コラム

あなたはどのタイプ?
マーケターの課題別!
明日から使える実践Tipsをご紹介

昨今のマーケティング施策において、オンライン・オフラインを問わず顧客接点が多様化しています。ターゲット選定やチャネル選択、クリエイティブの最適化、データ分析、効果測定、予算配分など、施策立案から実行・検証・改善まで求められるスキルも幅広くなり、ますます高度化・複雑化しています。一方で、目の前のタスクに追われて戦略を見失ってしまう、成果につながるアクションがなかなか打てないなどの悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、企業のマーケターによく見られる四つのタイプに分けて、それぞれの課題と改善策、明日からすぐに実践できる具体的な改善Tipsや実践に使えるワークシートをご紹介します。
ぜひ日々の業務にお役立てください。


A 「施策迷走タイプ」
B 「やりっぱなしタイプ」
C 「デザイン先行タイプ」
D 「チャネル偏りタイプ」


Aタイプ:何から手を付けて良いか分からない!「施策迷走タイプ」

マーケティング施策の全体像や流れが把握できず、何から始めれば良いか迷いがちな方は「施策迷走タイプ」です。 ターゲットや施策選定に悩んで手が止まりやすく、周囲に相談できる相手がいないため、1人で手探り状態になりやすい傾向があります。施策案が多くても優先順位が付けられず停滞したり、ターゲットや目的があいまいなまま企画を進めてしまったりすることがよくあります。
また、他社の事例をまねしがちなため自社に合った施策設計ができておらず、全体像・ゴール・ターゲットの明確化や相談できるパートナーの確保が主な課題です。

改善アドバイス

1. まずは「理想の顧客像(ペルソナ)」をイメージしてみる
どんなお客さまに自社の商品・サービスを届けたいか、自由に書き出してみましょう。
まだ具体的でなくても構いません。「こういう人が来てくれたらうれしいな」というイメージから始めてみましょう。年齢・性別・職業・悩み・普段どこで情報を得ているか(例:ネット、SNS、知人紹介など)…などをリストアップするとまとまりやすくなります。

2. 「なぜこの施策をやるのか」を一言で考えてみる
「何を達成したいか」「どんな成果が出たらうれしいか」を簡単な言葉で書き出してみましょう。
「新規問い合わせを増やしたい」「既存顧客のリピートを増やしたい」など難しく考えず、自分の言葉で「目的」を決めてみるのがコツです。 後からKPI/KGI(数値目標)に落とし込むときも、この「一言目的」が軸になります。

3. 「やることリスト」を書き出し、優先順位を可視化
施策アイデア(例:SNS投稿/メルマガ配信/セミナー開催など)を、思いつくままに箇条書きで書き出してみましょう。
次に、それぞれのアイデアについて、「効果が大きそうか?」「自分たちで今すぐできそうか?」を〇✕で考えてみましょう。最初から全部やろうとせず、「目の前の小さな一歩」から始めるのが成功の秘訣です。

4. ひとりで悩まない!「壁打ち・相談」で視野を広げる
迷ったときや手が止まったときは、ひとりで抱え込まずに社内の他部署や外部のプロにざっくばらんに相談してみましょう。他の人と話すことで新しい視点やヒントが得られることが多いです。
弊社では、専門スタッフによる「壁打ち相談」や定期的な伴走型ミーティングもご用意していますので、お気軽にご活用ください。

「施策迷走タイプ」の担当者向け!
施策がうまくいかず迷っていませんか?そんな方のために、すぐに使える「施策設計Tips 10選」をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。迷走から抜け出し、効果的な施策を立てるヒントをTipsでまとめました。ぜひダウンロードしてご活用ください。


Bタイプ:結果の振り返りは二の次!とりあえず施策!「やりっぱなしタイプ」

社内や過去施策で蓄積されたデータを十分に活用できていない方はこのタイプです。データ分析の具体的な手法が分からず、施策決定が「なんとなく」や経験則に頼りがちです。
また、新たなデータの取得方法についても知見がなく、顧客理解や施策の改善につなげることが困難な状況です。そのため、データを活かした意思決定や継続的な業務改善が進みにくいという課題を抱えています。

改善アドバイス

1. データの整理と可視化から始める
まずは蓄積されているデータを整理し、どのようなデータがあるのかを把握しましょう。ExcelやBIツールなどを使ってグラフやチャートで可視化することで、傾向や問題点が見えてきます。データを視覚的に確認することで、現状分析や課題の発見が容易になります。

2. マーケティングに必要なデータ分析手法を学ぶ
統計やデータ分析の基礎を学ぶことで、「なんとなく」や経験則ではなく、データに基づいた施策立案が可能になります。マーケティングに活用できる分析手法はアソシエーション分析、RFM分析、クラスター分析、ABC分析など、さまざまあります。どんな分析を行うと何が分かるのかという知識を得るだけでも、施策を検討する上で新しい視点やヒントにつながります。
弊社では、データサイエンティストによる現状分析から高度な分析まで対応することも可能です。お気軽にご相談ください。

3. 目的に応じたKPIや指標の設定
どのような成果を目指すのか明確にし、そのために必要な指標(KPI)を設定しましょう。例えば「顧客満足度」「リピート率」「売り上げ成長率」など、目的に沿ったデータを収集・分析することで、施策の効果測定や改善がしやすくなります。

4. 新しいデータの取得方法を検討する
顧客アンケートやWebアクセス解析、SNSの声の収集など、さまざまなデータの取得手段があります。どの情報が不足しているかを明確にし、必要なデータの収集方法を導入しましょう。IT部門や専門部署と連携することで、効率良くデータが集められます。
弊社では、アンケートによるデータ収集や、紙のDMでもログが取得可能なサービスをご用意しております。お気軽にご相談ください。

「やりっぱなしタイプ」の担当者向け!
データを活用するにも、どこから手を付けたらいいか分からない。何のデータを使えばいいか分からない。そんな方のために、マーケティングに使えるデータにはどんな種類があるのか、担当者自身が何から始めたらいいのかをまとめたホワイトペーパーをご用意しました。ぜひダウンロードしご活用ください。


Cタイプ:ビジュアル重視で突き進みがち!「デザイン先行タイプ」

トレンド感や社内の評価を軸に施策を進める傾向が強く、思いついた施策をそのままビジュアル化して一気に形にしていく力がある一方で、「誰に何を届けたいのか」「なぜ今この施策なのか」といった目的設計が後回しになりがちな方は、このタイプです。
企画会議では「このデザインならいける気がします!」と話をまとめてしまいがちで、訴求の軸があいまいなまま制作がスタートしてしまい、結果的に、施策後の振り返りで「見た目は良かったのに、成果が…」とモヤモヤすることもあるのではないでしょうか。
成果につながる“伝わるデザイン”にするためには、目的やユーザー視点をしっかりと言語化し、見た目と設計のバランスを意識することがポイントです。

改善アドバイス

1. 施策の目的とKPIを先に“言葉”で定義する
施策を始める前に、「誰に・何を・どうしてもらいたいのか」を30文字以内で言語化してみましょう。KPIも「クリック数」「資料ダウンロード数」など数字で測れる形で一つに絞ると、チーム内の共通認識が生まれ、デザインの方向性も定まりやすくなります。コツとしては、「この施策が成功したかどうか、誰がどう判断する?」と自分に問いかけることで、目的のあいまいさに気づけるようになります。

2. ユーザー視点はデータや調査で可視化する
「ターゲットならこう感じるはず」という想像だけでは危険です。行動データ、アンケート、ユーザーインタビューなどを通じて、“実際のユーザー”の思考や課題を把握しましょう。定性・定量の両側面からインサイトを抽出することで、表面的でない訴求が可能になります。
まずは、過去の問い合わせ内容、SNSコメントなど、すでにある顧客接点データから「ユーザーの行動や声」を拾ってみましょう。

3. デザインには「意図」と「期待する行動」を紐づける
ビジュアルの方向性を決める際には、「このデザインでユーザーにどう動いてほしいのか?」を言語化しておくことが重要です。その上で、ナッジ理論やA/Bテストなどの検証手法も取り入れると、“なんとなく良さそう”を脱した、確かな根拠のあるデザインに近づきます。
以下のホワイトペーパーのワークシートを使ってデザインの「意図」と「期待する行動」を確認してみましょう。

4. 主観だけに頼らず、人の無意識も含めて検証する
「いい感じ」「映えている」という感覚は魅力的ですが、主観に偏りがちな分リスクも高めです。脳科学や心理学の知見を取り入れた評価軸(例:視線誘導、色彩心理など)を活用することで、ユーザーの無意識レベルでの反応まで想定した、再現性のある施策設計が可能になります。
弊社では脳科学や心理学の知見に基づいたクリエイティブの評価・改善が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

「デザイン先行タイプ」の担当者向け!
デザインと成果が結びつかず迷っていませんか?そんな方のために、すぐに使える「デザイン根拠 見える化シート」をご用意しました。このホワイトペーパーを活用すれば、デザインの“根拠”が明確になり、より説得力のある提案や成果につなげることができます。ぜひダウンロードしてご活用ください。


Dタイプ:同じチャネル・同じ施策の繰り返し…「チャネル偏りタイプ」

紙媒体やWeb広告など、特定のチャネルに偏った施策を繰り返している方はこちらのタイプです。施策の見直しや顧客視点でのマーケティングが行われておらず、従来のやり方を踏襲した単発的な取り組みで終わってしまいがちです。また、社内リソースの制約や知識不足から新しい手法に挑戦できず、引き継がれた業務を作業的に進行しているケースもあります。その結果、既存顧客へのアプローチはアナログ中心、新規顧客獲得はデジタル中心などのようにコミュニケーションが分断され、顧客接点の一貫性がなくなっています。

改善アドバイス

1. 現状把握と可視化(カスタマージャーニーマップの作成)
まずは、カスタマージャーニーマップで自社のアナログ・デジタル両方の施策を洗い出し、顧客との接点や体験を可視化します。これによって、各チャネルがどのタイミングで顧客と関わっているのかが一目で分かるようになり、チャネル間の分断や抜け漏れ、強化すべきポイントも明確になります。
現状を正しく把握することで、今後の施策改善や連携強化に向けた具体的なアクションを検討しやすくなります。

2. 顧客視点のマーケティング設計
可視化された課題をもとに、顧客体験を意識した設計を行います。紙DMにパーソナライズURLを付与してデジタル施策への誘導を組み込む、LPにタグを設置して流入元を把握するなど、既存アナログ施策とデジタル施策を連携させる方法や顧客データを取得する方法などを検討し、一貫した顧客体験を目指します。
また、Web・SNS・メール配信などのデジタルな通知方法と紙媒体を組み合わせた「マルチチャネル配信」により、顧客の属性や希望、通知内容に合わせて適切なチャネルを選択することで、反応率の改善や顧客の利便性の向上、コスト削減が期待できます。
弊社では幅広い配信方法に一括対応できるソリューションがございますのでぜひご相談ください。

3. パーソナライズ施策の強化
顧客属性や過去の行動データを活用し、それぞれの顧客に合わせて配信内容やタイミングを個別に最適化することで、パーソナライズ施策を強化します。例えば、購入履歴やWeb閲覧履歴などから興味関心を分析し、最適なタイミングで関連性の高い情報を届けることで、顧客一人ひとりに響くコミュニケーションが実現できます。こうしたパーソナライズ施策により、アプローチの効果が大幅に向上します。

4. 小規模テストと効果検証
新しいチャネルや施策を導入する際は、まず小規模なテスト配信から始めましょう。A/Bテストを実施し、それぞれの施策の効果や顧客の反応を数値で測定します。得られた結果をもとに課題や改善点を分析し、効果が確認できた施策を本格的に展開します。これにより、リスクを最小限に抑えながら、効率的かつ着実にマーケティング活動の質を高めることが可能になります。コツとして、過去施策の結果から仮説を立ててから検証を行うことでより有効な改善策へつながります。

「チャネル偏りタイプ」の担当者向け!
顧客視点の施策に悩まれていませんか?そんな方のために、すぐに使える「カスタマージャーニーワークシート」をご用意しました。まずはお客さまとのタッチポイントを可視化して、施策の整理や課題点の洗い出しにつなげます。TOPPANエッジ独自調査も掲載していますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

まとめ

マーケティングの課題は、担当者のタイプや組織の状況によって多種多様です。しかし、どのタイプにも「明日からできる小さな改善」のヒントがあります。
TOPPANエッジでは、貴社の現場課題に合わせて、ペルソナ設計、データ活用、クリエイティブ改善、マルチチャネル運用まで幅広くサポートしています。「自分のタイプはどれだろう?」「こんな悩みも相談できる?」と感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください。課題を可視化した具体的な実践サポートで、貴社のマーケティング成果を一緒に高めてまいります。

2025.08.21