LINEを活用したO2Oマーケティングの方法
O2Oマーケティングは、すでに多くの企業で取り入れられているマーケティング手法ですが、このO2OマーケティングにスマートフォンアプリのLINEを活用することで、より一層効果が期待できます。そこで今回は、O2Oマーケティングの課題を踏まえ、スマートフォンアプリのLINEを活用してマーケティングを成功させるための方法、LINE企業アカウントを利用して、より成果を挙げる方法をご紹介します。
<目次>
1.O2Oとは
2.OMO・オムニチャネルとの違い
3.O2Oマーケティングが注目される背景
4.O2Oマーケティングのメリット
5.O2Oマーケティングの方法と課題
6.LINEを活用したO2Oマーケティングの事例
7.LINEの企業アカウントを利用してO2Oマーケティングを実現
1.O2Oとは

O2Oとは、「Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)」の略称で、インターネット上の「オンライン」から、店舗や会場などの実地における「オフライン」の行動へと促す施策を表すのが一般的です。
より具体的にいえば、見込み客にオンラインで情報を提供し、オフラインでの購買行動に影響を与える施策です。例えば、飲食店や販売店などが、実店舗で使える割引クーポンをオンラインで提供して来店を促したり、位置情報サービスを利用して、スマートフォンユーザーの行動圏内の来店しやすい店舗の認知をはかったりすることを指します。
2.OMO・オムニチャネルとの違い
O2Oマーケティングを理解する上で混同されがちな「OMO」や「オムニチャネル」との違いについて、それぞれの特徴を比較しながら見ていきましょう。
OMO(Online Merges with Offline)との違い
O2Oがオンラインとオフラインを個別のチャネルとして捉え、Webサイトから実店舗へ顧客を誘導する一方向の集客施策であるのに対し、OMOは両者を融合させ、一貫した顧客体験の提供を目指す考え方です。例えば、アプリで商品のバーコードをスキャンしてレビューを確認したり、店舗で試着した商品を後からECサイトで購入したりするなど、顧客がオンラインとオフラインの垣根を意識しないシームレスな購買体験を重視するのが特徴です。
以下コラムでは、OMOとO2Oの違いを詳しくまとめていますので、併せてご確認ください。
オムニチャネルとの違い
オムニチャネルは、企業が持つ全てのチャネル(実店舗、ECサイト、アプリ、SNSなど)を連携させ、顧客に一貫したアプローチを行う戦略全体を指します。顧客データや在庫情報を一元管理し、どのチャネルでも同じブランド体験を提供することで顧客満足度と売上向上を図ります。O2Oは、このオムニチャネル戦略を実現するための具体的な集客施策の一つと位置づけられます。

3.O2Oマーケティングが注目される背景
なぜ今、多くの企業がO2Oマーケティングに注目しているのか。その背景にある、スマートフォンの普及と消費者の購買行動の変化について見ていきましょう。
スマートフォンの普及による購買行動の変化
スマートフォンの普及により、消費者はいつでもどこでも情報を得られるようになりました。多くのユーザーは、実店舗を訪れる前にWebサイトで商品の詳細を調べたり、アプリで口コミを確認します。そのため、企業にとっては、オンラインでの顧客との接点が購買の意思決定に大きな影響を与えます。スマートフォンの位置情報を活用し、店舗の近くにいるユーザーに限定クーポンを送るなど、パーソナライズされたアプローチが可能になったことも、O2Oが注目される一因です。
ECサイトの浸透と実店舗ならではの体験価値
ECサイトでの買い物が当たり前になる一方で、商品を実際に手に取る、スタッフから説明を受けるといった、実店舗ならではの「体験」の価値が再評価されています。オンラインの利便性と、オフラインでの特別な体験を組み合わせることは顧客満足度を高め、ブランドへの愛着を深めることに繋がります。このことから、オンラインで集客し、実店舗で質の高い体験を提供することで、新規顧客の獲得と売上向上につなげるO2Oマーケティング戦略が重要視されているのです。
4.O2Oマーケティングのメリット
O2Oマーケティングを実践することで、企業は具体的にどのようなメリットを得られるのか。主なメリットを2つの側面から見ていきましょう。
新規顧客の獲得と来店促進
O2Oマーケティング最大のメリットは、オンラインの広範なリーチを活かして、実店舗の商圏外にいる潜在顧客にもアプローチできる点です。Webサイトやアプリを通じて魅力的なキャンペーン情報やクーポンを配信することで、これまでブランドを知らなかった新規顧客の獲得につながります。オンラインで興味を喚起し、実店舗への来店を促すことで、直接的な購買機会を創出し、売上向上に大きく貢献します。これはチラシなどのオフライン施策に比べ、低コストで広範囲に展開できるメリットがあります。
効果測定の容易さとデータに基づいた改善
デジタル施策であるO2Oは、効果測定がしやすい点も大きなメリットです。例えば、「どのWebサイト経由で何人がクーポンを獲得し、実際に何人が店舗で利用したか」といったデータを正確に管理・分析できます。このデータを活用することで、費用対効果の高いチャネルや施策を見極め、次の集客戦略をより効果的に改善していくことが可能です。多くの成功事例では、こうしたデータに基づいたPDCAサイクルが行われています。
5.O2Oマーケティングの方法と課題

ここで、O2Oマーケティングの方法と課題を見ていきましょう。
O2Oマーケティングの具体的な方法
O2Oマーケティングの活動内容を、具体的にご紹介します

上記の最後の例のように、「オフラインからオンラインへ」といった逆方向に誘導する施策もあります。
O2Oマーケティングの課題
O2Oマーケティングには、次のような課題もあります。
・一時的な効果はあるが、固定客化がむずかしい
O2Oマーケティングは、上記でご説明した通り、割引クーポンやポイントの配布などによる一時的なユーザーの来店促進効果は期待できます。しかし、それで本来の目的である、固定客化、売り上げ増進というサイクルにつなげるためには、少し工夫が必要になります。次回の来店を促すアフターフォローによる自店舗ファン化施策を同時に実施していく必要があります。
・オンラインだと他社商品へと目移りしやすい
O2Oの良いところはオンラインとオフラインをうまく連携させることですが、オンラインに連携させることにより、他商品や他店舗との比較を容易にユーザーへ促してしまう恐れがあります。それだけオンライン上の範囲は広いのです。O2Oマーケティングを利用して自店舗をオンラインと連携させるに当たり、より多くの競合を意識する必要が出てきます。そして、オフラインだけの展開だった従来の手法よりも、さらに顧客をとどめさせるための魅力的な商品・サービス訴求が重要になってきます。
6.LINEを活用したO2Oマーケティングの事例

もはやインフラ化しており、老若男女に広がっているメッセージアプリLINEは、O2Oマーケティング施策を行うための格好のツールです。このLINEをO2Oマーケティングに活用する方法にはさまざまなパターンがありますが、その中で多くの企業が活用しやすい活用事例を3つご紹介します。
事例1.来店したお客様のLINEを検知して公式アカウントを紹介し登録を促進
店舗に設置した無線配信端末Beacon(ビーコン)からスマートフォンアプリへプッシュ通知することが出来るようになりました。このBeaconでLINEの友だち登録誘致を行うLINE Beaconを活用する方法です。来店したお客様のスマートフォン上のLINEを検知し、自店舗のLINE公式アカウントからの通知をLINE上でバナー表示し、登録を促します。LINEの友だちに登録してもらえば、以後、利用者へ情報発信を継続的に行うことができます。
事例2.LINE Beaconによる情報発信の許諾をもらったお客様を判別してメッセージを届ける
一度、来店したお客様に対してLINE Beaconにより通知をした後、以後、LINE Beaconからの情報受信の利用許諾を得ることが出来ます。もしお客様が今後の受信を許諾すれば、以後、場所に合った、お客様に合った個別メッセージをLINE Beaconから随時、発信することができます。こうして許諾をもらったお客様を自動判別し、最適化されたOne to Oneのメッセージを送ることも可能です。
事例3.自社のDMP・MAと連携し利用者の「来店状況」「購入履歴」に合わせた情報を配信
過去に自社が蓄積してきた自社のDMPやMAと、LINEとを連携することで、来店状況や購入商品に合わせた情報をお客様に配信し、継続的にコミュニケーションを実施することで、ファン育成を行うことが可能です。
このときにポイントになるのは、ターゲットごとの特性を捉えて情報コンテンツを出し分けることです。これにより、O2Oの割引クーポン配信などの単発のプロモーションで終わらせず、継続的なお客様との関係強化につなげることができます。
【参考】



LINEのマーケティング活用法について具体例で解説!
7.LINEの企業アカウントを利用してO2Oマーケティングを実現

「LINE公式アカウント」が提供する「One to One」、「双方向」のコミュニケーションによって、企業はさまざまなPRやサービスを実現できるようになりました。自社のデータベースと提携させることで、いわゆるマスメディアを利用したPRでは難しかった効果測定も可能になります。
今後、企業のLINEのマーケティング活用がより活発化し、ユーザーそれぞれに有益で、細やかな情報やサービスが提供されるようになっていくでしょう。
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2025.09.30