M2Mとは?概要やIoTとの違いを解説!
近年、IoT技術が広く社会に活用されており、さまざまなモノがインターネットを介して相互に接続される仕組みが一般的になっています。その中で、M2M(Machine to Machine)と呼ばれる閉じたネットワーク通信を利用したモノ同士の通信方法が注目されています。今回は、M2Mの基本的な概要やIoTとの違い、M2Mの仕組み、利点と課題、さらに実際の採用事例について詳しくご紹介します。
M2Mとは?
M2Mとはどのような技術なのでしょうか。またIoTとの違いも確認しておきましょう。
●M2Mとは
M2Mとは「Machine to Machine」の略称で、モノとモノとが互いにネットワーク通信を行い、人の介在なしに、自動でモノの制御や操作を行えるようにする技術のことです。
M2Mの大きな特徴は、閉じたネットワークでの通信がメインとなる点です。一般的なM2Mの仕組みでは、モノに設置されたセンサーなどから取得したデータを、閉じたネットワーク通信によってサーバーに送ります。そのサーバーに蓄積されたデータはアプリケーションなどを通じて確認ができます。
M2Mは工場や店舗、住宅、電力設備などさまざまなシーンに活用されています。
IoTとの違い
モノとモノとが互いに通信を行うということから、IoTと似ていると思われた方も多いのではないでしょうか。IoTとは、「Internet of Things」の略称で、モノのインターネットと訳されます。つまり、モノとモノとをインターネットを介して通信できるようにする技術を指します。
このIoTとM2Mは似ていますが、異なる点があります。
・インターネットを介するかどうか
「モノ同士が通信を行う」という点ではどちらも共通していますが、IoTがインターネットを介するのに対して、M2Mは主に携帯電話網などを利用することが多く、基本的にインターネットを介さず利用します。M2Mで使われる通信は、インターネットに接続しない閉域ネットワークであることが多いです。
・データ蓄積による分析を意図しているかどうか
M2MもIoTも、人が介在しない形で自動的に機械の操作・制御や、機械同士の情報交換などの目的を持ちますが、IoTの目的はそれだけではありません。IoTは、センサーなどを通じて蓄積されたデータを、人やモノが活用できるようにする目的もあります。例えば、IoTでは機械の自動制御と共にデータ分析による監視や状況把握、業務改善などの広い目的で行われています。
ただし、IoTとM2Mは共通点が多いため、ひとくくりに扱われることもあります。

M2Mの仕組み
M2Mはどのような仕組みで実行されるのでしょうか。基本的な仕組みを見ていきましょう。
●センサーとアクチュエーターで構成される
M2Mでは、主にセンサーと、制御したい機械に備わるアクチュエーターで構成されます。アクチュエーターとは機械に備わるエネルギーを動作に変換する装置をいいます。
センサーから収集した情報が、有線接続または無線接続の閉域網を経由して、アクチュエーターの自動制御に役立てられます。
簡単な例を挙げるど、省エネのため建物の照明を制御しようとする場合、部屋に設置したセンサーで人の存在有無を検知し、その情報を調光器に送ることで、自動的に点灯と消灯をコントロールすることです。
●M2Mで利用される通信
M2Mでは、基本的にインターネットは使われず、他の通信方法が使われます。M2Mで使われる通信は複数あり、例えば携帯電話網やLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる省電力かつ長距離通信を可能にする無線通信規格、無線LANの一種であるWi-Fi、ワイヤレスセンサーネットワークに適したIEEE802.15.4規格等が挙げられます。
M2Mを利用するメリットと課題
M2Mは、機械の自動制御など省人化や効率化につながるなどの複数のメリットがある一方で、課題もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
【メリット】
①人の介在が不要
M2Mは従来、人が操作し、制御していた機械を自動的に操作・制御できるようにする目的で使われることが多くあります。そのため、M2Mを採用することで人の介在が不要になり省人化につながります。また、作業時間の短縮や無駄の削減にもつながるため、業務効率化を実現する可能性もあります。

②人為的ミス防止
M2Mによって操作・制御が自動化されると、人為的ミスを予防できます。もちろんM2Mを設置してうまく動作しているか確認するのは人ですが、その確認漏れや確認不足などによるトラブルを除けば、人為的ミスの削減につながります。

③機械故障の予兆を迅速に知ることが可能
M2Mによってセンサーが常に機械や周囲の状況をとらえていれば、機械が故障する予兆をあらかじめ知ることができる可能性があります。大きなトラブルにならずに済むでしょう。

課題
①徹底したセキュリティ対策
いくら機械の制御がうまくいく仕組みであったとしても、M2Mを構成する機器に脆弱性があれば、サイバー攻撃の標的になってしまいます。
閉域網だからといって安心はできません。ネットワークからの侵入だけでなく、ストレージ(記憶装置)などを介してネットワーク内にマルウェア感染が広がる恐れもあります。このセキュリティ対策を行うためには専門知識と技術を要するため、M2M構築時の大きな課題となっています。

②安定した遅延ないネットワークの構築
M2Mの仕組みを構築する際には、安定した接続環境が目指されます。遅延のない信頼性の高いネットワークの構築を実現することは課題といえます。最適なセンサーや通信規格を選定することが求められます。

③コスト効率化
M2Mはどちらかといえば汎用的ではなく、独自性が強いことから、状況に応じて個別にネットワーク構築やプログラム開発を行う必要があります。その分、コストがかかる傾向があり、どのようにコスト効率を上げるかが問われます。

M2Mの採用事例
M2Mは、さまざまなシーンで採用されています。そこで、M2Mを採用している3つの事例をご紹介します。
●LPWA通信を使ったリモート監視・点検
先にご紹介した少ない電力で広範囲に通信可能な無線通信技術であるLPWAを用いてM2Mを構築し、リモート監視や点検を行っている事例があります。
TOPPANのリモート水位監視ソリューション「スイミール®︎」では、河川に設置したセンサーやカメラなどから収集した水位や雨量情報を閉域ネットワークによってサーバーに送り、IoTの仕組みにおけるインターネットを経由してリアルタイムにリモート監視や点検を実現します。
閉域ネットワークの通信には「ZETA(ゼタ)」というLPWAネットワーク規格を用いています。ZETAは数多くの中継器を設け、通信をつなげることによって通信しにくい場所でも低コストの通信が可能であるため、河川のある山間部などのエリアでも実現できています。
●自動車の自動運転システム
自動車の自動運転技術が高度化していますが、M2Mは自動運転を実現する技術の一つとして採用されています。例えばセンサーから取得した情報を運転システムへと送り、搭載されているAIが判断してハンドルやブレーキ、アクセルを操作する仕組みが挙げられます。
●農業における環境管理
農業の現場では、農作物を育てるために最適な条件である温度や湿度、日照時間などを随時とらえ、作業に反映していきます。特にハウス栽培では重要な環境管理ですが、これをM2Mで環境を自動コントロールすることができます。例えばハウスの窓や空調を自動制御することが可能です。
さらに、カメラを設置することで農作物の盗難や鳥獣被害などの監視し、異常があれば自動通知する仕組みを備えれば、リスクを未然に把握でき、対処をとることができます。
まとめ
M2Mの概要やIoTとの違い、メリットや課題、事例をご紹介しました。M2Mは省人化などさまざまなメリットが期待できる仕組みです。
今回ご紹介したリモート水位監視ソリューション「スイミール®」のほか、TOPPANでは、遠隔獣害対策「リモワーナ®」も提供しています。M2MとIoTを組み合わせ、ZETA通信を利用することで山間部など電波の届きづらい場所においての監視・点検業務の効率化を実現しています。
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2024.12.10