CV率の高い入力フォームとは-必要な入力項目から作成のポイントを解説
顧客との接点として、今やWebサイトには欠かせない入力フォーム。Webからの資料請求や購入申し込みなどでは顧客情報を入力してもらうことが必須ですが、問題はその項目数です。少なすぎれば必要な情報が入手できず、多すぎれば顧客が途中で離脱してしまう可能性が高まります。顧客を途中で離脱させず、コンバージョン率(CV率、CVR)を高める入力フォーム作成のポイントとは、どのようなものなのでしょうか?
今回は入力フォームの概要から必要な項目、顧客を離脱させないポイントなどについて解説していきます。
入力フォームとは?
入力フォームとは、Web上から問い合わせや資料請求、会員登録などを受け付ける際に、顧客に自身の情報を入力し、送信してもらうためにWeb上に設置される入力欄の総称です。入力フォームは形式が決まっているわけではなく、問い合わせフォームや購入申し込みフォーム、会員登録フォーム、アンケートフォームなど、さまざまな種類があります。
入力する項目は入力フォームを設置する側が任意で決めることができ、資料請求や会員登録に必要な情報を入手するために必要な項目を含めて作成します。
入力フォームの項目に従って情報を入力すれば、顧客側はスムーズに手続きを進めることができ、情報を受け取る側も必要な情報を漏れなく確実に入手することができます。また、入力フォームに従って入力された情報はデジタル化され、集計しやすいので効率的に情報を利活用できるという利点もあるのです。
以前はこのような情報は紙でやりとりされることが主流で、必要事項を書き込んだ用紙を顧客自身が郵送するなどしていました。なかでも、特に郵送された申込用紙は、記入漏れや必要書類の同封忘れ、記入された文字が読めないなど、受け付ける側が意図しない事態が頻発し、そのたびに返送して顧客に書き直してもらうなど、非常に手間がかかるものでした。入力フォームであれば、記入漏れや必要書類のアップロードし忘れなどがあった場合には警告を出すことができ、効率的に必要事項の記入と申し込みを進めてもらうことができます。
入力フォームをWebサイトに設置する方法
入力フォームの設置方法は、以下のようにいくつかあります。自社の事情に合わせて選択しましょう。
自社でコーディングして作成:
自社でエンジニアがコーディングし、Webサイトに入力フォームを設置する方法です。カスタマイズ性に優れ、オリジナリティーの高い入力フォームが作成できますが、プログラミングの知識やWebサイト開発の知識が必要になります。また、自社で開発人材を用意する必要があり、開発コスト(人件費)と開発期間も必要になります。
Web制作会社に依頼する:
Webサイトの制作などを請け負っている外部企業に開発委託をする方法です。自社でコーディングする場合と同様に、カスタマイズ性が高くオリジナリティーのある入力フォームを設置できますが、外部委託する費用がかかります。
また、入力フォームの内容や項目を変更する必要に迫られた場合、リソースの問題からすぐに変更依頼に対応してもらえないといったケースも考えられます。
プラグインを使う:
自社のWebサイト構築にWordPressをはじめとする汎用(はんよう)のCMSを使っているのであれば、そのCMS用にあらかじめ用意されたプラグインを使う方法があります。プラグインには、個人が開発したものや企業が提供しているものなどさまざまなものがありますが、無料で使えることも多く、入力フォーム設置のコストを抑えることができます。
ただし汎用的に使えるよう開発されたものがほとんどなので、カスタマイズ性とオリジナリティーはさほど期待できません。また、プラグインを利用する場合であっても、設置と運用にはある程度のWebに関する知識が必要となります。
無料で提供されている入力フォームサイトを使う:
無料で提供されている入力フォームサイト(入力フォームサービス)を使う方法です。最初に簡単な設定をするだけですぐに入力フォームを使うことができますが、フォームに入力してもらう際には自社サイト外へアクセスしてもらうことになるので、セキュリティ面で顧客に不安を与える可能性があります。
個人情報や暗証番号などを入力してもらうような用途には使えないと考えましょう。また、無料であるが故に機能制限が多いというデメリットもあります。
市販の入力フォーム作成ツールを使う:
企業が販売している開発ツールを使って、入力フォームを作成・設置する方法です。入力フォームを作ることに特化したツールなので、迅速に構築することができ、フォームを使ったサービスもすぐに開始できます。また、ローコード開発やノーコード開発に対応した製品も販売されているので、特別な知識がなくても開発を進めることが可能です。
弊社が提供するWebフォームソリューション「FastEntry/ファストエントリー」であれば、Webフォームを早期に構築できるほか、顧客情報のプリセットや本人の確認機能(eKYC対応)など、さまざまな機能も実装しています。
また、入力フォームの構築・管理だけでなく、顧客管理機能も実装しているので、メール配信や顧客属性の管理も行えます。興味のある方はぜひこちらから、その魅力をご確認ください。
入力フォームに必要な項目
入力フォームに必要な項目には、どのようなものがあるのでしょうか?
例えば、初めて訪れたECサイトから商品やサービスを購入する場合には、購入する商品やサービス名(選択時に入力されていることも多い)、個数のほかに、購入者情報として、名前、カタカナ名、郵便番号、住所(都道府県、市町村、建物名などで分ける)、電話番号、メールアドレス(確認用も)、パスワード(確認用も)を必ず入力することになるでしょう。加えて、支払い情報としてクレジットカード情報(カード番号、カードの名義人名、カード有効期限、セキュリティコード)が必要です。
しかし、このほかに場合によっては性別、生年月日、職業、配送方法、メールマガジンの送付有無、ECサイトの使い勝手アンケートなどが必要なこともあります。
購入者情報と支払い情報は仕方ないとしても、それ以外の項目のように顧客が購入に必要だと思えないものが増えれば増えるほど、途中で面倒になり入力フォームから離れてしまう顧客の比率、いわゆる「離脱率」が高くなり、コンバージョン率(CV率、CVR)は下がっていきます。
また、2回、3回と同じサイトを訪れ、購入のたびにすべての情報を入れ直すとしたら、たとえそれが購入に必要な情報だったとしても顧客には面倒に感じられてしまうもの。顧客を入力途中で離脱させず、コンバージョン率(CV率、CVR)を確保するためには、顧客情報のプリセット機能や入力補助など、さまざまな工夫が必要になるのです。
入力フォーム作成のポイント
入力フォームから顧客が離脱してしまうことを防ぐ施策を、EFO(Entry Form Optimization)といいます。入力フォームを設置する目的によってEFOの内容は変わりますが、一般的には以下のような施策が必要となります。
入力完了までのステップを表示する:
入力完了までのステップを顧客が見やすい場所に表示し、完了までの入力を促す方法です。完了まであとどれくらいか、必要な作業量に対して完了している作業量の比率(%)や処理にかかる残り時間などをステップで表示します。
年代や属性によって回答についての受け止め方も異なるため、ターゲット層が回答しやすい形式で設計することも大切です。
必要最低限の入力項目に絞る:
顧客が入力や情報提供に納得できないような項目、自社のメリットのみを考えたような項目はフォームに加えないことが大切です。さまざまな情報を集めてマーケティングに生かしたいあまりに、ついつい項目を増やしてしまいがちですが、必要最低限の項目に絞りましょう。
顧客が理解しやすい項目を順に並べる:
顧客に納得感のある、また理解しやすい順番で項目を並べることも大切です。同じような入力内容が延々と繰り返されたり、途中でほかのページに飛んだりするような分かりにくい構成は避けるべきです。
プレースホルダーテキストは使わない:
入力欄に入力例を表示することを、プレースホルダーテキストといいます。入力内容を間違えさせないための機能なのですが、肝心の入力時には例が消えてしまい、顧客を迷わせるもとになりかねません。入力例を記載するのであれば、入力欄の上か横に表示し、消えないようにしましょう。
必須項目と任意項目を明示する:
マーケティングに必要な、自社にメリットのある情報が欲しい場合は、任意項目として入力フォームに追加しましょう。必須項目と任意項目は分かりやすいように表示し、任意項目は入力しなくても先に進めるようにします。
エラーを分かりやすく表示する:
入力内容にエラーがあった場合には、顧客に分かりやすいように(赤字や入力欄の反転など)表示して、再入力を促しましょう。また、顧客が内容の修正を行う際には、セキュリティ性の高い項目(パスワード、セキュリティコードなど)以外は、それまでの入力内容が保持されるようにすることが大切です。
まとめ:適切な入力フォームかどうかは、CV率と離脱率で 判断する
入力フォームは作成したら終わりではなく、コンバージョン率(CV率、CVR)や離脱率で適切かどうかを判断し、そして顧客が離脱するポイントを見ながら、PDCAサイクルを回すことが大切です。
また、定期的にEFOを実施していくのであれば、入力フォームに関するノウハウを持った実績ある企業と協業するのもおすすめです。一度離れてしまった顧客を呼び戻すのは、簡単にできることではありません。入力フォームは、商品やサービスを購入したい顧客を取り込む重要なプロセスなのです。
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2023.06.06