エクスペリエンスデザインサービス コラム

なぜ今、都市の再開発が必要なのか?
社会課題解決の視点で見る
日本の再開発プロジェクト

都市は時代に合わせて再開発が求められ、住みやすいのはもちろんのこと、近年は特に若者が多く集まる活性化されたまちづくりを目指す必要があります。
今回は、都市の再開発とは何か、その定義の解説から都市の再開発の必要性、再開発の中でのまちづくりに関する課題、再開発プロジェクトの成功ポイントを解説します。


<目次>
1.都市の再開発とは?
2.なぜ都市の再開発が必要なのか
3.都市の再開発のまちづくりの課題
4.再開発プロジェクトの成功ポイント
5.まとめ


1.都市の再開発とは?

そもそも、都市の再開発とはどのような意味があり、何を目的としているのでしょうか。確認しておきましょう。

再開発とは?

都市の再開発とは、一度つくられた「まち」や建造物などを、現代の社会状況や環境、住まう人、訪れる人の最新のニーズに合わせて改修することを指します。

再開発の目的

都市は長年、人々の活動を支えるために多様な機能を果たしてきましたが、時代が流れるにつれて、老朽化が進んでいたり、交通網が不便になったりしていることがあります。
また近年の少子高齢化の問題から求められる地域コミュニティの創設や活性化、福祉サービスの充実、子育てしやすい環境の構築など時代ニーズに合わせることも求められています。

都市の再開発は、そのようなあらゆる社会的要請を受け、住みやすさ、活動のしやすさ、つながりやすさを実現するために行います。

再開発事業

国は「都市再開発」として様々な事業を進めています。
その例として「市街地再開発事業」や「防災街区整備事業」、「優良建築物等整備事業」などがあります。

・市街地再開発事業:建築物・建築敷地の整備と公共施設の整備に関する事業
・防災街区整備事業:老朽化した建築物を除却し、防災機能を備えた建築物と公共施設の整備を行う事業
・優良建築物等整備事業:市街地の環境の整備改善、良好な市街地住宅の供給等に資するため、土地の利用の共同化・高度化等に寄与する優良建築物等の整備を国が支援する事業


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2.なぜ都市の再開発が必要なのか

都市の再開発を進めるにあたっては、その必要性を具体的に把握しておく必要があります。主な理由として次の4つが挙げられます。

若者の流入増加を実現する

再開発は、基本的にまちの活性化を実現するために行うものですが、特に近年、懸念されているのが少子高齢化による若者の減少です。そこで、そこに暮らす若者だけでなく、より多くの若者にまちに対して関心を持ってもらい、流入増加を実現する必要に迫られています。再開発の際に若者のニーズを取り入れれば、より注目度が増し、活性化しやすくなるでしょう。

地域の防災性向上

近年災害が多発する中、再開発により防災対策の強化が図れます。例として、老朽化した建築物の耐震化や、災害時の避難場所となる広場の確保などが行われています。

容積率向上

再開発により地区の容積率が向上すれば、オフィスや住宅、店舗数が増えることから地域に事業として参入する事業者が増加し、多様な商品やサービスの提供が見込まれます。その結果、地域住民にとって暮らしやすいまちになります。

一体感のあるまちづくりの必要性

多世代の交流が自然と生まれる一体感のあるまちづくりの必要性が高まっています。
国内における都市再開発では、複合商業施設の開設が進んでいます。高層マンションなどの住居と共に、スーパーマーケットや医療機関、保育園、飲食店、小売店、オフィスなどが入居する複合商業施設を造ることは、一体感のあるまちづくりにつながります。


3.都市の再開発におけるまちづくりの課題

都市の再開発におけるまちづくりの課題を見ていきましょう。

同質的なまちや施設が多く散見され、差別化が難しい

都市はすでに再開発が進んでおり、軒並み同じようなまちになっています。複合施設もそこかしこに存在しており、もはや目新しさは失われてきたといっても過言ではないでしょう。そのため、これから新規で開発する際には、差別化を検討する必要があります。

価値観の多様化への対応

多様な価値観を持つ人々が共生し、働く必要性が増す中で、価値観の多様化は「一体感のあるまちづくり」において配慮すべき重要な要素です。いかに対応するかが問われています。

提供価値の検討

近年、心身の健康と共に社会的に健全な状態を示すウェルビーイングや、より良い環境に向けて再生を図ることを目指すリジェネラティブなまちが社会的に求められています。そこで、まち・施設として何に取り組むべきか、どんな価値を提供して設計するかといった提供価値を検討する必要性が出てきています。

体制における分断の問題

まちづくりを行う際には、体制として「戦略」「開発」「リーシング(商業用不動産の賃貸支援)」「運営」といった役割およびフェーズに分かれますが、それぞれのフェーズが分断されてしまっているのが現状です。こうした状態のまま進めてしまうと、まちを利用するあらゆる顧客接点での体験設計が一気通貫で行えず、まちの理想像が、末端の運営フェーズまで伝わっていきません。その結果、戦略でいくら優れたものを立案しても、運営時にはさほど反映されていないといった状況にもなりかねないでしょう。

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4.再開発プロジェクトの成功ポイント

再開発プロジェクトを成功させるためには、上述の課題を解決しながら、次のポイントを押さえて実施することが有効です。

人流可視化

まちづくりを始める前に、現状調査としてまちを行き来する人流を可視化することが欠かせません。人流データをGPSやビーコン、IoTセンサーなどで取得し、あわせて生活者の価値観や行動を調査した結果を組み合わせることで、最適な施策を立案できます。生活者の行動や心理を用いて仮説を立て、新しいサインの計画から過ごし方の提案、イベントの実施などを通じて、集客・回遊、滞在時間アップを目指します。

まちのビジョン・コンセプト策定

まちにもビジョンやコンセプトが必要です。企業や商品のブランドのように、まちの開発にも戦略に基づく策定が有効です。あわせて、「どう伝えるか」といったコミュニケーション戦略も検討することが有効です。

顧客体験設計

まちの顧客と、持続的にコミュニケーションをとっていくために、顧客がまちでどのような体験を行うか設計します。例えば複合施設を造るにおいても、内装施工からデジタルツールの導入やサイネージの設置、WebサイトやSNSでの運用、コミュニティ運用支援、PR・プロモーション施策、イベントの実施など全体を通じて顧客体験を設計して運用します。これにより、顧客に最適なまちの体験を提供できます。

コミュニティ形成

まちに一体感を作り出すためには、コミュニティ形成が欠かせません。コミュニティをどう作り、どう運用していくかといった視点もあわせて持つことがポイントです。例えば、高齢者と子どもの交流を自然に生み出す仕組み作りなどが考えられます。


5.まとめ

都市の再開発を進める中、多くの課題にも直面することでしょう。特に価値観の多様化やまちの差別化については深刻な課題になりかねません。
課題が複雑化し、解決の道筋が見えない場合にはTOPPANがお手伝いさせていただきます。

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2025.12.15