請求書発行の効率化-非効率の要因とその対策を解説!
商品やサービスを顧客に販売したら、代金を請求し回収するのは企業活動として当たり前のことです。ところがこの請求業務はミスが許されず、請求データ作成後も印刷、封入、発送と手間がかかることから、月末になるとバックオフィスの業務を圧迫してしまいます。毎月必ず発生する請求業務を効率化するには、どのような方法があるのでしょうか?
今回は請求書発行業務を非効率化させている要因と、その対策について解説していきます。
請求書発行業務が非効率な要因は?
はじめに、請求書の発行業務を非効率なものにしている要因を整理してみましょう。
・請求データの手集計
多くの企業では、請求書の情報が電子化されていたとしても、各所に散在していることが問題となっているようです。複数の台帳やスプレッドシートから手作業で請求データの収集・集計を行っていると、当然のことながら膨大な手間(工数)と時間がかかります。
・集計時のミス
上記のように手作業で集計を行っていると、集計時や転記時にケアレスミスが発生する可能性があります。ミスのないようにダブルチェックする工数と、ミスが起きた場合には修正するための工数も発生し、とても非効率です。
・作業の属人化
人の手で集計を行っていると、属人化(業務のノウハウや進め方、進捗状況などについて特定の従業員だけが把握している状態)が発生しやすくなります。これは人員再配置の妨げになると同時に、ベテラン社員の高コストが影響し、部署全体のコスト上昇を招く場合もあります。また上長が状況を把握しにくいので、不正も起こりやすくなります。
・請求書の発行に手間とコストがかかる
印刷、封入、郵送を手作業でやっていた場合、人的コスト(手間)と物理的コスト(紙代や封筒代、郵送費用)がかかります。一つひとつは少額であっても、顧客の件数と毎月発生する経費を考え合わせれば、年間でかなりのコストになります。
・月末に業務が集中することによるコスト増
月末など特定の時期に業務が集中し、残業や休日出勤などが発生、それに伴う人件費がかかる場合があります。またこのような業務の集中と過負荷による疲労は、従業員のモチベーションを下げることにもつながります。
・誤配送による手戻り
金額や項目など、記載内容のミスも問題となりますが、封入ミスによる誤配送は企業としての信用問題に発展しかねません。また、再発行による期限の遅れが発生した場合には、顧客に迷惑をかけることにもなります。
・誤配送による手戻り
請求書の印刷や封入、発送は比較的単純な作業です。このような業務が月末になるとバックオフィスの業務を圧迫し、本来行うべきコア業務(その従業員が本来行うべき重要な業務)に集中できないのは大きな問題です。人的リソースを最大限に活用するためにも、業務の非効率は積極的に解決していかねばなりません。
請求書発行業務を効率化するには
非効率だと思われる業務を効率化するには、業務フローの整理と自動化の可否判断が大切です。請求書発行業務を効率化するのであれば、以下のような手順で自動化を進めていきましょう。
①業務フローの洗い出し
はじめに業務フローをすべて洗い出して、整理を行います。請求書発行業務を前半(データ集計・作成)と後半(請求書発行業務)に分け、重複した工程や無駄な工程を整理(統合・削除)します。本当に必要な工程だけを残すように、メンバー全員で話し合いましょう。
②自動化できる工程の検討
残った工程のうち、自動化できる工程を決めていきます。自動化は情報処理を自動化する工程と、手作業を機械化する工程に分けておきます。
③請求書発行システムの導入を検討
前半の工程には、情報処理のために請求書発行システムの導入を検討します。もし自社で既にSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を導入済みなら、既存のシステムと請求書発行システムをつなぐことで、請求データの集計と作成は比較的簡単に自動化できるでしょう。
④印刷や封入の専用機器導入
請求書発行業務の後半の工程は、各種帳票の印刷機や封入の専用機器を導入することで効率化を行います。郵送など、一部手作業は残りますが大半の工程を自動化できることでしょう。
自動化のデメリットはアウトソーシングで解消
請求書発行業務の大半を効率化できる自動化にも、盲点はあります。最後に自動化のデメリット確認とその対策を紹介しておきましょう。
請求書発行業務の前半は、先述のように既存システムとの連携で開発のための投資が発生する場合があります。ただし運用開始後は、まとまったランニングコストも必要なく効率的な業務継続が可能となります。問題は後半の工程です。
後半の自動化は専用機の導入によって一部効率化が可能になりますが、専用機のメンテナンスや長期運用後の更新、紙やインキ、封筒などの物理的コストは削減することができません。また機械操作や郵送など、一部の手作業が残ってしまうため、本当の意味での効率化にならない部分があります。このような自動化のデメリットともいえる問題の解消には、アウトソーシングが効果的です。
アウトソーシングの概要と活用のメリット
アウトソーシングは昔から使われてきた言葉ですが、現在は一般的なアウトソーシングとBPOという言葉を使い分ける傾向にあります。BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で、アウトソーシングの一形態です。一般的なアウトソーシングは業務の一部を切り出して外部委託することがほとんどですが、BPOは業務の「あるプロセス」を丸ごと外部に委託するのが特徴です。
このような特徴から、請求書の発行工程では自動化と手作業が混在している後半が、BPOの利用に適した工程だといえるでしょう。ではBPOの活用には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
・業務の一括委託が可能
請求書発行業務(後半の業務)を一括して外部に委託できるので、業務の一部が残って非効率の原因になることがありません。
・各種コストの削減が可能
請求書の印刷代や紙代、封入、郵送に関わるランニングコストを、まとめて削減することができます。
・専用機器の投資コストやランニングコストも削減
印刷機や封入機器などの購入や設備更新、メンテナンスの費用が必要なくなります。
・人件費の削減、リソース活用の効率化
業務の月末集中による余計なコスト発生を抑制できるだけではなく、今まで請求書発行業務を担当していた従業員を別の仕事にアサインするなど、人的リソースの効率的な活用も可能になります。
・人材の最適配置が可能
離職や病欠による欠員の補充や再配置に悩む必要がなくなります。また、属人化による不正も防止することができます。
・さまざまな発送方法に対応
一部のBPOでは請求書の電子化による電子データ送信のほか、紙やFAXでの請求書送付にも対応しています。顧客の要望に応じた請求書発行が可能です。
ただし当然のことながら、BPOには業務委託の費用が発生します。業務委託の費用については、削減できるコスト(物理的なコスト削減効果と、効率化や人的リソース活用によるコスト抑制効果)のすべてを足し合わせ、比較・検討することが重要です。
まとめ:BPOの利用可否はトータルコストで判断する
業務効率化の第一歩は、無駄な工程の洗い出しと整理です。そのうえで、工程を工夫することで解決できること、自動化すべきこと、外部の力を借りた方が効率的なことを見極めます。BPOの利用は一見コストがかさむように見えるかもしれませんが、物理的なコストと人的なコスト、長い目で見た場合に低減できるコストを考慮し、トータルコストで判断することが大切です。
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お客さまインタビュー
2022.06.07