社史の制作にかかる費用を
徹底解説
- TOPPAN CREATIVE編集部
社史は、企業の歴史や文化を内外にアピールする絶好の媒体です。企業にとって節目のタイミングで記念誌として発行され、制作には特別なプロジェクトを立ち上げて臨むことが多いのですが、予算にも限度があるため、一定の費用の枠内で進める必要があります。
一方で、費用を削りすぎれば、本来の目的を果たせない、低品質な社史となりかねません。本記事では、社史制作にかかる費用を外注先別・工程別に紹介するとともに、コストの抑え方についても解説します。最適な費用の配分で、クオリティの高い社史を目指しましょう。
【依頼先別】社史の費用相場
社史制作を一括で外注する場合の費用は、企画の内容、ボリューム、媒体、発行部数、各工程の依頼先など個別の条件によって、数十万円から数百万円、状況によっては千数百万円と大きく変動します。
このため、いくつかの見積をとり、作業内容と費用を見比べて、自社に合ったものを判断するケースがほとんどです。ここでは出版社と印刷会社に依頼した場合の全体的な費用を、それぞれ紹介します。費用感の違いをつかんでください。
出版社
出版社は、書籍や雑誌など、自社発行のコンテンツ流通を主な事業として営む企業です。中には自費出版の事業のひとつとして社史制作を請け負うケースもあります。
出版社に依頼する場合、企画から撮影、執筆、編集、印刷、配本まで書籍・冊子として必要な作業を一括して依頼できるのが特長ですが、一方で工程すべてにマージンがかかるため、数百万円から千数百万円と費用が多額になるのが難点です。
印刷会社
印刷会社へ印刷・製本工程のみを依頼する場合は、状況によって数十万円から数百万円で制作できるでしょう。
企画・構成案の作成や執筆・デザインを依頼する場合は工程が増える分、費用が増します。とはいえ、印刷は部数やページ数が多くなるほどページ単価は下がるため、発行部数が多いほど全体の費用を抑えることができます。
一方で、印刷技術には優れていても、社史の価値を最大に引き出す制作についてはノウハウが少ない可能性もあるため、社史の制作実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。
社史の制作にかかる料金内訳
ここからは、社史の制作工程別に、料金の相場をみていきましょう。実際の費用は工程の組み合わせ方や企画方針によって異なるため、あくまで参考として見積の検討時に活用してください。
企画・構成
企画・構成の作業では、社史制作の準備段階で定めた基本方針に沿って社史のテーマや骨子を立案し、社史の媒体や構成、掲載コンテンツ案といった、全体のイメージを固めていきます。
パンフレット型の簡易な社史の場合はページあたり5,000円からといった単価での依頼もみられますが、冊子になると発行目的やボリュームなどにより大きく変わります。
取材・原稿執筆
準備段階で集めた資料を読み取り、構成案に沿った原稿を作成する工程です。情報を補完するために社員や関係者を対象としてヒアリングやインタビューなどの取材を行う場合もあります。
取材にかかる費用は、設定内容にもよりますが、1件あたり数万円程度です。アンケートの場合は条件設定から調査・分析も必要で数十万円から数百万円になるのが一般的です。
原稿の執筆費用は全体構成や専門性、取材部分の量など執筆内容によって異なります。一般的には5万文字で75万円~100万円(文字単価15円~25円)を見込んでおく必要があるでしょう。
編集・校正
編集・校正は、原稿の内容を正し、読みやすくわかりやすい構成に整える作業です。固有名詞や数字、事実関係に齟齬があると社史の信頼性を著しく損ねるため、外部の力を借りたい工程です。
費用としては、数十万円を目安に見込んでおきましょう。校閲といって、より厳密に精査する場合はさらに金額が上がります。
写真撮影
近年はビジュアルイメージを重視した社史も増えています。社史の品質に直結する部分なので、人物や商品、社屋、設備などはフリー素材ではなく、自前の写真を用意したいところです。資料収集で集めきれない写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しましょう。
撮影費は1回あたり5万円~が一般的です。
デザイン・レイアウト
表紙や誌面のデザイン、レイアウト作業を外部に依頼する場合、社史のサイズやページ数などによって費用が大きく異なります。パンフレット型ではページあたり5,000円~といった単価もみられますが、冊子の場合は構成が複雑で提案内容も増えるため、高額を見込んでおきましょう。
印刷
印刷工程では、ページ数や部数、印刷方法や色数、写真・図表の数や画質、紙質、製本形態とさまざまな要素が積み上げられるため、費用の幅が大きく異なります。
参考として、シンプルな書籍型の社史であれば一般的な自費出版と同程度の印刷・製本費用(1000部で150万円~300 万円など)が見込まれ、部数やページ数、写真・図表の点数が多くなるほど高額になります。また、表紙にホログラムや箔押しといった表面加工を施すなど特殊な印刷方法を用いる場合や、使用する紙の材質を変える場合、箱ををつける場合なども増額されます。
社史の制作費用を抑える方法とその場合の注意点
社史の制作に必要な作業をすべて外注すると、費用が巨額になりがちです。予算に見合ったものとなるよう、各工程の費用対効果を考える必要があります。
コストダウンには大きく分けて、複数社に見積を依頼し、低価格の業者を採用して自力で全体工程をマネジメントする方法と、企画や取材、執筆、編集、写真撮影などを内製する方法があります。
ここで注意したいのが、社史としてのクオリティとのバランスです。経費削減を意識するあまり、クオリティを下げすぎてしまうと、社史本来の役割を果たせなくなる可能性があります。社史としての風格を維持し、手に取る人に感動を与えるものとなるよう、力の入れどころを見極めて費用を見積もっていきましょう。
社史制作のご相談はお気軽にTOPPANへ!
社史の制作を外部に依頼する場合、制作費用は依頼する工程や企画の内容、ページ数、部数、写真の枚数などによって大きく異なります。
コストを抑える方法として、工程別に複数社を比較する、内製する工程を増やすなどの方法があります。しかし、コスト削減のためのマネジメントが複雑になり、負荷がかかったわりに品質が良くないとなれば、せっかくの社史が企業イメージの足を引っ張りかねないリスクも生じるため注意が必要です。
社史発行の全体像を把握できて実績も多いプロに総合的な相談をすると、クオリティを担保しつつ、全体最適での費用投入が考えやすくなります。
TOPPANには社史制作に精通した専門ディレクターが在籍し、企画から印刷製本まで一貫したサポートが可能です。総合印刷会社ならではの高い製版技術を用いてデザインに優れた美しい社史を制作できるほか、内製が難しい多言語対応も豊富な実績があります。
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2024.07.09