パフォーマンスマーケティングサービス コラム

BtoBデジタルマーケティング戦略の
教科書|施策が「点」で終わる組織を変える6つのステップ

BtoB企業がデジタルマーケティングに取り組む際に、「体制構築の仕方がわからない」「Web広告やウェビナーを単発で実施しているが、売上への貢献が見えない」「部門間の連携が取れていない」などの課題に直面していませんか?

多くの企業が陥る「施策のやりっぱなし(点)」を、成果につながる「継続的な仕組み(線)」に変えるために必要なのが、綿密な「戦略」です。戦略なくして、成功はないといっても過言ではありません。
本記事では、成果の出るBtoBデジタルマーケティング戦略立案の方法をご紹介します。よくある課題から戦略立案の手順とポイント、BtoB企業のマーケティングへのAI活用のトレンド、戦略立案の成功事例までぜひ参考にしてください。


<目次>
1.成果の出るBtoBのデジタルマーケティング戦略とは?
2.BtoBデジタルマーケティングのよくある課題
3.デジタルマーケティング戦略立案のステップ
4.デジタルマーケティング戦略立案のポイント
5.BtoBデジタルマーケティングへのAI利用トレンド
6.デジタルマーケティング戦略立案の成功事例
7.まとめ


1.成果の出るBtoBのデジタルマーケティング戦略とは?

成果の出るBtoBデジタルマーケティング戦略:ターゲットに命中する矢のイメージ

近年、BtoB企業の多くがデジタルマーケティングを実施していますが、成果を出すには、何よりもまず「目的の明確化」「戦略立案」が欠かせません。

確かに近年のトレンドとして、MA(マーケティング・オートメーション)を活用した見込み顧客へのステップメールの送信や、インサイドセールスを通じた見込み顧客の育成、コラム配信によるコンテンツマーケティングの実施、ウェビナー開催など様々な施策が行われています。しかし、競合企業を意識して施策を実施しようと考えても、ただなんとなく実行したり、闇雲に施策を打ちまくったりするのでは、成果につながっていきにくいものです。単発に実施し、一時的には結果が出たとしても、長期的な成果は見込めないでしょう。
成果を生み出すには、事前の綿密な戦略設計がものをいいます。

しかし、戦略を立てるといっても、初めての場合は特に、何から手を付ければいいのかわからないことも多いのではないでしょうか。実は、成果の出る戦略には立て方のポイントがあるのです。

着実に成果につながるデジタルマーケティングの戦略立案のポイントは、次の2点に絞られます。

成果につながるデジタルマーケティング戦略立案のポイント

①組織的な連携体制の構築

組織的な連携体制の構築:チームワークで回る歯車のイラスト

単発施策で終わらせないためには、社内の組織的な連携を強化すること、部門・部署間を横軸で連携する仕組みづくりが何よりも重要です。

②一貫した取り組み

一貫した取り組み:ゴールに向かって進むデジタルマーケティング施策のイメージ

「点」の単発施策ではなく、「線」による総合的な施策を実施するには、戦略立案から実行、営業部門との連携を進め、施策実施後も効果測定と改善を継続するPDCA運用まで、一貫した取り組みが重要です。

これらのポイントを踏まえて実施するために、まずは現場の「よくある課題」と「原因」から確認していきましょう。


2.BtoBデジタルマーケティングのよくある課題

BtoBデジタルマーケティングのよくある課題:パソコンで業務を行う様子

BtoBデジタルマーケティングのよくある課題と原因をご紹介します。

組織・人の課題

●部門間の連携が取れていない
マーケティング部門と営業部門の連携が取れていないことはよくある課題です。マーケティング部門はリード(見込み顧客)を創出し、営業部門に受け渡すという役割があり、営業部門とは明確に役割が異なることから、そもそも連携が頭にないということが多くの原因です。
連携しようとしていたとしても、互いの目標が異なる場合、連携しようがありません。

●社内関係者が多く、施策実行などの合意形成のハードルが高い
マーケティングの施策は、予算の関係上、社内合意が得られなければ実施しにくいことが多くあります。しかし組織によっては社内関係者が多く、合意形成のハードルが高いこともあるでしょう。

仕組み・プロセスの課題

●ツールが乱立しており、それぞれに運用されている
マーケティング部門はMAやCRM、CMSなどのシステムとにらめっこし、営業部門はSFAとCRMとにらめっこする。そのようなツールの乱立状態に、不安を感じていませんか? それぞれのシステムに日々、連携されぬまま、見込み顧客や顧客の情報が蓄積されていくばかりだからです。

●施策を実施しても単発で終わってしまう
合意形成を獲得したマーケティング施策も、一回きりの実施で終わってしまっているという課題です。原因として、「一回で何らかの成果が出ると思っていた」「効果測定を実施していない・指標ややり方がわからない」「部門間で指標の共有ができていない」などが考えられます。

リソースの課題

●社内にノウハウや専任体制がない
デジタルマーケティングを実施するのが初めて、もしくは実施していても成果が思わしくないこともあり、ノウハウや専任チームが整備されていないケースも少なくありません。

●体制構築のために何から手をつけるべきか不明
そもそも初めて実施する場合、デジタルマーケティングの体制構築のために何から手をつければいいかわからないことも多いものです。

これらの課題すべてにおいて共通している問題は、「戦略立案」「部門間連携」が不十分であることです。

そこで、まず戦略立案について手順から確認していきましょう。

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3.デジタルマーケティング戦略立案のステップ

デジタルマーケティング戦略立案のステップ:階段を上る足元

デジタルマーケティング戦略は、次のステップを踏んで立案することで、有効な戦略を立てることができます。

1)要件整理・競合調査

はじめに、現状のマーケティング課題を洗い出し、要件整理を行います。また市場の競合調査も併せて実施することで、自社をとりまく全体像とリアルな課題をつかめます。

●活用できるフレームワーク
要件整理と競合調査の際には次のフレームワークの活用が有効です。

・PEST分析:自社をとりまく「Politics/政治的要因」「Economics/経済的要因」「Society/社会的要因」「Technology/技術的要因」の4要素を分析します。法規から株価、人口、デジタル技術までマクロ環境を分析します。

・ファイブフォース分析:市場における自社の外部環境のうち、「新規参入者の脅威」「競合企業との競争」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「代替品の脅威」の5つの競争要因を把握し、力関係や脅威を把握します。

・3C分析:マーケティング環境を抜け漏れなく分析するために「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの要素を分析します。

2)社内体制の構築・連携方法の検討

デジタルマーケティングのプロジェクト体制を構築します。戦略立案・施策の企画、実行部隊などをマーケティング部門と営業部門の両部門から選抜しましょう。連携強化のためにツールの共有についても検討しておきます。ただし、戦略が決まっていない段階で体制を確定させるのがむずかしいこともあるため、体制構築のタイミングは臨機応変に対応しましょう。

3)目的と目標の設定

1)の要件整理などの結果、自社の課題が浮き彫りになり、デジタルマーケティングを実施する目的が見えてきたら、その目的の内容を具体的にしていきます。数値的な目標値(KGI)やターゲットの具体像を定めて運用できるようにすることで、目的達成につなげやすくなります。

●KGIの設定
デジタルマーケティングの最終目標値はKGIとして設定します。
例「売上●%向上」「受注件数●件」「利益率●%向上」など

●ターゲットの明確化(ペルソナの検討)
具体的な顧客企業層のペルソナを設計し、ターゲットを具体的かつ明確にします。ペルソナを設定することで、顧客の解像度が上がり、戦略や施策精度が高まります。

例)製造業/大規模企業(従業員300人)/課題:DX推進・生産性向上/信頼性・実績重視の選定軸を持つなど

4)基本戦略の策定

基本的な戦略を策定します。プロジェクトの全体像や目的、実施策、フローなどを定義します。
基本戦略では、フローを構築するため、顧客がどのような流れで購買に至るのかのカスタマージャーニーマップを描きます。

●カスタマージャーニーマップで顧客視点を把握
カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社商材を認知し、比較・検討、意思決定、導入に至るまでの流れを旅行の工程に例えたものです。作図して顧客の行動やタッチポイント、施策、フォロー体制などを検討しましょう。

●活用できるフレームワーク
・STP分析:市場における「Segmentation/セグメンテーション」「Targeting/ターゲティング」「Positioning/ポジショニング」の3つの要素を分析し、自社の立ち位置や焦点を当てるべきターゲット、競合他社との差別化ポイントなどを把握します。

・SWOT分析:自社の内部環境を「Strengths/強み」「Weakness/弱み」、外部環境を「Opportunity/機会」と「Threat/脅威」の要素で分析して把握します。

5)実行戦略の策定

基本戦略をより具体的にし、集客施策、リード育成、セールスの各施策を実行できるようにします。

●施策の例
・集客施策:コンテンツ開発・SEO、Web広告運用、イベント・ウェビナー開催等
・リード育成:MA運用、メルマガ配信等
・セールス:インサイドセールス(架電・問い合わせ対応)、フィールドセールス等

●活用できるフレームワーク
・4P分析:マーケティング戦略を企画立案する際に「Product/商品・サービス」「Price/価格」「Place/販売流通方法」「Promotion/販売活動」の4要素を検討するフレームワークです。企業視点で分析します。

・4C分析:マーケティング施策を企画立案するために「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客が費やすコスト・時間)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の4要素で検討するフレームワークです。顧客視点で分析できます。

●KPIの設定
各施策のKPI(指標)を定め、定点観測する準備をします。

例)
集客施策:インプレッション数、単価・クリック数/率、コンバージョン数/率等
リード育成:メール開封数/率、コンバージョン数/率等
セールス:リスト数、架電数、通話時間、商談化数/率等

6)部門間共有・PDCA

施策を実施した後は、KPIを測定し、改善施策を行います。また部門間でミーティングを実施し、KPI達成率の共有や状況報告などを行い、連携を密に取ることで、連携を強化して同じ目標を達成するための取り組みを進めていくようにします。
このPDCAサイクルを組織的に連携しながら実施していくことで、成果へと着実につなげられるでしょう。


4.デジタルマーケティング戦略立案のポイント

デジタルマーケティング戦略立案のポイント:目的地を示すマップピン

デジタルマーケティング戦略立案においては、次のポイントを押さえて実施することをおすすめします。

マーケティング部門だけで完結させない「巻き込み力」

従来はマーケティング部門の狭い範囲で戦略や施策を取り決め、組織内の各者を説得する必要があった場合は、初めから組織全体を巻き込んで進めることで、合意形成が取りやすくなります。マーケティング施策を組織全体で成果を出す考え方に切り替えることが肝心です。

先に示した戦略立案のうち、2)の「社内体制の構築・連携方法の検討」の段階で全社的に行い、「3)目的と目標の策定」後、「4).基本戦略の策定」後、「5).実行戦略の策定」後それぞれ、逐一、組織への共有を行うのが理想です。

情報の分断を防ぐ「データ連携」の重要性

ステップ2の「社内体制の構築・連携方法の検討」の段階で、組織内の部門間連携を強化するために、MAとCRM、SFAのツールを連携させておくことが重要です。単に意識と目標だけ共有できても、実務面で乖離していれば連携しきれません。情報を一元化し、常に互いの最新情報が閲覧できる仕組みを構築しましょう。

“やって終わり”ではないPDCAによる継続施策の仕組みづくり

施策の“やりっぱなし”“やって終わり”にならないため、「点」で終わらせないために、「線」として継続的に成果を出し続けるための効果測定と改善施策を継続する仕組みづくりに力を入れましょう。
ステップ2の「社内体制の構築・連携方法の検討」の段階で、誰がいつどのように効果測定・改善を行うのかの明確な役割分担をすることが必要です。

戦略は理解できたが、自社だけでペルソナ設計やカスタマージャーニーを描くのはリソースが足りない」という方には、こちらの資料で具体的な設計図を公開しています。

ホワイトペーパーダウンロード:MA×コンテンツ×組織体制で実現するナーチャリング再設計術


5.BtoBデジタルマーケティングへのAI利用トレンド

BtoBデジタルマーケティングへのAI利用トレンド:AI(人工知能)のイメージ図

近年、BtoB企業では、生成AIをはじめとしたAIの業務活用が進んでいますが、デジタルマーケティングの分野でも主に次の用途で積極的に活用されています。

活用用途

・施策の企画立案の際のアイデア出し
・市場調査・競合分析
・顧客の行動・嗜好分析によるレコメンド
・AIチャットボットでの一次対応
・資料・ホワイトペーパー作成の企画・たたき台作成
・画像・バナー、LP、メルマガのたたき台作成

影響・変化

AIを活用することで、調査・分析、問い合わせの一次対応、文書・画像作成の手間が削減され、より戦略や施策立案に時間を割けるようになっていきます。部門間連携の環境整備やミーティングなどの時間も増えていることでしょう。

また取り扱えるデータの量が格段に増えたこと、分析が迅速に実施できることなども良い影響として考えられます。

AIはセキュリティポリシーへの準拠や正確性などに十分注意した上で適切に利用していくことにより、BtoBデジタルマーケティングの大幅な効率化が期待できるでしょう。


6.デジタルマーケティング戦略立案の成功事例

デジタルマーケティング戦略立案の成功事例:CASEと書かれた積み木

デジタルマーケティング戦略を綿密に立案したことで、成果を出した事例をご紹介します。

コンテンツマーケティング×インサイドセールスの連携体制を構築し順調な成果創出

TOPPAN Biz デジタルマーケティング支援サービスのイメージ

TOPPAN自身もBtoB企業として、長年デジタルマーケティングの課題に向き合ってきました。
広告に頼らず、SEOによる集客から、資料ダウンロードによるリード獲得、そしてインサイドセールスとフィールドセールスがシームレスに連携する体制を構築。

「2019 CRMベストプラクティス賞」を受賞したこのノウハウは、単なるツールの導入支援ではなく、「実業で成果を出した泥臭い運用知見」として、現在のお客さま支援に活かされています。

商材ごとのコンテンツ乱立をCMSで管理し、営業プロセスを効率化

あるITベンダー企業は、多様な商材を抱える中、サイト上にコンテンツが乱立し、見込み顧客のユーザーが必要な情報にたどり着けないという課題がありました。

そこでコンテンツ管理にCMSを導入し、ユーザー情報や行動履歴からニーズを導き出した上で最適なコンテンツの出し分けを図りました。
最適なコンテンツへのアクセシビリティが向上したことで営業プロセス効率化を実現しました。

マーケと営業部門が共にカスタマージャーニーワークショップを実施

ある教育サービス提供企業は、よりターゲットを絞り込んだ施策を検討する際に、マーケティング戦略の見直しを、カスタマージャーニーマップを作成することから取り組みました。市場・競合分析から自社をとりまく現状、強みなどを洗い出し、カスタマージャーニーワークショップを営業部門も巻き込んで実施。新たな課題が浮き彫りになり、議論も活発化したことで、さらなる連携強化にもつながりました。

PDCAサイクル継続で成功

あるオフィス機器の販売・マーケティングサポートを行う企業は、Webサイトを改善した結果、月間PV(ページビュー)数が5倍以上に増加し、コンバージョン率もアップしたことで、売上創出につなげています。

その大きな勝因は、商材ごとのサイトの導線の見直しや改善施策を長期的に随時実施していく、PDCAサイクルを回す仕組みづくりにありました。


7.まとめ

成果につながるBtoBデジタルマーケティング戦略立案のポイントをご紹介しました。

冒頭でお伝えしたように、成果につなげるためには、ただ戦略や施策を立案・実行するだけでなく、

①組織的な連携体制の構築
②一貫した取り組み


が重要になります。

しかしながら、現実的に自社では連携体制の構築や一貫性の実現がむずかしいケースもあるのではないでしょうか。その場合はTOPPANにおまかせください。

TOPPANでは、BtoB企業向けマーケティング立ち上げ・運用支援サービスをご提供しており、マーケティング施策の立ち上げ支援から、SEO記事や広告・イベントの開催による集客、MAを活用したリード育成、営業連携までを一気通貫でご支援しています。

成果につながる運用を見据えた「設計段階」の精度が、プロジェクト全体の成否を大きく左右することから、特に戦略立案を重視しております。

BtoBマーケティングを全般的にご支援させていただきますので、お困りのことがございましたら、どのようなことでも、お気軽にご相談ください。

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2026.02.05