ノベルティとは?
意味や効果を出すポイント
- TOPPAN CREATIVE編集部
ノベルティは、企業イメージを広く定着させるためのアイテム。ユーザーが日常的に目にするグッズを通し、企業をPRし続けてくれます。
本コラムでは、そもそもノベルティとは何なのか? といったところから、メリットや活用方法、選定のポイントなどについて解説。さらに、近年特に注目されるデジタルノベルティもご紹介します。
ノベルティとは?
はじめに、ノベルティとは何かについて解説していきます。
ノベルティの目的や役割を理解した上で、混同されがちな販促品やプレミアムとの違いも押さえていきましょう。
正しく理解することで、ノベルティの適切かつ効果的な活用につながります。
ノベルティの意味とつくる目的
ノベルティとは、企業が宣伝目的で無料配布する品物を指します。
英語の「Novelty」は、「新しくて珍しい/経験がなく興味深い」という意味合いで、特段の販促の要素は入っていないのですが、明治時代に日本へ伝わった珍しい置物などの呼称が、次第に宣伝を目的とした名入れグッズを含む品物へと変化していったとされています。
ノベルティは企業イメージや商品・サービスを広く周知し、好感度を上げて印象づけることを目的として配布されるものですから、珍しさや興味深さも含めたインパクトで手元に置いてもらう品物という点では、あながち遠くない意味合いなのかもしれません。
イメージ向上の宣伝を目的に配布するため、ノベルティには次のような特徴があります。
| 企業ロゴが入る
| 無料で配布する
| 常に手元にあったり目についたりするものが多い
ノベルティと販促品の違い
ノベルティは企業のブランドイメージを向上させ、間接的に売上全体へ貢献する目的を持つため、広い意味では販促ツールのひとつといえます。
では、ノベルティと、無料で配布する「販促品」とはどこが違うのでしょうか。
ノベルティが企業イメージの認知を図るのに対し、販促品は、特定の商品やサービスの売上に直接結びつくためのプロモーションとして製作されます。
このため販促品は、例えば化粧品であればポーチや試供品、書籍であれば栞やブックカバーなど、売上を促進したい商品に直接関連するものが多く作られます。
<ノベルティ>
| 主な目的:企業や商品のイメージ向上
| 企業ロゴ:記載される
| 品物の特徴:企業の業態や商品・サービスと必ずしも関連しないグッズ
<販促品>
| 主な目的:商品・サービスの売上促進
| 企業ロゴ:記載されないこともある
| 品物の特徴:販促の対象となる商品・サービスと関連づけたグッズ
ノベルティとプレミアムの違い
もうひとつ、販促のツールとして配布するものに「プレミアム」があります。
ノベルティとプレミアムで最も異なるのは、購買に直結するかどうかです。
プレミアムは、商品を購入したりサービスを利用したりしたときの特典で、商品・サービスに付加価値をつけることで購買意欲を促進するものといえます。
<ノベルティ>
| 主な目的:企業や商品のイメージ向上
| 商材の購買:関係なく配布
| 品物の特徴:無料で気軽に活用できるグッズ
<プレミアム>
| 主な目的:商品・サービスの購買意欲の亢進
| 商材の購買:商材の購買時の特典として配布
| 品物の特徴:付加価値がつき満足感が高まるグッズ(価格は高めになる場合もある)
ノベルティの主な効果とメリット
ここからは、ノベルティを活用するとどのような販促効果が期待できるのか見ていきましょう。
低コストで宣伝できる
ノベルティは企業や商品・サービスの認知度を上げるために無料で配布するものですから、売上には間接的な貢献となり、先行投資型の販促手法といえます。
先行投資型のイメージアップ戦略では、他にテレビ・ラジオや新聞などのメディアや、インターネット上のソーシャルメディアを通じて宣伝する広告(コマーシャル)などがあります。
コマーシャルには膨大な広告料やコンテンツ制作費用がかかります。しかも、情報の受け取り手との直接の接点がないため、着実にターゲットへ届いているかも不明です。
これに対しノベルティは、制作コストの調整ができ、低予算での宣伝活動が可能です。
さらに、グッズを直接配布することによりユーザーとの接点が生まれ、顔の見える告知ができるのです。
話題性を提供できる
ノベルティは、必ずしも業態や商品・サービスと関連するグッズにする必要はありません。
ノベルティ本来の言葉が意味するように「珍しいもの/新しいもの」をグッズに選べば、品物自体の珍しさや面白さが話題にのぼって情報が拡散され、ロゴや企業名の認知度アップが期待できます。
企業イメージに近いグッズであれば連想で思い出されやすくなりますし、逆に企業イメージとかけ離れたものでも洒落がきいたグッズだと、そのギャップやユーモアから長く記憶に残る可能性もあります。
もちろん、企業イメージを損ねる印象につながるものは避ける必要がありますが、自由な発想でアイテムを選べるノベルティは、柔軟な企業イメージの向上に大きく貢献する販促ツールといえるでしょう。
既存顧客を囲い込める
ノベルティには企業名やロゴ、二次元コードなど、企業の「顔」が入ります。
いつも手元において利用するグッズをノベルティにすると、使うたびに企業名やロゴが目に入り、少しずつ記憶に刷り込まれていきます。
ザイアンスの法則(単純接触効果)といって、繰り返し接触することで高感度やよい印象が高まるという心理現象があります。
一度利用しただけのお客様でも、ノベルティを通じて常日頃から企業名やロゴを目にしていれば、使い続けているような親近感がわきやすくなります。
そして、次に何を購入するかを検討する際には、記憶になじんだものを選択する可能性が高くなるのです。
効果が出るノベルティ選びのポイント
ここからは、実際にノベルティをつくるにあたって必要な観点や、押さえるべきポイントを見ていきましょう。
ターゲットを絞る
どの販促ツールにもいえることですが、手渡したい相手を具体的に想定することが最も重要です。
ターゲットに応じたノベルティを配布しなければ企業のイメージアップにはつながりません。
年齢、性別、生活スタイルなど、訴求したいターゲットの属性に合わせ、興味を持って手に取ってくれそうなものを選びましょう。
色味やデザイン、持ち運びのしやすさ、手にしやすい配布方法や配布場所なども、ターゲットに合わせて検討します。
くれぐれも、つくる側や配る側の好みで決めることのないよう注意してください。
シンプルで実用性のあるものを選ぶ
ノベルティの基本は、広く配布して受け入れられるものであることです。
いつも目に触れてもらいたいグッズですから、引き出しや棚の奥にしまいこまれては目的を果たすことができません。
誰でも日常的に使える実用品や消耗品だと気軽に手に取ってもらえますし、いつも使うところにあると目に留まりやすいでしょう。
ノベルティには次のような実用品がよく挙げられます。
| 文房具:筆記具、クリップ、マグネット、クリアファイルなど
| 台所用品:ラップ、スポンジ、コースター、タンブラーなど
| 衛生用品:ティッシュ、ウエットティッシュ、ハンカチ、消毒グッズ、マスクなど
| 服飾雑貨:エコバッグ、ポーチ、ストラップなど
| 家電など:充電器、ミニライト、タイマー、USBメモリなど
軽くて配りやすいものを選ぶ
ノベルティは配布するものですから、物理的な重さや、かさの高さにも注意が必要です。
スタッフが配って回るにせよ、お客様が自分で選んで持って帰るにせよ、手に取るのに抵抗がない大きさや軽さ、持ち帰りやすさが重要なポイントになります。
特に、大量に作成して配布する場合は、ノベルティの保管や配布先までの輸送にかかるコストにも留意しておきましょう。
ノベルティに向いているのは、単品で小さなもの、薄いもの、軽いもの、丈夫なもの、長期保存しても安全なもの、企業ロゴなどの印刷がしやすいものなどが挙げられます。
自社の商品・サービスに関係するものを選ぶ
ノベルティは、企業イメージの底上げを図るものであれば、商品・サービスの販促に直接的に結びつく必要はありません。
しかし、毎日目に留まり、手にして使うグッズが、さらに企業イメージに関連するものなら、より積極的に活用したいところです。
業界のプロがよく使う小道具やケース類、消耗品など、その世界の一端をのぞき見ているようなイメージのものだと、ふだんは関心のない層にも興味を持ってもらえる可能性があります。
自社の印象だけをよくするのでなく、業界全体のイメージアップも図ることにより、興味関心の相乗効果を高めることができるのです。
トレンド・季節性に合ったものを選ぶ
「持っていたい」「使いたい」と感じるものは、たいていニーズとタイミングが合致しているものです。
季節や行事などシーズンに合わせたノベルティを時季に合わせて繰り出せば、気の利いた企業だと好印象を与えることができるでしょう。
また、時代のトレンドを読む力も重要です。
SDGsやサステナブルな生活など、社会の関心が高い話題を先取りする形でノベルティに取り入れていくと、時代の先見性やパイオニア的な印象にもつながります。
補足:デジタルノベルティも選択肢のひとつ
最後に、中長期的な方向性として、ノベルティのデジタル化も今後の選択肢に加えておきましょう。
デジタルノベルティは、インターネット上で配布するギフトの総称で、大きく次の4種類があります。
| 電子マネー
| ポイント、ギフトコード、クーポン
| 商品引換券
| デジタルコンテンツ
デジタルノベルティは、物理的なグッズの作成や管理のコストが不要で、時間も場所も制限なく、広範囲のユーザーへ配布できる点が特徴です。
スマートフォンの普及やカードによる決済が浸透したこともあり、デジタルノベルティは今後大きく伸びる可能性があります。
自社の宣伝にノベルティを活用しよう
ノベルティは、自社の企業イメージを高め、商品・サービスの好感度を上げて印象づけるために配布する販促ツールです。
使い勝手のよい実用品はもちろん、話題が広がりそうな珍しさやインパクトのあるもの、業界の魅力を伝えるものなど、さまざまな方向からアイデアを出して「とっておき」のノベルティをつくり、活用していきましょう。
TOPPANの「販速部長」は、ノベルティをはじめとした販促物を一元的に管理し、一貫した企業イメージで販促の戦略を練り上げ、制作から在庫管理までトータルで運用することのできるプラットフォームです。
企業イメージを高め、販促の底上げを図る基盤として、ぜひご活用ください。
2024.07.17