コラム

社史における
年表の作成手順やテンプレートを紹介

  • TOPPAN CREATIVE編集部

社史における年表とは、企業にとって重要な出来事が時系列に記された一覧で、社史の中核を成す資料のひとつです。

年表を作成する際には、基本方針を明確に定めたうえで、網羅性や客観性も確保できるよう、部門間で連携しながらプロジェクトとして取り組みます。

本記事では社史の年表の作成手順や、作成のポイント・注意点を紹介します。年表のテンプレートも掲載しているため、参考にしてください。


社史における年表とは

社史における年表は、企業の創業から現在にいたるまでの歴史を時系列に並べた表です。創業10周年や50周年など節目の機会に発行されるケースが多くみられます。

また、年表は社史の中核部分ともなる資料です。従業員や取引先などさまざまな関係者の目に触れるため、客観的な事実に基づいて内容を簡潔にまとめる必要があります。

 

社史における年表の作成手順

年表作成の進め方は下記の流れが一般的です。
 1. 基本方針の決定
 2. 情報収集
 3. 時系列に重要な出来事を並べる
 4. デザイン・レイアウト調整
 5. 年表の発行

それぞれの詳細をみていきましょう。

 

基本方針の決定

年表の作成が決まったら、はじめに基本方針として、次の4点を明確にしましょう。

  • 作成する目的
  • 年表を読んでもらいたい対象
  • 予算
  • 発行媒体

作成目的や対象読者を明確にすると、重視すべき掲載内容やデザインの方向性も決定しやすくなります。

たとえば、社内研修の教材用とするなら経営理念や経営哲学についての説明を豊富にする、ステークホルダーへのPRとして活用するなら社会貢献活動など時代へ与えた影響を強調する、といった形で年表への掲載内容が異なります。

さらに、予算や発行媒体も、この時点で決めておきましょう。記念誌や冊子などの紙媒体のほか、近年はWebサイトでの公開も増えています。

情報収集

基本方針を定めたら、企業の歴史がわかる資料を集め、内容を精査していきます。資料の例としては、以下のようなものが挙げられます。
● 会社案内(企業の公式サイトも含む)
● 社内報
● 製品に関する資料
● 事業報告書
● 企業トップの経歴資料 など

基本的な情報を比較的集めやすい会社案内や公式サイトから着手し、必要に応じて事業報告書など詳細な資料へと深めていくのがポイントです。
経営幹部など関係者からのヒアリングなども行うとより充実します。

重要な出来事を時系列に並べる

ひととおり資料を集めたら、年表に掲載すべき重要な出来事を時系列に並べていきます。最初に決めた作成目的や対象読者などの基本方針と照らし合わせ、情報の重要度を判断しましょう。

その際、各出来事が起こった日付を明記し、その背景や結末なども含めて記すと、読みやすく伝わりやすい年表となります。

デザイン・レイアウト調整

掲載すべき内容を洗い出して時系列に並べたあとは、全体のデザインやレイアウト調整に入ります。写真や図版の配置や、使用するフォント、文字の大きさなど、イメージを形にしていく作業です。

ここでも、年表の作成目的や対象読者をふまえ、情報の重要度を基準に、見やすさや伝わりやすさを意識して調整していきましょう。

 

年表の発行

最後に、記念誌やWebサイトなど、あらかじめ定めた媒体に年表をまとめて発行します。

公開前にはデザインや記載内容を入念にチェックしてください。特に紙媒体は発行後の修正が困難なため、印刷までが勝負どころです。
発行後は、作成目的に沿って活用しましょう。

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社史の年表作成のポイント・注意点

社史の年表を作成する際には、以下の3点に注意するとよいでしょう。

● 客観的な事実に基づき、不備のないように記す
● 企業のマイナスになる事実も含める
● スケジュールに余裕をもたせる

順番に解説していきます。

客観的な事実に基づき、不備のないように記す

年表には、あくまで客観的な事実に基づいた情報を過不足なく記すことがポイントです。

年表の読者は、従業員や取引先など多岐にわたるため、それぞれの立場から見て納得できるものにしなければなりません。そのため、年表には高い信頼性が求められ、掲載する内容は客観的事実に基づき、誤りなく正確にまとめる必要があるのです。

特に紙媒体の場合は発行後の修正が困難なため、事実と異なる点がないか、発行前に複数の関係者や部門で、何重にもチェックしましょう。

企業のマイナスになる事実も含める

年表には、不祥事のように自社にとって不利益な事実も省略せず掲載しましょう。
掲載を省くと「調べればわかるのになぜ書かないのか」「都合の悪い事実を隠している」と企業のイメージダウンにつながるおそれがあります。

自社にとってマイナスの事実も扱うことにより、事実と真摯に向き合う姿勢を見せることができます。

スケジュールに余裕をもたせる

年表作成は、余裕をもったスケジュールで進めることが重要です。
社史ともなると年単位の長期プロジェクトであり、情報のヒアリングなど部門間で多くの人が関わるため、日程調整だけでもかなりの規模になります。

特に、企業の周年記念といった節目で発行期日を定めている場合、かなりの余裕をもたせたスケジュール設定が必要です。

 

社史の年表テンプレート

参考として、社史に使用する年表のテンプレートの一例を紹介します。
ただし、年表は作成目的や対象読者によって掲載すべき内容が異なるので、このテンプレートにそのままあてはめるのが正解とは限りません。自社の特色や伝えたい内容をよく考慮し、目的や役割を果たせる年表となるよう、柔軟に変更していきましょう。

年月日

主要事項

詳細

 ◯年◯月

株式会社〇〇を設立

・東京都〇〇区に株式会社〇〇を設立

・資本金〇〇円

・代表取締役 〇〇

 ◯年◯月

〇〇をリリース

・「〇〇」をリリース

・業界初の〇〇技術を搭載

 ◯年◯月

従業員数◯人を超える

 

 ◯年◯月

売上高◯億を突破

 

 ◯年◯月

本社移転

・東京都〇〇区から〇〇区に本社を移転

 ◯年◯月

株式会社〇〇と資本業務提携

・〇〇事業を重点事業と捉え、〇〇技術に強みをもつ株式会社〇〇と資本業務提携

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企業の年表は、創業から現在に至る重要な出来事を時系列に並べた一覧表で、多くは周年記念など企業の節目を機会として発行します。社史においてはメインの役割を果たす重要な位置づけの資料です。

効果的な年表とするためには作成目的や対象読者を明確にする必要があり、掲載内容には客観性・信頼性が求められます。
年数や関係者が多い場合や記念誌として発行時期が決まっている場合、マネジメントのノウハウが自社に乏しい場合などは社史制作・年表作成のプロを頼ると安心です。

TOPPANは4,000件を超える社史制作・年表作成の実績をもち、確かな経験・ノウハウから効果的な年表づくりをご提案。紙媒体とWebサイトの連携や、英語や中国語、タイ語など多言語コンテンツの制作など、より効果的な活用方法の提案で総合的にサポートします。お気軽にお問い合わせください。

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2024.07.09

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