成功事例から学ぶ、
アパレル店舗における効率化のポイントを解説

アパレル業界の店舗では、いま、業務効率化が求められています。さまざまな方法が取られている中で、どのような方法が有効なのでしょうか。

そこで今回は、アパレル業界で効率化が求められる背景やアパレル業界の効率化の具体的な方法、効率化の成功事例、成功ポイントをご紹介します。

---

アパレル業界で効率化が求められる背景

現在、アパレル業界で効率化が求められている背景には、主に次のことが挙げられます。

アパレル業界では人手不足が深刻化しています。日本全体の労働人口の減少の影響は続いていますが、コロナ禍による店舗の休業や消費の低迷、働き手の減少により人手不足が拍車をかけて進んでいます。当面、少ない人員で実施していくために業務効率化は急務です。

インターネットの普及やコロナの影響により、消費者行動が大きく変化したことを受け、ビジネスモデルも変化しつつあります。店舗を持たずにECサイトのみの販売に注力する企業も増えており、販売形態を大きく変化させています。業務を効率化してビジネスモデルを最適化する必要性が出てきています。

アパレル業界は、他の業界と比べて、デジタル技術の活用が遅れているといわれています。その理由として、服などの身に着ける商材は、購入前に試着してサイズや肌触りなどを確かめたいという需要があるからです。ECサイトでの販売においても独特の手法や工夫が必要になるため、なかなかデジタル化が進んでいませんが、顧客のニーズに対応するためにも早急に進める必要があります。

在庫のコントロールや物流コスト削減のため、アパレル企業にとって、調達から生産、物流、販売の一連のサプライチェーンの連携と管理が重要です。これらの統括的な管理を行うことは急務であり、それにはデジタル化およびDXによる管理業務の効率化が必要とされています。

---

アパレル業界が行う業務効率化の方法

アパレル企業が業務効率化を進めていく際には、具体的に次の方法が考えられます。

アパレル業界特有の、実店舗が重要である特徴を踏まえると、ただ単にデジタル化するのではなく、リアル店舗とうまくつなげる形で顧客体験を損なわないことが重要と考えられます。例えば、ただ服をECサイトで販売するのではなく、店舗で触ってみた後、すぐにECサイトでも購入できるシームレスな流れを作ることなどが挙げられます。これにより、顧客体験を損なわず、業務効率化や省人化を図ることができます。

実店舗とECサイトの両方で在庫管理が必要になれば、煩雑になり、かえって業務効率が落ちてしまいます。そこで在庫管理システムなどクラウドサービスやシステムを導入し、管理を効率化することがポイントです。

TOPPANがご提供する資材管理・受発注システム「BRIDGITAL（ブリジタル）」は、資材管理システムで受発注から在庫管理までを効率化します。リアルタイムな在庫管理による在庫の見える化で、効率化や人的ミス削減などが実現できます。

また物流についてもTOPPANは企画・製造・保管・配送の3PLワンストップソリューションのサービスでご支援できます。業務効率化とコスト削減の視点で最適なご提案をさせていただきます。

人手不足やデジタル人材の不在で、なかなかデジタル活用による業務効率化が進んでいかない課題には、アウトソーシングも一つの解決策になります。
生産工場のアウトソーシングから、ECサイトにおける発送業務や配送などの物流、お客様からのお問い合わせ・相談を受け付けるコンタクトセンターのアウトソーシングなどが考えられます。

サプライチェーンの管理をITシステムの導入によってデジタル化することは有効といえます。調達、生産、物流、販売の流れを可視化することで、これまで見えなかった課題が見えてくる可能性があります。

---

アパレル業界の効率化の成功事例

アパレル業界で実際に業務効率化に成功した事例をご紹介します。

あるデパートはイベントに合わせて、TOPPANのバーチャル試着ソリューション「DressMirror」を導入しました。顧客は設置されたデジタルサイネージに自分の姿を映すだけで、実物の服を試着することなく、デジタル上で試着シミュレーションを行うことができます。
イベントでは実際のシューズの試着とともに、同デパートで購入できるブランドの服をバーチャルで試せるサービスを提供しました。試着の着脱の手間を削減しながら、新しい顧客体験の提供に成功した事例です。

あるアパレルチェーン店は、在庫管理システムを導入し、複数店舗を横断して在庫状況が確認できるようにしました。その結果、在庫のある店舗から、他の店舗へすぐに商品の取り寄せができるようになりました。

アパレル商品をECサイトで販売している企業は、発送業務をアウトソーシングしました。
販促活動へと専念する時間を確保できたことで、売上を順調に増やしていくことが可能になりました。

あるアパレル企業は、生産工場における生産管理機能や、実店舗・ECサイトにおける販売管理機能を一つの基幹システムに一元化しました。これにより、サプライチェーン全体でのデータ連携が可能になりました。

---

アパレル業界の効率化の成功ポイント

アパレル業界が業務効率化を実現するためには、次のようなポイントを押さえると良いでしょう。

思うようにデジタル化が進まないアパレル企業は、まずは現状把握を行い、どこを優先的に解決していく必要があるかを吟味することが先決です。例えば、店舗の人手不足が喫緊の課題であれば、省人化しながら効率化する手段を検討する必要があります。課題を明確にすることが一つの大きなポイントとなるでしょう。

デジタルと実店舗をスムーズに行き来できるような仕組みづくりを心がけることで、アパレルビジネスの強みを発揮できます。例えばバーチャル試着のようなDXの推進は、単なる試着のデジタル化のみならず、新たな顧客体験の提供を通じて、顧客満足度の向上から売上アップ、リピーターの醸成などあらゆるメリットが生まれます。

システムを導入すると、在庫情報の一元管理による業務効率化のメリットだけでなく、同時に顧客データの取得・管理なども実現できる場合があります。

例えば顧客の購買データをAI（人工知能）によって分析して需要の予測を立てることで、顧客ニーズに合った在庫管理が可能になります。また余剰在庫を徹底してなくすことができるため、大量廃棄が問題視されているアパレル業界の課題への積極的な取り組みにもつながります。

---

まとめ

アパレル業界の効率化が急務であるなかで、いかに工夫をしながらデジタル化を図っていくかが、成果を出すポイントといえます。

TOPPANでは、アパレル業界の効率化に役立つさまざまなサービスをご提供しております。業務効率化のご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

2024.03.17