公共サービス・地方創生

移住先で人気の地域とは？
選ばれる4つのポイント。

近年、日本国内では地方移住への関心が高まっていますが、コロナ禍で感染対策やリモートワークなど新しい働き方の推進により、地方移住の需要が一層高まっているといわれています。そうしたなか、自治体として移住者をより多く迎え入れたいと考える際に、どのような移住先が選ばれるのか、その理由が気になるところです。
そこで今回は、移住先で人気の地域を取り上げ、その特長から選ばれる理由を探ります。

移住先で人気の地域とは？

近年、日本全国の地域の中で、移住先として人気なのはどこなのでしょうか。

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが公開している、2020年のデータが参考になります。東京都有楽町にある同センターでは、都市住民への移住支援・情報提供を行っており、その施設への窓口相談者や、オンラインも含めたセミナー参加者を対象に地方移住に関するアンケートを実施。47都道府県のうち移住希望地域を尋ねたところ、上位10位は、窓口相談者、セミナー参加者それぞれ次の結果となりました。

窓口相談者の移住希望地域ランキングTOP10
1位　静岡県
2位　山梨県
3位　長野県
4位　福岡県
5位　宮城県
6位　広島県
7位　北海道
8位　和歌山県
9位　神奈川県
10位　群馬県

セミナー参加者の移住希望地域ランキングTOP10
1位　和歌山県
2位　広島県
3位　佐賀県
4位　静岡県
5位　長野県
6位　北海道
7位　山梨県
8位　愛媛県
9位　新潟県
10位　福島県
出典：認定NPO法人ふるさと回帰支援センター「2020年移住希望地域ランキング」
https://www.furusatokaiki.net/topics/ranking_2020/

窓口相談者は、東京の同センターの窓口に来訪したことから関東在住者が多いと考えられます。そのため、移住希望地域の上位は関東近郊が多い結果となったようです。一方、セミナー参加者はオンラインも含むため、西日本が上位にくるなど希望地域が全国に広がっています。

移住先で人気がある地域の特長

人気の移住先には、どのような特長があるのか確認しておきましょう。

●出張相談・オンライン化などを強化している自治体
自治体が移住希望者に対して積極的に情報発信や相談受付をしている地域は、情報を入手しやすい、相談しやすいという点で注目されやすいところがあります。特に静岡県や山梨県は、コロナ禍で相談会をオンラインに切り替えるなどの施策を実施したことを背景に上位となっています。また、和歌山県や広島県、佐賀県はオンラインイベントを実施したことから、興味関心を高めたようです。

●東京の郊外で移住しやすい地域
関東圏からの移住という観点からすれば、都心から少し離れた郊外にあたる地域は、普通の引っ越しに近い感覚で移住ができるため、ハードルが低いといえるようです。例えば山梨県であれば、東京や埼玉での勤務者は、勤務先を変える必要がないケースもあるでしょう。

●関東圏と中京圏両方に出やすい地域
窓口相談者1位となった静岡県は、関東圏と中京圏の両方に出やすく生活利便性が高いというのも人気の背景となっています。

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移住先が選ばれるポイント

今回の結果を参考にしつつ、移住先として選ばれるためのポイントをまとめてご紹介します。

1.地域的に移住のハードルが低い
首都圏在住者にとって、よりハードルの低い近隣地域への移住に人気が集まっています。一方で、コロナ禍では近隣だけでなく長野県など少し離れた地域との二地域居住も検討されています。

2.自然環境に恵まれている
地方移住というと、都会の喧騒から離れ、自然に触れながらの生活を求める人が多いと考えられます。そのため、自然環境の整備が重要になります。余暇に、登山・ハイキングや釣り、マリンスポーツなどの趣味を楽しみやすいのも一つの移住理由となるでしょう。

3.生活者に優しい取り組みが多い
子育てや生涯学習支援、生活支援など生活者に優しい取り組みを行っている自治体は注目を集めやすいといえます。

4.移住者歓迎・説明会開催などの取り組みが熱心
自治体側が移住者を歓迎しており、積極的に説明会を開催するなどの取り組みを熱心に行っていることも重要です。

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まとめ

これらのことから、自治体側は、自然や整備された生活環境、生活者に優しい制度など、地域の特長を積極的に発信していくことが重要と考えられます。
また、当該地域に興味を持ってくれている移住候補者と積極的にコミュニケーションを取り、情報提供を行うとともに候補者の疑問点を解消していくことで、よりマッチングを図っていくことができるでしょう。

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