サイトリニューアルでよくある失敗とその原因を解説!失敗防止の対策とは?
これから自社のWebサイトのリニューアルを進めるにときに、失敗を避けるため、失敗になりうる原因はなるべく取り除きたいものです。
実際に、どのような失敗が発生しやすいかを理解し、あらかじめ対策を講じておくことは有効な方法です。今回は、サイトリニューアルのよくある失敗とその原因、失敗を防止する対策をご紹介します。
サイトリニューアルでよくある失敗
まずは、サイトリニューアルのよくある失敗を確認しておきましょう。
①効果が曖昧・課題解決につながっていない
リニューアル後にアクセス数や問い合わせ数が増えるなどの効果を期待していたものの、一向に増えないということはよくある失敗です。サイトリニューアルの目的である課題解決につながっていないというケースです。
②ほぼデザインのみのリニューアルになってしまった
リニューアル後にデザインが大幅に変わり、見映えは良くなったものの、その他の機能面や操作性、コンテンツ、集客面などが特に改善されなかったという失敗もよくあります。ほぼデザインのみで見栄えだけのリニューアルになってしまったというケースです。
③ユーザビリティが下がってしまった
ユーザビリティとはWebサイトなどの操作性を表し、容易にストレスなく操作できることを「ユーザビリティが高い」と表現します。サイトリニューアルによって操作性や表示速度に悪影響が及ぶと、ユーザビリティが低下し、ユーザーの滞在時間も短縮されてしまうでしょう。
Webサイトのユーザビリティが低いとされる主な特徴は以下の通りです。
●フォームの入力項目が多い
●目的のページに辿り着くまでに、ページ遷移が多い
●ボタンやリンクの視認性が悪い
●商品、サービス、その他ページを検索しづらい
④運用の手間がかえって増えてしまった
サイトリニューアルによって、機能もデザインも刷新され、リニューアル前と比較して充実したように見えたが、運用の手間がかえって増えてしまったという失敗です。サイトリニューアル前よりも新たな情報の更新・提供が困難になってしまうケースもあり、その困難さゆえに外注を検討し、さらなるコストがかかってしまう恐れもあります。
⑤リニューアル後に運用していても一向に目標値が上がらない
サイトリニューアル後は運用フェーズに入りますが、日々、更新を続けていても、あらかじめ設定した目標値に届かないというケースです。運用段階での対応はもちろん、サイトリニューアル時の対応が影響する場合もあります。
サイトリニューアルに伴うコンテンツ整理の一環で、アクセス数が多いコンテンツを削除する、新規ドメインでサイトリニューアルを行う、といったSEOに悪影響を及ぼす対応をなんとなくの理由で行ってしまうと、後々の運用フェーズに大きな打撃を与えかねません。
サイトリニューアルで失敗してしまう原因
これらのサイトリニューアルでよくある失敗は、どのような原因で生じるものなのでしょうか。それぞれの失敗について原因を確認していきましょう。
「効果が曖昧・課題解決につながっていない」の原因
効果が曖昧で、課題解決につながらないという問題の原因は、主に目的を設定していないことにあると考えられます。サイトリニューアルを進める際には、まず、現行Webサイトの根本的な問題を洗い出し、それらの問題を改善するという明確な目的意識が重要です。その目的を明確にする工程を踏まないと、効果測定のしようがなく、効果は曖昧となり、存在する課題も決して解決には至りません。
また、目的を設定していても、成果指標となるKGIとKPIとして具体的な数値を設定していない場合、同様の失敗につながってしまいます。
「ほぼデザインのみのリニューアルになってしまった」の原因
デザインのみのリニューアルに陥ってしまった場合は、そもそもサイトリニューアルの意味を理解していないこと、優先順位を見誤り、デザイン重視になっていたなどの原因が考えられます。サイトリニューアルは単なるデザイン刷新ではありません。その要諦は、現行サイトの根本的な問題解決にあります。
「ユーザビリティが下がってしまった」の原因
ユーザビリティがリニューアル前よりも下がってしまう原因は、デザインを魅力的にしようとこだわりすぎてユーザビリティを軽視し、ユーザー目線の設計ができていなかったことが考えられます。
サイトリニューアルと聞くとどうしても最先端のデザインや機能を盛り込みたくなりますが、それがかえって使いにくく、見づらいWebサイトになってしまうことも。何のため、誰のためのリニューアルなのかを考えていないと、このような失敗に繋がってしまいます。
「運用の手間がかえって増えてしまった」の原因
運用の手間が増えてしまう原因として考えられるのは、リニューアル前の設計不足です。リニューアルの際には、目的を設定して要件定義を行うことが重要です。また、その際に、リニューアル後の運用方法についての項目を含める必要があります。プロジェクト開始前に運用方法まで定めておけば、リニューアル後は運用体制を整え、確実に遂行していくことができるでしょう。
また、運用方法を取り決める際には、実際の手間や工数をできるだけ削減できる方法を考えなければ意味がありません。詳細は後ほどご紹介します。
「リニューアル後に運用していても一向に目標値が上がらない」の原因
サイトリニューアルの後の運用まで考え尽くされていないことが原因です。運用後はKGIとKPIをもとにした効果測定を行い、問題があれば改善する取り組みを繰り返すPDCAサイクルを回すことが大前提となります。
運用後のKGIやKPIを設定する場合、現状の流入数やコンバージョン数などの指標と数値を確認し、ページごとに重要度を整理してからKFS(Key Factor for Success、重要成功要因)を特定することでしょう。これにより、サイトリニューアルの目的達成実現度が高まりますが、リニューアルすればそれで終わりと考えていると、KGIの設定をせず、ページ削除などによってKFSをつぶしてしまい、成果が出ずに終わってしまいます。
また、サイトリニューアルの制作を委託した会社と、運用を委託する会社が異なる場合には、サイトリニューアルの目的やKGIとKPIといった目標値が共有されず、同様の失敗が起こる可能性もあります。
サイトリニューアルの失敗を防止する対策
サイトリニューアルのよくある失敗の原因がわかったところで、対策を考えていきましょう。先に挙げた原因の根本的な原因は、サイトリニューアルの意味や目的を理解しておらず、要件定義などの事前設計が適切に行われていないためといえます。
それに加えて、制作と運用を他社に委託する場合は、コミュニケーションを密に行うことも重要な失敗予防策となります。ポイントになることを見ていきましょう。
サイトリニューアルの意味を理解する
サイトリニューアルは、単なるデザイン刷新ではなく、現行Webサイトに存在する根本的な問題を改善することにあります。もちろん、デザインの刷新も含めることが多いですが、それだけにこだわらないことが重要です。
要件定義をしっかり行う
サイトリニューアルのプロジェクトを立ち上げたら、問題を洗い出し、サイトリニューアルの目的を設定した上で、要件定義を行いましょう。以下のような項目を取り決めて、誰もが見やすく読みやすい要件定義書を作成し、プロジェクト遂行中に見返すことで、目的から逸脱しにくくなります。
・背景・目的
・ターゲット・コンセプト・デザインイメージ
・KGI・KPI
・予算
・スケジュール
・プロジェクト体制
・サイトマップ
・サイト環境
・インフラ環境
・納品方法・納品物
・リニューアル後の運用方法
ユーザー・運用の双方の利便性を考えて設計する
Webサイトを利用するユーザーと運用側、双方の利便性を考えましょう。これも要件定義を行う際に決めておくべきことです。サイトリニューアルに際して、使い勝手の良いCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入することで、専門知識がなくとも手軽に更新でき、運用の利便性も向上します。
設計段階で運用のPDCAを想定する
リニューアル後の運用においては、KGI・KPIをもとに効果測定を行い、問題点に対して改善を重ねていきます。このPDCAサイクルを回すことがサイトリニューアルの成果を出すポイントです。
要件定義の際には、顧客接点担当、メンテナンス担当といった領域ごとの運用方法や担当者、外注の有無などの方針をまとめて、スムーズな遂行を心がけましょう。
委託先とのコミュニケーションを十分に行う
委託先とのコミュニケーションは、サイトリニューアルを成功させるために必要不可欠です。複数社に委託する場合は、情報共有、引継ぎなどもしっかりと行いましょう。
また、委託した制作会社に任せっきりで自社は関与しないといったスタンスは避けるべきです。サイトリニューアルはただ新しくすれば良いのではなく、目的を達成するために行うことです。自社が設定した目的が達成できるかどうかを確実に追いましょう。
まとめ
サイトリニューアルのよくある失敗とその原因、予防策をご紹介しました。サイトリニューアルは曖昧な目的や課題設定を行い、「なんとなく」の進行によって、失敗に陥ってしまうリスクがあります。要件定義など万全の準備を行うことで、目的を達成し、成果を上げることができると考えられます。
サイトリニューアルで不安がある場合は、TOPPANにご相談ください。TOPPANがご提供するサイトリニューアルサービスでは、大企業を中心とした豊富な実績をもとに、お客様のニーズに合わせてサイトリニューアルのサポートを行います。ヒアリングによる現状把握や課題特定のほか、要件定義書・RFPの作成までサポートいたしますので、リニューアルの進め方やリニューアル後のサイト運用方法を具体的にイメージできるのが特徴です。
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2024.10.04