スパンドレルの天井・軒裏天井|特徴・種類や納まり・耐用年数、成功事例、おすすめ商品を紹介
耐候性の高いスパンドレルを軒天の仕上げ材として検討している方へ、スパンドレルの材質・用途・種類からメリット・デメリットについて詳しく解説します。
耐用年数やメンテナンス方法、スタイリッシュな事例、納まりなど、デザイン・設計を検討する上で欠かせないポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
■ スパンドレルとは|材質・用途・種類
■ スパンドレルを天井・軒天に採用するメリット
■ アルミスパンドレルの種類
■ アルミスパンドレルの耐用年数・メンテナンス方法
■ スパンドレルを天井・軒天に採用した事例
■ スパンドレルの天井・軒天納まり
■ TOPPANの木目が美しい内外装用スパンドレル
■ まとめ
■ スパンドレルとは|材質・用途・種類

スパンドレルとは外壁や天井、軒裏天井の“下地材兼仕上げ材”として用いられる金属製化粧板です。
押出形成材によって高精度な凹凸加工が施されており、長尺材を連結させながら施工するため、目透し張り*に適した建築材料としても広く認知されています。

*目透かし(めすかし)張り:板材等の継目に隙間を設けて張る方法で、コーキングなどの目地材が不要。
主な用途は以下の通りです。
・カーテンウォール構法における外装仕上げ材
・屋内壁の仕上げ材
・屋内・半屋外・屋外の天井・軒裏天井の仕上げ材
国土交通大臣から個別で不燃・準不燃・難燃材料として認定されているものは、大規模建築物や公共性の高い特殊建築物、防火地域・準防火地域内の建築物など、防火規定を受けるプロジェクトへも施工できます。
■ スパンドレルを天井・軒天に採用するメリット
スパンドレルが天井や軒裏天井、外壁の仕上げ材として採用される理由は、いくつものメリットにあります。
・錆びにくく、雨風・紫外線による影響が少ない=耐久性・耐候性が高い
・軽量で施工・運搬効率が良い=工期短縮・コスト圧縮につながる
・現場でカット・穴あけ加工できる=様々な納まりに対応できる
・アルミニウム製なので劣化に強い=原則メンテナンスフリー
・コーキングなどの目地材を使わない納まり=メンテナンス間隔が長く、コストを抑えられる
・連続したラインが生み出すデザイン性=シャープですっきりとした印象に仕上がる
・陽極酸化塗装複合皮膜*や焼付塗装などにより、表面仕上げの品質が高い=過酷な環境下の屋外にも採用できる
*陽極酸化塗装複合皮膜:アルミニウム(アルミニウム合金)の表面に陽極酸化処理をしてさらにその上から保護塗装を施す処理で、耐食性・耐候性が高まる
このように、スパンドレルには「施工面・コスト面・メンテナンス性・デザイン性」においてメリットがあるため、様々な用途・規模の建築物へ採用されているのです。
■ アルミスパンドレルの種類

アルミニウム製のスパンドレルは、見た目において主に2種類に分けられます。それぞれデザインの特徴や効果が異なりますので、材料選定の際には注意しましょう。
メタル調
アルミニウム基材に陽極酸化塗装処理を施したもので、見た目はアルミニウム素材そのものです。シャープで無機質な印象に仕上がるため、シンプルモダンなデザインと調和します。
ただしカラーレパートリーが少ないため、個性やオリジナリティを表現したい場合にはスパンドレル以外の素材に工夫が必要です。
木目調
アルミニウム基材に陽極酸化塗装複合皮膜を形成した上から化粧シートを接着して木目を表現したスパンドレルもあります。防火規定上天然木を採用できない部分や、不燃木材では施工しにくい細かく複雑な納まりに対応できる点もポイントです。
最近はシンプルなデザインに木目の天井や軒天、アクセントウォールを組み合わせるデザインがトレンドであることから、木目調スパンドレルの人気も高まっています。
【ポイント】
TOPPANの木目調スパンドレルは、特に耐候性の高い「外装R仕様」、軒天など紫外線や雨に当たらない場所におすすめの「外装F仕様」、その他「準外装仕様」「内装仕様」を取り揃え、豊富な木目カラーをお選びいただけます。


■ アルミスパンドレルの耐用年数・メンテナンス方法

表面が陽極酸化塗装複合皮膜や化粧シートで保護されているスパンドレルは、原則メンテナンスフリーです。アルミニウム基材が露出するほどの深いキズがつかない限り、20〜30年以上は美観や性能、耐久性を維持できます。
スパンドレルのデメリットとして衝撃を受けると凹む点が挙げられますが、物や人がぶつかりにくい天井や軒天ではその心配はほとんどありません。
ただし、多くのメーカーで耐候性に差がある内装用と外装用がありますので、材料選定の際は注意が必要です。
【ポイント】
TOPPANのスパンドレルFORTINA(フォルティナ)は、製品保証5年(製品によって2年)をお約束しております。シートの著しい変色や剥がれが保証対象です。
スパンドレルのデメリット・注意点とその対策については、以下の記事をご覧ください。
■ スパンドレルを天井・軒天に採用した事例
TOPPANのスパンドレル「内外装不燃アルミ意匠材フォルティナ」は、多くの建築物にて天井や軒裏天井の仕上げ材へご採用いただいています。その中から特徴的な事例を抜粋し、デザインのポイントを紹介しますので、ぜひ材料選定の参考にしてください。
木目の軒天が外観デザインのアクセントに

こちらは深い軒が特徴的な外観デザインの事例です。シルバーやガラスを基調としたシャープな外観デザインとシンプルな建物形状に木目を取り入れることで、モダンな中にもナチュラルな印象をプラスできます。
軒天と連続するカバードウォール

こちらは、軒天から左右の外壁へ木目が連続する外観デザインの事例です。まるで建物を囲うように同じ材料を採用することで、統一感のある印象に仕上がります。
ダイナミックな木目でシンプルに

こちらはデザイン要素を敢えて取り去り、シンプルな木目を強調した事例です。天井から壁面へラインが連続することで、開放的な空間に仕上がりました。
■ スパンドレルの天井・軒天納まり

スパンドレルを固定するための下地(野縁)は、パネルの張り方向と直行するようにLGS(軽量鉄骨)を配置しましょう。
TOPPANのスパンドレルをご採用いただく場合は、野縁ピッチ(吊りピッチ)を900mm程度で施工することを推奨しております。

【ポイント】
TOPPANのスパンドレルは、様々な納まりの現場へご採用いただけるように以下の造作部材を取り揃えております。
・廻り縁
・出隅・入隅用廻り縁
・継手・ジョイナー
・下がり壁用部材
スパンドレルの納まりにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
■ TOPPANの木目が美しい内外装用スパンドレル

TOPPANは印刷会社として培った印刷技術を用いて、高いデザイン性を持つ耐候性に優れたスパンドレルを製造しています。
【TOPPANスパンドレルの特徴】
・最新の印刷技術によって再現したリアルな木目と質感
・20種類以上の木目ラインナップ(内装用は80種類以上)
・豊富なサイズレパートリー(スタンダード:60/100/120/150/200mm、フラット:100/120/150mm)
・選べる目地タイプ(シート目地/アルミ目地/目地なし)
・外装・準外装・内装すべての仕様で不燃認定番号取得済み(NM-5462/NM-5460)
・豊富な商品レパートリーによる統一感のあるデザインを実現できる多様性(ルーバー・スパンドレル・フラットパネル・リブパネル)
・準外装・内装仕様は、低汚染で環境に優しいオレフィンシートを使用(塩ビよりも製造過程のCO2排出量が少ない・塩素を含まないため燃焼時に有毒が発生しない・VOC*の一因である可塑剤を含まない)
・高い耐候性を実現できる外装R仕様(屋外環境でも長期間「シート表面のクラック・各層の密着低下・絵柄の退色や変色」が発現しにくい)
*VOC:揮発性有機化合物の略称で、光化学オキシダントやPM2.5など空気汚染の原因物質
「建物の美観を長期間維持したい」「多彩な設計デザインを実現させたい」という方は、TOPPANまでご相談ください。
■ まとめ
スパンドレルは「施工面・コスト面・メンテナンス性・デザイン性」においてメリットのある建築材料です。造作部材と組み合わせれば、様々な納まりに対応できます。
ただし、屋内用と屋外用では耐候性に違いがあるので注意が必要です。
TOPPANでは、施工性・デザイン性だけではなく、環境にも配慮した内外装用建材を開発・製造しております。「環境に優しい建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
2025.02.04