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NFCタグを活用した「LINEタッチ」が
顧客接点のあり方を変える
2023年、旧LINE株式会社と旧ヤフー株式会社などが合併・再編して 現在のLINEヤフー社が誕生したことはまだ記憶に新しい。
現在同社が提供するサービス群は、コミュニケーションアプリ「LINE」や総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」、 「Yahoo!知恵袋」や「スポーツナビ」などのメディア・生活関連サービス、Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」などのコマースサービス、さらに決済サービス「PayPay」など実に多彩だ。
「国内で「LINEヤフーのサービスを一度も使ったことがない」という人を探すほうが難しいだろう。同社が課題解決のために新たに開発したのが、NFCタグを活用した「LINEタッチ」サービスだ。LINEタッチとはどのようなサービスなのか、LINEタッチによって何が変わるのか。
LINEヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー ビジネスプラットフォーム統括本部 ビジネスプラットフォーム企画本部 企画1部 企画2チーム 奥田 浩二氏、コーポレートビジネスドメイン バーティカル統括本部 事業推進本部 ソリューションプランニングチーム 淺田 流星氏にお話を伺った。
(左)マーケティングソリューションカンパニー ビジネスプラットフォーム統括本部
ビジネスプラットフォーム企画本部 企画1部 企画2チーム 奥田 浩二氏
(右)コーポレートビジネスドメイン バーティカル統括本部
事業推進本部 ソリューションプランニングチーム 淺田 流星氏
新たな体験「LINEタッチ」でオフライン接点を強化
オフラインでの接点強化が課題
LINEヤフーが提供するサービスの中で、近年企業や店舗と消費者とのつながりを強化する手段の1つとして活用が広がっているのが「LINE公式アカウント」だ。月間アクティブユーザー1億ユーザーが利用するLINEユーザーに対して、企業や店舗が情報を発信することでつながりを深めていくことができるのが特長だ。
そのようなLINE公式アカウントの次フェーズの課題として同社がとらえているのが、実店舗などにおけるオフラインでのさらなる接点強化だ。
「昨年の始め頃から、実際の店舗の中でユーザーとの接点を作る『オフライン接点』をさらに強化していこうという流れがありました。従来のオフライン接点はQRコード※を使ったものだけでしたが、NFCタグに着目して検討を進めてきました」と、奥田氏は課題解決に向けた動きを振り返った。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
ビジネスプラットフォーム企画本部 企画1部 企画2チーム 奥田 浩二氏
NFCタグを活用した「LINEタッチ」でCX向上を目指す
オフライン接点強化の課題に対応するために新たに開発に着手したのが「LINEタッチ」サービスだ。同サービスはNFCタグを活用し、スマートフォンを専用のアクリルスタンドやステッカーにかざすだけでLINE公式アカウントやLINEミニアプリなどに誘導したり、クーポンやポイントを取得したりできるサービスで、2025年11月に提供を開始した。
「LINE公式アカウントはサービスの特性上、導入企業や店舗がいかにして『友だち』を集めるかが重要なポイントで、当社もそのためのさまざまな施策を実施しています。以前からQRコードを使ったPOPのようなものは提供していましたが、今回のLINEタッチはタッチ操作のみでさまざまな体験ができ、導入企業様や店舗様、そしてユーザーの方も『ちょっと便利だよね、楽しいよね』と感じてもらえるようなものを提供したかったんです」と、淺田氏はLINEタッチ開発の背景を説明した。
事業推進本部 ソリューションプランニングチーム 淺田 流星氏
従来提供していたQRコードを使って誘導する方法は、読み取るたびにカメラアプリを起動しなければならず、余分なひと手間が発生する。そのひと手間があるかないかが結果的に大きな差を生んでしまうこともある。また、カメラで読み取ってさらにアプリを開かなければならないとなると、特に高齢者の方には大きな負担だ。
「QRコードでポイントが取得できるようなコンテンツの場合、撮影されたQRコードが拡散され、店舗に行かずに不正にポイントを取得できてしまうというリスクがあります。そういった不正利用やユーザビリティの問題を、今回NFCタグを活用することで解決しました」と、奥田氏はNFCタグ活用の意義を述べた。
また従来の紙のQRコードは、遷移先の内容を変更したい際に貼り替え作業が必要となるが、LINEタッチであれば、貼り替えが発生せず、作業を効率化できるというメリットもある。
すごくワクワクするものをTOPPANと一緒に作りたい
ものづくりの難しさをどのように解決するか
NFCタグを活用した新たなサービスの開発を決断したのが2025年2月。ソフトウェア的な仕組みはもちろん、今回はハードウェアとしての形状やデザインなども作り上げていかなければならない。同社は、IT系サービスの開発力に関しては国内でも随一だが、実際に形のある製品の開発経験は限られていたという。
「NFCタグの製造からそれと組み合わせるスタンド、必要な印刷物などをワンストップで提供いただけるような企業を探すのが最初のフェーズでした」と、奥田氏はサービス開発当初の状況を語った。
開発を進めるにあたっては、ユーザーや店舗様の慣れ、またNFC非対応スマートフォンユーザーなどを考慮してQRコード方式も併存させる方針とした。これによりNFCタグによるタッチサービスの利点を活かしつつ、NFCタグがまだ浸透していない状況にも対応できる。また、問題となっていたポイントなどの不正取得対策として、NFCタグの認証機能を活用し、実際にタッチした本人のみにポイントなどが付与される仕組みを取り入れることにした。
迅速かつ的確なTOPPANの対応を評価
国内でNFCタグを安定して供給できる事業者はある程度限られている。TOPPANを含めた該当する企業数社に声をかけたという。
「数社に公平にお声をかけたのですが、TOPPANさんは私たちが知りたい情報に対して、最もシンプルかつ的確にお答えいただいたのが印象的でした。資料も私たちが判断しやすいように工夫されていたり、今話していたことが10分後のミーティング資料に反映されていたりするなど、非常に安心感がありました」と、淺田氏は当時のTOPPANの印象を振り返った。
最終的にTOPPANを選んだのは、当初の課題でもあったものづくりへの不安を払拭するのはもちろん、より良いものを作ることができると確信したからだという。
「NFCタグのセキュリティ機能に関することなど、私たちの技術的な知識が不十分なところもありましたが、TOPPANさんに確認することで速やかに回答をいただき、不安を素早く解消することができました。また、提案の早い段階からサンプル品を提示していただくなど、こちらからのリクエストに対して非常に質の高いアウトプットを毎回提案いただいたことも大きな決め手になったと思います」と、奥田氏はTOPPAN採用の理由を述べた。
「最終的にはフォロー体制も含めて、『こういう風になっていくんだろうな』という未来がリアルに想像できて、『すごくワクワクするものをTOPPANさんと一緒に作りたいな』と感じましたね」と、淺田氏はTOPPAN採用時の思いを振り返った。
製品に起因するクレーム・事故はゼロ。TOPPANの対応には非常に満足
飲食店や小売り、美容サロンや医療現場などを中心に活用が広がる
サービス開発にあたっては、どのような形状が適しているのか、それを実際に店舗に設置したときにどのような印象になるのかイメージするのが難しいところもあった。
「ものづくりに関するノウハウ不足はTOPPANさんに事例などを教えていただきながら補いつつ、徐々に今の製品の形に落とし込んでいくことができました」と、奥田氏は製品具体化の様子を説明した。
構想からサービスリリースまで約8カ月のスピード開発だった。現在TOPPANでは、NFCタグ提供の他に製品の梱包作業や在庫管理なども担っている。
「LINEタッチは、オフラインでお客さまと接点があり、なおかつLINE公式アカウントをお持ちの企業様や店舗様を対象に幅広く導入いただいています。具体的には飲食店や小売店、美容サロンや医療現場などを中心に活用が広がっています」と、奥田氏はLINEタッチサービスの市場での受け入れ状況を説明した。
中でも注目されるのが大阪市高速電気軌道株式会社様(以下「Osaka Metro」様)の活用事例だ。Osaka Metro駅構内や車内広告でLINEタッチ付き広告を掲出。それにタッチすれば同社が提供するOsaka Point(オオサカポイント)の会員証をLINE上で表示できるようにし、駅直結の商業施設で開催されるOsaka Pointキャンペーンへの気軽な参加を促した。
Osaka Metro様によると 「列車内にLINEタッチ機能を付与した広告を掲出するのは日本で初めてで、今までにない新しい交通広告の活用を創出し、鉄道利用時の日常の移動時間を体験時間へと変え、広告に体験価値を加えることでお客さまの満足度と利便性の向上を図る」という。
TOPPANと共にまだ見ぬ世界を取りにいきたい
LINEタッチ導入先企業や店舗からは、「実際に体験してみると、カメラを起動するという作業が一つ減るだけでも思ったより簡単で楽になる」と好評を得ている。また、認証機能による不正利用防止にも効果が現れており「LINEタッチ導入後は発生しなくなった」という声も届いているという。
「サービスリリース後、製品に起因するクレームや事故はゼロ。そこはTOPPANさんの技術力の高さだと思うので率直に感謝しています。LINEタッチというサービスがどういうものか、それをしっかり理解していただいた上で、全体最適化の視点で本当に丁寧に対応いただいていることに非常に満足しています」と、淺田氏はこのようにTOPPANを評価した。
今後は耐久性や耐水性を強化したり、タッチ精度の向上を図ることで製品自体の品質を上げていき、タッチ後の誘導先を多様化させるなどマーケティングツールとしての価値も向上させていく予定だ。
「オフライン接点の強化によってLTV(Life Time Value)やコンバージョンの向上が実現されていくわけですが、さらに一歩進んでLINEタッチがないとその事業がうまく回らない、というようなところまでしっかりと作っていきたいというのが私たちの目指す世界です。
TOPPANさんとはこれからもパートナーとして、このようなまだ見ぬ世界を一緒に取りにいきたいですね」と、淺田氏は将来像を語った。
さいごに
TOPPANでは、キャンペーン用途向けに、セキュアNFCタグを搭載した販促ツールの製造から、各店舗への個別配送の手配・管理までを一括で行う「キャンペーン向けセキュアNFCタグ発行・管理サービス」を提供しています。
これまで真贋判定などで培ってきたセキュアNFCタグ発行基盤や、長年にわたるBPO事業での知見やノウハウを活用しています。本サービスの導入により、企業や店舗は「来店者限定」の真正性を担保しながら、利便性やセキュリティを両立した大規模キャンペーンを展開することが可能です。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
2026.03.27