コラム

コールセンターの呼量削減とは?
デジタルを活用した解決方法をご紹介

コールセンター業界において、常に切り離せない課題が呼量の削減です。
呼量が多いことでオペレーターの負担が増し、結果として応対品質の低下や顧客の不満を招くことがあります。そのため、呼量削減の方法を理解し適切に実行することは、コールセンターの運営効率を高めるだけでなく、顧客体験の向上にもつながります。
本コラムでは、呼量削減の概要からその必要性、効果的な方法を解説します。

さらに、コールセンターの支援業務で自治体・官公庁、金融業界、民間企業などの豊富な受注実績を持ち、多くの課題を解決してきたTOPPANエッジならではの、呼量削減を実現するデジタルソリューションをご紹介いたします。


呼量削減の概要

はじめに、呼量削減の概要について解説します。

呼量とは?

コールセンターでは、電話がつながってから切れるまでの1回の通話を「呼」といい、一定時間内にどれだけ回線を使用していたかを示す割合が「呼量(アーラン)」です。
例えば、1時間(3,600秒)の間に平均10回の通話がされ、その通話の平均時間が10分間(600秒)の場合、1時間の呼量は「0.167アーラン」となります。

呼損率とは?

呼損率は、顧客が電話をかけた際に回線の空きが無いために電話が接続されなかった割合です。
例えば、10回電話がかかってきた中で3回電話がつながらなかった場合の呼損率は0.3となります。
企業では、限られた数の電話回線を複数の電話機で共有しているため、ピーク時など特定の時間では通話が混み合い、発着信ができない電話機が発生することがあります。
このような状況が続くと、顧客がサービスに不満を抱く可能性があるため、呼損率はコールセンターにおいて重要な指標といえます。

呼量削減の必要性

呼量を削減することは、オペレーター側と顧客側の双方にとって重要です。呼量削減によってオペレーターの負担を軽減し、業務効率を向上することができます。また、顧客の待ち時間も短縮でき、顧客満足度の向上にもつながります。
呼量が多く、呼損率も高い場合、企業にとって以下のような損失の可能性があります。


呼量が多いことによる損失

顧客満足度の低下

呼量が多いと、顧客がコールセンターに電話をかけた際に待たされる時間が長くなるケースが増えます。長い待ち時間は、商品やサービスを購入したい顧客にとってストレスとなり、購入を検討していた商品を取り下げる要因にもなります。
また、特に解決を急ぐような問題を抱えている顧客には迅速な対応が求められますが、呼量が多いと応対が難しくなります。結果として、顧客は他社への乗り換えを考える可能性が高まり、企業にとって売り上げの減少やブランドイメージの低下といった影響が出ることがあります。

オペレーターの負荷増加

呼量が増加すると、オペレーターにかかる負荷も増します。オペレーターは次々とかかってくる電話に対応しなければなりません。このような状況はオペレーターのストレスを増大させ、モチベーションの低下や離職率の上昇を招く可能性があります。
また、過度な負荷はオペレーターのパフォーマンスを低下させ、ミスを誘発することもあります。これにより、顧客対応の質が低下し、さらなる顧客満足度の低下につながることがあります。

業務効率の低下

呼量が多い状況では、コールセンター全体の業務効率が低下することがあります。オペレーターが対応に追われることで、他の業務に割ける時間が減少し、結果として業務の遅延や品質の低下が生じる可能性があります。
また、呼量が多いと、管理者もオペレーターのサポートやトラブルシューティングに多くの時間を割く必要があり、戦略的な業務に集中できなくなることがあります。このような状況では、コールセンターの運営全体が非効率となり、コストの増加を招くことがあります。


呼量削減の方法

次に、呼量が多いことによる損失を防ぐための効果的な呼量削減の方法を解説していきます。

セルフサービスオプションの導入

セルフサービスオプションの導入は、顧客が自分で問題を解決できる手段を提供することで、オペレーターへの呼量を削減する方法です。具体的な例として、FAQページの整備があります。
近年では、顧客の電話利用意向が減少傾向にあり、デジタル接点での解決を望んでいる割合が増えています。そのようなニーズにFAQページは効果的で、ウェブサイトに詳細かつ分かりやすい情報を掲載し、目的のページへ到達できるように誘導することで、顧客が問い合わせをせずに疑問を自己解決することができます。

顧客からの電話に対して自動音声で情報を提供したり、適切な部署・窓口へ顧客をスムーズに案内することなどを可能にするIVR(自動音声応答システム)や、ウェブサイトやSNS上に設置し、よくある質問などに即座に答えることができるチャットボットもセルフサービスオプションのひとつです。

問い合わせ発生の未然防止策

問い合わせの発生を未然に防ぐことも呼量削減に有効で、「事前通知」はその一例です。例えば、サービスの変更やメンテナンス情報を顧客に事前にメールやSMSで通知することで、問い合わせの発生を抑えることができます。
また、製品やサービスの使用方法に関する詳細なガイドやチュートリアル動画を提供することで、顧客が自分で問題を解決できるようにサポートするといった方法も効果的です。

マルチチャネル対応

マルチチャネル対応は、顧客が電話以外の方法で問い合わせできるようにすることで、呼量を削減する方法です。メールやチャット、SNSなどのチャネルを活用することで、顧客にとって最も便利な方法で問い合わせを行うことができます。特にSNSを活用したサポートは、リアルタイムでのコミュニケーションが可能で、迅速かつ効率的な対応が可能になります。


TOPPANエッジが提供する呼量削減ソリューションのご紹介

TOPPANエッジでは、呼量削減を実現するためのソリューションを提供しています。以下にて二つのサービス、Helpfeel とEngagePlus®について詳しくご紹介します。

Helpfeel

Helpfeelは、「意図予測検索」機能を搭載したFAQソリューションです。ユーザーの検索意図を予測し、関連する質問を表示することで、疑問解決に最適なFAQページへ迅速に誘導します。
この機能により、ユーザーは自分の疑問を解決するために必要な情報を素早く見つけることができ、コールセンターへの問い合わせを減少させることができます。
結果として、呼量削減に直接的な効果をもたらし、オペレーターの負担軽減にも寄与します。

EngagePlus®

EngagePlus®は、携帯電話番号を通じてSMSや「+メッセージ」など、お客さまの希望に合わせた方法で通知が可能なメッセージ配信サービスです。
例えば、コールセンターからお客さまに電話してもなかなかつながらない、ようやくつながっても呼量が多い、といった課題に有効で、電話対応や呼量を削減しつつ、気づいてもらいやすい通知方法でお知らせできます。
また、EngagePlus®には、運用までお任せできる「受託配信型」に加え、自社運用が可能な「貴社配信型」プランも用意しております。


まとめ

呼量削減は、コールセンターの効率化と顧客満足度の向上に直結する重要な施策です。過剰な呼量は、業務における様々な損失を引き起こすため、適切な対策を講じて改善が必要です。セルフサービスオプションの導入やマルチチャネル対応など、自社に適した方法を駆使して呼量の削減を目指しましょう。

最後にご紹介したTOPPANエッジの「Helpfeel」「EngagePlus®」は、呼量削減に効果的なソリューションです。詳細は、ぜひサービスページをご覧ください。

2024.12.02