コラム

住宅・非住宅問わずトレンドの“木目天井”|メリット・デメリットと材料別の特徴、おしゃれな事例を紹介

住宅・非住宅を問わず、天井に木目を取り入れるデザインがトレンドです。ただし、木目天井の仕上げ材にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴とメリット・デメリットは異なります。また、公共性の高い建物においては、天井仕上げ材は建築基準法における防火規定をクリアしなくてはいけません。

今回のコラムでは、木目天井のメリットから仕上げ材の種類とそれぞれの特徴、材料を選ぶ際のチェックポイントについて解説します。“TOPPAN”の製品を使ったおしゃれな木目天井の事例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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<目次>

■ 木目天井のメリットとは
■ 木目天井を失敗しないための注意点
■ 木目天井に使われる材料の種類|メリット・デメリット
■ 木目天井仕上げ材を選ぶ際のチェックポイント
■ 木目天井のおしゃれな事例
■ 木目の壁もおすすめ|デザインの調和性
■ TOPPANの環境配慮&デザイン性に特化した内外装材
■ まとめ


■ 木目天井のメリットとは

木目天井は様々な建物のデザインに採用されていて、その背景には、主にデザイン面におけるメリットがあります。

・シンプルなインテリアデザインのアクセントになる
・壁や造作家具、床材と木目を合わせて、統一感のあるデザインに仕上げられる
・オフィスなど無機質な空間でも、天井に木目を取り入れると“癒し”の空間に仕上がる

“本物の”質感や色味にこだわると「木目天井=木質建材」が連想され、コストや法令遵守の観点から採用しづらいと思われがちです。しかし、近年は木質建材に加えて非木質建材でもリアリティのある木目を表現できるようになりました。

■ 木目天井を失敗しないための注意点

木目天井には視覚的なメリットがある反面、設計プランへ取り入れる際には事前に知っておいていただきたい注意点もあります。

階高が決まっているテナントやマンションの場合、木目の色合いによっては圧迫感が出る可能性があるので注意しましょう。ダークブラウンの材料や、インダストリアルな印象の木目が強調される材料は、ライトブラウンで木目が目立たない材料と比べると天井が低く感じるかもしれません。

最近のビルやマンションは階高※が3〜4m程度、天井高※が2.7〜3m程度ですが、古い建物では建築基準法で定める天井高2.1mの物件も珍しくありません。

※階高:床スラブ上端から上階床スラブの上端
※天井高:床スラブ上端から上階床スラブの下端

そのため、既存建物の改修などで木目天井を取り入れる際は、できるだけ天井が高く感じる工夫が必要です。平天井部分に加えて、梁や配管・配線スペースのサイズにも注意しましょう。

■ 木目天井に使われる材料の種類|メリット・デメリット

クロス(ビニール・木質など)

クロスには、ビニールクロスで木目がプリントされているものと、突板※に裏紙を接着した木質クロスがあります。
※突板:天然木を0.2〜0.3mmのシート状に薄くスライスした素材

メリット

  • 材料コストが安い(木質クロスはビニールクロスよりも高いが、その他のパネル材より安価)
  • ・施工スピードが早い(一日に施工できる面積が大きい)

デメリット

  • ・耐用年数が5〜10年と短い(日焼けや照明焼けによる変色や、継ぎ目の開き、端部からの剥がれなど)
  • ・定期的な張り替えが必要
  • ・高温・多湿の場所では劣化が早い(半屋外の軒天などでも要注意)
  • ・部分補修が難しく、キズ・汚れが付いたら広範囲での張り替えが必要
  • ・下地のパテ処理が必要で、その精度によっては凹凸が目立つ(下地を拾いやすい)

木目調シート

クロスよりも厚手の木目調シートもあります。木目を印刷した化粧シートに粘着シートを貼り合わせたもので、表面のコーティングによってクロスよりも高い耐久性があります。

メリット

  • ・耐用年数は10〜15年(クロスより長持ちするが、長寿命ではないので要注意)

デメリット

  • ・材料コストがクロスより高い
  • ・定期的な張り替えが必要
  • ・高温・多湿の場所では劣化が早い(半屋外の軒天などでも要注意)
  • ・部分補修が難しく、キズ・汚れが付いたら広範囲での張り替えが必要
  • ・下地のパテ処理が必要で、その精度によっては凹凸が目立つ(下地を拾いやすい)

無垢材(パネリング・羽目板など)

メリット

  • ・木そのものの質感と見た目に仕上がる
  • ・経年変化を楽しめる
  • ・室内であれば20〜30年の耐用年数
  • ・部分張り替えできる
  • ・下地の凹凸が表面に現れない

デメリット

  • ・樹種によっては材料コストが高い
  • ・保存環境・施工後の室内環境によって、変形(反り・ねじれ・伸縮・割れ)するリスクがある
  • ・内装制限などの防火規定を受ける範囲内では、下地や材料選定に要注意(不燃木材だとコストが高い)
  • ・重く1枚ずつ固定するタイプは施工効率が悪い
  • ・品質や見た目にムラがある場合も

木目調化粧板

メラミン化粧板やオレフィン化粧板など木目をプリントした化粧シートを表面材にしたものと、突板を表面材にしたものがあり、それぞれを合板や不燃パネルに接着したパネル材です。主に、造作家具やシステムキッチン、内装ドアの面材に使われます。

メリット

  • ・突板化粧板は、木そのものの質感と見た目に仕上がる
  • ・メラミン化粧板は耐火性・耐水性が高い
  • ・室内であれば20〜30年の耐用年数
  • ・下地の凹凸が目立たない
  • ・国土交通大臣による防火材料としての認定を受けているものが多い

デメリット

  • ・材料コストが高い
  • ・長尺材は種類が限られる(広範囲での施工に不利)
  • ・高温・多湿の場所では劣化が早い(半屋外の軒天などでも要注意)
  • ・部分補修が難しく、キズ・汚れが付いたら広範囲での張り替えが必要
  • ・パネルの継ぎ目に目地が必要(目透かし、コーキングなど)

木目調スパンドレル

木目調スパンドレルとは、化粧シートを接着したアルミスパンドレルで、主に非住宅分野の木目天井に多く採用されています。

※上記断面図(TRA-120/TRA―150)は一例です。その他のサイズにつきましてはカタログP.96をご覧ください。

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メリット

  • ・耐火性・耐水性が高い
  • ・室内屋外問わず、30年以上の耐用年数
  • ・下地の凹凸が目立たない
  • ・国土交通大臣による防火材料としての認定を受けているものが多い
  • ・軽くて施工しやすい
  • ・脱着可能で部分張り替えしやすい
  • ・材料を連結させるため、目地工事は不要(建築コストの削減)
  • ・下地(野縁)に直接固定するため、石膏ボードなどの捨て張りが不要(建築コストの削減)

デメリット

  • ・材料コストが高い(高耐久・メンテナンスフリーなので長期的視点ではリーズナブル)

【ポイント】
プリントした木目シートはリアリティに欠けると思われがちですが、“TOPPAN”の最新の印刷技術を用いた木目調スパンドレルは、トレンドを押さえた多様でリアルな木目が特徴です。

■ 木目天井仕上げ材を選ぶ際のチェックポイント

木目天井の仕上げ材を選ぶ際には、以下のチェックポイントを押さえましょう。

耐久性

天井は物や人が頻繁にぶつかる場所ではないため、耐キズ性・耐汚性をそれほど重要視する必要はありません。ただし、材料の耐久性(耐用年数)によって建物の維持管理コストが変わります。屋外や半屋外へ施工する場合は、湿度への抵抗性も確認しましょう。

TOPPANのスパンドレルは30年程度メンテナンスフリー※です。紫外線や湿気に強く化粧シートのクラックや変色、密着度低下を最小限に抑えた外装R仕様もお選びいただけます。

※化粧シートに深いキズがついた場合は、基材のアルミニウムが腐食する可能性があります。

デザイン性

木目のレパートリーや色合いは、建物のデザインや品格に影響します。特に非木質建材を選ぶ際には、リアリティのある材料を選ぶことをおすすめします。室内天井の場合は、壁や家具、ドアなどとの統一感も重要です。

TOPPANのスパンドレルは、80種類※を超える木目・石目・メタル柄を取り揃えています。
※外装・準外装・内装仕様によって選べる色柄は異なります。詳しくは色柄検索ページをご覧ください。

また、「デザイン・環境配慮・ 抗ウイルス&抗菌」の特徴を備えた不燃化粧パネル「ローバル」と色柄を合わせることも可能です。

不燃性

内装制限※や軒天の防火規定の要件を満たすためには、天井仕上げ材が防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)であることが義務付けられています。

※内装制限:特殊建築物(建築基準法第35条の2)など不特定多数の人が利用する公共性の高い建物において、火災時に内装材が延焼して人々の避難が妨げられないためのルール。居室・通路の壁と天井に防火材料を使用することが義務付けられています。それぞれの仕上げ材には防火材料として認定を受けているものもありますが、それぞれ注意点があります。

・クロス:不燃クロスは下地が目立ちやすく、色柄のレパートリーが少ない
・化粧板:不燃パネルを基材にしたタイプは、重く分厚いものが多い
・無垢材:不燃木材は高価で湿度に弱い上に、重く分厚いものが多い

TOPPANのスパンドレルは、全製品・全色柄で不燃認定を受けており軽量で施工性に優れています。

環境配慮性

建築設計において忘れてはいけない重要なキーワードが「環境配慮性」です。意匠性・耐久性に優れていてなおかつ地球環境に配慮した仕上げ材を選びましょう。

木質建材は森林循環※の活性化につながるため、環境配慮性が高いと言えますが、輸入木材を使用しているものは運輸時の消費エネルギーやCO2排出が気になります。

※森林循環:植林・間伐・伐採・利用・再植林というサイクルを指し、森が若返って木々が成長の過程で多くのCO2を吸収する

TOPPANのスパンドレル(準外装・内装仕様)にはオレフィンシートが使用されているため、環境配慮建材として採用されるケースは少なくありません。

・オレフィンシートは塩ビ系シート材と比べて、製造過程で排出されるCO2を大幅に削減できます。
・オレフィンは塩素を含まないため、燃焼しても水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解され、有毒な塩化水素ガスやダイオキシンがほとんど発生しません。
・オレフィンの製造過程では、VOC(揮発性有機化合物)の発生要因となる可塑剤を使用しません。

■ 木目天井のおしゃれな事例

TOPPANのスパンドレルは、数多くの事例に木目天井の仕上げ材としてご採用いただいています。その中から特徴的な事例を抜粋し、デザインのポイントを紹介します。

床材と統一されたデザイン

こちらは、天井の木目と床材を揃えた事例です。色のトーンが異なる木目を並べることにより、華やかな印象に仕上がります。木質建材では天井と床を同じ見た目で仕上げるのが困難なケースが多いですが、TOPPANの内外装建材はそれを可能にします。

室内天井から屋外の軒天につながるデザイン

こちらはダイナミックな吹き抜け空間に木目天井を採用した事例です。壁面の格子(ルーバー)と色合いを揃え、明るいデザインに仕上げました。大開口のガラスを通して、室内天井と同じ仕上げの軒天が伸びている点もポイントです。

TOPPANのスパンドレルは室内・屋外に同じ木目の仕上げ材を使用できます。

格子を組み合わせたデザイン

こちらは木目天井の上に格子を取り付け、インテリアに高級感と和風な雰囲気をプラスした事例です。格子付きの天井は圧迫感が出がちですが、大開口・明るい床材と組み合わせることにより優雅な印象に仕上がりました。

複雑な格子天井をクロス・化粧シート・化粧板で表現することは困難ですが、TOPPANのスパンドレルとルーバー材を組み合わせれば実現可能です。

こちらの事例のように、平天井とルーバー材の色を変えてメリハリをつけるデザインもおすすめです。

多素材の天井を組み合わせるデザイン

こちらは、鉄骨や躯体の表し(あらわし)と木目天井、シンプルやホワイトの天井を組み合わせた事例です。素材や色味が異なる天井をバランスよく組み合わせ、スタイリッシュなデザインにまとめました。

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■ 木目の壁もおすすめ|デザインの調和性

木目は、天井や軒天だけではなく、壁に取り入れるデザインも人気です。ただし、特定建築物などでは壁の仕上げも防火規定の範囲に含まれるので、材料選定には注意が必要になります。

TOPPANの不燃化粧パネル「ローバル」は、不燃認定取得済みでさらに抗ウイルス・抗菌機能をプラスした環境と人にやさしい仕上げ材です。スパンドレルやその他建材と組み合わせることにより、統一感のあるデザインを実現できます。

■ TOPPANの環境配慮&デザイン性に特化した内外装材

TOPPANは、環境配慮と高意匠を実現できるレパートリー豊富な内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA(フォルティナ)」と不燃化粧パネル「LOVAL(ローバル)」を製造しております。

【特長】
・最新の印刷技術によって再現したリアルな色柄と質感
・不燃材料認定番号取得済み
・豊富な形状レパートリーによる様々な納まり・デザインを実現できる多様性(ルーバー・スパンドレル・フラットパネル・リブパネル(フォルティナレッジ))
・20種類以上の色柄ラインナップ(内装用は80種類以上)※リブパネルは3種類
・低汚染なオレフィンシートによる環境配慮

ローバル・フォルティナ以外にも多彩な建築材料を取り扱っておりますので、ぜひ設計デザインへご採用ください。

■ まとめ

木目天井にはデザイン面でのメリットがあります。ただし、どの仕上げ材を使うかにより、コスト・施工性・耐久性・メンテナンスの間隔が異なるためご注意ください。

TOPPANでは、高耐久で不燃材料としての認定を取得した環境配慮型内外装建材を開発・製造しております。「環境に優しい建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2026.01.21

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