周年事業を「過去の振り返り」で
終わらせない!
未来を創るブランディング戦略
貴社の周年事業、ただの社史制作や記念パーティー、社内イベントの開催で終わっていませんか?
創立・設立から10年、20年、50年、100年などの節目で行われる周年事業は、自社が積み上げてきた歴史や実績を振り返り、後世の人々や未来の事業につなげるために重要な取り組みです。なぜなら、周年事業は企業ブランディングを強化できる絶好のタイミングでもあるからです。しかし、過去の振り返りで終わらせてしまい、チャンスを逃しているケースが少なくありません。
今回は、周年事業の基本的な役割や実施内容と共に、単なる過去の振り返りで終わらせない、未来につながるブランディング戦略への活用方法、具体的な手法、成功のポイントを解説します 。
<目次>
1.周年事業の役割と実施内容
2.周年事業はブランディング戦略に活用できる
3.「周年事業×ブランディング」の手法7選
4.「周年事業×ブランディング」の成功ポイント
5.まとめ
1.周年事業の役割と実施内容

まずは一般的な周年事業の役割と実施内容を見ていきましょう。
周年事業とは?
周年事業とは、企業や組織が創業や設立から節目となる年(5周年、10周年、50周年など)を祝う、周年記念の行事やイベントに関連する一連の取り組みを指します。
周年事業の役割
周年事業は主に次の役割があります。
・歴史や成長の振り返り
・ステークホルダーへの感謝の意の表明
・将来に向けての新たな展望の表明
・新規事業やブランドの始動
普段、事業に集中して取り組む中で、振り返る機会の少ない自社の歴史や実績を改めて確認し、今後の展望を社内外に表明します。また、日頃からお世話になっており、成長を支えてくれているステークホルダーへの感謝の意を表明する機会でもあります。周年を機に、新たなスタートを切ることもあります。
一般的な実施内容
一般的な周年事業の実施内容として、次のものが挙げられます。
・社内パーティー・懇親会
・社員表彰式
・記念イベント・式典
・経営理念、ビジョンなどの見直し
・記念ロゴや特設サイトの制作
・記念品贈呈
・社史の制作
これらのイベントや取り組みを通じて、周年事業を盛り上げます。
2.周年事業はブランディング戦略に活用できる

周年事業は、先述の通り、過去の振り返りを通じて将来へつなげる機会ではありますが、さらに今後の企業やブランドの成長を考えると、過去の振り返りで終わらせるのはもったいないものです。周年のタイミングというのは、ブランディングを強化できる絶好の機会だからです。
周年事業×ブランディングの重要性
周年事業とブランディングをかけあわせて実施することで、ブランドの価値観と共に、過去の歴史や成果を社内外に共有することが可能です。そのため、適切に実施することで、より企業の信頼性や好印象を獲得できます。その結果、売上アップやビジネスチャンスの拡大など企業成長につながるチャンスにも恵まれるでしょう。
周年事業×ブランディングの効果
周年事業とブランディングをかけあわせることで得られる主な効果として、次の点が挙げられます。
・リブランディング
リブランディングとは、ブランドを再定義する取り組みのことです。顧客はこれまで慣れ親しんだブランドイメージが変わることを、すぐには歓迎しない場合もあります。ですが、周年のタイミングであれば、「新たなスタートのタイミング」であることから、納得感が生まれ、ネガティブな印象をもたれにくいといえます。周年のタイミングにブランドを見直し、あえてリブランディングを行うことも検討の余地があります。
・従業員のモチベーションアップ
周年事業だけでも従業員は自社の歴史と社会貢献に誇りを持ちますが、対外的なブランディングを並行して進めることで、「世間からこのように見られているのだ」とさらなる自信につながるでしょう。その結果、仕事に対するモチベーションアップが見込めます。
・ステークホルダーとの関係強化
取引先や顧客、株主などのステークホルダーに対して効果的にブランディングが浸透すれば、信頼構築など関係強化につながります。また改めて新しい価値を取引先や顧客に伝えるチャンスであるため、営業面でのメリットも見込めます。
3.「周年事業×ブランディング」の手法7選

周年事業に実施するブランディングの具体的な手法を7つご紹介します。
1)周年ビジョンやスローガン設定・周年ロゴ制作
周年のタイミングならではのブランディング施策を進めるに当たっては、ビジョンとシンボルが欠かせません。周年ビジョンやスローガンを設定し、周年ロゴを制作するなどして具現化することが有効です。
2)限定商品の販売・周年記念グッズの配布
BtoCビジネスにおいては限定商品や限定メニューなどの提供を通じて、BtoBビジネスにおいては周年記念グッズなどの配布を行うことで、ブランドの価値観を強力に浸透させることが可能です。
3)周年記念特典・感謝キャンペーンの実施
顧客や取引先に対して、特典を付与したり、感謝キャンペーンとして割引セールを実施したりすることで、よりブランドに対する好印象を獲得でき、愛着も増すでしょう。
4)ブランドブック・社史・特設サイト制作
ブランドが築いてきた歴史や実績、制作コンテンツなどを収集し、紙の冊子などのブランドブックや社史を制作して残すことも有効です。あわせて特設サイトを設け、紙の冊子や書籍を電子化して掲載すれば、より広い層に閲覧してもらえます。
5)式典の実施
周年式典はブランディングの大きなチャンスです。ブランドステートメントを発表し、改めてブランドの価値観を伝えることで、強い印象付けが可能です。
6)歴史や資料のコンテンツ配信・展示
企業やブランドの歴史を動画やテキストコンテンツでWeb配信したり、ショールームなどに展示したりすれば、ブランドメッセージをより詳細に伝え、強い印象を与えることができます。BtoBビジネスの場合、過去の資料コンテンツを振り返る設計もおすすめです。
7)CSR活動の強化
CSR活動は、それ自体がステークホルダーに共感してもらえる活動で、何らかのメッセージが込められていることでしょう。そのため、ブランディングとCSRは親和性が高いといえます。
周年の機会に新たにCSR活動を拡充すれば、強いメッセージと共にステークホルダーに企業ブランドをアピールできます。
4.「周年事業×ブランディング」の成功ポイント

周年事業×ブランディングを進める際の成功ポイントをご紹介します。
目的・ターゲットの明確化
周年のタイミングならではのブランディングの目的とターゲットを明確にすることがポイントです。例えば「顧客層の高齢化」という課題に対し、この機会にターゲット層を若返らせたいといった場合、若年層へのターゲット拡大や認知獲得が当面の目的となるでしょう。このように目的とターゲットを改めて明確にすることで、具体的な施策につなげることができます。
プロジェクト体制の構築
周年事業におけるブランディングを成功させるには、戦略的に実施する必要があるため、プロジェクト体制の構築は欠かせません。ここで重要になるのは、一部の部署や従業員だけで完結させないことです。部署横断のメンバーを募り、全社的に推進していくことが成功のカギとなります。
長期的な計画
周年事業は多くの場合、数年前から準備を始めますが、ブランディングについても同時に検討を進め、さらに周年後も継続的に長期的なスパンで実施していく計画を立てましょう。ブランディングは長期的に効果を出していく考え方を社内周知することも重要です。
専門家によるノウハウ提供・支援・伴走
周年事業とブランディングをかけあわせて実施することは、ノウハウやリソースの面から社内で完結しにくいのが実情です。そこで実施に当たり、専門家に頼るのもおすすめです。
最適なパートナーが見つかれば、ノウハウ提供はもちろんのこと、客観的な視点でのアドバイスや伴走による効果最大化などのメリットも期待できます。専門家によっては記念品や社史制作も一括で支援しているため、個別の制作会社に委託する場合と比べてブランドアイデンティティを統一しやすく、効率的に進められます。
5.まとめ
周年事業を、単なる「過去を祝うイベント」で終わらせるか、それとも「未来を創るための戦略的投資」と捉えるか、その視点の違いが、企業の未来を大きく左右します。
前述で解説したように、周年事業は過去から続く歴史と実績を振り返り、誇りに感じながらさらなる躍進を目指すと同時に、社内外へのブランディングを強化できる絶好のタイミングでもあります。周年事業を実施する際に、「企業ブランディング」の施策を戦略的に盛り込み、未来につなげることが重要です。
自社ではノウハウやリソース不足を懸念されている、確実な成果につなげたい、そのような課題を抱えている場合は、TOPPANが強力にサポートしますので、ぜひご相談ください。
TOPPANでは、長年にわたってお客さまの周年事業の総合企画とコンサルティングを行ってきました。その実績を踏まえ、基本構想策定、全体計画立案、社史・年史、記念品などの企画・制作、式典や祝賀会などの各種イベントの企画・実施運営などあらゆるタスクにおいて、専門部署およびプロフェッショナルスタッフが対応し、総合的にサポートします。
周年事業におけるブランディングを意識した社史・年史制作も可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
2025.10.09