観や寿命の長さ、メンテナンスコストに影響します。

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」は、「外装R・準外装・内装(E・L)」仕様をお選びいただけます。外装R仕様は、従来の化粧シートと比べて「シート表面のクラック・各層の密着低下・絵柄の退色・変色」を抑制できます。

※耐候性促進試験にて15,000時間著しい変化なし

メンテナンスの方法・期間

一戸建て住宅や小規模の建築物と比べて、中規模以上の建物や公共建築物は、外壁のこまめな点検やメンテナンスが難しいため、長期間メンテナンスフリーの外装材がおすすめです。コーキング目地が表にあらわれない仕様の材料は、メンテナンスにかかる手間と費用を大幅に削減できます。

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」は、アルミ基材が露出しない限り、30年程度は特にメンテナンスが必要ありません。また、パネルの連結部分や周囲との取り合い部分に使える各種役物も取り揃えておりますので、コーキング目地の箇所を最小限に減らすことが可能です。

環境配慮性

公共的な建築プロジェクトは、省エネや建築材料の持続可能性(サステナビリティ)や環境配慮性も評価ポイントになります。建物の環境配慮性は、プロジェクト(企業)のイメージアップやSDGs・CSR(企業の社会的責任)の実現に向けた取り組みに直結すると言っても過言ではありません。そのため、外装材を選ぶ際には環境に配慮した点があるかどうかを確認しましょう。

【ポイント】
TOPPANの内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」は、環境に配慮したオレフィンシートを使用しています。

・製造過程で排出されるCO2量を大幅に削減(対塩ビ比較)
・燃焼時に塩化水素を出す塩素を不使用
・VOC※の発生要因でもある可塑剤を不使用

※VOC:揮発性有機化合物を指し、PM2.5などの大気汚染やシックハウス症候群の原因物質

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■ TOPPANの高意匠な外装材「フォルティナ」

TOPPANは、環境配慮と高意匠を実現できるレパートリー豊富な内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」を製造しております。

【特長】
・最新の印刷技術によって再現したリアルな木目と質感
・不燃材料認定番号取得済み
・豊富な形状レパートリーによる様々な納まり・デザインを実現できる多様性(ルーバー・スパンドレル・フラットパネル・リブパネル(フォルティナレッジ))
・20種類以上の色柄ラインナップ(内装用は80種類以上)※リブパネルは3種類
・低汚染なオレフィンシートによる環境配慮

フォルティナとのコーディネートが可能な内外装不燃化粧パネル「LOVAL(ローバル)」も取り揃えておりますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。

■ まとめ

板張り外壁に採用される外装材には、大きく分けて木質系・非木質系があり、それぞれメリット・デメリットや耐用年数、メンテナンス方法に違いがあります。そのため、外装材を選ぶ際には、デザイン性に加えて、不燃性や施工性、環境配慮性など幅広い視点が必要です。

TOPPANでは、高耐久かつデザイン性に富んだ国土交通大臣認定の不燃意匠材を製造しております。「環境に優しい建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2026.02.19

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