コラム

【石目調の壁】メリット・デメリットと失敗しないための材料選びポイント、壁紙との違い

シンプルモダンなインテリアデザインに高級感をプラスできる「石目調の壁」がトレンドです。しかし、設計プランによって適切な仕上げ材は異なります。

そこで今回は「石目調の壁」について、特徴から材料ごとのメリット・デメリット、材料選定のポイントまで詳しく解説します。1900年創業のTOPPANが提案するおすすめの内外装材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


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<目次>

■ シンプルモダンから装飾的なデザインまで相性のいい「石目調の壁」
■ 石目調の壁|材料の種類とそれぞれのメリット・デメリット
■ 石目調の壁|材料選定のポイント
■ 石目調の壁|おしゃれな施工事例
■ 耐久性・デザイン性・環境配慮性に優れた“TOPPAN”の内外装材
■ まとめ


■ シンプルモダンから装飾的なデザインまで相性のいい「石目調の壁」

石目調は、シンプルモダンから装飾的なデザインまで様々なプランに採用されています。ポイントは選ぶ石目の種類や色調によって印象が変わる点です。

【大理石】

白い色合いにグレーと独特な縞模様が特徴的で、マーブル柄と呼ばれる場合もあります。

【砂岩(サンドストーン)】

ベージュ系やグレー系のベースと全体的な波模様、繊細なきめの細かい砂粒が特徴です。

【御影(みかげ)石】

ホワイト・グレー・ブラックの細かい粒が全体的に散りばめられた柄が特徴で、白御影石や黒御影石が代表的です。

【大谷(おおや)石】

落ち着いた色合いと斑点柄が特徴で、産地によって様々な色調があります。

【笏谷(しゃくだに)石】

青色を帯びた特徴的な淡い色が特徴です。

これらを含む天然石を仕上げ材としてカット加工したものに加えて、印刷技術により色柄を精巧に模した内外装もあります。石目調の壁をデザインに取り入れる際は、仕上げ材それぞれのメリットとデメリットを把握しましょう。

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■ 石目調の壁|材料の種類とそれぞれのメリット・デメリット

石目調の壁に用いられる仕上げ材には種類がありそれぞれ特徴が異なるため、材料選定の際には注意が必要です。

天然石タイル

天然石タイルとは、天然石を薄くカットして成形した仕上げ材です。

メリット

  • ・天然石そのものなので、質感がリアル
  • ・ナチュラルな色合いや凹凸感がある
  • ・硬度の高いものは衝撃に強く傷がつきにくい
  • ・耐火性や耐熱性が高い
  • ・内装・準外装・外装に使用できる

デメリット

  • ・材料コストが高い
  • ・色ムラがある
  • ・天然素材なので、同じ色合いや柄の材料を大量入手できない可能性がある
  • ・材料が重く、運搬・施工効率が悪い
  • ・強度を保つために、他の材料より分厚くなる(施工できる納まりが限られる)
  • ・割れるリスクがあるため、細かい加工が難しい
  • ・硬度が低く、脆い石もある(欠け・ヒビ・割れの可能性がある)
  • ・石の種類によっては水分を吸収し、シミがつく
  • ・石の種類によっては火や熱に弱く変質する
  • ・キズやカケは基本的に補修できない(貼り替えが必要)

塩ビ系タイル

ポリ塩化ビニルを主原料とした仕上げ材で、Pタイルと呼ばれる場合もあります。耐久性が高くキズや汚れに強いため、床材としても採用される仕上げ材です。

メリット

  • ・材料コストがリーズナブル
  • ・一日に施工できる面積が広い
  • ・色合いや柄の同じ材料を大量入手しやすい
  • ・部分張り替えしやすい
  • ・厚さは2〜3mmと薄いため、様々な納まりに対応できる
  • ・耐キズ・耐汚性が高い
  • ・水拭きできる
  • ・石目調以外のカラーレパートリーも豊富

デメリット

  • ・質感は平坦で硬い
  • ・光沢が人工的
  • ・サイズ展開が少ない(450角や150×900mmなどが主流で大判パネルはない)
  • ・内装・準外装用のみ

ビニールクロス(壁紙)

主に住宅の壁仕上げ材として用いられるビニールクロスにも石目調の柄はあります。

メリット

  • ・材料コストがリーズナブル
  • ・一日に施工できる面積が広い
  • ・曲面や複雑な箇所にも施工できる
  • ・色合いや柄の同じ材料を大量入手しやすい
  • ・厚さは0.15〜0.25mmと薄いため、様々な納まりに対応できる
  • ・石目調以外のカラーレパートリーも豊富
  • ・軽量で建物への荷重負荷が少ない

デメリット

  • ・リアリティはない
  • ・下地の凹凸が出る(綺麗に仕上げるためには下地処理が必要)
  • ・一定の長さで同じ模様がリピートされる
  • ・クロスの継ぎ目が目立ちやすい
  • ・経年劣化で端から剥がれやすい
  • ・紫外線にあたると褪色する
  • ・部分張りした部分が目立ちやすい
  • ・耐用年数が短い
  • ・キズがつきやすい
  • ・内装用のみ

シート材

粘着剤付きの化粧フィルムを壁の仕上げ材として使う場合もあります。

メリット

  • ・一日に施工できる面積が広い
  • ・曲面や複雑な箇所にも施工できる
  • ・耐キズ・耐汚性・防水性・耐候性が高い
  • ・色合いや柄の同じ材料を大量入手しやすい
  • ・厚さは0.2mmと薄いため、様々な納まりに対応できる
  • ・石目調以外のカラーレパートリーも豊富
  • ・既存壁の上に上貼りできる
  • ・軽量で建物への荷重負荷が少ない
  • ・内装・準外装・外装に使用できる

デメリット

  • ・下地の凹凸が出る(綺麗に仕上げるためには下地処理が必要)
  • ・一定の長さで同じ模様がリピートされる
  • ・経年劣化で端から剥がれる可能性がある
  • ・紫外線にあたると褪色する
  • ・部分張りした部分が目立ちやすい

メラミン化粧板

メラミン樹脂などの合成樹脂を染み込ませた紙を積層して高温高圧でプレスして作るパネル材で、壁の仕上げ材以外に家具の面材やキッチンなどの扉材にも使われます。

メリット

  • ・耐火性・耐熱性が高いため、キッチンや給湯室などの壁仕上げ材に採用できる
  • ・大判のパネルもあるため、一日に施工できる面積が大きい
  • ・色合いや柄の同じ材料を大量入手しやすい
  • ・耐キズ・耐汚性が高い
  • ・水拭きできる

デメリット

  • ・質感は平坦で硬い
  • ・光沢が人工的
  • ・角は衝撃に弱く欠けやすい
  • ・パネルの継ぎ目にコーキングやジョイント材が必要で目立つ
  • ・紫外線にあたると褪色する
  • ・部分張り替えしにくい
  • ・内装・準外装のみ

オレフィン化粧板

オレフィン化粧板は、オレフィン系フィルムに色柄を印刷したものを表面材とし、基材となる合板やパーティクルボード、MDFなどの上に圧着した化粧パネル材です。

メリット

  • ・大判のパネルもあるため、一日に施工できる面積が大きい
  • ・色合いや柄の同じ材料を大量入手しやすい
  • ・耐キズ・耐汚性が高い
  • ・水拭きできる
  • ・内装・準外装用に加えて外装用(アルミパネル)もある
  • ・燃焼しても水と二酸化炭素に分解されて有毒ガスを出さない上に、製造過程のCO2排出量が少ない(環境に配慮した素材)

デメリット

  • ・質感は硬い
  • ・耐火性はない
  • ・紫外線にあたると褪色する

【ポイント】
TOPPANは1900年創業以来培った印刷技術を用いて、環境配慮型のオレフィン化粧板や耐候性の高い外装材、壁面用シート材を製造しています。

■ 石目調の壁|材料選定のポイント

石目調の壁を設計プランに採用する際には、押さえていただきたい材料選定のポイントがあります。

デザイン性・質感

天然石はナチュラルな色合いがメリットですが、施工面・コスト面において採用が難しいケースも珍しくありません。天然石の風合いをデザインへ取り入れたい場合は、天然石以外の材料でもよりリアリティの高い材料を選びましょう。材料のデザイン性や質感は、空間の高級感や重厚感を左右します。

施工性・品質安定性

広い壁面を石目調にしたい場合は、施工性や品質安定性が工期やコストに影響します。材料ごとに品質が異なる可能性のある天然石には注意しましょう。

また、半屋外や屋外で施工する場合、モルタル系接着剤を使用する湿式工法を用いる材料は、天候の影響を受けるため注意が必要です。

重量

天然石は材料の重量が大きく、運搬・施工の効率が悪くなる可能性は否めません。

また、広い面積に施工する場合は建物への荷重も気になります。重量を抑えたい場合は、薄くて現場加工も容易なシート材がおすすめです。

耐久性・耐候性

不特定多数が使用する公共的な建物や、紫外線・風雨にさらされる外装を石目調の壁にする場合は、材料の耐久性・耐候性が特に重要です。キズや汚れがつきにくく、経年によって各層の密着力低下や褪色・変色が起こりにくい材料を選びましょう。

天然石は他の材料と比べて耐久性・耐候性が高いと思われがちですが、石の種類によっては変色したり表面から風化して崩れたりするものもあるため注意が必要です。

防火規定に対応できる不燃性

建築基準法では、特定建築物の天井・壁に対して防火材料の使用を義務付ける内装制限や、大規模建築物を中心に火災による延焼を防ぐために外壁の仕様を制限する決まりが設けられています。

天然石は建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」において、不燃材料として認定されていますが、それ以外の石目を模倣した材料は含まれません。そのため、防火規定の対象となる範囲を天然石以外で石目調にしたい場合は、必ず材料ごとに国土交通大臣による個別認定を受けている製品か確認しましょう。

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環境配慮性

石目調の壁に使用する材料を選ぶ際は、デザインや性能に加えて「環境に優しい」かも確認しましょう。

近年、建物にも環境配慮性や持続可能性が求められ、これらをメインコンセプトに掲げる事例は少なくありません。エコフレンドリーな材料を採用することによって、建物の存在価値や企業・プロジェクトの評価向上につながります。

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【ポイント】
TOPPANは「環境・街・人」の持続可能性を高めるために、お客さまのパートナーとして課題解決に取り組みながらSDGs実現に向けて積極的に取り組んでいます。

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■ 石目調の壁|おしゃれな施工事例

1900年創業のTOPPANが自信を持って皆様に提供する高品質な内装建材は、様々な用途の建物へ採用されています。その中からおしゃれな石目調の壁の事例を紹介します。

木目調と石目調を組み合わせたデザイン

石目調と木目調を組み合わせたデザインがトレンドです。どちらもナチュラルな風合いが魅力で、組み合わせる石目・木目の色合いによって異なる空間を演出できます。

こちらの事例は石目の壁に板張りやルーバーを取り入れ、シンプルモダンな中にも個性が際立つデザインに仕上げました。

天然石と無垢材では防火規定をクリアする材料が限られ、設計面・施工面においてもハードルが高いですが、TOPPANの不燃認定取得済みの内外装材でしたら、リアリティのある石目調・木目調を実現できます。

シート貼りの外壁で建物負荷を軽減

こちらは、マンションの外壁に石目調を採用した事例です。まるで天然石のような仕上がりですが、こちらは様々な下地の上に施工できる壁面シート材「クラスアートストーン」を使用しています。

クラスアートストーンは既存の外壁に上貼りすることもできるため、建物の外装を一新したい場合にもおすすめです。

ダークな石目でシック&高級感のある空間に

こちらはダークな石目調の壁を採用し、シックで高級感のある空間に仕上げた事例です。サインボードの仕上げには同じく落ち着いた印象のダークブラウンを採用し、調和したデザインにまとめました。

石目調と一口に言っても、選ぶ色調や材料のサイズ(目地の間隔)によって印象は大きく変わりますので、色々な組み合わせをシミュレーションしてみましょう。

■ 耐久性・デザイン性・環境配慮性に優れた“TOPPAN”の内外装材

TOPPAN(トッパン)は1900年の創業以来、デザイン性・耐久性・環境配慮性を追求した建築材料を手掛けています。ホテルの内装にもご採用いただける製品を取り揃えておりますので、ぜひ採用をご検討ください。

環境に優しい不燃意匠材「フォルティナ」

FORTINA(フォルティナ)は、環境負荷の少ないオレフィンシートとアルミニウムを組み合わせた不燃認定を取得済みの内外装仕上げ材です。ルーバー・フラットパネル・リブパネルなど多彩な形状を取り揃え、カラーラインナップは石目調に加えて、木目調やメタル調など最新トレンドを抑えた色柄をご用意しています。

内装・準外装・外装(F)仕様用に加えて、耐候性を高めて紫外線による経年劣化を抑えた外装R仕様もございますので、室内と屋外で繋がりのあるデザインにしたい方にもおすすめのプロダクトです。

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抗ウイルス・抗菌機能付き不燃化粧パネル「ローバル」

LOVAL(ローバル)は、環境に優しいオレフィンシートに抗ウイルス・抗菌機能をプラスした内装用不燃化粧パネルです。40種類を超える豊富なカラーバリエーションと、長方形・矢羽形・五角形などの異形貼りに対応できるパネルラインナップにより、多彩なデザインを実現できます。

天井や壁の仕上げに加えて建具・家具の面材にご採用いただけるタイプもございますので、統一感のある内装デザインにおすすめです。

天然石の質感を忠実に再現した壁面用シート材「クラスアートストーン」

Class Art Stone(クラスアートストーン)は、TOPPANの高い印刷技術によって天然石の色調や質感をリアルに再現した不燃認定取得済みの壁面用シート材です。内装仕様・外装仕様をお選びいただけます。シート状なので曲面や複雑な形状の壁面にも施工でき、下地も選びません。

また、軽量で薄いため、既存建物の内外壁への上貼りにもおすすめです。上貼り工法は解体撤去工事が不要で産業廃棄物が出ないため、環境にやさしい工法としても注目されています。

【ポイント】
TOPPANは創業以来培った印刷技術を活かし、デザインやサイズのレパートリーが豊富な高品質建材を数多く製造しています。

内装材に加えて、耐候性に優れた外装材も取り揃えておりますので、建築デザインの材料選定でお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。

■ まとめ

石目調の壁は高級感や重厚感が魅力ですが、仕上げ材によってメリットとデメリットは異なります。デザイン・予算・工期・納まりに応じて、適切な材料を選定することが重要です。

TOPPANでは、施工性・デザイン性の高い環境配慮型内外装用建材を開発・製造しております。「人に長く愛される建物」や「環境にやさしい建築」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2025.09.09

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