パフォーマンスマーケティングサービス コラム

サイトリニューアル失敗の5つの原因と
失敗しないための対策を解説

これから自社のWebサイトのリニューアルを進めるにときに、失敗を避けるため、失敗になりうる原因はなるべく取り除きたいものです。
実際に、どのような失敗が発生しやすいかを理解し、あらかじめ対策を講じておくことは有効な方法です。今回は、サイトリニューアルのよくある失敗とその原因、失敗を防止する対策をご紹介します。


<目次>
1.サイトリニューアルでよくある失敗
2.サイトリニューアルで失敗してしまう原因
3.サイトリニューアルの失敗の危険信号
4. サイトリニューアルの失敗を防止する対策
5.サイトリニューアルサービス選びのポイント
6.まとめ


1.サイトリニューアルでよくある失敗

まずは、サイトリニューアルのよくある失敗を確認しておきましょう。

①効果が曖昧・課題解決につながっていない

サイトのリニューアル後に、アクセス数や問い合わせ・売上が増えるなどの効果が曖昧なままで、期待していた課題解決に繋がっていないケースはよく見られます。なぜこのような結果に陥るのか、その理由を把握せずに進めてしまうと、同じ失敗を繰り返すことになりかねません。

②ほぼデザインのみのリニューアルになってしまった

リニューアル後にデザインが大幅に変わり、見映えは良くなったものの、その他の機能面やコンテンツの内容、集客面などが特に改善されなかったという失敗もよくあります。ほぼデザインのみで見栄えだけのリニューアルになってしまったというケースです。この失敗例は少なくなく、費用対効果の低い結果を招く可能性があります。

③ユーザビリティが下がってしまった

ユーザビリティとはWebサイトなどの操作性を表し、容易にストレスなく操作できることを「ユーザビリティが高い」と表現します。サイトリニューアルによって操作性や表示速度に悪影響が及ぶと、ユーザビリティが低下し、ユーザーの滞在時間も短縮されてしまうでしょう。

Webサイトのユーザビリティが低いとされる主な特徴は以下の通りです。

●フォームの入力項目が多い
●目的のページに辿り着くまでに、ページ遷移が多い
●ボタンやリンクの視認性が悪い
●商品、サービス、その他ページを検索しづらい

④運用の手間がかえって増えてしまった

サイトリニューアルによって、機能もデザインも刷新され、リニューアル前と比較して充実したように見えたが、運用のための作業がかえって増えてしまったという失敗です。サイトリニューアル前よりも新たな情報の更新・提供が困難になってしまうケースもあり、その困難さゆえに外注を依頼し、さらなるコストや費用がかかってしまう恐れもあります。

⑤リニューアル後に運用していても一向に目標値が上がらない

サイトリニューアル後は運用フェーズに入りますが、日々、更新を続けていても、あらかじめ設定した売上などの目標値に届かないというケースです。運用段階での対応はもちろん、サイトリニューアル時の対応が影響する場合もあります。

多くの場合、プロジェクトの実施段階での意識が影響しているのです。サイトリニューアルに伴うコンテンツ整理の一環で、既存のアクセス数が多いコンテンツを削除する、新しいドメインでサイトリニューアルを行う、といったSEOに悪影響を及ぼす施策をなんとなくの理由で実施してしまうと、後々の運用フェーズに大きな打撃を与えかねません。


2.サイトリニューアルで失敗してしまう原因

これらのサイトリニューアルでよくある失敗は、どのような原因で生じるものなのでしょうか。それぞれの失敗について原因を確認していきましょう。

「効果が曖昧・課題解決につながっていない」の原因

効果が曖昧で、課題解決につながらないという問題の原因は、主に目的を設定していないことにあると考えられます。多くの企業が陥りがちですが、サイトリニューアルを進める際には、まず、既存Webサイトの根本的な問題を調査し、洗い出し、それらの問題を改善するという明確な目的意識が重要です。その目的を明確にする工程を踏まないと、効果測定のしようがなく、効果は曖昧となり、存在する課題も決して解決には至りません。

また、目的を設定していても、成果指標となるKGIとKPIとして具体的な数値を設定していない場合、同様の失敗につながってしまいます。このため、具体的なデータに基づいた目標設定が求められます。

「ほぼデザインのみのリニューアルになってしまった」の原因

デザインのみのリニューアルに陥ってしまった場合は、そもそもサイトリニューアルの意味を理解していないこと、優先順位を見誤り、デザイン重視になっていたなどの原因が考えられます。サイトリニューアルは単なるデザイン刷新ではありません。その要諦は、既存サイトの根本的な問題解決にあります。

「ユーザビリティが下がってしまった」の原因

ユーザビリティがリニューアル前よりも下がってしまう原因は、デザインを魅力的にしようとこだわりすぎてユーザビリティを軽視し、ユーザー目線の設計ができていなかったことが考えられます。

サイトリニューアルと聞くとどうしても新しいデザインや機能を盛り込みたくなりますが、そのため使いにくく、見づらいWebサイトになってしまうことも。何のため、どのターゲットのリニューアルなのかを全体で考えていないと、このような失敗に繋がってしまいます。

「運用の手間がかえって増えてしまった」の原因

運用の手間が増えてしまう原因として考えられるのは、リニューアル前の全体の設計不足です。リニューアルの際には、目的を設定して要件定義を行うことが重要です。また、その際に、リニューアル後の運用方法についての項目を含める必要があります。

そのため、プロジェクト開始前に運用方法まで定めておけば、リニューアル後は運用体制を整え、確実に遂行していくことができるでしょう。

「リニューアル後に運用していても一向に目標値が上がらない」の原因

サイトリニューアルの後の運用まで意識が考え尽くされていないことが原因です。運用後はKGIとKPIをもとにした効果測定を行い、問題があれば改善する取り組みを繰り返すPDCAサイクルを回すことが大前提となります。

運用後のKGIやKPIを設定する場合、現状の流入数やコンバージョン数などの指標と数値を把握し、ページごとに重要度を整理してからKFS(Key Factor for Success、重要成功要因)を特定することでしょう。これにより、サイトリニューアルの目的達成実現度が高まりますが、リニューアルすればそれで終わりと考えていると、KGIの設定をせず、ページ削除などによってKFSをつぶしてしまい、結果的に成果が出ずに終わってしまいます。

また、サイトリニューアルの制作を委託した会社と、運用を委託する会社が異なる場合には、サイトリニューアルの目的やKGIとKPIといった目標値が共有されず、同様の失敗が起こる可能性もあります。この場合は、両者が密に連携を取ることが非常に重要になります。


3.サイトリニューアル失敗の危険信号

サイトリニューアルの危険信号を早期に察知することは、プロジェクトの失敗を未然に防ぐ上で役立ちます。ここでは、多くの企業やプロジェクト担当者が抱える共通の兆候を3つに絞り込み、具体的な例とともに解説します。これらの危険信号を認識し、適切な対応を取ることで、リニューアルを成功に導くための第一歩を踏み出しましょう。

要件定義が曖昧なまま進行している

サイトリニューアルの目的や目標、具体的な機能要件が曖昧なまま、デザインや開発の工程に進んでしまうケースです。本来、プロジェクトの根幹となる要件定義が不十分だと、ベンダーと自社の間で認識のズレが生じ、追加費用や作業がかかるリスクが高まります。また、「とりあえず格好良くしたい」「最先端の機能をつけたい」といった表面的な提案が優先され、本来解決すべき課題が見過ごされてしまうこともあります。具体的なKPI(重要業績評価指標)が設定されていない、ターゲットユーザー像が不明確なまま進む場合は、特に注意が必要です。

担当者間で密なコミュニケーションが取れていない

サイトリニューアルは、関係者全員が共通の目的意識を持つことが不可欠です。しかし、担当者間のコミュニケーションが滞り、情報共有が不十分な状態が続くと、プロジェクトは暗礁に乗り上げます。特に、発注側と受注側(ベンダー)との間で、定期的な内容の進捗確認や課題共有の場が少なく、または形式的なものになっている場合は危険です。お互いの意見や懸念点が十分に議論されず、誤解や認識の食い違いが解消されないまま進むと、最終的に「期待していたものと違う」という結果を招きかねません。

デザイン案の修正にばかり時間が費やされている

デザインの検討は重要なプロセスですが、それがプロジェクトの大部分を占めてしまう場合は危険信号です。デザインの細部にこだわりすぎるあまり、本来議論すべき機能やコンテンツの内容、集客施策といった本質的な部分の検討が後回しになってしまいます。例えば、何枚もデザイン案を提案したり、些細な色の違いやレイアウトの修正に何度も時間をかけたりする場合です。リニューアルの本質は、デザインを新しいものにすることではなく、ビジネス上の課題を解決することです。この本質を見失っているプロジェクトは、リニューアル後の成果が上がらない可能性が高いと言えます。


4.サイトリニューアルの失敗を防止する対策

サイトリニューアルのよくある失敗の原因がわかったところで、対策を考えていきましょう。先に挙げた原因の根本的な原因は、サイトリニューアルの意味や目的を理解しておらず、要件定義などの事前設計が適切に行われていないためといえます。

それに加えて、制作と運用を他社に委託する場合は、コミュニケーションを密に行うことも重要な失敗予防策となります。ポイントになることを見ていきましょう。

サイトリニューアルの意味を理解する

サイトリニューアルは、単なるデザイン刷新ではなく、現行Webサイトに存在する根本的な問題を改善することにあります。もちろん、デザインの刷新も含めることが多いですが、それだけにこだわらないことが重要です。

要件定義をしっかり行う

サイトリニューアルのプロジェクトを立ち上げたら、問題を洗い出し、サイトリニューアルの目的を設定した上で、要件定義を行いましょう。以下のような項目を取り決めて、誰もが見やすく読みやすい要件定義書を作成し、プロジェクト遂行中に見返すことで、目的から逸脱しにくくなります。

・背景・目的
・ターゲット・コンセプト・デザインイメージ
・KGI・KPI
・予算
・スケジュール
・プロジェクト体制
・サイトマップ
・サイト環境
・インフラ環境
・納品方法・納品物
・リニューアル後の運用方法

ユーザー・運用の双方の利便性を考えて設計する

Webサイトを利用するユーザーと運用側、双方の利便性を考えましょう。これも要件定義を行う際に決めておくべきことです。サイトリニューアルに際して、使い勝手の良いCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入することで、専門知識がなくとも手軽に更新でき、運用の利便性もやすく向上します。

設計段階で運用のPDCAを想定する

リニューアル後の運用においては、KGI・KPIをもとに効果測定を行い、結果を一覧化して問題点に対して改善を重ねていきます。このPDCAサイクルを回すことがサイトリニューアルの成果を出すポイントです。

要件定義の際には、顧客接点担当、メンテナンス担当といった領域ごとの運用方法や担当者、外注の有無などの方針をまとめて、スムーズな遂行を心がけましょう。

委託先とのコミュニケーションを十分に行う

委託先とのコミュニケーションは、サイトリニューアルを成功させるために必要不可欠です。複数社に委託する場合は、情報共有、引継ぎなどもしっかりと行いましょう。

また、委託した制作会社に任せっきりで自社は関与しないといったスタンスはおすすめしません。サイトリニューアルはただ新しいものにすれば良いのではなく、目的を達成するために行うことです。このため、自社が設定した目的が達成できるかどうかを確実に追いましょう。


5.サイトリニューアルサービス選びのポイント

サイトリニューアルを成功させるには、信頼できるパートナーを選ぶことが不可欠です。無料で見積もりを依頼できるサービスが多いですが、費用だけで選ぶと後悔する可能性も。ここでは、おすすめのチェックポイントを3つご紹介します。

実績と専門性を確認する

多くの企業がサイトリニューアルを依頼する際、デザインや新しい機能に目が行きがちですが、本当に役立つのはデータに基づいた戦略立案能力です。営業担当者が、具体的な課題解決に役立ちそうな施策を提案してくれるか、なぜその提案が役立つのかを論理的に説明できるかを見極めることが重要です。

目的を共有し、コミュニケーションを密にする

リニューアルの内容を深く理解し、共通の意識を持って進めることが成功の鍵です。プロジェクト全体を通して密にコミュニケーションが取れるかどうかを求めましょう。ウェブメディアでの集客施策や広告運用施策など、リニューアル後の施策まで見据えた提案がもらえるかどうかも、パートナー選定の重要なポイントです。

運用を考慮した提案があるか

リニューアルはゴールではなく、その後の運用で結果を出すことが重要です。公開後の運用体制まで考慮した提案があるか、運用の作業が少なくなるようなシステム提案があるかを確認しましょう。リニューアル後のPDCAを回すためのデータ解析ツールや、担当者がたやすく更新できるCMSの提案なども、長期的な売上向上に役立ちます。


6.まとめ

サイトリニューアルのよくある失敗とその原因、予防策をご紹介しました。サイトリニューアルは曖昧な目的や課題設定を行い、「なんとなく」の進行によって、失敗に陥ってしまうリスクがあります。要件定義など万全の準備を行うことで、目的を達成し、成果を上げることができると考えられます。

サイトリニューアルで不安がある場合は、TOPPANにご相談ください。TOPPANがご提供するサイトリニューアルサービスでは、大企業を中心とした豊富な実績をもとに、お客様のニーズに合わせてサイトリニューアルのサポートを行います。ヒアリングによる現状把握や課題特定のほか、要件定義書・RFPの作成までサポートいたしますので、リニューアルの進め方やリニューアル後のサイト運用方法を具体的にイメージできるのが特徴です。

「リニューアルによってWebサイトのパフォーマンスを高めたい」「よりスムーズにリニューアルを進めたい」という方は、ぜひ以下の詳細ページをご覧ください。

2025.09.30