コラム

年史・記念誌を周年事業に活かす方法とは? 制作の成功ポイントを解説!

  • TOPPAN CREATIVE編集部

周年事業を進めるに当たって、さまざまな施策を行う際に、年史・社史や記念誌の周年事業における位置づけや、周年事業への活用法について、知りたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。今回は周年事業の概要から周年事業における年史・社史・記念誌の役割と重要性、活用例、制作のポイントをご紹介します。


周年事業とは?

周年事業とは、企業や組織が1周年、5周年、10周年、50周年、100周年などの節目を迎えるにあたり、改めて会社の意義や歴史の見直し、今後を見据えた方向性を再検討することで、従業員のマインド醸成や対外的なアピールなどを行うことを指します。

周年には、周年事業として次のような様々な施策を行うのが一般的です。

周年事業の施策例

・式典
・記念パーティー
・記念品の配布
・記念誌の発行
・年史・社史の発行
・デジタルアーカイブの制作
・周年記念キャンペーンの実施
・社員旅行
・企業ミュージアムの設立
・オフィスリニューアル

関係各者や従業員が参加する周年記念の式典やパーティーを開催し、一同が周年を祝います。また式典やパーティーに参加したゲストや従業員向けに、記念品や記念誌、年史・社史を贈ることも多くあります。

年史や社史とは、会社や組織の創業・設立から現在に至るまでの沿革や軌跡を記した書籍です。これまでの歴史を振り返り、未来につなげるための有意義な役割を担います。

また近年は、年史や重要な歴史的資料などは、デジタル化してアーカイブとしていつでも参照できるようにしておく取り組みも行われています。特に紙による資料は、そのままでは経年劣化が進んでしまうため、デジタルアーカイブ化は貴重な資料を残す意味合いからも重要です。

世間一般や顧客に対しては、周年を記念してキャンペーンを開催することもあります。限定商品の販売、周年記念プレゼントの提供などを行います。慰安旅行の意味で社員旅行を行うこともあります。

特に大きな節目の際には、企業の歴史や商品などを展示する企業ミュージアムの設立や、オフィス建設やリニューアルを行い、環境を刷新することもよく行われています。

 

周年事業における年史・社史・記念誌の役割と重要性

周年事業において、年史・社史や記念誌は重要な役割を担っています。

社内外に過去と未来を伝えるツールとしての役割

年史や社史は創業や設立から続く「過去の歴史」をまとめていることから、過去から築き上げてきた軌跡を伝えることができます。そして過去を知ることで、これからどのような方向性で進んでいくのか、読む人に未来を想起させるとともに「未来へのメッセージ」も盛り込むことで、これからの進化・発展、成長の意思を伝えることができます。

他の周年事業の施策を先導する役割

200ページ前後の大規模な年史・社史は、制作に2年程度かかります。そのため、周年の年よりも数年前から制作するのが一般的です。そのため、他の周年事業と比べ、先行して着手することになります。

その意味で、年史や社史、記念誌は他の施策を先導する役割があるといえます。年史・社史や記念誌に早期に着手すれば、周年事業全般のコンセプトやブランディング、ビジュアルイメージなども決める必要が出てきます。また歴史をまとめることで重要なポイントが見えてくることもあります。すると周年事業の他の各施策のコンセプトなども作りやすくなってくるでしょう。

また年史・社史の制作を先行すれば、その際にまとめる歴史を踏まえて、意義のある新たな施策のアイデアも出てくる可能性もあります。

年史と社史を数年前から着手することは、周年事業全般を早期から準備することになるため、余裕を持った事業展開が可能となります。より充実した周年を迎えることができるでしょう。

年史・社史・記念誌の周年事業における活用例

年史・社史・記念誌は、周年事業において制作後には、どのように活用することができるのでしょうか。活用例をご紹介します。

式典で配る

周年記念の当日に開催されることの多い式典で、参加者や来賓の方々に配ります。周年を迎えるまでの沿革や軌跡を文字や写真を通じてリアルに実感してもらうことができます。

WEBで公開する

年史や社史は、紙媒体で制作することが多いですが、WEB上で公開することも行われています。WEB用に編集して自社サイトで公開したり、書籍を1ページずつデジタル化し、デジタルブックとしてパソコンやスマートフォンで書籍風に閲覧できるような状態にして公開したりすることもあります。

社員教育用に活用する

新入社員などに向け、企業の沿革や理念、商品・サービスへの理解・浸透のために教育ツールとして活用することも可能です。

顧客向けの営業資料として活用する

営業担当者が、顧客に対して会社の理念や実績、信頼性を伝えるために、年史や社史を営業資料として活用することもできます。

デジタルアーカイブ化

デジタルアーカイブ化とは、知的資源をデジタル化し、参照できる状態に整理しておくことを意味します。過去の年史や社史、記念誌、季刊誌などの冊子や書籍を制作した際に、デジタルアーカイブ化しておくこともおすすめです。さまざまなシーンで資料として利用できる上に、次の周年時における年史や社史、記念誌の制作に活用することもできます。

 

周年事業としての年史・社史・記念誌制作の成功ポイント

周年事業において、年史・社史・記念誌の制作を成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか。

年史・社史・記念誌の成功とは、より多くの人に読んでもらい、さまざまな用途で活用され、企業価値が上がるなどが考えられます。また、その時々に応じた課題が解決することも、成功と呼べるでしょう。このような成功につながるポイントとして次のことが挙げられます。

周年事業の一つとして年史・社史・記念誌をとらえる

年史・社史・記念誌の制作は、周年事業の中でも中心に位置する施策といえます。単独でとらえるのではなく、周年事業の重要な施策としてとらえることで、その他の施策にも活かしていくことができます。先述の通り、数年前から前もって制作に取り組んでおけば、他の施策のコンセプトなども決まってきます。そして、周年事業のそれぞれの施策の役割がわかってくるでしょう。

先に周年事業としてのコンセプトを策定する

周年事業の一つとして年史や社史、記念誌制作をとらえた場合に、まず周年事業全体のコンセプトやビジュアル的なイメージを作っておくことが重要です。

コンセプトを決める際には、現状課題を洗い出し、それらの課題を解決するために周年事業を実施するという考え方を持ちましょう。例えば、「社員の意識を醸成したい」という課題であれば、「企業ブランディングにつながる動画を制作する」という施策が一つに考えられます。

また、「社員のモチベーションを高めたい」という課題であれば、「モチベーション向上のための記念品を贈る」「慰安旅行を計画する」という施策が考えられます。

周年事業のコンセプトが決まれば、年史・社史・記念誌のコンセプトも自ずと決まってきます。すると、他の施策のコンセプトも順次決まってきます。

このように、「周年事業のコンセプト策定」→「年史・社史・記念誌のコンセプト策定」→「他の周年事業のコンセプト策定」という流れで制作するのが、周年事業全体における成功のポイントといえるでしょう。

参考に、年史・社史・記念誌のよくある課題とコンセプト策定の例をご紹介します。


【年史・社史・記念誌のよくある課題とコンセプト例】

1.社外向けに会社をアピールしたい
会社を対外的にアピールしたいという課題があれば、プロモーション色の強い、ブランドブックのようなイメージで制作すると良いでしょう。コーポレートカラーやブランドカラーを巧みに利用し、ビジュアル的に会社の特色をアピールできるようにするのがおすすめです。

2.合併が繰り返されており、社内に多様な人々がいる
グループ企業など、合併が繰り返されるなどして社内に多様な人々が在籍している組織においては、周年を期に、意識統一を図ることを目的とすることもあるでしょう。

その場合には、年史・社史で特に重要な歴史を具体的に示すことで、社内に浸透させ、意識統一を促すこともできます。

 

まとめ

年史・社史、記念誌の制作は、周年事業の中でも重要な位置付けであり、周年事業のコンセプト策定と共に先行して着手することがポイントとなります。制作を進める上で迷う点やお困りのことが出てきましたら、ぜひTOPPANにご相談ください。

年史や社史、記念誌づくりをお手伝いする「社史・年史編纂サービス」では、編集・印刷のみならず、年史ディレクターがすべてのプロセスにおいてサポート可能です。

また年史や社史、記念誌制作を含めた周年事業全般のワンストップサービスも行っております。ぜひお気軽にご相談ください。

2024.07.23

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