インタビュー・会談

【お客さまインタビュー】毎週50万枚の統合帳票のPDFをカラーで保存。問い合わせ対応の効率も、組合員の納得度もアップしました

生活協同組合コープこうべ様は、大正時代に誕生した日本で最も歴史のある生活協同組合です。事業エリアは兵庫県全域に京都府と大阪府の一部を含み、現在の組合員は171万8,000人を超えています。そのうち宅配サービスを申し込んでいる組合員の数は約50万人。商品とともに届ける帳票も、毎週50万枚に上ります。この大量の帳票の印刷からセッティング、保存・管理に活躍しているのが、トッパンフォームズ(現 TOPPANエッジ)のDPS(データ・プリント・サービス)WebBureau(ウェブビューロー)です。

宅配事業全体の運用管理を担当されている宅配業務推進係長の小野真様に、WebBureauの導入の経緯や使い勝手などをお聞きしました。


生活協同組合コープこうべ
・組合員数:171万8,402人(2021年3月31日現在)
・職員数:9,452人(各職種合計・2021年3月31日現在)
・事業概要:宅配事業、店舗事業、電力事業、共済・サービス事業、生産事業、福祉事業、文化事業など

ゲスト

生活協同組合コープこうべ

宅配事業 宅配業務推進係長
小野 真 さん

WebBureauとは

帳票発行業務の時間短縮とコスト削減を実現する、帳票Web配信サービスです。
紙で運用する帳票印刷配送サービス(データ・プリント・サービス)と帳票Web配信サービスとを、ニーズに合わせて組み合わせてご利用いただけます。


多様化する組合員のニーズに応えるために、 複数の帳票を一本化したい

―DPS、WebBureauの導入以前に、帳票類について感じておられた課題を教えてください。

宅配事業では、帳票やカタログ、チラシなどをまとめてセットし、商品と一緒にお届けしているのですが、以前は、商品明細書である「お届け票」といろいろな連絡事項を記載した「お知らせ票」、「インターネット登録通知」などの複数の帳票がありました。

これをひとつにまとめたい、そして組合員さんのニーズに合わせて掲載する情報を出し分けたい、というのが当時持っていた課題です。

近年、高齢化が進む一方で、有職主婦が増加しており、組合員さんのニーズはますます多様化しています。そうした多様なニーズに対応しようといろいろなお知らせをお送りすると、「チラシが多すぎる」といったご意見をいただきます。また、インターネットで購入をしている方からは、「商品のカタログは配らないでほしい」といった要望もあります。

そうした要望に応えるために有効な手法は、複数の帳票をひとつにまとめ、できるだけシンプルに分かりやすくすること、そして相手に合わせて情報を出し分けることだと考えていました。

もうひとつ気になっていたのは、連携していたほかのシステムとの兼ね合いから、帳票の体裁を少し変更するにも時間がかかっていたことです。組合員さんの声にもっとスピーディーに柔軟に対応できるようにしたいという希望もありました。


導入のきっかけは、それまで使っていた印刷~セッティングのシステムのリプレイス

―帳票の印刷や管理システムの刷新は、何をきっかけに決断されたのですか?

もともとトッパンフォームズさんとは長いお付き合いがあり、カタログやチラシ、帳票などの印刷から、印刷物を組み合わせるセッティングまでをお願いしていました。その一連の作業を行っていたシステムが古くなり、リプレイスが必要になったことが、DPS、WebBureauの導入を検討する直接のきっかけになりました。

帳票を管理・保管する仕組みはそれまで別に持っていたのですが、印刷~セッティングのシステムをリプレイスするのであれば、この機会に前述のような課題を解決できないかと考えたわけです。そして、トッパンフォームズさんから、大量の帳票を出し分けられるDPSと、印刷データのPDFを保存して職員がWebで閲覧できる仕組み、つまりWebBureauの提案をしてもらいました。


従来の帳票の仕組みを熟知するトッパンフォームズだから、 上流から下流までの一貫したシステム開発を任せられた

―どんなポイントがDPS、WebBureauを選定する決め手となったのでしょうか?

新システム導入の検討をする際はコンペを行ったのですが、決め手となったのは帳票の一本化を具現化できるトッパンフォームズさんのシステム設計力でした。私たちのサービスや帳票の仕組みを熟知していたこと、上流から下流まで一貫したシステム開発ができるということも大きかったと思います。

新しいシステムの検討を始めたのが2016年。2019年から稼働を始め、しばらくは既存のシステムを動かしながら段階的に移行。最終的にすべてを切り替えたのは2020年の4月です。

統合帳票のバリアブル化が実現。人によって異なる空きスペースに対応したコンテンツを掲載

―どんなことに新システム導入の成果を感じておられますか?

DPSの導入によって実現できた大きな成果が、帳票のバリアブル化です。伝票やお知らせの情報量は一人ひとり異なるため、帳票の空きスペースは人によって異なります。そこで、そのスペースに応じて、コンテンツを切り替えられるようにしたのです。見開きページのお知らせ部分を4つのカセットに分けて、掲載する情報の内容や位置を変えて、複数のパターンを印刷し分けています。

表裏の伝票部分
見開きページ Aパターン
見開きページ Bパターン
見開きページ Cパターン


高齢者と子育て中のママとでは、求める商品が異なります。ゆくゆくはすべての組合員さんに同じ情報を届けるのではなく、相手の属性や嗜好に合わせて情報を出し分けられるようにしたいと考えています。


要望に応えて、カタログなしのセッティングも実現。 印刷費が劇的に削減できた

―印刷だけでなく、複雑なセッティングも可能になったそうですね。

はい。2020年の夏には、前述のカタログを希望しない組合員さんへのカタログなしセットのサービスもDPSによって実現しました。このサービスを利用しているのは、主にインターネットで購入される若い組合員さんです。

当初は6,000件からスタートして、1年ちょっとで2万3,000件まで数が増えました。全カタログの総ページ数は100ページ以上ありますので、これによって印刷代が劇的に減りました。同梱のチラシの一部も出し分けを始めており、組合員さんのニーズに合わせてバリアブルに情報を提供していくことの効果を実感しています。

ただ、情報の出し分けには大きな課題が想定されました。それは、統合帳票を見た方からの問い合わせが複雑になること。その課題を解決したのがWebBureauです。


統合帳票のPDFを見ながら問い合わせに即答できる。 業務の効率も組合員さんの納得度もアップしました

―WebBureau は実際にどのように活用されているのでしょうか?

現在、実際にWebBureauを閲覧しているのは、「くらしの情報センター」という組合員の問い合わせ窓口の担当者と、「協同購入センター」という配達を行う拠点の職員、そしてコープこうべ本部の宅配業務担当者です。

そのなかでWebBureauの導入の効果を最も感じているのは、「くらしの情報センター」のスタッフだといえるでしょう。

WebBureauでは、発行した帳票をカラーのPDFにして1カ月間保存しています。それまでの仕組みでは、問い合わせ窓口は個別のデータの内容は把握していても、個々の組合員さんがどんなレイアウトの帳票を見ているのかは分かりませんでした。

しかしWebBureauを導入したことによって、組合員さんが見ているものと同じ帳票イメージ(PDF)を見ながら、問い合わせに対応することができます。「ページの右上の赤い字のところ」と言われたときにすぐ通じるので、相手の気持ちに沿った対応が可能になりました。


見落とされることがあった「お知らせ票」の情報も一本化により、 その場で確認し合えるようになった

―改善を実感されたエピソードがあればお聞かせいただけますか?

改善された例のひとつが、限定商品の抽選販売の際の対応です。以前は、「抽選結果を待っていたのに連絡が来ない」というお叱りを受けることが時々ありました。当落の連絡は「お知らせ票」に記載して配布していたのですが、気がつかない方がいたのです。

「お届け票」は支払いにつながるので皆さんよく取っておかれるのですが、「お知らせ票」はあまり見ないで捨ててしまう方もいて。連絡しているとお伝えしても、納得いただけないこともありました。

複数の帳票を一本化したことで、こうしたお知らせを手元で見てもらいやすくなりました。こちらも現物のデータを見ながら組合員さんと話ができるようになったことで、窓口の者がお叱りを受ける場面が減りました


再発行の要望にも配送現場がスピーディーに応えられる。 満足度は100%です

―ほかの部署では、どう活用されていますか?また、WebBureauの満足度はいかがですか?

総合帳票をなくしてしまった組合員さんからの再発行の要請に対して、配達の拠点である「協同購入センター」がスピーディーに対応できるようになりました。「くらしの情報センター」から連絡を受けたら配送現場がすぐに再出力、次の便に載せてスピーディーにお届けできるのです。

「くらしの情報センター」では、多くの組合員さんと日々さまざまなコミュニケーションをしています。WebBureauを導入したことにより、いろいろな対応に必要な個別のデータを探す手間が減り、一人ひとりに対応する時間も短縮できています。

導入したことによって全体的な業務効率がアップし、組合員さんの納得度もアップしました。導入当初に求めていた要件はすべて満たしており、満足度は100%です。


マイナーチェンジが容易になったため、 より柔軟に帳票の見直しをしていきたい

―帳票が変わったことについて、組合員さんから何か反応がありましたか?

組合員さんからお褒めの言葉をいただくといったことは正直言ってありません。実は、切り替え当初は「以前の方が見やすかった」「色づかいが良くない」といったご意見が少しありましたが、これは時間とともになくなりました。

今もよく聞くのは「文字をもっと大きくしてほしい」という声です。これは、情報量との兼ね合いで仕方がない部分もあるのですが、できる範囲で要望に応えたいと考えています。DPSは以前の仕組みに比べて体裁やレイアウトなどのマイナーチェンジが容易なので、今後は柔軟に見直していきたいですね。


今後は広報の出し分けをもっと細かく行って、 組合員さんが本当に必要な情報を届けたい

―宅配業務推進として、今後、取り組んでいきたいテーマがあれば、お聞かせください。

今後のことで言えば、総合帳票を使って個人別に広報の出し分けをもっと細かく行っていく構想を持っています。

地域ごとのイベントや個人別のおすすめ商品を50万通りに出し分けて、一人ひとりの組合員さんにとって本当に必要な情報を届けたい。セットマシン的にはすでに可能なので、組合員さんをセグメントし、最適な情報を用意するためのデータ分析が現在の課題です。

個々の好みやニーズに合ったパーソナライズされたお知らせを細かく提供できれば…無駄をなくして効率を上げながら、組合員さんにもっと喜んでもらえるはずです。トッパンフォームズさんの力をお借りしながら、まずは出し分けのバリエーションを増やしていきたいと考えています。


組合員さんのニーズに応えるにはどうすればいいのかを、徹底的に追求されているコープこうべ様。大正時代に誕生してから今日まで、多くの人々に支持され、組合員数を増やしてきた理由は、そうした真摯(しんし)な姿勢にあるように思えました。

今回、TOPPANエッジが手掛けたのは、膨大な数の複雑な帳票を印刷し分けたうえで、印刷データを短時間でカラーPDFにして保存し、簡単にデータを閲覧・活用できる一連のシステムです。上流から下流までを一気通貫し、従来の業務を改善するシステム開発には、帳票印刷のエキスパート、TOPPANエッジならではの技術が存分に生かされました。

TOPPANエッジのWebBureauは、こうした紙の帳票を中心とした運用管理に加えて、ペーパーレスや電子化のニーズにも十分にお応えするサービスです。経理業務の見直しを検討される方は、ぜひお気軽にTOPPANエッジにご相談ください。


※ 所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※ 写真撮影時にマスクを外していただきました。
※ トッパン・フォームズ株式会社は2023年4月1日付でTOPPANエッジ株式会社に社名変更いたしました。


PDFダウンロード

本記事の内容を、PDFでダウンロードいただけます。


お客さまインタビュー

WebBureauに関するその他のお客さまインタビューです。


eBookダウンロード

帳票業務で下記に当てはまる方は、ぜひ資料をダウンロードください。

・帳票業務の負荷を感じており、軽減したい
・封入封緘ミスによるリスクを無くしたい
・請求書到着までの時間を短縮したい
・業務のアウトソーシングを検討している
・帳票の電子化(ペーパーレス)がなかなか進められない
・社内をどう説得したら電子化を進められるかわからない
・社外(取引先や得意先)に対してどうしたら電子化を理解してもらえる?
・電子化を進めるための手順がわからない


2022.03.28