サイトリニューアルの注意点を徹底解説|
失敗しないために押さえるべきポイント
自社の現行Webサイトの集客が思うようにいかず、コンテンツや見せ方が競合他社に劣っている、検索エンジンの検索順位が低い、といった課題を抱えているケースが多くあります。こうした課題を解決するために実施されるのが、サイトリニューアルです。今回は、サイトリニューアルをスムーズに進めるために気を付けるべき注意点やポイントについてご紹介します。
<目次>
1.サイトリニューアルの目的・意義とは?
2.サイトリニューアルのタイミング・判断基準
3.サイトリニューアルを成功させるために気を付けるべき注意点
4. CMS導入のポイント
5.サイトリニューアルで避けたい失敗
6.まとめ
1.サイトリニューアルの目的・意義とは?

サイトリニューアルと聞くと、「単にWebサイトのデザインを刷新するもの」と想起されるかもしれませんが、サイトリニューアルを成功させるという意味では、目的を明確化し、設定すること重要です。
サイトリニューアルの目的
サイトリニューアルにおける大きな目的は、Webサイトに存在する根本的な問題を解決することです。そのためには、サイト全体のデザインやシステムを見直す必要があり、単なる見映え・デザインの刷新や一部機能やページの更新・改修はサイトリニューアルとして不十分といえます。
サイトリニューアルにおいて、多くの場合、各ページの構造や機能、コンテンツの内容、インフラ環境などのWebサイト全体の仕様を作成し、見直します。このときに重要になるのは、ただやみくもに新しいものにするのではなく、Webサイト全体の課題や問題点を徹底的に洗い出し、根本的な問題解決を図ることです。つまり、サイトリニューアルの目的は、個々の現行サイトが持つ根本的な問題解決にあるのです。
問題解決の例としては、ユーザビリティの改善、アクセス数やコンバージョン数の向上、ブランディング強化、サイト運営の効率性向上、スマートフォン最適化などが挙げられます。それぞれの問題に合わせた戦略的な対応が求められます。
サイトリニューアルの意義
ビジネスにおけるWebサイトは、「利益を生む手段」になっていることがあるべき姿です。つまり、Webサイトによって売上が上がる、もしくは費用が下がる、という効果が求められます。しかし、そのような効果を得られない場合はWebサイトが何らかの課題を抱えている状態であり、これを解決する手段がサイトリニューアルになります。例えば、Webサイトで利益を生み出すために重要な指標であるアクセス解析やコンバージョン率において、停滞や下落などが見られるようになってきた場合は、サイトリニューアルを検討するべきタイミングといえるでしょう。また、リニューアルのメリットとして、最新の情報を表示することで、ユーザーのサイトに対する信頼感を高め、利用を促す効果も期待できます。
2.サイトリニューアルのタイミング・判断基準
サイトリニューアルを検討する理由はそれぞれ異なりますが、以下のような兆候が存在する場合は、新しいサイトへの移行を行う時期かもしれません。
・デザインやコンテンツが古く、新しい企業のイメージと乖離している場合
・スマートフォンやタブレットでの表示が崩れる、操作がしづらいなど、レスポンシブ対応が不十分な場合
・サイト運営の作業が複雑で、更新にかかる手間や時間が多く、効率が悪い場合
・アクセス解析のデータを確認した結果、アクセス数やコンバージョン率が継続的に低下している場合
・既存のCMSやシステムが古く、セキュリティ上のリスクや機能的な制約が存在する場合
これらの情報を徹底的に、そして客観的に確認することで、リニューアルの必要性を正確に把握し、具体的な手順を作成することが可能になります。また、サイトリニューアルには多くの作業がかかるため、テストや修正を行う期間も考慮する必要があります。無料で専門家へ相談し、戦略的な提案をもらうのも有効な手段です。
3.サイトリニューアルを成功させるために気を付けるべき注意点

サイトリニューアルは目的を達成することができず、失敗に終わる可能性もあります。次のような点に注意して、失敗を避けるようにしましょう。
要件定義を行う
サイトリニューアルを行う際に重要なのは、要件定義を確実に行うことです。要件定義を行うことで、後述するサイトリニューアルのよくある失敗を防ぐことができます。
サイトリニューアルの要件定義とは、リニューアルの目的やコンセプトから目標値、実装する機能、予算、スケジュール、運用方法まで必要な要素を定義し、整理することです。要件を固めておくことで、プロジェクトの進行中やリニューアル完了後に方向性が迷走するリスクを避けることができ、実装すべき要素の抜け漏れ防止などにもつながります。
サイトリニューアルは制作会社やシステム会社に実制作を委託する場合が多く、それらの会社と連携しながら要件定義を行います。定義した結果は、要件定義書としてまとめ、文書として残します。まず現行サイトが抱えている課題を明確にし、仮説を立て、リニューアルの方向性を決めます。定義すべき具体的な項目としては、以下が挙げられます。
●リニューアルの背景・目的
●ターゲット・コンセプト・デザインイメージ
●KGI・KPI
●予算
●スケジュール
●プロジェクト体制
●サイトマップ
●サイト環境
●インフラ環境
●納品方法・納品物
●リニューアル後の運用方法
SEO対策を適切に実施する
SEOとは検索エンジン最適化のことで、WebサイトをGoogleなどの検索エンジンにとって理解しやすく最適化することで、キーワード検索による検索結果において上位表示を行う取り組みです。
検索エンジンに対する最適化であるため、Webサイトを訪問するユーザーにとっての利便性向上とは異なる戦略を実施することが求められます。共通する要素も存在するため、完全に施策が異なるわけではありません。ですがSEO対策を意識しなければ、検索エンジンからの流入は見込めません。サイトリニューアルを実行したものの、適切なSEO対策を怠ってしまうと、アクセス解析やコンバージョン率に多大なマイナスの影響を与えることになります。
つまり、サイトリニューアル時にはユーザーや運営側の目線で設計すると同時に、SEO対策も加味して進めることが重要です。
制作会社に丸投げしない
サイトリニューアルの目的は、上述の通り自社サイトが抱える問題を改善することです。ただ見映えが良くなっただけでサイトリニューアルの目的が果たせていないサイトにしないためにも、制作会社に実制作を依頼する場合は丸投げをせず、自社のプロジェクトとして推進しましょう。随時、合意を確認しながら進めるのをおすすめします。
URLの変更は極力行わない
サイトリニューアルに伴い、URLが変更される場合には注意が必要です。検索エンジンのクローラーがページを巡回して順位を決める際に、一時的に順位が下がってしまう恐れがあるためです。ドメインとURLはサイトリニューアル後も変更しないことを推奨します。
ただ、もしやむを得ない理由でドメインやURLを変更する必要がある場合、「リダイレクト」の手順を行います。リダイレクトとは、アクセスしたページから別のページへ転送させることです。リニューアル前のWebサイトURLに「301リダイレクト」と呼ばれる転送処理を行うことで、恒久的にURLの引っ越し先へ自動転送されるようになります。旧URLへアクセスしてきたユーザーを新しいURLへと誘導することができ、機会損失を防ぐことができます。
継続的に運用し改善を重ねる
サイトリニューアルは、公開が完了すればプロジェクトが終了するわけではありません。サイトリニューアル後も、要件定義の際に取り決めたKGI・KPIをもとに、効果測定を行いましょう。リニューアル前後で数値を比較し、改善幅を見ながら改善策を講じていきます。
このように、運用フェーズにおいては継続的にPDCAサイクルを回すことを前提に、前もって計画を立て、人員や時間を確保するなど、体制を構築しておくことが重要です。動画での情報共有も活用することで、運営チーム全体の理解度も深まるでしょう。
4.CMS導入のポイント
サイトリニューアルを成功に導くために、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の適切な導入は不可欠です。CMSは単なる最新のツールではなく、長期的なサイト運営を支える重要な基盤です。
運用の手間を削減できるか
CMSは運営担当者が使用しやすく、作業の手間を減らすことが第一の目的です。専門知識が少なくても簡単にページの作成や修正が可能か、新しい情報を表示する手順が簡単であるか確認しましょう。無料の相談やテスト環境を利用して、実際の使い勝手を事前に確かめることをおすすめします。
必要な機能が備わっているか
CMSにはそれぞれ異なる機能が存在します。社内でコンテンツを作成するだけでなく、動画を活用したプロモーションや、SNS連携といった新しいマーケティング戦略も視野に入れた機能を導入できるか確認しましょう。将来的な拡張性も考慮して、期間をかけて慎重に検討することが重要です。
セキュリティ対策が万全か
CMSはWebサイトの運営を上で、セキュリティ面でも重要な役割を担います。最新のセキュリティ機能が備わっているか、脆弱性が出た際の対応は迅速か、定期的なセキュリティ更新は行われているかを徹底的に確認しましょう。サイトに内包される情報を守るためにも、信頼できるCMSを採用することが不可欠です。
5.サイトリニューアルで避けたい失敗

先述のサイトリニューアルの注意点をおろそかにした場合、次のような失敗事項やリスクが発生すると考えられます。
効果が曖昧で、サイトリニューアルが課題解決につながらない
サイトリニューアルの要は、目的の明確化と前もって要件定義を作成し、準備を万全にすることです。そもそも改善すべき課題や目的が曖昧なら、効果も曖昧にならざるをえません。また、効果測定を行う指標や方法についてもあらかじめ定めておかなければ、失敗につながってしまいます。
運用の手間がかえって増える
そもそも要件定義を行わなかったり、運営しやすい設計を考慮に入れなかったり、運用方法を明確に定めていなかったりした場合には、サイト運営の作業がかえって増えることがあります。「Webサイト管理の複雑さを解消し、コンテンツ追加など運用効率を上げる」といった目的でサイトリニューアルをしたにもかかわらず、重要な手順に抜け漏れがあると、このような事態になってしまう可能性があります。
検索エンジンの評価が下がる
SEO対策をまったく意識せずにサイトリニューアルを行ってしまうと、検索エンジンからの評価が下がる恐れがあります。検索エンジンの順位が下がることで、アクセス数が減れば、コンバージョンの率も減り、結果的に売上低下につながってしまいます。
6.まとめ
サイトリニューアルを実施する際に気を付けたい注意点をご紹介しました。多くの費用と時間をかけてサイトリニューアルを行うことになるため、どのような失敗が考えられるか、その失敗をどのように避けるか、といったことも頭に入れて、Webサイトの課題を解決できるようにサイトリニューアルを進めていきましょう。
もし、サイトリニューアルの実行で不安がある場合は、TOPPANのWebサイトリニューアルサービスをご検討ください。当サービスでは、大企業を中心とした豊富な実績をもとに、お客様のニーズに合わせてWebサイトリニューアルのサポートを行います。詳細については以下のページよりご覧ください。
2025.09.30