移住・定住施策成功のポイント
一挙ご紹介!
近年、多くの自治体が移住・定住施策を行っています。
働き方改革で地方移住ニーズが拡大したことで希望者は増加しており、自治体としても移住・定住を受け入れることで人口増加や高齢社会の改善を図ることができるためキャンペーンを展開して移住・定住を呼びかける、相談窓口を設ける、補助金や支援制度を構築するなど様々な手段で移住・定住先の候補として検討してもらえるよう働きかけを強化しております。
この記事では、移住・定住施策を検討されるご担当者様の悩み
「どんな自治体が選ばれるの?」
「移住・定住希望者とどう接点を持てばいいの?」
「ミスマッチ対策ってどんなのがあるの?」
「移住・定住施策で大成功した自治体の例を参考にしたい」
にお応えするトピックや事例を集めました。
移住・定住施策をご検討される際にぜひ参考にしてみてください。
人気の移住・定住先とは?
まずは、移住・定住先として人気の地域に共通する特徴を紹介します。
●都市郊外で移住しやすい地域
仕事や生活の利便性から、やはり都市部へアクセスしやすい程良い郊外は人気です。
●出張相談・情報発信オンライン化などを強化している自治体
移住・定住を検討される方は、まず多数ある候補地の中からどこが自分のライフスタイルに適しているか、情報収集を行います。
近くにアンテナショップや相談窓口があればそこに行くこともありますが、忙しくて窓口に行くことが難しい場合や近くに窓口がない場合なども含め、インターネットで調べるのが一般的です。
逆に言えば、インターネットでアピールがしっかりできている自治体や、担当者とオンラインで連絡を取りやすい自治体は候補に入りやすいということです。
先述の都市郊外に当てはまらない自治体でも、希望者とうまく接点を持つことで移住先候補として名前が上がりやすくなるでしょう。
移住・定住を促進するためのアピールとは?
さて、先ほど移住・定住希望者との接点を、インターネット等を活用し強化することが施策成功のコツとご紹介しました。
では、移住・定住希望者に候補地として検討してもらうためには、どのような情報を発信すればいいのでしょうか。
●地域定住の具体的ビジョンの提示
インターネットで不特定多数にPRを行う場合「より多くの人に魅力を感じてもらいたい」とあれもこれもアピールしたくなるでしょう。すると「大自然の中でのびのび暮らせる」「名産の●●がおいしい」といった、観光PRとあまり変わらない内容になってしまった自治体をよく見かけます。
しかし移住を検討する方は、そこで長く暮らしていけるかという不安を抱えています。そこで、少しターゲットが絞られることにはなりますが、その地域で生活する場合の具体例に触れつつどんな生活ができるのかをより詳細にアピールする必要があります。
子育て世代を狙うなら支援制度や幼稚園・小学校に関するアピールポイントに絞る、農林水産業の人口拡大を図るなら農業・漁業のスタートアップについて情報を発信する等、その地元でどのような生活が送れるかをイメージしやすい訴求を行う方が良いでしょう。
これは後述するミスマッチ防止にもつながります。
●個別コミュニケーションの実施
移住・定住を希望する方に対し、個別で接点を持つことも重要です。移住・定住希望者の不安や悩みを聞き、一つひとつ解決方法を提示することで、他の候補地より選んでもらえる確率を上げ、移住・定住者の獲得につながります。
●関係人口の発掘・拡大
関係人口とは、地域に在住・就業していないもののその地域に関係を持つ層を指します。
全く地域に関わりのない層へ向けてPRを考えるより、ある程度地域について知っている・かかわりがある層へはたらきかける方が成果につながりやすくなります。
関係がある、何回も訪れる場所という認識から、「自分が住む」ということを具体的に想定してもらうきっかけやコミュニケーションが重要になってきます。
移住・定住施策の落とし穴?
PRを行っていてもなかなか移住・定住希望者が現れない場合、いったい何が移住・定住を阻害しているのでしょうか。
もしかしたら下記のような課題が移住・定住希望者に二の足を踏ませているのかもしれません。
●仕事がない
自治体側から仕事に関する情報を発信していても、それが移住・定住希望者のニーズとマッチしていない可能性があります。特に移住・定住前より収入が減少する場合や、持っているスキルと仕事がマッチしない場合は、地域自体に魅力を感じていても移住・定住を断念するきっかけとなるでしょう。
個別にヒアリングを行い、移住・定住希望者にマッチする条件を一緒に探していくことも重要になります。
●住居がない
住居が見つからないという点も、移住・定住の大きな阻害要因となります。
借家が少ない場合や購入可能な空き家物件がないという課題に対しては、近年、移住・定住情報に物件情報も掲載している自治体や、物件の購入支援制度絵を整備している自治体も見られます。
●移住・定住後のミスマッチ
移住・定住後に何らかのミスマッチが生じ、せっかく引っ越してきてくれたのに出て行ってしまうパターンもあります。
これについては、次の項目で重点的に紹介いたします。
移住・定住後のミスマッチ
移住・定住者が地域に根付けず、転出していってしまうこともあります。その移住・定住者を獲得するのにかかったコストも無駄になりますし、SNSなどで悩みや悪評が立ってしまうと、その後の移住・定住施策推進の大きな阻害要因にもなりかねません。
移住・定住後の悩みとして、次のようなものが挙げられます。
・地域の風習や習慣、ルール、付き合いになじめない
・現地の気候や地理的条件になじめない
・農業・農的暮らしが思ったより大変だった
・農家住宅にあこがれて取得したが、維持管理が大変
・仕事の人間関係になじめない
こうした悩みの要因は、大別して以下の3つが要因として挙げられます。
●事前の情報収集が不足していた
特に地域へのあこがれが強い移住・定住希望者に見られる課題ですが、移住・定住後にどのような暮らしになるかの事前調査が不足しているままに引っ越しをしてしまうことがあります。
この場合、実際に住んでからの生活がイメージできていないので、住んでから自分のライフスタイルや希望条件と異なることに気づき、移住・定住を断念してしまいます。
「すぐ引っ越したい」という強い要望がある希望者が現れても、しっかり面談やヒアリングを行い、より具体的な暮らしのイメージを想起させることが重要です。
●生計が立てられない
都心からの移住・定住者の場合、収入の減少で生活を続けられなくなったというケースも見られます。これも移住・定住前の情報収集・計画不足でもありますが、収入と生活のバランスについての自治体のサポート不足も原因と考えられます。
●地元住民との関係構築失敗
情報収集である程度生活イメージは構築できますが、地元住民との付き合いについては、実際に生活してみないとわからないものです。近隣住民とのコミュニケーションがうまく取れない、地域のルール・習慣・風習になじめないといった課題は、最悪の場合民事・刑事の訴訟問題に発展することもあります。
対策として「お試し移住」等のトライアル制度を整えることや、移住後も一定のサポートを継続し、何かあった際に相談しやすい体制を整えることが挙げられます。
移住・定住支援制度の整備・構築
こうしたミスマッチを防止する目的もありますが、移住・定住を迷う希望者にきっかけを与え、移住・定住希望者を拡大するためにも支援制度の整備・構築は重要です。
ここでは移住・定住希望者がマッチング度を事前に確認することができ、アンマッチを極力減らす取り組みをご紹介します。
●岡山県津山市「農業トライアルワーク」
岡山県津山市の「農業トライアルワーク」は、移住・定住希望者が、地域交流をしながら、農業の仕事と生活体験ができるものです。最長で連続8日間利用でき、津山地域の暮らしや人とのかかわりを実際に体験することで、移住・定住への計画が立てられるほか、移住・定住を想定した生活基盤としての関係づくりも行えます。
他の自治体で実施している移住・定住支援制度についても具体的な例をご紹介しているので、よろしければ下記の関連記事も合わせてご覧ください。
移住・定住希望施策 成功の鍵は?
ミスマッチの防止だけでなく、移住・定住希望者とは密に接点を持つことが、移住・定住施策を成功させるカギとなります。しかし、希望者と接点を持ち、オファーや相談などの連絡を送る手段がない場合はどうすればいいのでしょうか。
そこで役立つのがトッパンの移住・定住支援サービス「ピタマチ™」です。
「ピタマチ™」では、
・地域定住の具体的ビジョンの提示
・個別コミュニケーションの実施
・差別化された地域資源の発信
を効果的に実施できます。
「ピタマチ™」では、理想の移住・定住イメージをある程度持ったユーザーをセグメントして探せる機能や、メッセージ配信機能、チャットでの個別コミュニケーション機能をご用意しており、ポイントを押さえた施策が実行できます。「理想の暮らし診断」を移住・定住希望者に行ってもらうことで、知名度に頼らない偶然の出会いも生まれます。
ある自治体では「ピタマチ™」も含めた様々な手段を組み合わせて、多数のお問合せ・実際に移住定住者の獲得につながった事例も見られます。
詳細は下記記事にてご覧ください。
まとめ
移住・定住施策を進めるうえでよくみられる課題や成功させるための施策について、ここでは概要を紹介してきました。
「ピタマチ™」は、今回ご紹介したすべてのポイントを押さえながら、効率的に移住・定住を促進することができます。詳細をお知りになりたい方は、サービスページをご確認ください。ご不明点がある場合などご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2023.10.10