サイトリニューアル時に気を付けるべき注意点とは?避けたいポイントを解説
自社の現行Webサイトの集客が思うようにいかず、コンテンツや見せ方が競合他社に劣っている、検索エンジンの検索順位が低い、といった課題を抱えているケースが多くあります。こうした課題を解決するために実施されるのが、サイトリニューアルです。今回は、サイトリニューアルをスムーズに進めるために気を付けるべき注意点やポイントについてご紹介します。
サイトリニューアルの目的・意義とは?
サイトリニューアルと聞くと、「単にWebサイトのデザインを刷新するもの」と想起されるかもしれませんが、サイトリニューアルを成功させるという意味では、目的を明確化し、設定すること重要です。
サイトリニューアルの目的
サイトリニューアルにおける大きな目的は、現行のWebサイトの根本的な問題を解決することです。そのために、サイト全体のデザインやシステムを変更することが「サイトリニューアル」であり、単なる見映え・デザインの刷新や一部機能やページの更新・改修はサイトリニューアルとして不十分といえます。
サイトリニューアルにおいて、多くの場合、各ページの構造や機能、コンテンツ、インフラ環境などのWebサイト全体の仕様を見直します。このときに重要になるのは、ただやみくもに新しくするのではなく、Webサイト全体の課題や問題点を洗い出し、根本的な問題解決を図ることです。
つまり、サイトリニューアルの目的は、個々の現行サイトが持つ根本的な問題解決にあるのです。
問題解決の例としては、ユーザビリティの改善、アクセス数やコンバージョン数の向上、ブランディング強化、サイト運用の効率性向上、スマートフォン最適化などが挙げられます。
サイトリニューアルの意義
ビジネスにおけるWebサイトは、「利益を生む手段」になっていることがあるべき姿です。つまり、Webサイトによって売上が上がる、もしくは費用が下がる、という効果が求められます。しかし、そのような効果を得られない場合はWebサイトが何らかの課題を抱えている状態であり、これを解決する手段がサイトリニューアルになります。例えば、Webサイトで利益を生み出すために重要な指標であるアクセス数やコンバージョン数において、停滞や下落などが見られるようになってきた場合は、サイトリニューアルを検討するべきタイミングといえるでしょう。
サイトリニューアルを成功させるために気を付けるべき注意点
サイトリニューアルは目的を達成することができず、失敗に終わる可能性もあります。次のような点に注意して、失敗を避けるようにしましょう。
要件定義を行う
サイトリニューアルを行う際に重要なのは、要件定義を確実に行うことです。要件定義を行うことで、後述するサイトリニューアルのよくある失敗を防ぐことができます。
サイトリニューアルの要件定義とは、リニューアルの目的やコンセプトから目標値、実装する機能、予算、スケジュール、運用方法まで必要な要素を定義し、整理することです。要件を固めておくことで、プロジェクトの進行中やリニューアル完了後に方向性が迷走するリスクを避けることができ、実装すべき要素の抜け漏れ防止などにもつながります。
サイトリニューアルは制作会社やシステム会社に実制作を委託する場合が多く、それらの会社と連携しながら要件定義を行います。定義した結果は、要件定義書としてまとめ、文書として残します。まず現行サイトが抱えている課題を明確にし、仮説を立て、リニューアルの方向性を決めます。定義すべき具体的な項目としては、以下が挙げられます。
●リニューアルの背景・目的
●ターゲット・コンセプト・デザインイメージ
●KGI・KPI
●予算
●スケジュール
●プロジェクト体制
●サイトマップ
●サイト環境
●インフラ環境
●納品方法・納品物
●リニューアル後の運用方法
SEO対策を適切に実施する
SEOとは検索エンジン最適化のことで、WebサイトをGoogleなどの検索エンジンにとって理解しやすいように最適化することで、キーワード検索による検索結果において上位表示を行う取り組みです。
検索エンジンに対する最適化であるため、Webサイトを訪問するユーザーにとっての利便性向上とは異なる施策を実行する必要があります。
共通する要素もあるため、完全に施策が異なるわけではありません。ですがSEO対策を意識しなければ、検索エンジンからの流入は見込めません。サイトリニューアルを実行したものの、適切なSEO対策を怠ってしまうと、アクセス数やコンバージョン数に多大なマイナスの影響を与えることになります。
つまり、サイトリニューアル時にはユーザーや運用側の目線で設計すると同時に、SEO対策も加味して進めることが重要です。
制作会社に丸投げしない
サイトリニューアルの目的は、上述の通り自社サイトが抱える問題を改善することです。ただ見映えが良くなっただけでサイトリニューアルの目的が果たせていないサイトにしないためにも、制作会社に実制作を委託する場合は丸投げをせず、自社のプロジェクトとして推進しましょう。随時、合意を取りながら進めるのをおすすめします。
URLの変更は極力行わない
サイトリニューアルに伴い、URLが変更される場合には注意が必要です。検索エンジンのクローラーがページを巡回して順位を決める際に、一時的に順位が下がってしまう恐れがあるためです。ドメインとURLはサイトリニューアル後も変更しないことを推奨します。
ただ、もしやむを得ない事情でドメインやURLを変更する必要がある場合、「リダイレクト」の処理を行います。リダイレクトとは、アクセスしたページから別のページへ転送させることです。リニューアル前のWebサイトURLに「301リダイレクト」と呼ばれる転送処理を行うことで、恒久的にURLの引っ越し先へ自動転送されるようになります。旧URLへアクセスしてきたユーザーを新URLへと誘導することができ、機会損失を防ぐことができます。
継続的に運用し改善を重ねる
サイトリニューアルは、本番環境への反映が完了すればプロジェクトが終了するわけではありません。サイトリニューアル後も、要件定義の際に取り決めたKGI・KPIをもとに、効果測定を行いましょう。リニューアル前後で数値を比較し、改善幅を見ながら改善策を講じていきます。
このように、運用フェーズにおいては継続的にPDCAサイクルを回すことを前提に、前もって計画を立て、人員や時間を確保するなど、体制を構築しておくことが重要です。
サイトリニューアルで避けたい失敗
先述のサイトリニューアルの注意点をおろそかにした場合、次のような失敗事項やリスクが発生すると考えられます。
効果が曖昧で、サイトリニューアルが課題解決につながらない
サイトリニューアルの要は、目的の明確化と前もって要件定義を行い、準備を万全にすることです。そもそも改善すべき課題や目的が曖昧なら、効果も曖昧にならざるをえません。また、効果測定を行う指標や方法についてもあらかじめ定めておかなければ、失敗につながってしまいます。
運用の手間がかえって増える
そもそも要件定義を行わなかったり、運用しやすい設計を考慮に入れなかったり、運用方法を明確に定めていなかったりした場合には、運用の手間がかえって増えることがあります。「Webサイト管理の複雑さを解消し、コンテンツ追加など運用効率を上げる」といった目的でサイトリニューアルをしたにもかかわらず、重要な工程に抜け漏れがあると、このような事態になってしまう可能性があります。
検索エンジンの評価が下がる
SEO対策をまったく意識せずにサイトリニューアルを行ってしまうと、検索エンジンからの評価が下がる恐れがあります。検索エンジンにおける順位が下がることで、アクセス数が減れば、CV数も減り、売上低下につながってしまいます。
まとめ
サイトリニューアルを実施する際に気を付けたい注意点をご紹介しました。多くの費用と時間をかけてサイトリニューアルを行うことになるため、どのような失敗が考えられるか、その失敗をどのように避けるか、といったことも頭に入れて、Webサイトの課題を解決できるようにサイトリニューアルを進めていきましょう。
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2024.10.04