【事例】株式会社シグマ様|運用更新の内製化を目指しWebリニューアルを敢行|顧客接点プラットフォームとしての機能強化も実現
デジタルカメラ用交換レンズ・デジタルカメラなどの撮影機材を開発製造し、グローバル市場で高い支持を受ける光学機器メーカー、株式会社シグマ様。
同社は大規模なWebリニューアルを実施するも、運用更新性の低さに課題を抱えておられました。そこでTOPPANと共に、再リニューアルを敢行。さまざまな課題を払しょくし、内製での高い運用更新性と共に、顧客接点プラットフォームとしての機能強化を実現されました。
今回は、プロジェクトを推進された同社マーケットコミュニケーションデザイン部の加藤 有美様、森田 帆七様、青木 清流様のお三方に、お話を伺いました。
・プロジェクト:コーポレートWebサイトリニューアル
・導入サービス:「Webサイト・ホームページのリニューアル/運用サービス」
https://solution.toppan.co.jp/bx/service/webrenewal.html
・実施時期:2021年2月~2023年11月
目次
1.<背景・課題>複数のWebサイトを統合するリニューアルを実施するも、
運用更新性で新たな課題に直面
2.<選定>求めたのは「ゼネコン」的な包括サービス提供
多彩なスペシャリストが在籍するTOPPANをパートナーに選定
3.<実行プロセス>プランニング・要件定義に時間をかけ、意識合わせを徹底
確実なタスクの実行でプロジェクトはスムーズに進行
4.<成果>運用更新性を大きく改善、情報インフラとしての整地が完了
安心して次の施策検討に進むことができる
5.<今後・期待>期待通りのTOPPANの実行力を評価
今後も継続した支援に期待
1.<背景・課題>複数のWebサイトを統合するリニューアルを実施するも、運用更新性で新たな課題に直面
- 今回のプロジェクトの経緯をお聞かせください。
「実は当社は2019年から2020年にかけて、大規模なWebリニューアルを実施しています。当時の目的は、製品発表サイクルが早期化する中でWebサイト運用の外部ベンダー依存を脱却、内製化することでコストを抑制、更新性を向上させることでした。さらに、当社は国内向けのコーポレートと、海外市場向けのグローバルのサイトがあり、ほかに外部にWebマガジンなどもある状態でしたので、それらを1プラットフォームに統合して、顧客接点やブランド力を強化する狙いもありました。しかし、苦労して刷新したWebサイトで、新たな課題にぶつかったのです。」(加藤様)
- どのような課題だったのでしょうか?
「フルスクラッチ開発でCMSを実装、デザイン性にも優れたWebサイトを実現したものの、裏側の運用や更新の仕組みの設計が甘く、CMSで更新して本番反映すると表示が崩れる事象が頻発しました。新製品発表のタイミングでWebサイトを更新しようとすると毎回、混乱をきたし、営業機会の損失にもつながってしまっていました。また、一部を更新するとサイト全体が上書きされてしまう仕組みであったため、ある程度まとめて更新を実施しなければならず、その間は作業ができないなど、運用更新性も低い状況でした。さらに、CMS自体の脆弱性にも不安を抱えていました。そこで改めて、リニューアルを検討することになりました。」(森田様)
2.<選定>求めたのは「ゼネコン」的な包括サービス提供 多彩なスペシャリストが在籍するTOPPANをパートナーに選定
- パートナーの選定は、どのように実施されたのでしょうか。
「当社で調べた複数の企業にお声がけして、3社から提案を受領しました。前回の反省を踏まえて新たなパートナーに期待したことは、あたかも『ゼネコン』のように、仕組みの設計から実装までを、包括したサービスとして提供してくれる企業であることでした。」(加藤様)
- 3社を比較して、最終的にTOPPANを選定いただいた決め手は何だったのでしょうか?
「TOPPANにお声がけしたのは、サービスページに書かれている顧客課題が、まさに当社の状況と合致していたからでした。こうした課題解決の経験があるなら・・・との期待がありました。提案に関してTOPPANは、初回からプロジェクトの体制を具体的に明示してくれた点が、他社とは違いました。さらに、各領域のスペシャリストが社内に大勢いて、必要に応じてプロジェクトを支援いただけるとお聞きしたことが、まさしく当方が求めていた『ゼネコン』的であり、安心感につながりました。」(森田様)
3.<実行プロセス>プランニング・要件定義に時間をかけ、意識合わせを徹底 確実なタスクの実行でプロジェクトはスムーズに進行
- プロジェクトの開始にあたって、特に成し遂げたかったポイントを、お聞かせください。
「従来の運用における課題を払しょくし、内製でのスムーズな更新が可能なWebサイトを作ることを前提として、同時にマーケティングとコミュニケーションのプラットフォームとしてフロントエンド、バックエンド双方の視点で矛盾のないWebサイト構造および詳細な仕様化、実行性の高い運用プロセスの構築も行いたいと考えました。」(森田様)
- プロジェクトのフェーズ分けおよび、各およその期間についてお聞かせください。
「2022年の2月から7月半ばまでの約6か月が、プランニングと要件定義、2022年7月半ばから2023年11月でCMS開発とデザイン、コーディングを並行して実施しました。」(青木様)
- その間、特に注力、ご苦労されたことをお聞かせください。
「要件定義は当初計画の倍ほどの期間をかけて、週次の定例会を通じて、大きく次の3項目の意識合わせをしっかりと行いました。
1点目は、何のためのWebサイトなのか、我々が達成したいことは何なのか。ローカルとグローバルサイトの役割を整理しつつ、来訪されたお客様の視点に立ちながらやるべきことを固めていきました。
2点目は、サイト構造および検索性について。当社は製品のマウント、アクセサリなどのバリエーションが多種多様で、変数が多い特徴があります。整合性を保ちつつ、いかにシンプルに実現できるか検討を重ねました。
そしてこの2つの要件を、見た目の分かりやすさやユーザビリティ、運用性を兼ね備えたUIデザインに落とし込むことが3点目で、ここについても綿密にすり合わせを行いました。」(加藤様)
- TOPPANとのコミュニケーション、対応はいかがでしたか?
「約4千ものページ移行においては双方のタスクのヌケモレを防止するため、弊社が使い慣れたタスク管理ツールの使用を提案して、活用いただきました。TOPPANの皆さんは、未経験のツールであったにもかかわらず確実にタスクを実行くださり、これまでのリニューアルと比較しても、スムーズにプロジェクトが進行できたと思います。」(青木様)
「長期間のプロジェクト中、どうしても現場の担当者は目の前に立ちふさがる課題の数々で煮詰まり、本来の目的や全体像が見えなくなることも増えます。そんな時、TOPPANのご担当者にご相談すると、『全体を俯瞰して見ましょう』といったアドバイスをいただいたり、課題解決に必要となる新たな人員を投入するなどして都度立て直ししていただき、とても助かりました。」(加藤様)
4.<成果>運用更新性を大きく改善、情報インフラとしての整地が完了 安心して次の施策検討に進むことができる
- リニューアル後、得られた成果についてお聞かせください。
「リニューアル後は運用性が大幅に改善され、ディレクトリ単位や差分のみの更新が可能になったことで、必要な時に必要な箇所を速やかに、自社で更新できるようになりました。これまでのような表示崩れのトラブルもなく、本番反映時も安心です。社内のカスタマーサポート部門などからの情報更新のリクエストにも、応えやすくなりました。」(青木様)
「商品の検索性も高まり、顧客接点としてのWebサイトの機能強化が実現できました。また、やや副次的な効果ではありますが、サイトの表示スピードが以前よりも大きく改善し、社内からも驚きの声があがりました。」(森田様)
「今回のリニューアルプロジェクトで、Webサイトの情報発信のためのインフラとしての整地が完了したように思います。これまでのような運用更新性の不安も払しょくされ、安心して次の施策検討に進むことができるようになりました。」(加藤様)
5.<今後・期待>期待通りのTOPPANの実行力を評価今後も継続した支援に期待
- それでは最後に、改めての今回の総括と、TOPPANへの期待をお聞かせください。
「我々と同様に、Webサイトの運用を内製したいものの社内で知識が不足していたり、これまでの経験の範囲を超えた課題にぶつかると前に進めなくなる企業は、多いと思います。TOPPANは当初期待した通り、必要に応じてスペシャリストを投入、プロジェクトの進行においてもヌケモレなく確実に進めてくれましたし、個人情報保護やグローバルにおけるユーザビリティなど、変化に伴う追加要件にも粘り強く対応いただきました。常に目的を見据えて、やるべきことを取捨選択してくれるなど、高い視座で導いてくれたと感謝しています。今後も当社はグローバルサイトのあり方の検討やブランディング強化などに取り組んで行きますので、引き続いての支援に期待しています。」(全員)
取材ご協力者
株式会社シグマ マーケットコミュニケーションデザイン部
副部長 加藤 有美 様
課長 森田 帆七 様
チーフ 青木 清流 様
お客様プロフィール
株式会社シグマは、デジタルカメラ用交換レンズ、デジタルカメラなどの撮影機材を製造する光学機器メーカーです。常に「他にはない、これまでにない製品」を追い求め、すべての製品を福島県・会津工場で生産するMade in Japanのグローバルブランドとして、エンジニアのあふれる好奇心を原動力に個性的なレンズやカメラの開発に全力を注ぎ、高性能・高品質な製品を世界に届けることで最高の写真・映像づくりに加えて、近年は写真集の収集、写真祭への協力や参加などを通じて、写真文化の発展にも貢献しています。
https://www.sigma-global.com/jp/
2024.10.16