データテクノロジー&プラットフォームサービス コラム

LINEのビジネス活用!
アカウント開設から費用まで徹底解説!

10~20代を中心に多くのアクティブユーザーを抱え、今やマスにアピールするメディアとして見逃せない存在になっているLINE。ここでは、法人・団体・個人事業主がビジネスでLINEを利用する際に使われるアカウント「LINE公式アカウント」「LINE@」の概要と、ビジネスでのLINEの1クラス上の活用法についてご紹介します。


<目次>
1. LINEとは?
2. 企業が今、ビジネスでLINE公式アカウントを利用する目的とは
3. 「LINE公式アカウント」と「LINEビジネスID」の違いを解説
4. ビジネス向けに企業がLINEアカウントを作るには
5. 【実践】LINE公式アカウントの主な活用機能
6. 「LINE公式アカウント」で自社システムと連携
7. でも実は、「LINE公式アカウント」だけでは、ユーザーとのコミュニケーションができないことも…
8. TOPPANのLINE関連ソリューション 


1.LINEとは?

LINEは、スマートフォンやPCなどにインストールすることで、無料で音声・ビデオ通話・チャットが楽しめるコミュニケーションツールです。ユーザー同士であれば国内・海外、通信キャリアを問わずやりとりができ、2011年6月のサービス開始以来、世界230以上の国と地域で使用されています。

2018年現在、その他のソーシャルメディアと比較してもユーザー数が多いとされ、LINEのみでリーチ可能なユーザーも少なくないと言われています。このため、ブランドの認知拡大にも有効な運用が期待でき、企業においては、動画や写真を駆使した魅力的なコンテンツを使用して、製品やサービスの特徴を伝える活動が増えてきています。 


2.企業が今、ビジネスでLINE公式アカウントを利用する目的とは

【理由1】消費者のメディアとの関係性の変化

従来は、マスへアピールするためのメディアといえばまずテレビでしたが、現在、10~20代のテレビ視聴時間は減少傾向、いわゆる「若者のテレビ離れ」状態にあります。そのかわりにインターネット、中でもスマートフォンでの利用が主と思われるソーシャルメディア、動画投稿・共有サイト、オンラインゲーム・ソーシャルゲームの利用時間が着実に増えています。

そこで、ソーシャルメディアの中でも利用率が高く有力なLINEを顧客とのコミュニケーションの手段の1つに選ぶ企業が増えているのです。

【理由2】ユーザー数が多い

国内におけるLINEの月間利用者数は7,300万人以上となっており、日本の人口の57%以上をカバーしています(LINE株式会社調べ/2017年12月時点)。ユーザー間でトーク画面上でメッセージとして送りあえるイラスト・アニメの「スタンプ」は人気が高く特に集客力が高いツールです。企業が魅力的なオリジナルスタンプを無料で配布することで、何千万規模のユーザーを獲得するといったことも可能となっています。

【理由3】他のSNS・メールマガジンと比較してもメリット多数

・捨てアカウントが少ない

TwitterやInstagramなどは1人で複数のアカウントを持ち得るシステムなので、取得しているけれど利用していない、いわゆる「捨てアカウント」の数も少なくありません。LINEは「1端末1アカウント」を前提としたアカウント認証システムを採用しているため、捨てアカウントを持ちにくく、「1人=1アカウントのユニークユーザー」の確率が高いのです。ですから、ほぼ正確に近い効果検証ができます。また、キャンペーンを実施した際も不正を排除しやすいメリットがあります。

・情報登録がいらず手軽

メールマガジンなどでは個人情報の入力や空メールの送信などが必要ですが、LINEでは、ユーザーが企業アカウントの「友だち追加」ボタンを押すだけで、企業アカウントをフォローできます。 


3.「LINE公式アカウント」と「LINEビジネスID」の違いを解説

「LINEビジネスアカウント」や「LINEビジネスID」といった用語は、多くの企業担当者にとって、「LINE公式アカウント」と混同されがちです。しかし、この2つは全く異なる役割を持っています。それぞれの違いを理解することが、LINEをビジネスに活用する第一歩となります。

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントは、企業とユーザーが直接コミュニケーションをとるための「コミュニケーションツール」です。メッセージの一斉配信や個別チャット、タイムラインへの投稿など、ユーザーが直接目にする機能を提供します。これは、顧客との接点を持ち、関係性を構築していくための"店舗"のようなものです。LINEビジネスIDとは?一方、LINEビジネスIDは、LINE公式アカウントやLINE広告など、複数のLINE関連ビジネスサービスに共通でログインするための「アカウント管理システム」です。これは、各サービスを利用するための"鍵"であり、管理画面への入り口と言えます。

決定的な違いは役割分担

両者の関係性を簡単に例えると、LINEビジネスIDが「鍵」、LINE公式アカウントが「部屋」です。一つのLINEビジネスIDで複数のLINE公式アカウントを管理することができ、それぞれの部屋(アカウント)を使い分けながら、効率的にビジネスを運営することが可能になります。

登録方法と使い分け

LINEビジネスIDは、個人のLINEアカウントを使って登録する方法と、メールアドレスだけで作成する方法の2種類があります。ビジネスとプライベートを完全に分けたい場合は、メールアドレスでの登録が適しています。 


4.ビジネス向けに企業がLINEアカウントを作るには

LINEアカウントの種類

企業が作れるLINEアカウントには「LINE@」と「LINE公式アカウント」の2種類があります。LINE@はさらに、誰でも利用できる「一般アカウント」と、LINE株式会社の認証を受けて利用する「認証アカウント」に分かれます。それぞれの特徴を見てみましょう。

それぞれのコスト

・LINE@の費用

基本的な機能が使える無料プランと、利用料金が発生することで使える機能が増える有料プランがあります。有料プランは、「月額5,400円(税込)のベーシック」と、「月額21,600円(税込)のプロ」の2種類の料金プランとなっています。広告費に限りのある個人店や中小企業などでも利用しやすい価格帯です。

・LINE公式アカウントの費用

運用アカウントの平均友だち数640万人以上(LINE株式会社調べ/2017年12月時点)と、マスメディア並みのユーザー数を想定した有料プランです。エントリープランは「4週間800万円+税」から用意されていますが、推奨プランは「12週間1,000万円+税」となっています。また、「月額250万円+税~(初月日割り費用)」となる6ヶ月、12ヶ月の継続プラン(プラン・獲得友だち数により費用は変動)もあります。

それぞれでできること

・LINE@

LINE@では、LINE内に専用のホームページを作れる「アカウントページ」をはじめ、「タイムライン投稿」、ユーザーへの「メッセージ配信」、特定のユーザーとの「1:1トーク」、ユーザーに付与できる「クーポン機能」や「LINEショップカード」といった機能が利用できます。
有料プランでは、さらに「動画メッセージ」「音声メッセージ」の送信や「リッチメニュー」の利用(ベーシック・プロ共通)や、「友だちの属性表示」「属性別のメッセージ配信」(いずれもプロのみ)も利用できるようになります。

・LINE公式アカウント

LINE@の有料「プロ」プランと同様の機能に加えて、「公式アカウント一覧」への掲載、ユーザーから話しかけられた際ランダムに返信する「自動応答機能」や、特定のキーワードに対して決められたメッセージを返す「キーワード応答機能」、タイムライン投稿をユーザーが友だちにシェアできる「タイムライン投稿の共有機能」、ユーザー情報を紐づけた「モバイル広告ID指定メッセージ」などを利用できます。また、別途料金でオリジナルのスタンプを配布できるようになります。

【参考】

ビジネス用アカウントの作り方

・LINE@アカウントの作り方

まずはLINE@用の端末にLINEアプリをインストールし、LINE@用のメールアドレスを登録、認証を済ませておきましょう。
LINE@のWebサイトに、「LINE@アカウントを作成する」というメニューが用意されています。開くと「認証済みアカウントを申し込む」「一般アカウントを申し込む」というボタンが表示されますので、いずれか利用したい方をクリック。
先ほど用意したLINEアカウントでログインすると、会社/事業者情報などを入力する画面が表示されますので、必須項目を入力して登録申請しましょう。認証アカウントの審査には最大10日かかりますが、LINE@は審査中から利用できます。
なお、サービスを利用できない業種・業態、各アカウントを利用できない法人・団体・個人事業主については「LINE@ガイドライン」に定められています。例えば「日本国内に営業拠点又は活動拠点を持たない法人・団体・個人事業主」や、「市民団体、NGO、NPO、労働組合、学生自治会」は認証済みアカウントを利用できませんので、要注意です。

・LINE公式アカウントの作り方

LINEの公式アカウントを作るための流れは、以下の通りです。

①新規アカウント開設に必要な項目をLINEへ提出
②LINEによる業態・商材審査
③申込書の送付
④LINEが申込書を受領(契約成立)
⑤開設準備⇒運用開始

このように書くと簡単そうに見えますが、実際には、業種・業態によって審査が降りないケースがあったり、申込時点から、LINEのサービスポリシーに合致する内容に則したものにする必要があるなど、サポートなしで自分だけでアカウントを開設するのはなかなかに困難です。さらに公式アカウントを作成した後も、訴求できるメッセージの内容には、LINE独自の掲載基準があり、どういった訴求を行っていきたいのか、事前に確認しておく必要があります。

TOPPANではLINE公式アカウント作成のための、要件定義、仕様作成、プランニングまでトータルでサポートしております。申請のために、どんな項目が必要なのか、審査を通過するためには、どんな書き方をする必要があるのかなど、LINE公式アカウント作成を検討されている方は、TOPPANまでお気軽にお問い合わせください。 


5.【実践】LINE公式アカウントの主な活用機能

LINE公式アカウントには多岐にわたる機能が備わっています。その中でも、特にビジネスの成果に直結する重要な3つの機能を厳選してご紹介します。

1. 効率的な情報伝達:メッセージ配信・ステップ配信

基本機能である「メッセージ配信」では、新商品やイベント情報などを友だち全員に一斉に届けられます。さらに高度な「ステップ配信」を活用すれば、友だち追加した日や特定のメッセージを開封した日を起点に、自動で複数のメッセージを順次配信できます。これにより、個々の顧客の状況に合わせたアプローチが可能になり、手間をかけずにリピーター育成を促進します。

2. 顧客対応の最適化:トーク・自動応答メッセージ

顧客からの質問や問い合わせには「トーク」機能で個別に対応し、丁寧なサポートを提供することで顧客満足度を高められます。また、よくある質問には「自動応答メッセージ」を設定しておくことで、24時間いつでも顧客の疑問に即座に答えられ、運用の効率化に大きく貢献します。

3. 来店・購入促進:クーポン・リッチメニュー・ショップカード

LINE公式アカウントは、売上に直接つながる便利なツールも多数提供しています。「クーポン」はデジタルで簡単に発行でき、来店や購入を強力に促します。トーク画面下部に表示される「リッチメニュー」は、商品一覧ページやショップカードなど、ユーザーを特定の目的のページへスムーズに誘導する役割を果たします。「ショップカード」は、紙のポイントカードを置き換えるデジタルスタンプカードで、リピートを促し顧客の囲い込みに役立ちます。 


6.「LINE公式アカウント」で自社システムと連携

API連携で実現する機能カスタマイズ

さらに、LINE公式アカウントは、API(Application Programming Interface)を活用することで、LINE株式会社が提供する各種機能を企業が自社のシステムに合わせてカスタマイズすることもできます。「LINE公式アカウント」を活用することにより、従来の企業公式アカウントのような、LINEユーザーへの一方通行のメッセージ配信だけでなく、特定のユーザーに対してより最適化されたメッセージを送り分けることができるようになります。さらに、ユーザーの同意のもと、企業の持つ既存のデータベースや、自社システムとLINEアカウントを連携させることで、メッセージ配信ツールとしての域を超え、顧客管理(CRM)ツールや、業務ソリューションツールとしての利用も可能になります。

※LINE株式会社では、LINE アカウントに紐付いた各企業の顧客データを保持することはありません。

その他「LINE公式アカウント」でできること

・セグメント配信

ユーザーの属性(性別や世代、その企業の会員になっているかなど)に応じて最適化されたメッセージを送り分けることで、クリックやコンバージョン、エンゲージメント率をより高めることができます。

・テンプレートを使ったLINEメッセージ作成

イメージマップやアクションボタンなどが配されたテンプレートにカスタムデータを割り当てて、お客様へ訴求力の高いLINEメッセージを手軽に構築できます。

・お問い合わせ対応やチャットサービス

LINEをオペレーターへの窓口としたり、AIによる自動対応なども組み込めます。

・企業側の顧客データベースと紐づけてのコミュニケーション

顧客データベースの情報とLINE上のユーザー個別識別子を連携させて、LINE上でも顧客情報に基づいた情報配信などを実現できます。

・デジタル会員化

LINE上でデジタル会員証を発行することでユーザーを会員化し、クーポンなどを介して購入データの取得につなげられます。 


7.でも実は、「LINE公式アカウント」だけでは、
ユーザーとのコミュニケーションができないことも…

自社システムの開発が必要になる

魅力的な「LINE公式アカウント」ですが、それだけに、一般ユーザーがSNSを運営するようには利用できません。さまざまな仕様が見られる各社の自社システムと、LINEが提供するAPIをつなぐためには、専門的なシステム開発が必要になってきます。

パートナー企業が提供するシステムを導入する方法もある

「LINE公式アカウント」を活用したい、でも自社システムの開発は避けたい……そんな課題をお持ちの企業様におすすめなのが、LINEが認定したパートナー企業によるシステムを導入するという方法です。パートナー企業はLINE公式アカウントに対応した様々なソリューションを提供し、導入をサポートしています。こうしたシステムを導入すれば、自社システムの開発を行わず、LINE公式アカウントを利用することができます。 


8.TOPPANのLINE関連ソリューション

実は、TOPPANはLINEのパートナー企業です

私たちTOPPANは、「プランニング・パートナー」として名を連ねています。プランニング・パートナーは、LINE公式アカウントなどのAPI関連サービスや、LINEの広告商品の企画・運用を支援していると認定された企業です。TOPPANは、LINEの仕組みを活かしたビジネスソリューションを提案し、公式アカウント開設から一貫してサポートをしています。

2025.11.14