顧客の「欲しい」を見つける
CXコンサル思考法!
明日から使える戦略立案のヒント
市場には数えきれないほどのブランドがあり、飽和状態のなか、機能を高めてもモノ・サービスは売れず、ただ接客に力を入れたとしても、顧客に響かなければ購買にはつながりません。そこで注目を集めているのが、優れたCX(顧客体験価値)を提供することです。
しかし、CXを高めるには戦略的な設計が不可欠です。専門家のコンサルティング(コンサル)を受けるべき領域の一つといえるでしょう。
そこで今回は、CXコンサルティングが必要な理由に加え、コンサルの思考法に基づいた戦略設計やデータ活用のプロセス設計術、そして社内体制の構築と組織文化醸成の重要性について解説します。CX施策を推進する際は、ぜひCXコンサルの利用を検討してみましょう。
<目次>
1.なぜCXコンサルが必要なのか
2.CXコンサル思考法①:戦略的なCX実行
3.CXコンサル思考法②:データ活用のプロセス設計
4.CXコンサル思考法③:組織への浸透
5.まとめ
1.なぜCXコンサルが必要なのか

近年、CXの重要性が増しており、多くの大企業や中堅企業がCXコンサルティングを導入しています。なぜ今、CXコンサルが必要とされているのでしょうか。
なぜCXが重要なのか
背景には、CXに真剣に取り組む必要性が増していることが挙げられます。商品のコモディティ化が進み、技術を磨けば高機能化は可能であるため、機能面での差別化は難しくなっています。
また、広告や営業を通じて知った商品を即決するのではなく、情報収集や複数商品の比較検討を経て購入に至るという顧客行動が定着し、付加価値が求められるようになりました。顧客の価値観が多様化していることも、その理由の一つです。
こうした背景から、機能だけではない、「購入から使用中、購入後のフォローアップまで」すべての体験において感情的な価値である「CX」を追求し、差別化を図ること、また顧客エンゲージメント(顧客との信頼関係や絆)を向上させることが必要なのです。
真の「顧客体験価値」を追求する
CX向上や改善に取り組む際は、顧客体験価値の真の意味を理解しておく必要があります。本当に顧客にとって優れた価値として認識されなければ、CX施策の効果は限定的なものとなるでしょう。
CX戦略でLTV、ロイヤルカスタマーを生み出す必要性
CX向上や改善施策を戦略的に行う目的は、LTV(顧客生涯価値)向上とロイヤルカスタマーの創出です。
LTVは、顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間に自社にもたらす利益を指します。また、ロイヤルカスタマーとは、企業やブランドに対する愛着や忠誠心の度合いを示す「顧客ロイヤリティ」が高い顧客のことです。
CX戦略はただ「買ってもらう」ための取り組みではなく、より踏み込んだ施策が必要であることを理解いただけるでしょう。
なぜCX戦略にコンサルが求められるのか
このような背景から、CX戦略を進めるにはコンサルティングが求められています。リソース不足を補うだけでなく、より高度な経験やデータ分析力、設計力が求められる分野であることも理由の一つといえるでしょう。
2.CXコンサル思考法①:戦略的なCX実行

ここからは、CXコンサルの必要性を踏まえた上で、TOPPANのCXコンサルタントが実践する思考法の一部をご紹介します。
まずは、CXを戦略的に進める必要性と、具体的な実行方法についてお伝えします。
CXを戦略的に進める必要性
CXは戦略的に進めることが求められます。先述の通り、上部だけの顧客ニーズだけでは真の意味で顧客に響くことはないでしょう。顧客分析から施策立案、測定改善まで緻密な計画の上で突き詰めて進める必要がある分野なのです。
CX戦略の立案プロセス
戦略立案プロセスは、主に次の流れで進めます。
1)現状把握・課題の特定
2)目的とKPIの設定
3)顧客ニーズなどの調査・分析
4)戦略策定、施策立案
5)フィードバック
6)実行
7)効果測定・改善
ポイントは、徹底した現状と顧客の分析、そして戦略や施策への適切な落とし込みにあります。
CX戦略はPDCA運用が前提
CX戦略はPDCAサイクルを回し続けることで成果を出すものです。市場は常に変化しているため、最適化のためには継続性が欠かせません。また、顧客心理が中長期的に変化することも理由の一つです。
3.CXコンサル思考法②:データ活用のプロセス設計

CX戦略を実行する上でポイントとなるのが、データ活用です。
CX戦略に活用できるデータ
CX向上や改善に活用できるデータには次のものがあります。
・購買履歴
・アンケート調査
・インタビュー
・ソーシャルリスニング(SNS分析)
・VOC(Voice of Customer/顧客の声)
・Webサイトのアクセス履歴
これらの顧客の心理や行動がわかるデータを駆使し、分析・活用していきます。
CX戦略で追うべきKPI
データを活用する際は、次のKPIを追うことで測定します。
・継続率
・ユーザー属性
・顧客満足度
・コンバージョン率
・サイトの離脱率
これらのKPIを追うことで、顧客が今どのような思いを抱いているのかが見えてきます。その上で、最適な改善施策を講じましょう。
データ活用のポイント
データ活用を進める上でのポイントは、適切なデータの選定、分析、そしてKPI設定です。これにより、一時的な反響の良さにとらわれず、客観的な現状分析と改善が可能になります。
4.CXコンサル思考法③:組織への浸透

CX戦略は、組織全体の取り組みとして定着させることが重要です。そこで、組織に根付かせるための社内体制構築と組織文化醸成の重要性について解説します。
CX戦略の体制作りの方法
CX成功の鍵を握るのは、組織の部署を横断した連携です。
マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、顧客接点を持つ全部門がCX戦略の目標を共有し、共通の顧客理解に基づいた連携体制を構築することが重要です。
部署間の連携を強化するには、まずは各部署からメンバーを募り、専門チームを設置することが先決です。
この専門チームを設置し、戦略策定からデータ分析・施策実行、改善までのPDCAサイクルを回す仕組みを作りましょう。
CX戦略を組織に根付かせるポイント
組織に根付かせるためには、CX向上の重要性を経営トップから繰り返し啓蒙・浸透させることと、定期的な部署間の共有機会を設けることが重要です。
組織全体の意識統一が成果を生み出します。
5.まとめ
CXを戦略的に実行する際は、コンサルティングを利用することで確実に成果につなげられるでしょう。まずはCXコンサルの思考法の基本を理解した上で、実際に支援を受けるのも良いのではないでしょうか。
CXコンサルをお探しなら、ぜひTOPPANにご相談ください。
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「CX」を「Customer Experience Transformation(顧客体験の変革)」と位置づけ、生活者と共に感動を創り出す顧客体験デザインを行います。
パーパス・MVV策定から事業戦略の立案、商品・サービス開発、顧客体験設計まで、さまざまなCX課題に応じて専門性の高いソリューションをご提供します。ぜひお気軽にご相談ください。
2025.10.09