アンケートの作り方のポイント~手順や回答率を上げるコツを紹介
顧客の気持ちを知ることは、営業・販促にとってとても重要です。アンケートで有効な情報を得られれば、事業に役立つデータとなります。しかし何も考えずに設問を作っても、アンケートが成功するとは限りません。失敗しないためには、何に注目すればよいのでしょうか。
今回はアンケートを作る際に参考となるポイントをまとめてご紹介します。
アンケートを作る手順
初めにアンケート作成の一般的な流れを解説します。
①目的の設定
アンケート実施で成果を得るためには、誰(ターゲット)に何を聞きたいのか、どのような情報を集めて何に役立てたいのかを明確にすることが重要です。調査の目的とその用途によって、アンケート設計の方向性が定まるため、初めに最終的な目的を明確化しておきます。
②実施期間・媒体の決定
アンケートを収集するスケジュール、告知方法、回収方法を決定します。
③質問の作成
アンケートの目的に基づいて、質問を作成します。先に質問の流れをおおまかに決めて、セクション、ジャンル分けをし、質問数を配分していきます。このとき求める情報に対して過不足がなく、かつ冗長にならないように簡潔に伝えることが大切です。質問数を絞り込む場合には、優先度から判断する必要があります。
④回答の種類を選択
回答の種類としては選択式の質問、記述式の質問、数値的な質問などがあります。また、単一回答、複数回答、評定尺度法、自由記述(それぞれについてはのちほど解説します)など、質問に対して適切な回答方法を選定する必要があります。
⑤アンケートのデザイン
アンケートは見やすく、読みやすく、回答しやすいレイアウト、デザインであることが重要です。アンケートについての説明文も合わせて考案し、回答者の協力を得られやすくなるように図ります。
⑥アンケートのテスト
アンケートをテストして、設問や回答方法に問題がないか確認します。内部的な第三者に依頼し、質問が適当であるか、答えにくい箇所がないかを精査することが大切です。テスト結果から、対象者にとっての回答状況を判断し、適宜修正を行います。
⑦アンケートの実施
アンケートの回答期限や回答方法などを明示し、アンケートを実施します。
⑧データの集計と分析
アンケートの回答を集計し、分析を行います。情報の確認とともに、調査目的に合わせた結果が得られているのかを評価します。
失敗しないアンケートの作り方
失敗しないアンケートにするために、留意すべき点をご紹介します。
調査の目的に合った回答形式を選定する:
アンケートの主な回答形式には以下のようなものがあります。
・単一回答形式:選択肢から一つだけ選ぶ方式。最も重要視する項目だけを知りたい場合に有効。
・複数回答形式:当てはまるものをすべて選ぶ方式。全体傾向をつかみたい場合に有効。
・評定尺度法:1~10、「『とてもよい』『よい』『どちらかといえばよい』……」などの段階を設定して該当する段階を選ぶ方式。程度、度合いを知りたい場合に有効。
・2項目選択形式:Yes/Noなど2項目から選ぶ方式。好き嫌いなどの明確な評価を知りたい場合に有効。
・順位回答形式:選択肢に対して順位づけをする方式。最も重要視する項目に加えて、優先順位に関する傾向を知りたい場合に有効。
・自由記述形式:自由記述を行う方式。個人的な意見、詳細な意向、具体的な内容を知りたい場合に有効。
上記の回答形式のなかから、得たい情報、設問に合わせた方法を選ぶことが大切です。また回答者側の視点に立ち、答えやすいかどうかも重視します。
ターゲットにマッチしたアンケート内容にする:
同内容のアンケートでも、ターゲットによって尋ね方や表現を変えていく必要があります。自分事としてとらえられる質問内容でなければ、正しく情報を引き出すことができません。
文体はどれくらい柔らかくするか。もしくは堅くするか、フレンドリーさをどれくらい押し出すか、単語の選択など、ターゲット層に合った言い回しや表現を考えます。
年代や属性によって回答についての受け止め方も異なるため、ターゲット層が回答しやすい形式で設計することも大切です。
回答者を戸惑わせる設問を避ける:
同じような内容が重なっている、回答したい答えがないなどの、回答者を戸惑わせる設問を極力排除します。例えば、選択肢となる項目が十分でないと自分に合った答えが見つけられません。また「●回以上」「毎回」の選択肢が併存するといったように表現が紛らわしいと、どちらを選んでよいのかわからないというケースもあります。
設問の設計者の目線だけではなく、先入観のない視点を取り入れながら確認することが求められます。
流れを整理する:
時系列、テーマ別など、回答者が混乱せずスムーズに答えられるよう質問を整理しておくことも大切です。過去の経験と現在の状況、今後の希望などが不規則に出現すると、回答者が違和感を持ち、正しい意見や感想を得るための障害となります。
またテーマごとに区切りをつけ、何についての質問かが直感的に理解できるように提示します。
アンケート成功の可否を見分けるポイント
アンケートの失敗は以下のような傾向から判断できます。
回答率が低い:
アンケートの回答率が低い場合、アンケートに不適切な点があることを示している可能性があります。具体的には質問内容が不適切である、十分な説明がなされていない、設問数が多すぎる、アンケート期間が短すぎるなど、アンケート実施の体制、内容に不備のあることが考えられます。
無効な回答が多い:
無効な回答の例としては、「わからない」という回答または空欄が多い場合や、回答対象となっていない質問にもかかわらず回答されている場合などが考えられます。ターゲットに対する設問の見直しが求められます。
回答が一様である:
回答者を問わずほぼ同じような回答となっている場合には、アンケートの質問が不適切であることも考えられます。質問が一様な回答を引き出すように設計されている、多くの人に当てはまる選択肢ばかりが記載されているなど、意図的ではなくてもアンケートの意義が失われる結果となりかねません。
質問の意図が伝わっていない:
取得したいデータと明らかに違う回答が散見される場合、質問内容が適切に表現されておらず、意図が伝わっていない可能性があります。質問に対して有効な答えが得られていないときには、回答者が理解しやすい表現であるかを見直します。
アンケートの目的が達成されない:
回答率や回答内容に問題がなくても、アンケートで得たデータの分析や発表の機会を用意できなかった場合、目的を達成できたとはいえません。アンケートを実施したあとのことも、検討しておく必要があります。
回答率を上げるコツ
アンケートの成否は、回答率に大きく影響されます。アンケートの回答率を上げるためのコツをご紹介します。
目的・主催者を明示する:
アンケートの目的・主催者情報を明示することで信頼性を高められ、アンケートに参加することへの意義を感じさせられます。
簡潔で明確なアンケートの作成:
回答率を上げるためには、アンケートの質問項目を簡潔かつ明確にし、回答者にとって分かりやすくすることが大切です。回答時間ができるだけかからない工夫をし、回答にかかる時間の目安も提示します。
回答しやすい工夫:
Yes/No式、選択式など、回答者が負担を覚えない方法を多く取り入れます。自由記述形式の場合には、回答例を示すとよいでしょう。
面白みのある内容:
回答者にとって、答えながら内容に興味が持てる質問がベストです。そのためには、アンケートの対象者となるターゲット層にマッチした内容とすることが大切です。
ベネフィットを与える:
アンケートへの協力に対してプレゼントや割引券などの特典を用意し、回答することでのお得感を付加することで回答率を向上させられます。
回答方法を多様化する:
Webフォームやメール、紙媒体など複数の回答方法を準備すると、回答者が状況に合わせて答えられます。
回答期限を設ける:
回答者に締め切りを明確に伝えておくことも大切です。回答期限は対象や時節に合わせたタイミングで、適切に設定します。
リマインドする:
アンケート期間終了前にリマインドする方法もあります。特にプレゼントなどのインセンティブを付けている場合には、見逃しによる回答機会損失を防止するために有効です。ただし通知の多さによって不快感を与えないよう、頻度を考慮することが大切です。
アンケートの作り方を吟味して実施効果を高めよう
アンケートは答える側からすれば、特に必要のない、面倒くさい行為であることがほとんどです。アンケートを実施する側は、こうした基本的な視点を意識しなければなりません。失敗しないアンケートにするためには、何よりも答えてもらえる設計にすることが大切です。加えて、内容的に目的を果たせる質問設計ができているのかを吟味します。アンケートの効果を高めるために、要点を押さえた作成を行っていきましょう。
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2023.06.06